著者
岡崎 修三 山崎 英一 田村 一利 星谷 達 穴吹 一広 田中 英嗣 田中 剛太郎
出版者
日本毒性学会
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.91-122, 1992-11-30
被引用文献数
1 1

合成糖質コルチコイド製剤, PNFゲルの0.125, 0.5および2.0mg/kg/dayをCrj: CD(SD)系雌雄ラットに52週間経皮投与し, 反復投与毒性を検討するとともに, 8週間休薬による回復性について検討した。1. PNFゲル2.0mg/kg投与群では, 投与部皮膚の非薄化, 体重増加抑制傾向, 白血球数の減少, GOTおよびGPT活性の上昇, 遊離脂肪酸の増加, α_1-グロブリン分画比率の低下, 胸腺, 脾臓および副腎重量の減少と肉眼的な投与部皮膚の非薄化がみられた。病理組織学的には, 胸腺の萎縮, 副腎束状帯の萎縮, 投与部での皮膚付属器の萎縮を伴う皮膚の非薄化と肝臓小葉周辺帯で核肥大を伴う肝細胞の肥大がみられた。2. PNFゲル0.5mg/kg投与群では, 投与部皮膚の非薄化と, α_1-グロブリン分画比率の低下がみられた。また, 組織学的には投与部位で皮膚付属器の萎縮を伴う皮膚の非薄化がみられた。3. PNFゲルの0.125mg/kg投与群では被験物質投与に起因する変化はみられなかった。4. 8週間の休薬により, 投与部皮膚における変化が2.0mg/kg投与群にみられたが, 投与終了時と比較して軽減化を示し, その他の変化は消失しておたことからいずれも可逆性の変化と判断された。 5. 以上の結果から, 本試験におけるPNFゲルの確実中毒量は0.5mg/kg/dayであり, 無影響量は0.125mg/kg/dayと判断された。
著者
降旗 芳彦 西角井 正大 田中 英機 降旗 芳彦
出版者
実践女子大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

研究課題名の「木造芝居小屋の歌舞伎の科白・衣裳等に及ぼした影響の研究」は平たく言えば、「江戸時代様式の芝居小屋の舞台・客席における視聴覚レベルの研究」ということである。建築物としては一本目通りの横梁木の長さに制約され、屋根に覆われた内装も木製である。全蓋屋根は外光を遮り終日小屋内を日影の状態に置き、木製内装は音響的効果を期し難い。場内の明かりは明かり窓から入れた。客席の左右高みに並んで設けたのは採光的に合理的だっただけでなく換気にも有効だったが、場内明かりは季節・時刻・天候による光状況に左右された。季節は日本の緯度に最も影響され、地勢状況から季節による気温湿度も変動も大きかった。今日までの歌舞伎学の史的研究では上記のような視点が議論されることが殆どと云ってよいほどなかった。即ち舞台や客席の明かり状況やその変化はどのようであったか、蝋燭照明はどの程度の効用だあったのか、台詞は場内にどのていど聞こえたか等である。遠山静雄著「舞台照明学」を別としてこれと云った古い文献にも研究書も乏しく、進歩したIT技術を援用して調査し研究した。次の5テーマに絞り成果を得た。1 照度と場内:概ね100〜10ルクス。舞台より客席の方が明るい。役者から客が良く見える。2 照度と衣裳:生地9種、各12色で実験。差はあるが、100ルックス以下では黒ずみ、原色が見えない。3 音響と台詞:場内空間が今日の小劇場程度で聴覚上問題はない。プロ70db程度。狂言出自を思わせる術。4 演技:旧来未解決の荒事「見得」に絞り、モーションキャプチャーにより「不動明王の種字」説を提言。5 回舞台:上三河農村舞台(兵庫)調査により面自く見せるための機構と力学を解明。欧州と中国の古劇場を調査し場内照明や舞台機構あるいは演出等比較して旧来説を脱した。
著者
田中 英朗
出版者
全国社会科教育学会
雑誌
社会科研究 (ISSN:0289856X)
巻号頁・発行日
no.35, pp.11-23, 1987-03-15
著者
田中 英明 黒川 不二雄 松尾 博文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.286, pp.35-40, 2004-09-03
参考文献数
7
被引用文献数
2

本論文では,移動平均によるディジタルローパスフィルタで構成されたディジタル制御回路をDC-DCコンバータに適用した場合の出力電圧安定化特性について検討する。まず,ディジタルローパスフィルタのゲイン,サンプル数およびA-D変換器のビット数等のディジタル制御回路のパラメータが出力電圧安定化特性へ与える影響について検討する。次に,それらのパラメータと量子化に伴って出力に発生する振動現象との関連についても議論する。
著者
谷口 郁雄 田中 英和
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

聴覚中枢損傷後の機能的な回復に関する基礎的な情報を得ることを目的として、脳の中でも再生した神経線維が再びシナップスを形成するかどうか、もしシナップスが再形成された場合には、その機能的性質は正常なシナップスと比べてどのような違いがあるのかという点について、マウスの下丘交連を矢状断し、その後の神経線維の再生の現象を利用して形態学的および生理学的な方法により検討した。その結果、次のことが明らかとなった。(1)金属およびガラス電極を用いた微小電極法による実験から、切断された交連線維は再生し、タ-ゲットである下丘で再びシナップスを形成することが確認され、再形成されたシナップスの機能的性質については、音刺激に対する応答を抑制するものが主で、加算的なものも少数認められた。(2)抑制性シナップスが認められることは再生した交連線維が下丘に対して抑制性の介在ニュ-ロンにも結合することを示している。(3)再形成されたシナップスは正常群と比べると下丘の比較的表層に分布する。(4)再生した下丘交連の神経細胞をペロキシダ-ゼでラベルすると、正常群に比べて軸索の走行はかなり乱れていた。(5)以上の結果は下丘において再形成されたニュ-ロン・ネットワ-クが多様であることを示唆する。シナップスの機能に関しては正常群と比べて大きな違いは統計学的にはないと思われるが、再生した軸索は走行が乱れるので、下丘のシステムとしての機能には微妙な変化が起こっていると考えられる。
著者
田中 英輝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.69, pp.89-94, 1995-07-20
被引用文献数
4

自然言語処理に利用するための規則をコーパスから学習する研究が最近盛んになっている.これらの研究では,得られた規則の適用範囲をいかに一般化するかが大きな課題となる.なぜなら,コーパスから直接学習される規則はそのままでは適用範囲が極端に狭いからである.現在はこの問題を解決するためにシソーラスを利用した手法が試みられている.このとき,シソーラス上のどの概念で規則を一般化するかが問題となる.しかしシソーラス上のノードの選び方は,組合せ的に爆発を起こすためその決定は容易ではない.本稿では,この問題を線形時間で解く基本的なアルゴリズムを提案する.本稿の問題は一般的に言うと帰納学習の分野で問題とされていた「構造化属性」の問題に属する.さらに,決定木の最適部分木を求める問題とも等しい.The proper treatment of structured attributes in inductive learning is getting much attention as this learning technique is now frequently applied to the knowledge extraction in natural language processing, In this context, the problem is finding a set of thesaurus nodes that maximally generalizes words in the learning source, but causes minimum errors. The number of candidate node sets, however, explodes as the thesaurus size increases, and no efficient algorithm has been discovered so far. In this paper, we propose the algorithm T^* which can find the optimal node sets in linear-time. This algorithm first converts the thesaurus into a directed acyclic graph changing this difficult problem into a shortest path problem with a graph where we can use an efficient algorithm. We then show that T^* can also be used to find the optimally pruned decision tree.
著者
田中 英人 丸山 一貴 寺田 実
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.18, pp.1-8, 2010-10-22

膨大な文書の管理を行なうにあたって,文書中の特徴的なキーワードを自動で抽出したものをタグとして付加することで文書整理の効率化を図る手法が考えられる.しかし,メモのような短い文書には含まれる単語数が少ないため,満足なキーワードが抽出されにくい.本研究では,文書中に存在しない語を Web から取得してキーワード候補に含めることで,短い文書に対するキーワードづけを実現し,より適切なタグ候補の提示を行なう手法を提案する.To manage a huge amount of documents, adding a keyword which is extracted from the document as a tag may be efficient. But a short document like a memo is hard to extract a keyword, because the number of words in the document is limited. In this paper, we realize the keyword extraction from short documents by using web information, and propose the method that shows more appropriate tag candidate.
著者
吉野 純 北 裕幸 田中 英一 長谷川 淳 久保 宏 世永 茂
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.124, no.5, pp.723-732, 2004-05-01
被引用文献数
7 2

Recently, a number of electric consumers have concerned about the reliability of electricity to be served. For example, some consumers need the electricity with a higher reliability by the automation of manufacturing processes. On the other hand, some consumers need the electricity of a cheaper price even if the reliability becomes a little worse. Under such circumstances, it is necessary that power suppliers evaluate the needs of every consumers precisely and propose the most desirable measures for meeting their requirements. This paper develops a tool to analyze the reliability for high-voltage supplied consumers quantitatively. Further, this paper presents a method for evaluating the outage cost of consumers to help them choose the most appropriate measures for maintaining the reliability. The proposed method applies the fuzzy reasoning approach. The validity of the proposed method is ascertained through some numerical simulations.
著者
木下 智義 坂井 修一 田中 英彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.1073-1081, 2000-04-25
被引用文献数
19

音響信号により外界の事象を理解する聴覚的情景分析に関して, 従来多くの研究がなされてきた.特に対象を音楽に絞った場合, 自動採譜等の実現を目指し, いくつかの研究例がある.その一つとして, 筆者らはこれまでに音楽音響信号を対象とした聴覚的情景分析の処理モデルOPTIMAを提案し, その実験システムを構築した.しかしながら, その認識精度は実用上十分とはいえず, その改善が課題となっている.本論文では, 従来の処理の問題点である周波数成分の重なりに対する脆弱性を改善するための新たな処理を提案する.本手法では, 周波数成分が重なったときの特徴に合わせて特徴量を分類し, それに応じて重なりのある周波数成分の特徴量を適応的に変化させ, 音源同定処理を行う.また, 各特徴量の音源同定の際の手掛りとしての重要度を計算し, 同定処理に導入した.評価実験の結果, 処理精度の向上が認識され, 提案する処理の有効性が明らかになった.
著者
橋本 正樹 藤澤 一樹 宮本 久仁男 金 美羅 辻 秀典 田中 英彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.71, pp.393-400, 2007-07-20
参考文献数
16
被引用文献数
1

分散システムは、単一システムと比較して経済性、速度、冗長性、拡張性、柔軟性といった面で優れているため、その実現に向けて従来より多くの研究が行われてきた。しかしながら、それらの諸研究における実装の多くはミドルウェアやアプリケーションのような上位層で実現されているために権限管理の粒度が粗くなり、システム全体に対する適切な安全性確保を困難にしている。このため本研究では、ディペンダブルな分散システムの構築を目的としたシステムソフトウェアによる細粒度の権限管理方式を検討する。また、その実装としてCapabilityを利用した手法について検討する。This paper describes the use of operating system for the realization of distributed secure computing infrastructure. In particular, it describes a few resource management schemes for distributed environment, addressing the fine-grained protection and the principle of least privilege. These are compared each other in terms of the features they offer in the context of secure computing: Reference monitor concept, secure channel, authorization and naming. Finally, we suggest a prototype of our system and the future plan.
著者
芦田 明 村田 卓士 田中 英高 玉井 浩
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.443-448, 1998-08-01

大阪府堺市で発生した病原性大腸菌O157 : H7集団食中毒では, 続発して100名を超える患者が溶血性尿毒症症候群に罹患した.当科に搬送された患者の両親に対しアンケート調査を, 看護婦に対し聞き取り調査を実施し, 入院中の治療環境に対する認知を検討した.その結果, (1)病院転送時に, 患者側に病院を選択する余裕はなく, 家族は自宅より病院まで遠くても仕方がないと考えていた.(2)同一疾患患者を一大部屋に収容したことは, 患者間および保護者間ともに連帯感が生じ, 心理的サポートが得られた.(3)他疾患で入院している患者および家族からの感染に対する不安は少なく, 適切な感染防止処置がとられていれば, 一般病棟内で治療を行っても, 大きな混乱には陥らないことが明らかとなった.
著者
大久保 隆夫 田中 英彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.241-246, 2009-02-26
被引用文献数
4

セキュアなアプリケーション開発のためには,開発の最上流からセキュリティを考慮した開発が必要になるが,セキュリティ知識不足やセキュリティ分析,設計作業が重いことなどが原因で,適切に行われず,脆弱性を生む一因となっている.筆者らは,最小限のセキュリティ知識でも効率的なセキュアな開発を可能にする手法として,アスペクト指向の概念に基づいた開発手法を研究している.本稿では,要求分析および設計段階において,ミスユースケースを拡張した記法を用いてセキュリティ要求が,設計時にセキュリティを挿入する箇所をパターン化したセキュリティ設計がそれぞれパターン化可能であり,それらによってセキュリティ作業の省力化,再利用が実現できることを示す.Security consideration in early development stages is important for secure application software development. However, lack of security knowledge and heavy security tasks make it difficult that is one of the reasons of software vulnerabilities. In this paper, we propose two kinds of security pattern: secuirty requirement patterns and security design patterns. We present that these pattern make security design laborsaving and reusable.
著者
井手 一郎 山本 晃司 浜田 玲子 田中 英彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1543-1551, 1999-10-25
参考文献数
24
被引用文献数
42

増大する量への対応及び利用価値の点から,ニュース映像への自動的索引付けの実現が期待されている.これを受けて様々な手法が提案され,なかでも映像に付随する言語情報を利用したものが活発に研究され,既に実用化の域に達しているものも存在する.しかし,それらの多くは言語情報主導であり,映像データベースにとって重要であるはずの,索引 (キーワード) と画像内容の一致を考慮したものは少ない.そこで本論文では,このような問題点を踏まえ,画像的に類似した映像は類似した内容を含む,というニュース映像特有の性質を利用し,画像的に典型的な映像に対し,内容を反映した語義をもつ字幕を選択的に付与する自動的索引付け手法を提案し,その有効性を評価する.提案手法を実際のニュース映像に適用したところ,いずれかの典型的映像に分類されたもののうち,全体の25∼93%,必要な情報が字幕に存在して索引付け可能であったもののうちの75∼100%に対して索引付けに成功し,一定の有効性を示した.