著者
白井 達也 金子 真 辻 敏夫
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.567-576, 1999-05-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
29
被引用文献数
2

This paper discusses the scale-dependent grasp. Suppose that an object is initially placed on a table without touching by human hand and, then he (or she) finally achieves an enveloping grasp after an appropriate approach phase. Under such initial and final conditions, human unconsciously changes the grasp strategy according to the size of object, even though they have similar geometry. We call the grasp planning the scale-dependent grasp. Focusing on column objects, we first classified the grasp patterns into a couple of grasps and extracted the essential motions so that we can apply the scale-dependent grasp to multi-fingered robot hands. We found that the grasp patterns should be also changed according to the surface friction and the geometry of cross section of object in addition to the scale. The basic strategies were verified by experiments. Finally, we considered how each strategy should be switched from one to another.
著者
加藤 和彦 白井 清昭 戸田 巖 和田 隆夫 星野 力 加藤 和彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.726-733, 2001-07-15

ITの花咲き乱れる昨今ではあるが,ITを支える基盤ソフトウェアの分野は閉塞感に覆われているのではないだろうか.立ち止まって考えてみよう.足下を見つめてみよう.そして,新たな地平を切り開く可能性を論じよう.
著者
吉田 省造 岡田 英志 土井 智章 中島 靖浩 鈴木 浩大 田中 卓 福田 哲也 北川 雄一郎 安田 立 水野 洋佑 宮﨑 渚 森下 健太郎 牛越 博昭 竹村 元三 白井 邦博 豊田 泉 小倉 真治
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.129-135, 2015

症例は50歳代の男性, キノコ狩りに行きキノコを焼いて食べた翌日に下痢・嘔吐などの消化器症状を自覚し近医を受診. 血液検査にて肝逸脱酵素上昇を認め入院となった. 翌日の採血で肝逸脱酵素の著明な上昇 (AST 5,000台, ALT 5,000台) を認め, 当院に搬送となった. 問診によりドクツルタケ摂取による肝障害を疑った. 入院当日より肝性脳症を認め, 昏睡型急性肝不全と診断. 挿管・人工呼吸管理として, 肝不全治療と同時に毒素除去, 高分子除去を目的として急性血液浄化療法を行った. 入院5日後に肝性脳症は改善し呼吸状態は良好で抜管, 経過良好にて入院9日後に転院となった. ドクツルタケ中毒における血液浄化療法は否定的な意見が多いが, 今回は肝不全を呈したドクツルタケ中毒に対し, 血液浄化療法を行い救命し得た. ドクツルタケの中毒を疑った場合には, 早急な血液浄化療法が有効である可能性が高いと考えられた.
著者
新納 浩幸 村田 真樹 白井 清昭 福本 文代 藤田 早苗 佐々木 稔 古宮 嘉那子 乾 孝司
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.319-362, 2015

語義曖昧性解消の誤り分析を行う場合,まずどのような原因からその誤りが生じているかを調べ,誤りの原因を分類しておくことが一般的である.この分類のために,分析対象データに対して分析者 7 人が独自に設定した誤り原因のタイプを付与したが,各自の分析結果はかなり異なり,それらを議論によって統合することは負荷の高い作業であった.そこでクラスタリングを利用してある程度機械的にそれらを統合することを試み,最終的に 9 種類の誤り原因として統合した.この 9 種類の中の主要な 3 つの誤り原因により,語義曖昧性解消の誤りの 9 割が生じていることが判明した.またタイプ分類間の類似度を定義することで,統合した誤り原因のタイプ分類が,各自の分析結果を代表していることを示した.また統合した誤り原因のタイプ分類と各自の誤り原因のタイプ分類を比較し,ここで得られた誤り原因のタイプ分類が標準的であることも示した.
著者
白井 亮久 近藤 高貴 梶田 忠
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.151-163, 2010

琵琶湖固有の絶滅危惧種イケチョウガイと中国からの移入種ヒレイケチョウガイの交雑の実態を探るため,分子マーカーを用いて解析を行った。ミトコンドリアのCox遺伝子と核rRNA遺伝子のITS1領域の塩基配列を用いた系統解析の結果,両種はいずれの分子マーカーでも区別されることが分かった。遺伝的組成を調べたところ,琵琶湖と霞ヶ浦の淡水真珠養殖場では両種の交雑に由来すると考えられる個体がみつかった。琵琶湖の養殖場は自然環境とは完全には隔離されていないため,逸出した養殖個体とイケチョウガイの野生個体との交雑が懸念される。姉沼の野生集団は移植された養殖個体の逸出に由来するものの,唯一交雑の影響を受けていない純粋なイケチョウガイの集団であると考えられるため,保全上非常に重要である。
著者
沢村 栄治 棚橋 大介 江原 暉将 白井 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.98, no.284, pp.23-30, 1998-09-19
被引用文献数
1

通信・放送機構のプロジェクトとして、「字幕制作システム」の研究を進めている。この研究の中で、字幕放送利用者が求める最適な字幕表示方法を追求するために、種々の字幕提示方法による実験用字幕番組を制作するとともに、聴覚障害者も含む評価者の協力を得て、制作した実験用字幕番組の予備評価を行った。パソコンを利用した多様な表示方法による実験字幕番組制作システムと、制作した実験字幕番組例、字幕パラメータ・評価者群別などの主観評価実験結果などについて述べる。
著者
内野 一 白井 諭 横尾 昭男 大山 芳史 古瀬 蔵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1167-1174, 2001-06-01
被引用文献数
1

機械翻訳システムの有効な活用として, 市況速報記事を対象にした日英機械翻訳システムを開発した.システムは, ルール型翻訳とテンプレート型翻訳とのハイブリッド構成であり, 実験では, 文単位で90%, 記事単位で70%の高い翻訳正解率を得ることができた.この評価結果に基づき, 更に対象を決算速報記事に限定し, テンプレート型翻訳による自動翻訳システムALTFLASHを構築した.ALTFLASHは日本語の決算速報を英文で配信する実用システムとして導入され, 従来人手で行われていた翻訳作業に比べ, 処理時間, 翻訳品質, 費用などの面で大幅な改善効果を示した.
著者
崎間 敦 白井 こころ 奥村 耕一郎 田名 毅
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.245-250, 2016 (Released:2016-11-30)
参考文献数
11

目的:沖縄では健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指して,大学,行政,教育委員会および地域が連携した健康づくりが展開されてきた.その取り組みに至った背景および現状についてまとめた.内容:沖縄の健康課題は,特に青壮年期における循環器疾患の危険因子である糖尿病などの生活習慣病,メタボリックシンドロームおよびその予備群の急増,肝疾患や高血圧性疾患の年齢調整死亡率が全国よりも高くなっていることである.沖縄の健康寿命延伸のためには,疾病を予防する環境づくりが大切である.その方策として,学校での食育のさらなる強化,地域でのソーシャル・キャピタルを活かした健康づくりの実践などがあげられる.これまで沖縄で展開されてきた健康づくりに加え,沖縄県保健医療部と沖縄県教育庁の横断的事業として次世代健康づくり副読本事業が開始されている.また,琉球大学ゆい健康プロジェクトでは食育とソーシャル・キャピタルを活用した健康づくり支援事業を展開している.参加者を好ましい食行動へ誘導し,肥満者の体重を減少させる成績を得ている.結論:次世代健康づくり副読本事業と琉球大学ゆい健康プロジェクトを紹介した.学校や地域を介した健康づくりは県民の生活習慣病予防とヘルスリテラシーの向上に寄与し,健康長寿の延伸と早世予防の足掛かりと成り得る.
著者
丸山 一郎 阿部 芳春 江原 暉将 白井 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.184-192, 2002-02-01
被引用文献数
9

本論文では,事前収録されたテレビ番組に対して番組VTRと事前電子化原稿から聴覚障害者向けの字幕を自動的に付与する技術の中で,音声と字幕の同期タイミングを検出する字幕提示タイミング検出手法について述べている.背景音が重畳している放送音声に対しては,音素HMMワードスポッターだけに基づいたタイミング検出手法では十分な検出精度が得られない.番組の原稿中の各文に対してワードスポッティングにより複数のタイミング候補を検出し,音響的なゆう度に加え三つのスコア(原稿の時間順序,原稿から推定される発声時間との比,音声らしさ)を用いた動的計画法を行い,番組全体として最適なタイミングを選択する手法を提案した.ドキュメンタリー番組10回分を対象とした評価実験において,許容検出誤差を1秒とした場合に検出率99.0%,3秒とした場合に99.7%の検出精度が得られ,実用的な方式であることが示された.
著者
山崎 敦子 渡邊 剛 川島 龍憲 小川 奈々子 大河内 直彦 白井 厚太朗 佐野 有司 植松 光夫
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.406-406, 2008

サンゴ骨格の窒素同位体比を用いて過去の海洋表層の栄養塩濃度とその起源を復元し、新たな古環境指標としての可能性を検討するため、外洋の沖ノ鳥島と石垣島轟川河口からサンゴ骨格試料を採取し、その成長方向に沿って窒素同位体比・総窒素量を1ヶ月の分解能で測定した。また比較のため、それぞれの窒素同位体比の測線に平行して沖ノ鳥島サンゴではBa/Ca比、Mn/Ca比を、石垣島サンゴではMn/Ca比を測定した。その結果、窒素同位体比・総窒素量の平均値は共に石垣島の方が高く、沿岸の方がサンゴの窒素同化が盛んであることを示した。さらに石垣島サンゴでは、河川からの流入物質の影響が窒素同位体比、総窒素量とMn/Ca比に反映し、沖ノ鳥島サンゴでは、海洋の鉛直混合や湧昇に伴う深層からの栄養塩の供給と海洋表層の窒素固定が窒素同位体比の変動要因として考えられる結果となった。今後、サンゴ骨格の窒素同位体比は海洋の栄養塩の挙動を復元する指標となることが期待できる。
著者
白井恒三郎 著
出版者
文永堂
巻号頁・発行日
1944