著者
長島 万弓 石山 絹子 七野 知子 安本(白戸) 知子 福田 靖子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成16年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.112, 2004 (Released:2004-09-09)

[目的] 発芽玄米の例にもあるように食品素材の発芽による機能性向上が研究されるようになり、ゴマについてはすでに「発芽ごま」として市販化されているが、その機能性向上についての科学的根拠は明らかとされていない。今回この「発芽ごま」の発芽前後のサンプルを比較し、ゴマの機能性と食味に及ぼす発芽の影響について検討した。[方法] 市販されているものと同種のトルコ産金ゴマを試料とし、発芽前と発芽48時間後(市販「発芽ごま」と同条件)のゴマを、それぞれ焙煎したサンプルとして入手した。両サンプルの一部は粉砕後溶媒抽出をおこない、一部は官能検査に用いた。抽出物はHPLCによりゴマリグナンの定量分析を行うとともに、DPPHラジカル捕捉能を測定した。高リグナン新品種「ごまぞう」についても同様の実験を行い比較した。[結果] 市販品と同種の金ゴマについては、発芽前にはほとんど検出されなかった抗酸化性リグナン・セサミノールが発芽48時間後には検出されるようになり、DPPHラジカル捕捉能も約2倍に向上することが明らかとなった。「ごまぞう」に関しても同様にセサミノールの増加がみられたが、今回の発芽条件においては金ゴマのほうが「ごまぞう」よりも約1.5倍多く生成されることが確認できた。さらに発芽の初期段階でUV吸収を有する高極性成分の存在が認められたが、この構造等については現在検討中である。また、官能検査では未発芽ごまに比べて発芽ごまには甘味の増加が認められた.

1 0 0 0 OA 政体評論

著者
佐田白茅 編
出版者
万巻楼
巻号頁・発行日
1875
著者
白地 孝
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.73, no.12, pp.1479-1494, 1976

閉塞性黄疸時のビリルビンの腎よりの排泄機序, 閉塞性黄疸時の腎障害, 尿排泄障害時における血中ビリルビン値の変化, ビリルビンによる腎障害などについて, 臨床的, 実験的に検討し, つぎの様な結果を得た.<br>1) 尿中へのビリルビンの排泄量は, 血清総ビリルビン値および直接型ビリルビン値と正の相関々係を示し, また血清アルブミン予備結合能と負の相関々係を示すことから, ビリルビンの尿中への排泄には, アルブミンと結合していない遊離の直接型ビリルビンが尿中に排泄される可能性が強いことが示された.<br>2) 片側尿管の結紮その他によつて尿排泄障害をおこし, あるいは腎障害を有する例では, 尿中排泄ビリルビン量が減少し, 血清ビリルビン値がより高値を示すことから, 血清ビリルビンの値は, 腎機能と密に関係していることも明らかになつた.<br>3) 黄疸発現よりの期間が長くなるにつれ, 腎障害が増強し, 尿中へのビリルビンの排泄量が減少した.
著者
白井 省三 S. Shirai
出版者
中京大学教養部
雑誌
中京大学教養論叢 (ISSN:02867982)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.p648-607, 1975-12
著者
長谷川 昌美 坂元 秀樹 〓 小虹 位下 幸子 白川 貴士 大谷 香 高見 雅司 高見 毅司 石井 裕子 佐藤 和雄
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.479-485, 1995-05-01
参考文献数
11
被引用文献数
1

Estra-1,3,5 (10)-triene-3,17-diol (17β)-, 3-[bis(2-chloroethyl) carbamate] (Estramustine : 以下EMと略)は estrogen (E)に nitrogen mustardを結合させた抗腫瘍剤である. その効果は微小管阻害作用によるものとされ, Eの抗androgen作用と相乗させることで前立腺癌の経口抗癌剤として現在使用されている. 我々はこの抗癌剤の構造骨格である Eに着目し, この製剤がE受容体(ER)をもつ腫瘍に対するミサイル療法剤となる可能性を検討した. ヒト子宮体癌細胞株Ishikawaならびに当科で分離樹立した E非依存性の亜株 EIIL (Estrogen Independent Ishikawa Line)に対し in vitroにおけるEMの効果を検討した.その結果, (1) EMは濃度依存性にIshikawaおよびEIILの増殖を抑制したが,そのID50はIshikawaでは12μM, EIILでは65μMであった. (2) EMの培養系への添加は腫瘍細胞の剥離とDNAの断裂を起こしたが, この断裂は90 base pairの整数倍であった. (3) EM添加後にc-erbB-2, fasならびに nidogenの発現を β-actinの発現に比較して検討した. Ishikawaの c-erbB-2の発現は対照群で0.98±0.12 (X^^-±SD, n=3), EM群で1.02±0.23, EIILではそれぞれが0.99±0.34, 0.95±0.43. fasはIshikawaの対照群で0.89±0.20, EM群では 0, EIILでは対照群1.13±0.54, EM 群で1.35±0.78とIshikawaにおいてのみ有意 (p<0.01)のfas発現抑制がみられた. nidogenの発現は Ishikawaの対照群で0.88±0.22, EM群では0.21±0.10でEM群で発現の低下(p<0.05)が観察された. 一方EIILでは対照群1.30±0.43, EM群1.11±0.87と両者には有意の変化がみられなかった. 以上の結果より EMには体癌株の増殖抑制効果があることが確認された. この抑制は ERの有無により効果が変わるとともに, fas, nidogen発現の抑制を伴うことが明らかとなった.
著者
松田 紀子 白木原 美紀 白木原 国雄
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.8-14, 2011 (Released:2012-12-06)

天草下島周辺海域に周年定住するミナミハンドウイルカTursiops aduncusを対象としてイルカウォッチング船が群れの行動に及ぼす影響を調べた。陸上定点から群れの行動観察を行い,群れの位置をセオドライトで計測した。個体が間隔を詰めて同調的な潜水浮上を繰り返す時,ウォッチング船が1隻でも存在すると,不在時に比べて潜水時間が長くなり,浮上中の速度が増加した。4,5隻以上存在した時,潜水地点から浮上地点までの距離が増加し,浮上時間が減少した。群れに接近可能な隻数制限の導入が必要である。
著者
白岩 洋子
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.176-180, 2011

2011年3月11日の東日本大震災は当然ながら被災した各地に存在する写真にも甚大な被害を与えた.震災後すぐに各地でボランティアの人々が写真やアルバムの洗浄を始め,写真の救出方法ガイドライン作成の早急な取り組みが必要とされた.ここでは4月22日から25日にかけての被災地における実際の作業の様子,写真やアルバムがどのような被害を受けていたかの報告と応急処置,救済の課題について述べる.<br>
著者
白井 康之 横山 彰一
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.210-217, 2018-07-20 (Released:2018-08-03)
参考文献数
34

We have been developing a conduction cooled HTS-MRI that is driven by a power supply in order to solve the long-lasting attenuation of the screening current induced on superconducting tapes at the time of initial excitation and the difficulty with REBCO tape superconducting junctions, as well as a superconducting switch for persistent current operation. A power supply system consisting of two exciters, one for charging and discharging and the other for holding the magnet current, is proposed and developed. The supply system is equipped with a control block to compensate the magnetic field deviation caused by the screening current. We carried out a magnetic field stability experiment using a 32-H HTS-MRI magnet excited by the power supply system proposed which was equipped with specially designed micro-current control.
著者
白水 隆
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
やどりが (ISSN:0513417X)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.136, pp.2-8, 1989

(1)ヒョウモン類,ドクチョウ類の基本食草がスミレ目(牧野のイイギリ亜目)であることは確実,他の食草はそれからの二次的,三次的転換である。(2)ホソチョウ類の基本食草はスミレ目またはイラクサ目,スミレ目の公算が大きい。アメリカのホソチョウ類の主食草キク科はスミレ目からの二次的あるいは三次的転換と考える。(3)テングチョウ類,コムラサキ類,イシガケチョウ類,クビワチョウ類の基本食草がイラクサ目であることは確実。スミナガシ類もその基本食草はイラクサ目であると思われる。(4) 真正タテハ類のうち,ヒオドシチョウ群,アカタテハ群の基本食草はイラクサ目。タテハモドキ群(アフリカのSalamis,Catacroptera,新熱帯のAnartia,Siproeta,東洋熱帯のKallima,Doleschalliaなどを含む)の食性(キツネノマゴ科,ゴマノハグサ科,クマツヅラ科が中心となるもの-この3科は牧野の管状花目に含まれる1群-)はイラクサ目からの二次的転換と考える。ヒョウモンモドキ類の食性はタテハモドキ群やヒメアカタテハ属のそれの僅かな変形,同様にイラクサ目からの転換と考える。(5)カバタテハ類の基本食草がタカトウダイ科であることは確実,ムクロジ科食はそれからの二次的転換と考える。(6)イチモンジチョウ類の中の真正イチモンジ群の基本食草はアカネ目,その他の食草はそれからの二次的転換と考える。この群にみられるタカトウダイ科食は原始食草の名残りである可能性もある。ミスジチョウ群,Euthalia群の食性は多岐に分化しており,資料不足,筆者の研究不足で推定ができない。(7)フタオチョウ類の基本食草をタカトウダイ科と推定。マメ科,ムクロジ科,その他の科はそれからの二次的転換と考える。以上でスミレ目,イラクサ目,アカネ目,フウロソウ目(タカトウダイ科)の4群がタテハチョウ科の主要な基本食草として浮かびあがってきたが,これらの関係はどうであろうか。私は大胆にタカトウダイ科食が原始食草,タテハチョウ科の分化の初期にスミレ目に移った1群,イラクサ目に移った1群,アカネ目に移った1群があり(これに準ずる重要な食草群はムクロジ科など他にもいくつかある),これらの食草(食性)を中心にして,さらに分化,発展したのが現在のタテハチョウ科の食性であると考えたい。
著者
白木 小三郎
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
vol.60.2, pp.621-624, 1958-10-05 (Released:2017-08-30)

先に寛永10年の「肥後藩人畜家屋敷改帳」に記載されている住居家構の形式から、九州地方特に佐賀熊本地方に卓越している「鍵屋」形式の形成の過程を考えて見た。こゝではその間の史料として、熊本県立図書館所蔵の「西南役焼失家屋調」を取上げて見る事にする。西南戦争(明治10年)による被害調査の膨大なる記録の内に、焼失家屋に関する調査が47冊ある。その内8冊には屋根形式、建物配置等の概要は勿論、一部間取図も書き添えられている。その他のものにも建坪数と屋根葺材料等と共に被害の程度が大略記載されている。この記録は大体、被害による損害保証の要求の基礎資料であつて、記載の方式も区々様々で、全地域統一されたものではなかつたようである。然し規模形式の大要は知るに足るものである。
著者
白井 裕子 荒井 清司
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.689-695, 2010-12-25 (Released:2015-03-13)
参考文献数
26

乳歯用既製金属冠は,歯冠崩壊の大きい乳臼歯や歯髄処置を施した乳臼歯や保隙装置の支台歯などに使用されている。またフッ化物の小児への局所応用は頻繁に行われており,齲蝕治療経験児においてもフッ化物の応用が積極的に行われている。乳歯用既製金属冠の装着後のフッ化物応用を想定して,in vitro におけるフッ化物の乳歯用既製金属冠への影響を調べたところ以下の知見を得た。フッ化物により乳歯用既製金属冠からニッケルイオンの溶出を認めることが明らかとなった。特に,ニッケル含有量が多い乳歯用既製金属冠からは,ニッケル含有量が少ない乳歯用既製金属冠より多くニッケルイオンの溶出を認めた。ニッケルイオンの溶出量ならびに乳歯用既製金属冠の金属表面の走査型電子顕微鏡観察から,腐食にはフッ化物の酸性度が関与することが明らかとなり,ニッケル含有量が多い乳歯用既製金属冠は,ニッケル含有量が少ない乳歯用既製金属冠より金属表面の腐食が強かった。