著者
大久保 和訓 土方 嘉徳 西田 正吾
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.511-523, 2013

推薦システムは,嗜好データを機械学習することでユーザプロファイルを作成し,それに基づいて推薦を行う.従来の推薦システムの研究では,いかにユーザの嗜好に合ったアイテムを推薦することができるかという精度に注目したものが多い.しかし,近年,推薦システムの精度向上のみを目指すのではなく,推薦過程を含めたサービス全体の価値の向上を目指す研究が行われつつある.我々は,そのような研究の一環として推薦システムを利用したユーザの気づきに着目した.推薦システムが獲得するユーザプロファイルを可視化することで,ユーザは自身の嗜好について何らかの気づきが得られるのではないかと考えた.本研究では,ユーザプロファイルの可視化・提示と気づきの関係についての調査を行う.
著者
清水 拓也 土方 嘉徳 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.3, pp.538-550, 2008-03-01
被引用文献数
9 2

現在,商用Webサイトで利用されている推薦システムの多くは,協調フィルタリングを用いている.従来の協調フィルタワングによる推薦方法は,推薦の精度を向上させることに重点を置いて開発されてきた.そのため,既に知っているアイテムが多く推薦されるという問題があった.この推薦は,好みのアイテムをリストアップしてもらうことだけを考えたときには良い推薦といえるが,ユーザの満足度を考えたときには発見性の欠如のために必ずしも良い推薦とはいえない.本概究では,ユーザがどのようなアイテムを知っているかという情報をユーザから獲得し,この情報を用いたいくつかのアルゴリズムを提案する.これらのアルゴリズムは,ユーザの知らない好みのアイテムがどれだけ推薦されるかを示す特性であるNoveltyを向上させることを目的としている。本研究では,ユーザがどのようなアイテムを知っているかという観点でのユーザ聞,アイテム間の類似度を計算し,ユーザが知らないであろうアイテムを推測する.この方法と従来の嗜好に基づく協調フィルタリングを組み合わせることで,ユーザが知らない好みと思われるアイテムを推薦する.
著者
西村章宏 土方嘉徳 三輪祥太郎 西田正吾
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-6, 2014-07-25

マイクロブログサービスの 1 つである Twitter では,その時々で話題になる政治家や芸能人など有名人に関する一般ユーザの発言を豊富に得ることができる.さらに近年では,SNS から得られる評判情報をマーケティングやその他サービスに応用しようという試みが活発に行われている.そこで本研究では,Twitter から得られる評判情報のうち,一般ユーザの有名人に関する発言とその発言を行ったユーザのプロフィール等に着目する.これらの各情報源から得られるデータに対し,抽出の妨げとなるノイズへの前処理を経て,一般ユーザの観点が反映された特徴量であるトピックの抽出を行う.そして得られたトピックの分布を元に人物の類似関係を獲得し,それを基に各人物を平面上に配置することで,人物関係の可視化を行う.この可視化結果に対しては使用した情報源毎に妥当性と発見性に着目して特徴の分析を行う.
著者
伊藤 京子 平野 剛 能任 一文 西田 正吾 大築 立志
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and Systems Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.131, no.10, pp.1775-1785, 2011-10-01
被引用文献数
1

Two experimental studies have been conducted in order to propose practice indexes for the improvement of the embouchure of French horn players, two experimental studies have been conducted. In both studies, the same task was performed by advanced and amateur French horn players. The first study investigated the activity, while performing the above-mentioned task, of the 5 facial muscles (levator labii superioris, zygomaticus major, depressor anguli oris, depressor labii inferioris, and risorius muscles) on the right side of the face by surface electromyography, and the facial movement on the left side of the face by attaching two markers above each muscle and using two high-speed cameras simultaneously. The results of the study showed that it is possible for the four markers around the lower lip to practice indexes. The second study evaluated whether the above-mentioned markers are appropriate as practice indexes using a 3-D tracking system and questionnaires. The results showed that both the advanced and the amateur players assessed that the markers were suitable as practice indexes for improving the embouchure. This set of approaches could be useful for selecting practice indexes and developing scientific practice methods not only for the French horn but also for other instruments and other fields.
著者
伊藤 京子 平野 剛 能任 一文 西田 正吾 大築 立志
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.131, no.10, pp.1775-1785, 2011-10-01 (Released:2011-10-01)
参考文献数
38

Two experimental studies have been conducted in order to propose practice indexes for the improvement of the embouchure of French horn players, two experimental studies have been conducted. In both studies, the same task was performed by advanced and amateur French horn players. The first study investigated the activity, while performing the above-mentioned task, of the 5 facial muscles (levator labii superioris, zygomaticus major, depressor anguli oris, depressor labii inferioris, and risorius muscles) on the right side of the face by surface electromyography, and the facial movement on the left side of the face by attaching two markers above each muscle and using two high-speed cameras simultaneously. The results of the study showed that it is possible for the four markers around the lower lip to practice indexes. The second study evaluated whether the above-mentioned markers are appropriate as practice indexes using a 3-D tracking system and questionnaires. The results showed that both the advanced and the amateur players assessed that the markers were suitable as practice indexes for improving the embouchure. This set of approaches could be useful for selecting practice indexes and developing scientific practice methods not only for the French horn but also for other instruments and other fields.
著者
杉山 大介 山根 隆志 西田 正浩 大久保 剛 佐野 岳志
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
茨城講演会講演論文集 : Ibaraki district conference
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.233-234, 2004-09-23

The aim of this study is the fluid dynamic evaluation of a hydrodynamic levitation centrifugal pump developed by AIST. Since the Pump has a hydrodynamic bearing rotating at 1900rpm, we introduced a new high-speed visualization systems with Double-pulse YAG laser. Visualized sections were the impeller, and outlet regions. The result of flow visualization showed good correlation with animal experiment and CFD.
著者
山根 隆志 松田 兼一 山本 健一郎 西田 正浩 小阪 亮 丸山 修 山本 洋敬
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

緊急に除水が必要な患者から,簡便かつ安全に除水する可搬型除水システムを開発し,在宅医療や被災地医療にも役立つ装置の構築をめざす.本研究では透析液が不要な濾過方式を採用し,血液回路には羽根直径3cmの小型遠心ポンプを採用した.溶血試験では,1号機の溶血率は市販体外循環ポンプの3/10程度から,2号機では1/20程度に改善したが,摩耗に注意すべきことがわかった.模擬血栓試験ではピボット周辺以外に血栓は観察されなかった.さらに今回の血液濾過実験では,血流流量および濾液流量を一定に維持できたが,今後,長時間使用では中空糸目詰りやファウリングによって性能が劣化しないことを引続き立証する必要がある.
著者
西田 正規 マブラ オグックス スプレイグ デービッド MABULA Audax マブラ オダックス 伊藤 太一 マゴリ C.C. 安仁屋 政武
出版者
筑波大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

今日のアフリカ狩猟採集社会は原初的人類社会の理解に不可欠の情報源である。だがこれらの社会は農耕・牧畜社会と接触し変容してきた歴史があり、原初的社会のモデルにすることに疑いがある。本研究は農耕・牧畜以前のサバンナ狩猟採集社会を復元することでこの問題に解答する。またこの目的を果たすため、タンザニアのセレンゲティ国立公園の地表面に散乱している後期石器時代の石器の分布状況を把握することから約1万年前の狩猟採集社会の空間と資源利用パターンを復元する方法を開発する.3年間の調査でおよそ10000平方キロの範囲を踏査し、50メートル四方の方形区を126ヶ所、それ以外のポイントを約200ヶ所設定し、位置をGPS測量し、地表の石器を採集し、地形、植生、土壌特性を記録した。採集した石器約1万点を筑波大学に持ち帰り分析中である。諸データをGISデータベースに入力中である.すでに把握した点は以下のとおり。1)公園の地表面には前期石器時代から金属器時代までの数十万年にわたる文化遺物が散乱しており、中期および後期石器時代石器の密度が高い。2)前期および中期石器時代石器には公園内に産出するクオ-ツァイトが、後期石器時代石器には黒曜石とクオ-ツが主に使われている。黒曜石の原石は公園内になく、大地溝帯の火山帯から運ばれたと推定できる。3)後期石器時代の石器の分布密度は平方kmあたりおよそ1万点である。4)石器密度は調査方形区により0点から500点以上まで大きく変化する。5)特に高密度に分布する場所を4カ所発見した。いずれも大きな岩に囲まれた場所であり頻繁に人の訪れるキャンプサイトと予想できる。6)河川や池に近い場所の石器密度は比較的高い。7、地表水から遠く離れた場所にも比較的低い密度の分布がある。以上の点を手がかりにGIS上でさらに解析を進め初期の目的を達成する。

1 0 0 0 十津川郷

著者
西田正俊著
出版者
十津川村史編輯所
巻号頁・発行日
1954
著者
倉持 俊也 岡田 直樹 谷川 恭平 土方 嘉徳 西田 正吾
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

多くの研究者によってSNSネットワークやWorld Wide Webなどの複雑ネットワークの解析が行われてきた.近年ではコミュニティ構造に着目した研究が盛んである.我々は交グラフと意味的な情報を用いた階層的クラスタリングによるコミュニティ抽出手法を提案してきた.本研究では提案する手法をTwitterネットワークに適用,評価し,その有効性を検証する.
著者
王 旗 仲谷 美江 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.29, pp.25-32, 2002-04-12

CGの適用によりアニメーションの動画作成コストは省力化されるが、振り付けば人間が考えなければならない。すでに単体ダンサーを音楽に合わせて動かす研究が始まっているが、グループダンスの振り付けを生成する研究はまだ見られない。本稿では、音楽の感情に合わせて複数オブジェクトの動きを生成する。音楽からの感情の抽出は、まず標準MIDIファイルで入力した曲を1拍ごとに分割して楽曲構造要素を抽出し、8つの感情語群についてそれぞれ感情価を測定する。動作で感情を表すには、数秒から数十秒を要するため、感情のまとまりができるように、分割した区間を再統合する。各区間の感情値に合わせてオブジェクト全体の形とその変化形を決め、個々のオブジェクトの移動動作を生成する。今回はオブジェクトの動線に焦点をあてた。今後は、個々のオブジェクトの動作に芸術性を高めることが課題である。
著者
鈴木 健一 山下 久夫 田中 康二 西田 正宏 杉田 昌彦
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

契沖以前から本居宣長以後までの江戸時代の古典学の軌跡を、より詳密に描き出すことに一定の成果を収めた。また、『勢語臆断』『古今通』『土佐日記解』など個別の注釈書の性格や成立について、新見を提示した。
著者
山中 努 田中 祐也 土方 嘉徳 西田 正吾
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.691-706, 2010-12-15
被引用文献数
1 2

近年,GPS機能付きの携帯電話や,マイクロブログなどの手軽な情報発信サービスの普及により,時空間情報を伴うテキストデータ(メッセージ)が増加しつつある.本研究では,公園などの施設の管理者や自治体の防災センターの職員などが,上記テキスト情報を用いて管理区域の状況把握を行うことを支援するシステムを提案する.提案システムでは,メッセージを決まったカテゴリに分類する自動分類,類似するメッセージを集約するクラスタリング,メッセージが通常より密に発生していることを検出するバースト検出の3つの機能を備えている.万博記念公園で被験者120人に,現場の状況を携帯メールでサーバに通知してもらう実験を行い,時空間情報を伴うテキストデータを収集した.このデータを用いて,提案システムの評価を行った.
著者
西田 正吾 才脇 直樹 仲谷 美江 加藤 博一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.88, pp.147-154, 2003-09-08
参考文献数
31

近年,ヒューマンインタフェースの分野では,ヒューマンインタラクションやコミュニケーションを扱う研究が増加しており,その分析手法や支援のあり方に関する議論が盛んに行われるようになってきている.本稿では,「感性協調に基づいたインタラクティブな音コミュニケーション環境の構築」というテーマに対し、筆者らの研究グループで取り組んできた研究成果について紹介する.具体的には,感性協調による共感世界構築の枠組みについて述べた後,エージェントにおける仮想感性構築法,共通の場構築のためのインタフェース,感情表現を介したダンスと音楽の関連づけ等の要素技術について述べる.Human interaction and human communication are hot topics in the field of Human Interfaces recently. This paper deals with design and implementation of interactive sound communication environment based on Kansei coordination, by focusing on affective aspects of human interaction. Concretely, a framework to support Kansei coordination is discussed, and component technologies, such as realization of artificial Kansei in agent, interfaces for common platform and analysis of relations between dance and music etc., are introduced.
著者
伊藤 京子 水野 恵理子 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.28, pp.49-54, 2009-05-07

In this study, the proposal is a circular reflective interface in the experimental learning toward the growth of the group discussion. First of all, the frame of the experimental learning corresponding to the growth of the group discussion was considered, and "(A) the selection of discussion information for "Awareness"" and "(B) the use of discussion information for "identify, analyze, and hypothesize"" were made an examination point corresponding to the step of the experimental learning. "Flow of the discussion" and "remark balance" were selected as for (A), and "under discussion" and "after discussion" were selected as for (B). And, a reflective interface was proposed for group discussion. The interface was designed and developed. The evaluation experiment was conducted. The results showed that it is possible for the interface to give the participants the awareness of the growth of group discussion and to be used for the frame of the experimental learning under and after discussion. In addition, a necessary viewpoint for use was brought together by actually using the interface for the class of the graduate school.
著者
仲谷 美江 西田 正吾 坂口 敏明 後藤卯一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.124-135, 1990-01-15
被引用文献数
6

本論文は ソフトウェア開発プロジェクトにおけるコミュニケーション支援に関するものである.ソフトウェアの生産性向上が急務となっている.本論文では 協同作業を支援し 開発プロジェクトの生産効率を上げることを目指している.プロジェクトにインタピニー調査を行ったところ ソフトウェアの意図を表現する適切な方法がないため コミュニケーションが困難であるという問題が見られた.このため コミュニケーションの支援が生産性向上に有効であると予測される.ここでは ソフトウェアの意図やイメージを表現する方法として 劇場モデルを提案する.劇場は 俳優が舞台の上でドラマを演じ 観に見せる場所である.観客はドラマの進行を見て脚本家の意図を読み取る.これは 人間が まとまりの中から意味を把握する認識メカニズムを持っているからである.ここで ソフトウェアの構造がドラマと類似していることに着目した.ソフトウェアの進行を適切に表現すれば 人間はその中から設計者の意図を読み取ることができると考えられる.そこで 劇場モデルに基づいた表現方法を実現する意図伝達支援ツールCOMICS(COMputer-based Intention Communication System)を試作し その有効性について検証した.
著者
山根 冠児 島 健 岡田 芳和 西田 正博 沖田 進司 畠山 尚志 山中 千恵 丸石 正治 真辺 和文
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.9, pp.554-562, 1998-09-20
被引用文献数
15

140例, 151側の血栓内膜摘除術(CEA)術中に内頸動脈血流, 内頸動脈のstump pressure(ICASP), 体性感覚誘発電位(SEP), および脳酸素ヘモグロビン(HbO_2)の測定を行った.手術死亡例はなく, 12例で一過性の神経症状, 4例(2.6%)で恒久的な神経症状が出現した.内頸動脈血流は6例でCEA後の著明に増加し, そのうち3例でhyperperfusionによると思われる術後神経症状が出現した.ICASPが30mmHg以下の症例では25.0%に, SEPの振幅がflatになった症例では53.8%に, HbO_2がindexで0.04以上の低下を示した症例では10%に術後神経症状が出現した.以上の結果からSEPが最も術後の神経症状の発現と関連が強かった.