著者
金村 在哲 西川 哲夫 松原 伸明 日野 高睦 冨田 佳孝 三谷 誠 原田 俊彦 井口 哲弘
出版者
医学書院
雑誌
臨床整形外科 (ISSN:05570433)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.211-214, 2000-02-25

抄録: 潰瘍性大腸炎に破壊性の股関節炎を合併した1例を経験した.症例は33歳の女性で,12歳時より腹痛と下痢を主訴に潰瘍性大腸炎の診断にて加療を受けていたが,翌年より腹部症状の増悪時には膝,肘および股関節の移動性,一過性の疼痛を自覚していた.31歳時より右股関節痛が増強し,保存的治療を受けたが症状の軽快はなく,X線像上も関節破壊の進行を認めたため,右股関節に対して双極性人工骨頭置換術を施行した.術後経過は良好で疼痛は消失している. 潰瘍性大腸炎では種々の腸管外合併症が認められているが,その中でも脊椎および関節症状は血清反応陰性脊椎関節症の範疇に属している.その特徴は急性に発症し,一過性,移動性に生じるびらん性変化を伴わない非破壊性の関節炎とされている.自験例では破壊性の股関節炎を合併し,観血的治療にまで至った稀な1例であり,人工骨頭置換術を施行し良好な結果を得た.
著者
鈴木 久美子 佐々木 晶子 新澤 佳代 戸谷 誠之
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.369-372, 2004-12-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
11
被引用文献数
13 13

A questionnaire survey was conducted on the milk intake by 77 breast-fed infants born during the two years from January 2002 to December 2003.Individual information on each infant and mother (weight, health condition, etc.), the amount of milk breastfed each day, and the amount of liquids other than breast milk taken each day were recorded.The intake data were recorded from the age of one month old to 5 months old. The intake of milk in a day varied from case to case. Although a relationship emerged between the intake of breast milk and the increase in body weight during the early months, this relationship was not maintained as the infants grew.The mean intake of breast milk per day was 777.8ml, this being higher than the figure of 750ml recommended before weaning in the 6-th Revised Edition of the Japanese Nutrition Intake.
著者
最上谷 誠
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.243-250, 2014-07-01 (Released:2014-07-01)

リコーイメージング株式会社では,他社特許の評価を技術者と知財担当者が協力して行うのに効率的な特許評価システムの構築を行い,運用することになった。これは,特許調査ツールを利用することにより,管理も含めて互いの進捗状況が見えるシステムである。本稿では,システムの概要と運用面での注意点について報告する。併せて本システムの重要項目の1つである,独自キーワード付与からパテントマップへの応用など,データ活用事例についても報告する。
著者
熊谷 雄介 板倉 陽一郎 見並 良治 猪谷 誠一 道本 龍
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2D3OS7a01, 2021 (Released:2021-06-14)

さまざまな大規模データセットが企業や大学によって公開され,それらを用いた研究や開発が行われている.また,深層学習フレームワークの発展によってデータセットのみならず学習済み統計モデルも広く公開され,利活用が進んでいる.それらの資源には多くの場合さまざまなライセンスが指定されているが,一般の研究者がそれを意識することはまれである.しかし,データセットや学習済み統計モデルを用いた商用システムやソリューションの開発を行う際には,どの用途であればライセンス違反になるのか,またはならないのかを十分に検討しなければならないが,既存研究においては明らかにされておらず,各社の判断において行われているのが現状である.そこで本研究では,データセットと学習済み統計モデルを用いた研究やビジネスのより安心・安全な実現を手助けするために (1) 代表的なデータセットや学習済み統計モデルのライセンスを確認し,(2) データセットや学習済み統計モデルのユースケースを列挙し, (3) ライセンスとユースケースの組み合わせについて何が可能で何が不可能か,の3点を検討した.
著者
山本 祥子 高田 和子 別所 京子 谷本 道哉 宮地 元彦 田中 茂穂 戸谷 誠之 田畑 泉
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.195-200, 2008-08-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1 3

We measured the basal metabolic rate (BMR), fat-free mass (FFM) and physical activity level (PAL) of well-trained bodybuilders as typical athletes with muscular development by resistance training in order to examine the standard BMR and PAL ranges for athletes. The subjects were 14 bodybuilders (mean±SD age: 36.8±9.1y.; height: 171.6±6.2cm; weight: 77.1±7.6kg; FFM: 67.6±6.8kg) who each trained for an average of 7.5h per week. BMR was measured by using a Douglas bag, the oxygen and carbon dioxide concentrations were analyzed by mass spectrometry, and FFM was measured by dual X-ray energy absorptiometry. PAL was measured by the doubly labeled water method for 7 subjects selected from the 14 bodybuilders. BMR/FFM was 25.4±2.1kcal/kg of FFM/day. Total energy expenditure (TEE) was 3, 432±634kcal, and PAL calculated as TEE divided by BMR was 2.00±0.21. The FFM value needs to be considered when evaluating a standard BMR range, and both training and daily physical activity levels should be considered when evaluating a standard PAL range.
著者
青木 雄太 石沢 浩隆 熊谷 誠治 杉本 尚哉 戸井田 康宏
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.63-64, 2009

An activated carbon with high micro and mesoporosity, as well as a high bulk density, was fabricated by activating the extrusion-molded precursor made from carbonized rice husk (RH) and beet sugar (BS) at 850℃ in CO_2. The pore structure of this RH-based activated carbon (RHAC) was analyzed in relation to the bulk density. The extrusion molding and the use of BS syrup were useful to attain those superior properties. RHAC which was first activated for 1 h was immersed again in the BS syrup and then activated in CO_2 for 2 h. This two-step activation process provided both a high bulk density (0.93 g/cm^3) and a highly textured structure (micropore volume: 0.29 cm^3/g, mesopore volume:0.19 cm^3/g, BET specific surface area: 844 m^2/g).
著者
日本小児歯科学会 有田 憲司 阿部 洋子 仲野 和彦 齊藤 正人 島村 和宏 大須賀 直人 清水 武彦 尾崎 正雄 石通 宏行 松村 誠士 石谷 徳人 濱田 義彦 渥美 信子 小平 裕恵 高風 亜由美 長谷川 大子 林 文子 藤岡 万里 茂木 瑞穂 八若 保孝 田中 光郎 福本 敏 早﨑 治明 関本 恒夫 渡部 茂 新谷 誠康 井上 美津子 白川 哲夫 宮新 美智世 苅部 洋行 朝田 芳信 木本 茂成 福田 理 飯沼 光生 仲野 道代 香西 克之 岩本 勉 野中 和明 牧 憲司 藤原 卓 山﨑 要一
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.363-373, 2019-06-25 (Released:2020-01-31)
参考文献数
17

要旨:日本人永久歯の萌出時期,萌出順序および第一大臼歯と中切歯の萌出パターンを明らかにし,約30 年前と比べて永久歯の萌出に変化があるか否かを検討する目的で,4 歳0 か月から18 歳11 か月の小児30,825 人を調査し,以下の結果を得た。1 .男子の萌出は,1 が5 歳6 か月-7 歳0 か月,6 が5 歳10 か月-7 歳6 か月,1 が6 歳6 か月-7 歳10 か月,2 が6 歳3 か月-8 歳3 か月,6 が5 歳11 か月-8 歳7 か月,2 が7 歳6 か月-9 歳2 か月,3 が9 歳2 か月-11 歳3 か月,4 が9 歳1 か月-11 歳7 か月,4 が9 歳5 か月-11 歳6 か月,3 が9 歳10 か月-12 歳1 か月,5 が10 歳4 か月-13 歳0 か月,5 が10 歳3 か月-13 歳2 か月,7 が11 歳3 か月-13 歳 10 か月,7 が12 歳1 か月-14 歳5 か月の順であった。2 .女子の萌出は,1 が5 歳5 か月-6 歳7 か月,6 が5 歳6 か月-7 歳0 か月,1 が6 歳3 か月-7 歳7 か月,2 が6 歳3 か月-7 歳8 か月,6 が5 歳10 か月-8 歳4 か月,2 が7 歳2 か月-8 歳8 か月,3 が8 歳 8 か月-10 歳5 か月,4 が8 歳11 か月-11 歳0 か月,4 が9 歳1 か月-11 歳1 か月,3 が9 歳2 か月- 11 歳4 か月,5 が10 歳1 か月-12 歳11 か月,5 が10 歳2 か月-13 歳1 か月,7 が11 歳2 か月-13 歳 10 か月,7 が11 歳9 か月-14 歳3 か月の順であった。3 .萌出順序は,男女ともに上顎が6≒1 →2 →4 →3 →5 →7 で,下顎が1 →6 →2 →3 →4 →5 → 7 であった。4 .第一大臼歯と中切歯の萌出パターンは,男子では上顎がM 型77.2%,I 型22.8%で,下顎がM 型29.2%,I 型70.8%であった。女子では上顎がM 型73.4%,I 型26.6%で,下顎がM 型36.7%,I 型63.3%であった。5 .萌出時期の性差は,すべての歯種で女子が早く萌出しており,上下顎1, 2, 3, 4 および6 に有意差が認められた。6.約30 年前に比べて,男子は上下顎4, 5, 6 が,女子は3,上下顎の4, 5, 6, 7 の萌出時期が有意に遅くなっていた。
著者
藤井 秀明 原口 弘志 泥谷 誠 岩瀬 高博 岩爪 道昭
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1_130-1_151, 2013-01-25 (Released:2013-03-05)

近年,ビッグデータと呼ばれる大量データの集積と戦略的な利活用に対する関心と期待が大きく高まっている.本論文では,その技術的背景として,大量データの集積化および並列分散処理を支える基盤ソフトウェア技術に焦点を当て,代表的な研究開発事例について紹介する.また,同分野全体の俯瞰化を試み,今後の技術動向について議論する.
著者
八杉 昌宏 小島 啓史 小宮 常康 平石 拓 馬谷 誠二 湯淺 太一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.1-17, 2010-12-10

Scheme処理系は真に末尾再帰的であることが要求されており,アクティブな末尾呼び出しの数に制限がない場合もサポートしなくてはならない.Clingerは真の末尾再帰の形式的定義の1つを空間効率の点から与えており,その定義に従えば,末尾呼び出しの最適化(末尾呼び出しをトランポリンなどによりジャンプに置き換えて実装する方法)だけでなく,BakerのCPS(継続渡しスタイル)変換を用いたC言語におけるSchemeの実装手法も,真に末尾再帰的と分類できる.Bakerの実装手法は,CPS変換された末尾呼び出しにおいて新たな継続を生成せず,C言語の実行スタックに対してもごみ集めを行うため,空間効率が良い.本論文では拡張C言語による真に末尾再帰的なSchemeインタプリタの実装手法を提案する.本手法はCPS変換を用いず,Cの実行スタックがあふれそうになれば,残りの計算に必要な"Frame"オブジェクトのみを含むリストとして表現された空間効率の良い一級継続を生成し,すぐさまその継続を呼び出すというアイディアに基づく.ごみ集めや継続のキャプチャにおいては,実行スタックに合法的にアクセスできる,つまりデータ構造や変数の値としてアクセスできるL-closureという言語機構を用いている.ベースとなるSchemeインタプリタは,Javaアプリケーション組み込み用LispドライバであるJAKLDをもとにC言語で再実装されたものとした.Implementations of Scheme are required to be properly tail-recursive and to support an unbounded number of active tail calls. Clinger proposed a formal definition of proper tail recursion based on space efficiency. The definition covers systematic tail call optimization, where every tail call is converted to a jump (with an optional trampoline), as well as Baker's implementation of Scheme in the C language with CPS (continuation-passing style) conversion. Baker's implementation is space-efficient, since no new continuation is created on a CPS-converted tail call and garbage is collected even on C's execution stack. We propose techniques to implement a properly tail-recursive Scheme interpreter in an extended C language. Our approach does not convert a program into CPS. The key idea is to avoid stack overflow by creating a space-efficient first-class continuation represented as a list containing only the "Frame" objects necessary for the rest of computation and immediately invoking the continuation. We use a language mechanism called "L-closures" to access the contents of the execution stack as values of legal data structures and variables for implementing garbage collection and capturing continuations. This research is based on a Scheme interpreter which is developed in the C language by referring to an existing Lisp driver called JAKLD that is intended to be embedded in Java applications.
著者
平石 拓 李 暁? 八杉 昌宏 馬谷 誠二 湯淺 太一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.40-56, 2005-01-15
被引用文献数
2

現在,実用的システムの開発にC 言語は欠かせないが,細粒度マルチスレッド機能などを追加するためにC 言語を拡張するのはそれほど容易ではない.言語拡張の実現方式としては,C コンパイラに手を加えるもの以外に,拡張C プログラムを変換し,C コードを生成する方式もある.後者の方式では,最初にプログラムを抽象構文木(AST)に変換し,拡張に必要な解析や変形などを行った後,C コード生成を行うことが多い.AST のデータ構造には従来,構造体,オブジェクト指向言語のオブジェクト,直和型のデータなどが用いられているが,本研究では,AST をS 式で表現し,それをそのままプログラムとして用いることを提案する.このため,S 式ベースの構文を持つC 言語,SC 言語を設計した.SC 言語では新しいコンストラクトの追加が容易であり,また,S 式は,変換時に便利な動的変数も備えたCommon Lisp 言語を使って簡単に入出力や解析や変形ができるため,言語拡張のrapid prototyping が可能となる.ただし,Common Lisp 言語ではパターンマッチングを直接書くことができないので,本研究では,backquote マクロの記法をパターン部にも用いた変形規則の表記も提案する.このようなSC 言語は他の高水準言語の中間言語として用いることも可能である.本論文では,実際にSC 言語に細粒度マルチスレッド機能を追加した例も示す.The C language is often indispensable for developing practical systems, but it is not so easy to extend the C language by adding a new feature such as fine-grained multithreading. We can implement language extension by modifying a C compiler, but sometimes we can do it by translating an extended C program into C code. In the latter method, we usually convert the source program to an Abstract Syntax Tree (AST), apply analysis or transformation necessary for the extension, and then generate C code. Structures, objects (in object-oriented languages), or variants are traditionally used as the data structure for an AST. In this research, we propose a new scheme where an AST is represented by an S-expression and such an S-expression is also used as (a part of) a program. For this purpose we have designed the SC language, the C language with S-expression-based syntax. This scheme allows rapid prototyping of language extension because (1) adding new constructs to the SC language is easy, (2) S-expressions can easily be read/printed, analyzed, and transformed in the Common Lisp language, which features dynamic variables useful for translation. Since pattern matching cannot be described directly in Common Lisp, we also propose denoting transformation rules with patterns using the backquote-macro notation. Such an SC language can also be used as an intermediate language for other high-level programming languages. This paper also shows a practical example where fine-grained multithreading features are added to the SC language.