著者
福冨 友馬 安枝 浩 中澤 卓也 谷口 正実 秋山 一男
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.87-96, 2009 (Released:2012-06-01)
参考文献数
33
被引用文献数
6

本稿では,ハウスダスト中のダニと昆虫のアレルゲンとヒトのアレルギー疾患の関係を解説した。ハウスダストは多くの患者にとってアレルギー疾患の発症原因でありかつ増悪因子である。しかし,ハウスダストは極めて多種のアレルゲンの混合物であり,家屋により優位なアレルゲン種も異なり,個々の患者が影響を受けているアレルゲンは異なっている。ダニアレルゲンは,本邦においても国際的にも最も重要な気管支喘息,アレルギー性鼻炎の原因アレルゲンである。多くの研究が,室内環境中のダニアレルゲン量の増加が,喘息の発症と増悪の原因であることを示してきた。国際的にはゴキブリアレルゲンはダニと同等に重要な室内環境アレルゲンと考えられている。しかしながら本邦の室内環境では,ゴキブリアレルゲンはほとんど検出されず,ゴキブリ感作率も低い。むしろ,本邦の室内塵を調査するとチャタテムシ目や双翅目,鱗翅目などのほうが頻繁に検出され,本邦ではこれらの昆虫の方が重要性が高いと考えられている。
著者
谷口 正一郎
出版者
日本ベンチャー学会
雑誌
日本ベンチャー学会誌 (ISSN:18834949)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.79-93, 2022-03-15 (Released:2023-04-26)

本論文は、大企業がベンチャー企業と協同して事業創造に取り組むコーポレート・アクセラレーター・プログラムのプロセスを明らかにすることを目的とする。コーポレートベンチャリングの先行研究が提示した分析枠組みを援用し、森永製菓株式会社を対象とした事例分析を行った。大企業が、コーポレート・アクセラレーター・プログラムを導入した結果、提携を擁護する新たな組織コンテキストが形成され、ベンチャー企業との事業創造を促す。しかし他方では、事業創造に対する淘汰圧も生じるのである。これらを解消するためには、トップマネジメ ントのサポートのみならず、部門間交渉や利害調整が必要となる。さらに、組織メンバーが、CAPの目的を満たすために、事後的に事業創造を作り込み、多様な成果に結実する可能性を見出した。本論文は、これらの発見事実を通じて、事例企業におけるコーポレート・アクセラレーター・プログラムのプロセスを提示した。
著者
谷口 正成 高木 相
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.113, no.4, pp.238-244, 1993-04-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
16

In this study, the temperature and displacement of printed circuit board (PCB) due to heat of mounted parts were measured by using a thermographic video system and a holographic interferometry measuring system. The relationship between temperature and displacement was studied from the experimental results.As the results, the temperature and displacement on the PCB surface have been influenced with heat of mounted components due to current flow. The distribution of temperature showed some different relationships with the characteristics of the deformation. Therefore, the holographic pattern testing method may be useful in analysis of the detailed thermal stress evaluation of PCB surface and mounted parts.
著者
中尾 寿朗 荒尾 真樹 藤本 幸一 細野 正彦 谷口 正宏 石川 達也
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.83(2001-MBL-018), pp.15-21, 2001-09-06

近年インターネットやモバイル端末の急速な普及によって鉄道においても様々なIT活用サービスが提案されている。本開発では切符の機能をモバイル端末で実現する鉄道向け電子チケット(以下デジタルチケットと呼ぶ)システムを構築した。デジタルチケットは切符の取引や予約をモバイル環境で可能にし「いつでもどこでも切符が買えて、そのまま改札を通過できる」という利便性が期待できる。実現にあたっては、(1)チケット取引・使用の安全性確保 (2)モバイル端末での操作利便性の実現 (3)自動改札判定の高機能対応と高速化、といった主要な課題を解決した。評価システムの構築、実現性の検証、実用化に向けての課題について考察する。また、デジタルチケットの実現により新たに創出が可能となるサービスを検討し、一例として運用を予定している「自動改札機連動モバイル情報配信サービス:goopas(グーパス)」について、その概要を紹介する。
著者
谷口 正信 山下 智志 青嶋 誠 阿部 俊弘
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2018-06-11

広汎な観測に対して、一般化因果性指標の導入と、その最適推測論の構築、その膨大な応用をもくろむ研究推進である。本年度は、まず、2次モーメントを持たない安定過程からの因果性解析について、応答行列を用いて、一般化因果性を導入し、経験尤度統計量に基づいた因果性検定を提案し、その漸近分布を明らかにして、有用性を数値的にも検証した。また、安定過程も含む確率過程に対して L^p ノルムでの予測子、補間子を求めることができ、安定過程に対するL^p ノルムでの、因果性導入の基礎研究も前進させた。位相データに対しては、まず、パーシステントランドスケープに基づく位相指標を用いた実際の金融解析で、国内、米国、欧州の総合指標に適用し、金融危機以前に、この位相指標が、大きく動くことを観測した。この結果は、位相指標に基づいた因果性解析は、将来の予期できない危機への因果性抽出のポテンシャルが期待できることを意味し、今後の該当分野の研究発展への一里塚となった。高次元時系列解析においては、種々の設定での自己共分散行列の推定や、Whittle 推定量の漸近性質を明らかにした。またこの設定での時系列判別解析での基礎理論構築や、時系列分散分析における古典的検定統計量の漸近分布の導出もでき、福島県の多地域の放射線データに適用された。これらの諸結果は、高次元時系列に対する因果性研究の基礎となる。高次元観測においては縮小推定量が有用であるので、時系列縮小推定量の諸性質も明らかにされた。時系列観測を 0 と 1 の2値に変換したデータに基づき時系列解析を行うことができる。この場合、情報を失うので、推測の効率は失われるが、種々の頑健性を示すことができた。この流れで、スペクトルに基づく離反度を導入し、これに基づく因果性指標の推定量から因果性検定統計量が導入できる、これにより、この検定は、外れ値に対して頑健性を持つ。
著者
谷口 正
出版者
群馬工業高等専門学校
雑誌
群馬高専レビュー (ISSN:02886936)
巻号頁・発行日
no.31, pp.67-69, 2012

The purpose of this paper is to give a K-theory on the supermanifolds. K-theory was introduced by Alexander Grothendieck in the 50's in order to solve some difficult problems in Algebraic Geometry. This idea of K-theory has applied other parts of Mathematics, for example Number Theory, Topology, Noncommutative Geometry and Super String Theory. Among many successes of K-theory, one should mention the solution of supergeometric problems, its wide generalization to the new subject called Super Riemann-Roch Formula.
著者
元井 玲子 矢野 育子 尾崎 淳子 鋒山 香苗 山本 崇 深津 祥央 石塚 良子 松村 由美 谷口 正洋 東村 享治 松原 和夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.10, pp.1177-1184, 2015-10-01 (Released:2015-10-01)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

The use of iodine contrast agents occasionally causes serious allergic symptoms including anaphylaxis. At Kyoto University Hospital to prevent nephropathy we began recommending water intake before and after administration of iodine contrast agents in September 2012. In the present study we investigated the effect of water intake on the incidence of allergy-like events after the use of non-ionic iodine contrast agents. We extracted the occurrence of allergy-like events from the incident report system in our hospital from January 2011 to September 2014, and classified these events into the following 3 grades: 1+ (follow-up); 2+ (medication treatment); and 3+ (hospitalization). The allergy-like incidence rate was calculated for subsequent evaluation according to season and water intake. Allergy-like events significantly decreased from 0.49% before the recommendation of water intake to 0.26% at 1 year and 0.20% at 2 years after implementing the recommendation. The incidence of allergy-like events was significantly higher in summer than in winter before water intake was recommended. After implementing the recommendation, the value for summer significantly decreased to an incidence similar to that of winter. Respiratory and gastrointestinal allergy-like symptoms were dramatically decreased after implementing the recommendation. Water intake may be useful for preventing allergy-like events associated with non-ionic iodine contrast agents, especially during the summer.
著者
谷口 正
出版者
群馬工業高等専門学校
雑誌
群馬高専レビュー (ISSN:02886936)
巻号頁・発行日
no.31, pp.71-75, 2012

This article begin with an attempt to understand the work of Kontsevich and Fukaya on the Mirror Symmetry conjecture and homological string model. We define the super deformation quantizations of the super structure sheaf of a supermanifold. We study the super deformation quantizations of the tangent space of extended moduli on the homological superstring B-model. Our main conjecture is that the superdifferential graded Lie algebra will be deformation quantizable. This is a supergeometric generalization of Omori's challenged result.
著者
中尾 寿朗 荒尾 真樹 藤本 幸一 細野 正彦 谷口 正宏 石川 達也
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.83(2001-ITS-006), pp.15-21, 2001-09-06

近年インターネットやモバイル端末の急速な普及によって鉄道においても様々なIT活用サービスが提案されている。本開発では切符の機能をモバイル端末で実現する鉄道向け電子チケット(以下デジタルチケットと呼ぶ)システムを構築した。デジタルチケットは切符の取引や予約をモバイル環境で可能にし「いつでもどこでも切符が買えて、そのまま改札を通過できる」という利便性が期待できる。実現にあたっては、(1)チケット取引・使用の安全性確保 (2)モバイル端末での操作利便性の実現 (3)自動改札判定の高機能対応と高速化、といった主要な課題を解決した。評価システムの構築、実現性の検証、実用化に向けての課題について考察する。また、デジタルチケットの実現により新たに創出が可能となるサービスを検討し、一例として運用を予定している「自動改札機連動モバイル情報配信サービス:goopas(グーパス)」について、その概要を紹介する。
著者
榊原 博樹 谷口 正実 大河 原重栄
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.621-629, 1996-06-15

医薬品添加物は製剤の適用性(溶解補助,pH調節,等張化,吸収促進,安定化,成型など)をたかめ,医薬品の有効性と安全性を維持するために不可欠なものとされている.しかし,医薬品添加物に関しては使用品目の制限や使用量の基準は作られていないようである.製剤として有効成分とともに承認前の臨床試験を経てきており,これをもって安全性の検討はなされたものと解釈されている.一方,食品添加物は340品目余りが許可されており,対象食品の規定や一部に使用量や使用制限の規定も明らかにされている.そのうちの一部は医薬品にも共通して用いられており,その存在すら意識されずに摂取されている.ところが,食品・医薬品添加物のなかには一部の気管支喘息や蕁麻疹患者に過敏反応を惹起するものがあり,その増悪因子として注意する必要がある.特に非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti—inflammatory drugs,NSAID)に過敏な,いわゆるアスピリン喘息(aspirin-induced asthma)やアスピリン過敏性蕁麻疹をもつ患者に食品・医薬品添加物過敏症が多い.注意すべき添加物は,食用黄色4号(タートラジン),その他のタール系色素(食用黄色5号=サンセットイエロー,赤色102号=ニューコクシン,赤色2号=アマランス),安息香酸ナトリウム,パラオキシ安息香酸エステル類,亜硫酸塩類である.
著者
吉田 剛 大城 敬人 鷹合 孝之 谷口 正輝 鷲尾 隆
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2I3OS10a3, 2017 (Released:2018-07-30)

一分子計測技術に期待が高まっている.ただし計測には常にノイズ混入という問題がつきまとい,これはナノスケールにおいて非常に顕著となる.我々はPU Classificationを用いてノイズのみデータを学習することで,実測データからノイズのみを除去し試料データを適切に取得することを試みた.特に研究開発中の一分子DNAシーケンサに応用した.このノイズ除去効果の有無による識別精度の差異について報告する.