著者
近藤 英彦
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷紀要 (ISSN:02890917)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.27-35, 2008-01

英語の母音変化のながれは、概してその狭母音化・口蓋音化、さらには二重母音化の傾向が著しいが、その中でときに広(開)母音化を示す比較的珍しい例がないわけではない。本論はそのなかから時代を異にする二つの場合を取り上げてその概要を示すとともに、その変化が何ゆえにどのような状況の中で生じたのか、同時代の音変化と音韻構成の変容という背景の中で検討をくわえ、その不可避性の有無を検証するものである。
著者
竹本 良章 小林 賢司 月村 光弘 高澤 直裕 加藤 秀樹 鈴木 俊介 青木 潤 近藤 亨 齊藤 晴久 五味 祐一 松田 成介 只木 芳隆
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.5-8, 2016

3次元積層技術を用いた多層フォトダイオードCMOSイメージセンサによるマルチバンドイメージングを実証した.このイメージセンサは,フォトダイオードアレイを有した複数の基板を積層し,それぞれのフォトダイオードアレイを独立して駆動する事で,最適化した駆動条件でそれぞれの画像を取得できる.また積層構造を活かし,これまでの2次元構造で用いられたようなRGB (Red, Green, Blue)画像に限らずIR(赤外)画像も同時に取得するといったマルチバンドイメージングが実現可能である事を確認した.この際にそれぞれのフォトダイオードアレイでRGB画像とIR画像を同一デバイスで同時に撮像可能であり,RGB画像の画質劣化を引き起こす事もない.このような特徴を活かし,これまでのIRイメージセンサとRGBイメージセンサを組み合わせたシステムと比較し,より小型・安価かつ多機能なシステムの実現が期待される.
著者
近藤 英司 安田 和則 近江谷 克裕 北村 信人
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

(目的)自家移植腱マトリクスを内在性線維芽細胞・基質複合体で被覆することにより腱マトリクス再構築に与える効果を明らかにすること。(方法)成羊40頭を2群に分けた。I群は前十字靱帯を切除し、自家半腱様筋腱を移植した。II群では内在性線維芽細胞・基質複合体で移植腱を被覆した。術後4および12週にて屠殺し、力学的・組織学的評価を行った。(結果と考察)膝安定性は、II群がI群に比べて有意に低値を示した。断面積はII群が有意に高値であった。固有知覚受容器および血管数は、II群がI群より有意に高値を示した。本研究は、内在性線維芽細胞・基質複合体による被覆が移植腱の再構築過程を促進させる可能性を示唆した。
著者
市田 行信 吉川 郷主 平井 寛 近藤 克則 小林 愼太郎
出版者
THE ASSOCIATION OF RURAL PLANNING
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.277-282, 2005-11-30
参考文献数
15
被引用文献数
4 2

This paper investigates linkage between social capital and individual health using multilevel analysis. Data for the analysis is based on 9,248 people over 65 years old living in 28 school districts in Chita peninsula. Results show that school-district-level contextual effects are found for average income and social capital. Importantly, it is argued that without adopting a multilevel approach, the debate on linkage between individual health and social capital cannot be adequately addressed.
著者
近藤 史人 古川 忠始 吉田 信人 川口 恭則 串戸 一浩 鈴木 常彦
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2002年度秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.36, 2002 (Released:2003-01-17)

1976年,R・ドーキンスによる「利己的な遺伝子」の発表以来,文化遺伝子,ミームの概念は,S・ブラックモア,R・ブロディ,佐倉統などにより掘り下げて論じられてきた.ここではミームの発生過程を伝統的ダーウィニズムの模倣-変異-淘汰による偶然の産物とするにとどめず,I・プリゴジン,S・カウフマンの自己組織化の論理をミームにも適用し,マルチエージェントが自己触媒となり,散逸構造を形成するプロセスと仮定して考察する.環境に対する全体最適の価値観を自己触媒のモメンタムと捉えることで,21世紀型のサステイナブルな創発型組織モデルを形成し得るミームマネージメントの可能性を考察する.
著者
近藤 有希 海老名 葵 重本 千尋 澤 龍一 斎藤 貴 村田 峻輔 伊佐 常紀 坪井 大和 鳥澤 幸太郎 奥村 真帆 松田 直佳 小野 玲
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0298, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】妊娠中には多くの女性が妊娠関連の腰痛骨盤痛(Lumbopelvic Pain;LPP)を発症するといわれており,約8割の女性が症状に悩まされている。LPPは妊娠中のホルモン変化や体重増加による腰部への負荷の増大が原因とされているが,産後も多くの女性がLPPを持続して有しており,成人女性の慢性腰痛の20%は妊娠中に発症したものであるとの報告もある。産後のLPPはADL障害やQOL低下,産後うつにも悪影響を及ぼし,産後休職の原因になるともいわれており,予防・解決すべき重要な問題である。産後持続するLPPの原因として,関節弛緩や腹部筋力低下など体幹の不安定性についての研究はあるが,一般的な慢性腰痛への影響が報告されている胸椎・ハムストリングスの柔軟性との関連を検討した研究はない。育児をする母親が頻繁に行う動作と考えられる前方屈み動作において,胸椎・ハムストリングスの柔軟性低下は腰部への負荷を増大させることが報告されていることからも,産後LPPに影響を与える可能性が考えられる。本研究の目的は胸椎・ハムストリングスの柔軟性と産後LPPの関連を明らかにすることである。【方法】対象者は,兵庫県内の4ヶ月児健診に参加し,研究への同意が得られた産後女性のうち,妊娠中にLPPを発症した女性66名とした。対象者には質問紙により,一般情報に加えて,妊娠中と産後4ヶ月時のLPPの有無・強度を聴取した。痛みの強度はNumerical Rating Scale(NRS)を用いた。胸椎の関節可動域は傾斜計を用いて屈曲・伸展の角度を検査し,中央値で可動域制限群と非制限群に群分けした。ハムストリングスの柔軟性はSeated Knee Extension(SKE)を行い,中央値により可動域制限群と非制限群に群分けした。なお,各身体検査は理学療法士有資格者が行った。各群間での産後4ヶ月時のLPPの有病率の比較はカイ二乗検定を用いた。多変量解析では,目的変数を産後4ヶ月時のLPP,説明変数を各可動域制限群/非制限群とし,交絡因子を先行研究から年齢,BMI,出産歴,妊娠中のNRSとして強制投入法による多重ロジスティック回帰分析を行った。統計学的有意水準は5%未満とした。【結果】胸椎の可動域制限群は非制限群と比較して産後LPP有病率は有意に高く,SKEにおいても非制限群と比較して可動域制限群は産後LPP有病率が有意に高かった。交絡因子の調整後も胸椎・SKEともに可動域制限群が産後LPPを有しやすいという結果であった(胸椎:OR 3.11,95%CI 1.08-8.94;SKE:OR 3.21,95%CI 1.08-9.60)。【結論】本研究により,胸椎とハムストリングスの柔軟性は,産後のLPPに関連する要因である事が示唆された。
著者
近藤 正彦 岡村 靖
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.2000-2004, 1987-11-01
被引用文献数
24

冷え性の病態に関する基礎的データの収集と,自律神経失調症との関連の解明を目的とし,冷え性に関する質問紙とConell Medical Index(CMI)を用いて調査を行い統計学的考察を加えた.対象は318名の女性で,年齢は20から51歳,平均26.4±6.1歳であった.結果は以下のとおりであった.(1) 対象の38.7%が冷え性を感じており,更年期のみならず若年者にも冷え性は認められた.(2) 発症の平均年齢は19.3±5.1歳であり,思春期後期の発症が多かった.(3) 冷えを多く感じている身体部位は足,ついで手であった.(4) 冬もしくは就寝前に冷えは増強した.天候や身体状況,とくに寒冷刺激により冷えが変化することが特徴的であった.(5) 冷え性の多くは生活上の工夫をしていたが治療を受けたものはわずかであった.(6) 冷え性のものには他の多くの身体症状を認め,CMIの得点も高かった.これより心因の関与の少ない本態性の冷え性は,自律神経失調症の部分症状としてとらえ得ると考えられた.(7) 冷え性のものの母親も多くは冷え性であり,冷え性の発症に関して遺伝的要因の関与が示唆された.
著者
近藤 佳代子
出版者
Japan Legal History Association
雑誌
法制史研究 (ISSN:04412508)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.39, pp.151-183,en9, 1990-03-30 (Released:2009-11-16)

The main aim of this article is to make clear the following two points. 1: How the matrimonial property relations branched from the property relations between the head and the members of a house prior to the Civil Code. 2: How it was arranged in the course of civil codification.First: In the early years of Meiji, the whole property of a house was regarded as the property of the head of the house. So, the property of a wife was unified to the property of the head of her husband's house. But the development of merchandising demanded that property would circulate freely, and tried to rid the house-members' property from the control of the head. The members came to be permitted to have separate property. But they still had to obtain the permission of the head of their house to buy or sell their separate property: the head signed and sealed a contract jointly. This restriction prevented the free circulation of merchandise.In 1882, the restriction was discontinued by Dajohkan (the Council of State) for all adult members of a house including women, except a wife. A wife had to obtain her husband's permission even if he was not the head of the house. Thus the matrimonial property relations branched from the property relations between the head and the members. But, before the enforcement of the Civil Code, only the notarized and inscribed property was recognized to be the members' separate property. So, the head's control over the rest of the property of a wife, as well as of the other members, still continued.Second: In the process of the civil codification, from the beginning, a wife's property rights were controlled not by the head of her house but by her husband. It was because the Japanese civil codification began after the model of the Napoleonic Code.The first draft of a Civil Code for Japan denied the Iye-system substantially: it admitted neither the authority of the head of a house nor the property of a house in substance. So it was criticized by the jurists who were espousing the Iye-system, and then it was revised.The Civil Code in 1898 prescribed the Iye-system. The head of a house succeeded to the property of the house by himself/herself. But the free circulation of property was also required in order to develop capitalism in Japan, so the members of a house were allowed to have their own property, which was free from the control of the head of their house. Thus the property of a wife was also entirely free from the control of the head of her husband's house, but it was under the control of her husband. The Civil Code permitted that a woman who was the head of a house would retain the headship at her marriage. But every wife, even if she was the head of a house, had to obtain her husband's permission to carry out some juristic acts and her property was under the control of her husband. Thus the matrimonial property relations and the rights of a husband were established.
著者
梅田 純子 三本 嵩哲 今井 久志 近藤 勝義
出版者
一般社団法人 粉体粉末冶金協会
雑誌
粉体および粉末冶金
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.81-87, 2017

訂正<BR><BR><p>本誌,第63巻第12号(2016)1002-1008頁に掲載された論文は,著者修正前の原稿で誤って掲載されました.著者より修正の申し出がありました.修正後の論文をここに改めて全文掲載します.</p>
著者
菊田 周 近藤 健二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

新生嗅細胞の分化・成熟過程に、嗅覚入力がどのような影響を及ぼすのかを検討した。嗅上皮障害後の再生過程を観察すると、障害後14日以降で、鼻閉側の嗅上皮が薄く、嗅細胞数や成熟嗅細胞数も開放側と比較して減少していた。さらに新生細胞の成熟は、嗅覚入力期間ではなく、障害後7-14日の嗅覚入力に依存することを明らかにした。閉塞後再開放側の嗅球背側領域の匂い刺激に対する神経活動は、開放側と比較して低下しており、嗅覚入力遮断による嗅上皮障害後の組織学的な不完全再生は、嗅覚機能面にも影響を及ぼすことが明らかした。