著者
金田 正徳 北村 清一郎 松岡 憲二 中村 辰三
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.203-211, 1989-06-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
7

竹之内と濱添の取穴法に基づいて刺入した次〓穴への刺入針と第2後仙骨孔の位置関係, および体表より触知し得る上後腸骨棘や仙骨角を指標とした後仙骨孔の体表投影位置を解剖学的に検討した。得られた結果は次の如くである。1.. 竹之内と濱添の取穴法による次〓穴への刺入針は, 第2後仙骨孔の下方あるいは下外方に集中した。2. 第1~第4後仙骨孔は, 内外方向には後正中線と上後腸骨棘間のほぼ中間に位置した。3. 吻尾方向には, 第1後仙骨孔は上後腸骨棘とほぼ同じ高さに位置し, 第2から第4後仙骨孔は上後腸骨棘と仙骨角間の吻尾方向距離をほぼ4等分する3点に一致した。
著者
中田 幸造 山川 哲雄 JAVADI Pasha NOORI Mohammad Zahid 金田 一男
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.85, no.767, pp.97-104, 2020
被引用文献数
2

<p> A strength–ductility–type seismic retrofit technique for soft first-story reinforced concrete (RC) buildings via addition of wing walls or panel walls was proposed by Yamakawa<sup>4)</sup>. This method is called the thick hybrid wall (THW) technique and is performed by jacketing an RC column and an additional wing wall using channel-shaped steel plates connected together by high-strength steel bars (PC bars). The steel plates and PC bars make steel formworks inside the RC frames during the additional concrete casting. Furthermore, they can serve for shear strengthening and confinement of RC columns after hardening of additional concrete. No longitudinal and transverse reinforcements or anchorage systems are provided in the additional wing wall; therefore, the construction is easy and cost-effective. The previous investigation<sup>6)</sup> of the one-bay one-story RC frame retrofitted by the THW technique verified that both lateral strength and ductility are considerably improved compared to those of the non-retrofitted RC frame. This study aims to propose equations that can be used to estimate the ultimate moment resistance and the minimum wing-wall length of RC columns retrofitted by the THW technique.</p><p> The ultimate moment resistance of the RC column with a wing wall (THW technique) is calculated by considering the whole section as a united section. In the proposed method, the strain distribution of the THW column section is divided into three fields, such as field A, B, and C, based on the location of the neutral axis changes according to the axial force levels. The unified THW column section is asymmetric about the centerline of the square column section; hence, the wall side is considered in compression only. The moment capacity equation is derived by considering the equilibrium of internal tension and compression forces with the external vertical axial load. Assuming the location of the neutral axis depth, a generalized equation is obtained based on the equivalent rectangular stress block parameters for concrete in compression that is adopted by the American Concrete Institution (ACI). Practically, the THW technique is applied in the field A, where all the rebars in the tension and compression sides of the existing RC column yield in tension, and the limit axial force ratio of the field A is represented as <i>η</i><sub>1</sub>.</p><p> The ultimate moment resistance of the THW column section is more accurately calculated by the fiber model method. The stress-strain model of concrete in the fiber model analysis is considered as Monder's model<sup>11)</sup>. In Section 4, the calculated results of the proposed equation, fiber model analysis, and simplified equations<sup>8)</sup> are in good agreement with the previous test results of both-sided (R03WC-P200S)<sup>4)</sup> and one-sided wing-wall (R03WO-S)<sup>5)</sup> specimens retrofitted by the THW technique.</p><p> The equation used to calculate the minimum wing-wall length of the THW technique is proposed in Section 5 based on the limit axial force ratio (<i>η</i><sub>1</sub>) in the field A. The calculated results based on the minimum wing-wall length equation show that the additional wing-wall length ratio <i>β</i> increases with increasing the axial force ratio <i>η</i>. Furthermore, <i>β</i> decreases with increasing the ratio of the compressive strength of concrete <i>κ</i> and depends on the tensile rebar ratio <i>q</i>.</p>
著者
仁木 賢治 新谷 公朗 糠野 亜紀 金田 重郎 芳賀 博英
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.601-614, 2009-02-15

保育所では,子どもの発達状況を記録する「発達記録」の作成・保存が,厚生労働省の指導によって義務付けられている.発達記録については,作成・保存するための発達記録システムが数社から市販されている.しかし,既存の発達記録システムでは,子ども1人ひとりの発達傾向を表示するグラフ機能は持っているが,クラス全体の保育傾向を示す機能は持っていない.そこで,本論文では,保育者の保育傾向をグラフによって読み取ることのできる,発達記録システムを提案する.具体的には,ヴィゴツキーの発達の最近接領域理論を観察項目スコアの付与方法に適用する.これによって,発達記録を作成する際の項目間のスコア付与基準のバラツキを排除する.次に,発達記録データを主成分分析し,その第1主成分を保育者にフィードバックする.プロトタイプシステムを用いて評価データを取得し,その第1主成分を保育者に提示するとともに,グラウンデッド・セオリ・アプローチで分析した.その結果,第1主成分には保育者の視点が反映されることを確認できた.
著者
金田鬼一 訳
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
vol.第4冊, 1948
著者
金田 聡 広田 雅行 内藤 万砂文
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.42-47, 2009-02-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
19

【目的】小児の腹部鈍的外傷の患者では,重症でも初期症状は軽度のことがあり,診断が困難な場合がある.小児腹部鈍的外傷症例の診察時に臓器損傷を見逃さないための注意点を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】対象は,1999年から2007年までに経験した臓器損傷を伴う小児腹部鈍的外傷の6例である.これら症例において初診から確定診断に至るまでの臨床症状,血液検査,画像検査等の経過を検討した.【結果】6例の平均年齢は8.7歳,性別は男児5例,女児1例,損傷臓器は,膵損傷2例,脾・左腎損傷1例,空腸穿孔2例,十二指腸穿孔1例であった.初診時に確定診断が得られたのは2例で,脾・左腎損傷例と空腸穿孔の1例において,初診時CT所見より診断された.他の4例では,初診時に確定診断が得られず,膵損傷の2例は,初診時の症状は軽度腹痛のみであったが,高アミラーゼ血症を認めたため膵損傷が疑われて治療は開始したものの,確定診断が得られたのは翌日のCT所見によってであった.十二指腸損傷例でも,初診時の症状は軽度腹痛のみで,検査でも異常は認めず,診断がつかないまま保存療法にて経過観察をしていたが,5日後の2回目のCTにより確定診断が得られた.更に空腸損傷の1例でも,初診時の腹部症状は軽度で,検査でも異常を認めなかったが,その後に症状が急激に増悪し,約12時間後の再診時に診断が得られた.【結論】小児の腹部鈍的外傷の診察時には,常に臓器損傷を念頭に置くこと,血液検査,検尿,超音波検査あるいはCTをルーチン検査とすること,また経時的な観察が必要であり,その重要性を保護者に十分に説明すること等が極めて重要である.
著者
金田 千秋 Kaneda Chiaki
巻号頁・発行日
2012

科学研究費補助金成果報告書 課題番号20320020 の一部
著者
金田 重郎
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2011-IS-117, no.7, pp.1-8, 2011-08-29

Object 指向は,英語圏で開発された概念であり,英語の認知構造が反映されている.しかし,我が国の学生・SE は,日本語に 「翻訳」 されたテキストを用いて,Object 指向を学んでいる.例えば,「オブジェクト指向は,対象世界の 『もの』 に着目して,ビジネスを分析する手法」 とされる.しかし,認知文法では,英語の Object は,日本語の 「もの」 とは一致せず,可算概念 (名詞) と対応する.Person は,Object であるが,Water は Object ではあり得ない.Event は Object である.一方,Object を 「もの」 と認識してしまうと,「発注」 等の 「イベント」 を Obejct として扱うべきか否かを悩むことになる.日本語によるヒアリング結果・仕様記述をクラス図へ変換する作業は,日英翻訳に等しい.そこに,日本語で Object 指向を学ぶひとつの困難性がある.この問題を解決するためには,Object 指向の学習に認知文法の学習を取り入れ,機械翻訳におけるプリエディットと同等の作業を,クラス図の作成時に,を行う必要がある.認知文法は,この変換作業におけるプラクティスとして利用できる.
著者
金田 重郎 井田 明男 森本 悠介
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.93-102, 2018-08-29

UML 静的モデル ・ クラス図に関するテキストは,数多く出版されており,海外の著名な作者によるテキストの翻訳も販売されている.しかし,これら多くのテキストでは,クラス図のシンタックスの説明はあるが,具体的に 「どうやって,クラス図を描くのか」 が意外に明示されていない.結果的に,市販テキストを用いただけでは,どの様にクラス図を描くのかを初学者が学ぶことは難しい.この問題点を解決するため,著者らは,クラス図が英語の認知構造を反映しており,それが,日本人初学者にクラス図を縁遠いものにしている一因であるとの仮説を示した.しかし,この既存ガイドラインをもってしても,「クラス図をどう描くのか」を具体的に示すガイドラインとしては不十分である.そこで,本稿では,クラス図の描き方のガイドラインを得ることを目的として,「クラス図とは何か」 を明らかにする.具体的には,1対多関連は,時間的前後関係を制約するものであり,結果的に,多対多関連を用いない通常のクラス図は,処理プロセス間の時間的制約を示すハッセ図であることを示す.即ち,クラス図は,人間の頭の中にある概念を取り出すツールというより,対象ビジネスを構成する処理プロセスの時間的制約関係 (材料 - 加工関係) を表現するツールである.クラス図を構成するクラスは,独立型と従属型に分かれるが,独立型では,他インスタンスとは無関係にインスタンスを生成できる.更に,従属型クラスには動作を表現するものが多く,クラス図を,中村善太郎の 「要のもの ・ こと」 モデルで理解できる.本稿では,以上の理解に基づくガイドラインを示し,そのガイドラインによって,実務家の間で知られるモデリング例題 「花束問題」 が分析できることを示す.
著者
加藤 勇気 小山 総市朗 平子 誠也 本谷 郁雄 田辺 茂雄 櫻井 宏明 金田 嘉清
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.28, 2012

<b>【はじめに】 </b>動的バランス能力低下を引き起こす要因として、足底感覚の低下が報告されている。その機序の一つとしては、機械的受容器の非活性化が示唆されている。臨床では、機械的受容器の賦活にタオルギャザーや青竹踏みが用いられている。しかし、刺激量が定量化できない事、随意運動が不十分な患者では施行できない事が問題となっている。近年、経皮的電気刺激(transcutaneous electrical stimulation以下TES)を用いた機械的受容器の賦活が報告され始めている。本手法は、刺激量が定量化でき、随意運動が不十分な患者でも施行できる利点がある。過去報告では、下腿筋群に対する運動閾値上のTESによって、足底感覚と動的バランス能力の改善を認めている。しかし、感覚鈍麻を認める患者においては、可能な限り弱い強度での電気刺激が望ましい。本研究では、足底に対する運動閾値下のTESによって動的バランス能力が向上するか検討した。<br><b>【方法】 </b>対象は健常成人17名(男15名、女3名、平均年齢24.6±3.2歳)とし、10名をTES群、7名をコントロール群に分類した。TES装置はKR-70(OG技研)を用いた。電極には長方形電極(8㎝×5㎝)を使用し、足底、両側の中足骨部に陰極、踵部に陽極を貼付した。TESは周波数100Hz、パルス幅200us、運動閾値の90%の強度で10分間連続して行った。コントロール群は10分間安静を保持させた。動的バランス能力の評価にはFunctional Reach Test(FRT)を用いた。FRTの開始姿勢は、足部を揃え上肢を肩関節90°屈曲、肘関節伸展回内位、手関節中間位とした。対象者には指先の高さを変えない事、踵を拳上しない事を指示し、最大前方リーチを行わせた。測定は2回行い、その平均値を算出した。統計学的解析は、各群の介入前後の比較に対応のあるt検定を用いた。本研究の実施手順および内容はヘルシンキ宣言に則り当院倫理委員会の承諾を得た。対象者には、評価手順、意義、危険性、利益や不利益、プライバシー管理、目的を説明し書面で同意を得た。<br><b>【結果】 </b>TES群は介入前FRT 34.6±3.2㎝、介入後36.9±3.2㎝と有意な向上を認めた。一方で、コントロール群は介入前34.3±1.9㎝、介入後34.6±2.0㎝と有意差は認められなかった。<br><b>【考察】 </b>足底に対する運動閾値下のTESは、動的バランス能力を向上させた。過去の報告で用いられた下腿筋群に対する運動閾値上のTESの作用機序としては、筋ポンプ作用によって末梢循環が改善され、機械的受容器が賦活されたと示唆されている。したがって、本研究における運動閾値下のTESの作用機序は異なるものであると考えらえる。運動閾値下のTESは、刺激部位の機械的受容器や上位中枢神経系の賦活が報告されている。機械的受容器の感受性改善は、足底内での細かな重心位置把握を可能とし、上位中枢神経系の賦活は、脊髄反射回路の抑制によって協調的な動作を可能にすると考える。今後、足底に対する運動閾値下のTESと重心動揺、上位神経系との関係を明らかにすることで、動的バランス能力向上の機序がより明確になると考える。<br><b>【まとめ】 </b>本研究によって足底に対する運動閾値下のTESが動的バランス能力を向上させることが示唆された。
著者
金田 房子 玉城 司 Fusako KANATA Tsukasa TAMAKI 清泉女子大学 SEISEN UNIVERSITY
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要 (ISSN:09109234)
巻号頁・発行日
no.40, pp.21-37, 2019-03-31

玉城司の所蔵する礫亭文庫には、越後魚沼の富農で俳諧を愛好した増田二川旧蔵の俳書約五十点や当時の著名職業俳諧師からの二川宛書簡などが所蔵されている。天保の三大家の一人としてあげられる鳳朗は何度も越後に足を運んでおり、両者の深い交流がこれらの資料から見えてくる。 本研究は地方の文化人の俳諧活動と、諸国を行脚した著名な職業俳諧師との交流の様を明らかにすることを目的とするが、その具体例の一つとして、本稿では二川旧蔵資料を取り上げ、二川と鳳朗との関わりを書簡の記述も読み解きつつ紹介する。併せて二川関連以外の同文庫所蔵の鳳朗関係資料も紹介し、その活動を跡づけることにしたい。The Rekitei Library, owned by Tamaki Tsukasa, houses a collection of written materials that previously belonged to Jisen, who was an affluent farmer and haikai-lover in Uonuma, Niigata during the late Edo period. This collection contains about fifty haikai books and a number of letters addressed to Jisen from the renowned professional haikai poets of the age. The documents reveal that Hōrō, one of the three great haikai poets, frequently visited Niigata and closely interacted with Jisen. This research aims to shed light on the literary activities of the local intellectuals, as well as the interactions among prominent professional haikai poets who traveled around the country. For instance, it uncovers the relationship between Jisen and Hōrō through a close examination of the written materials once owned by the former and the letters the two exchanged. In addition to Jisen-related texts, it also introduces the documents concerning Hōrō, tracing his accomplishments.
著者
石崎 和彦 橋本 憲明 松井 崇晃 名畑 越夫 神戸 崇 奈良 悦子 星 豊一 阿部 聖一 小林 和幸 重山 博信 平尾 賢一 金田 智
出版者
新潟県農業総合研究所
巻号頁・発行日
no.13, pp.47-66, 2015 (Released:2015-06-24)

「コシBL13号」は,新潟県農業総合研究所作物研究センターにおいて開発されたいもち病真性抵抗性同質遺伝子系統である。1996年より,戻し交配法を適用し,「K59」を1回親,「コシヒカリ」を反復親として育成された。いもち病真性抵抗性遺伝子型はPitと推定される。2011年から奨励品種決定調査に供試され,いもち病抵抗性以外の特性において「コシヒカリ」と類似性が高いことから,2013年に新潟県の奨励品種に採用された。なお,「コシBL13号」は,2014年に種苗法に基づき品種登録された。
著者
瀧和男 金田悠紀夫 前川禎男
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.18(1978-ARC-032), pp.1-10, 1978-09-13
著者
田中 亮 金田 浩太郎 戸谷 昌樹 宮内 崇 藤田 基 河村 宜克 小田 泰崇 鶴田 良介
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.398-401, 2016-07-01 (Released:2016-07-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1

当施設では心停止蘇生後患者に対する目標体温管理の導入と維持など,治療を目的とした体温管理に血管内冷却システムを使用している。今回,38歳男性のIII度熱中症患者に対し,体温管理目的に血管内冷却システムを使用し,良好に体温を管理できた症例を経験した。当施設に救急搬送され,体表冷却・冷却輸液などの従来の冷却方法を用いて管理した症例との比較では,目標温度到達時間や冷却速度は両者に差はなかったが,従来型冷却法では体温のリバウンドが認められたのに対して,血管内冷却システムを使用した本症例では目標温度到達後も体温を安定して管理できた。血管内冷却システムは熱中症症例の体温管理にも有用である可能性が示唆された。