著者
前田 裕二 村上 恵理子 秋山 一男 長谷川 眞紀 早川 哲夫 金子 富志人 宮本 昭正
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.1248-1255, 1994

ネコに感作されている40例の成人喘息患者を対象としてネコの喘息における臨床的な意義を検討するために吸入誘発試験を行った. 即時型 (IAR) および遅発型 (LAR) いずれかの反応は40例中29例にみられた. IARのみがみられた例は12例 (30%), LARのみは7例 (17.5%), ニ相性反応 (DAR)は 10例 (25%), 反応がみられなかった例は11例 (27.5%)であった. 各反応群における年齢, 吸入前 FEV_<1.0>%,%MMF, ネコ上皮へのRASTスコアおよびアセチルコリンによる気道過敏性の閾値の常用対数値はいずれの2群間においても統計学的には有意差はみられなかった. ネコとの接触歴がLAR群ではl4%と他の2群 (DARでは78%, 無反応群では70%)よりも有意に低い率であった. ラストスコアが高くかつ気道過敏性が亢進している例は他の二群よりもDAR群に多くみられた. 喘息反応はネコとの接触歴がある患者では15/22 (68.2%)に, 接触歴のない例では10/16 (62.5%)にみられ出現率は同じであった. 以上の成績から小児のみではなく成人においてもネコアレルゲンは重要であると考えた.
著者
長谷川 晃 伊藤 義徳 矢澤 美香子 根建 金男
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.68-71, 2010

The present study was conducted to revise the Japanese version of the Depressive States Checklist (JDSC), and to evaluate the construct validity of the revised version. Undergraduate students participated in two questionnaire studies. In Study 1, items with sufficient face validity and factorial validity representing the self-devaluative view and affective components were selected for the revised version of the J-DSC (JDSC-R). In Study 2, each factor of the J-DSC-R showed adequate construct validity because the correlation coefficients among the factors of the J-DSC-R, depressive symptoms, and depressive rumination generally supported the hypothesis. The J-DSC-R can be used to contribute to the understanding of vulnerability to depression.
著者
金田一 春彦
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, 1956-07
著者
吾妻 崇 太田 陽子 小林 真弓 金 幸隆
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.365-379, 1996-05
参考文献数
12
被引用文献数
1

The Nojima earthquake fault appeared along the recognized active fault in the northwestern part of Awaji Island in association with the 1995 Hyogoken-Nanbu Earthquake. This earthquake fault is dominated by right-lateral offset (max. 1.7m), with a high-angle reverse fault which has a maximum verlical displacement of 1.3m uplift on the southeastern side. We have repeated the measurement of seven profiles of the fault scarp at two areas (Hirabayashi, Ogura). The fault scarp of the Hirabayashi area (profiles 1-4) is composed of the Plio-Pleistocene Osaka Group at the base and is overlain by an unconsolidated gravel bed at the top. The Ogura area (profiles 5-7) is entirely underlain by the Plio-Pleistocene Osaka Group. The fault scarp in these two areas is characterized by an overhanging slope due to thrusting of the upthrown side. Scarp retreat at Hirabayashi occurred in association with the sudden collapse of the gravel bed and proceeded more quickly than at Ogura, where fault scarp retreat proceeded by exfoliation of the fault plane as well as partial collapse of the Osaka Group. These facts strongly indicate that the lithological control is most significant for the formation of original fault scarp as well as retreat. The retreat of fault scarp was very slow after March to June at Hirabayashi and June to July at Ogura, and proceeded more quickly than some of seismically generated normal faults.
著者
荒金 英樹 西村 敏 兼子 裕人 仁丹 裕子 浦底 美由希 増田 哲也 北岡 陸男 廣瀬 遼子
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.643-647, 2008 (Released:2009-04-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

症例は79歳女性。原因不明の意識障害で他院入院中、褥創の悪化、意識レベルの低下から当院転院となる。BMIは 14.6kg/m2、栄養補給は胃切除後から腸瘻より施行されていた。入院時血清銅値は正常であったが低亜鉛、高炭酸ガス血症を認め、プルモケア®にポラプレジンクを併用した栄養療法を開始、8週間後にポラプレジンクは併用のまま亜鉛、銅含有栄養剤を投与したが、6週間後に腸瘻周囲皮膚炎の悪化からTPNへ変更した。変更直後から白血球、好中球数の減少を認め、TPN開始8週後には白血球数1910/μL、好中球数343/μL、血清銅濃度は8μg/dLと低下していた。TPNに微量元素製剤添加したところ急速に好中球は増加、貧血も改善した。TPN開始から短期間で銅欠乏症が発生したことから、銅非含有栄養剤投与に加え、EN施行中の亜鉛負荷による銅吸収阻害が関与した可能性も考えられた。長期経管、経静脈栄養の際には、微量元素に留意する必要があり、その配合比率も検討が必要であると考えられた。
著者
金子 利佳 釜江 尚彦 曽根原 登
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会年次大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.34, pp.33-34, 2006

デジタル画像をインターネットで販売するためには,画像の概略を見せ,購入の決断を促すことが大切である.本研究では,半開示された画像に対する人の認知特性について検討した.実験の結果,画像の同定成績は画像をスクランブル化する範囲の大きさに影響を受けることが示唆された.
著者
渡邊 金愛
出版者
白鴎大学
雑誌
白鴎大学論集 (ISSN:09137661)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.447-464, 2002-03
著者
今西 純一 奥川 裕子 金 鉉〓 飯田 義彦 森本 幸裕 山中 勝次 小島 玉雄
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.9-14, 2011-08-31
参考文献数
20
被引用文献数
2 1

サクラ類は全国に広く植栽され,地域の重要な景観資源となっている。サクラ類を適切に管理するために,活力度の評価が必要となるが,開花期の着花状況に基づく活力度評価の方法は定まっていない。そこで,本研究は,奈良県吉野山のヤマザクラを対象として,着花状況に関する 4 つの評価項目の検討を行った。その結果,樹頂部の頂枝における芽の数や,葉芽と花芽の比率は,栄養成長と関連を持ち,活力度の評価項目として適切であることが明らかとなった。一方,1 つの花芽から出る花数は,様々な生育段階を含む集団の活力度評価には適さなかった。個体全体の満開時の着花量は,活力度評価には適さないと考えられた。
著者
竹井 健 中島 祥介 錦織 直人 小山 文一 中村 信治 浅田 秀夫 畠山 金太 大林 千穂 西久保 敏也 藤井 久男
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.342-349, 2016

Muir-Torre症候群は脂腺腫瘍と内臓悪性腫瘍を併発する遺伝性疾患で,Lynch症候群の一亜型と考えられている.症例は61歳の男性で,既往歴は36歳,38歳,46歳,56歳時に大腸癌,50歳時に胃癌があり,家族歴は父と叔父に大腸癌と多数の発癌患者を認め,Lynch症候群を疑い経過観察していた.61歳時に背部に1 cm大の出血を伴う結節が出現し,局所切除術施行し,病理組織学的検査にて脂腺癌と診断した.内臓悪性腫瘍の既往と脂腺癌の併発よりMuir-Torre症候群と診断した.診断後にも計5回の脂腺腫瘍と計2回の大腸癌の発生を認めたが,早期に加療し現在無再発生存中である.また,遺伝学的検査を行い<i>MLH1</i>の病的変異を認めLynch症候群と診断した.Lynch症候群はMuir-Torre症候群を呈することがあり,内臓悪性腫瘍だけでなく皮膚腫瘍も念頭に体表観察を行うことも重要と考えた.
著者
大寺 祥佑 金沢 星慶 金沢 奈津子 木内 隆裕 中山 健夫
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11025, (Released:2015-11-30)
参考文献数
28

【目的】本研究の目的は理学療法診療ガイドライン第1版の質を評価し,今後の改訂に向けて検討すべき課題を提示することである。【方法】AGREE II を用いて4人の理学療法士が独立にガイドラインを評価し,各ガイドラインの質の最終評価について合意を形成した。【結果】16件のガイドラインが評価の対象となった。領域別スコアの中央値(範囲:最小値~最大値)は,「対象と目的」54%(32~65%),「利害関係者の参加」38%(32~51%),「作成の厳密さ」35%(32~51%),「提示の明確さ」31%(26~47%),「適用可能性」9%(6~17%),「編集の独立性」19%(17~19%)であった。重要な推奨の明示に関する評価は,7段階リッカートスケールで中央値が3.0点(2.5~3.5点)であった。【結論】今後の改訂では,推奨の明確な提示や臨床における適用方法,利益相反の明示に留意するべきである。