著者
上埜 剣吾 荒金 兆典 浅井 睦代 川田 暁 手塚 正
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.466-470, 2004

患者は38歳,女性。急性扁桃腺炎の診断により近医でクリンダマイシンの点滴と塩酸ミノサイクリンの内服を受けたところ,多型滲出性紅斑様の皮疹が出現したため当院紹介となった。発熱と軽度の肝機能異常を伴っていた。クリンダマイシン,ミノサイクリンの使用を中止し,ホスホマイシン内服に変更したうえで,プレドニゾロン30mg/日の内服を開始したところ皮疹は改善し,発熱,肝機能も正常化した。経過中HHV-6のIgM抗体価,IgG抗体価は軽度から中程度の亢進を認めた。貼付試験を行ったところクリンダマイシン(10%,1%,0.1%)の各濃度全てに陽性反応を示し,HHV-6に誘発されたクリンダマイシンによる薬剤過敏症であると診断した。
著者
杉山 和碓 金 哲浩 小野 健太 渡辺 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.11-18, 1999-03-31 (Released:2017-07-21)
参考文献数
2
被引用文献数
1

デザイン決定プロセスはその企業の状況, 体質などによって異なる。その中で本研究ではデザイン決定プロセスに影響を与えると思われる要素の一つとして組織体系(企業におけるデザイン機能の組織的な位置)を取り上げ, 各企業におけるデザイン決定プロセスと組織体系との関係を明らかにし, 効率的なデザイン決定プロセスを行うための方向性を示すことを目的とした。そして, 各社のプロセスの現状を把握するために調査を行い, 各社のデザイン決定プロセスと組織体系を分類し, 比較を行った。その結果, デザイン決定プロセスの効率化においては, 事業部内デザイン組織の方が, 企業内独立デザイン組織に比べて効率的なプロセスをとっていることが分かった。しかし, 企業内独立デザイン組織であっても, 情報・知識の共有, 思考様式の統一を図るための工夫, 努力をすることによリ, 効率的なプロセスをとることは可能であることもわかった。
著者
森崎 玲大 小島 仁志 金澤 朋子 村田 浩一 小谷 幸司
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.597-602, 2020

<p>This study targeted six exhibition zones with different characteristics at the Yokohama Zoo "Zoorasia ," which grasped visitor satisfaction at each exhibition zone, clarified the relationship between visitor satisfaction and the purpose and attributes of visitors, identified the management and operation issues at each exhibition zone from a visitor satisfa ction perspective, and examined the factors that led to its occurrence. Ultimately, the aim of this study was to discuss a response policy in relati on to the management and operation policy of Zoorasia. The main results of this study are as follows:(1) Visitor attributes are classified into three types. (2) The degree of visitor satisfaction varies by exhibition zone and visitor type. (3) The factors affecting overall visitor satisfaction vary by exhibition zone and visitor type. (4) The management and operation issues (important improving items) vary by exhibition zone. With the above results, the response policy was discussed by relating issues in the management and operation of each exhibition zone with the current management and operation policy.</p>
著者
吉田金一著
出版者
近藤出版社
巻号頁・発行日
1974
著者
金城 衣良 脇田 夏鈴 植田 真一郎 松下(武藤) 明子
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
日本臨床薬理学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.3-P-V-1, 2021

<p>【目的】現在世界中で感染拡大しているCOVID-19は呼吸器症状のみならず、血栓症を合併し臓器障害を引き起こす.血栓の形成には様々な要因が存在するが、COVID-19での血栓の原因の一つに、活性化した白血球が細胞外に自身のDNAを放出する細胞外トラップ生成がある.我々は過剰な細胞外トラップ生成の抑制が、血栓による臓器不全を防止できると考え、白血球活性化を抑制するコルヒチンの白血球細胞外トラップ生成に対する効果を検討した.</p><p>【方法】単球系細胞株THP-1をホルボールエステルによりマクロファージ様細胞(Diff.THP-1)に、またはリンパ球様細胞株HL-60をDMSOで好中球様細胞(Diff.HL-60)に分化させたものを使用した.刺激としてTLR9リガンド作用を有するウイルス由来DNAモチーフ、LPSまたはTNFαを用い、刺激4時間での核酸染色試薬Sytox Greenの蛍光により細胞外トラップ生成を、刺激1時間でのwestern blottingによりNFκB p65リン酸化とIκB-α発現をみることで細胞内炎症シグナルを、コルヒチン前処置(1x10<sup>-8</sup>M, 1x10<sup>-6</sup>M)の有無で評価した.</p><p>【結果】Diff.THP-1においてコルヒチン1x10<sup>-8</sup>M前処置はTLR9リガンド、TNFa刺激による細胞外トラップ生成を抑制する傾向がみられ、TLR9リガンド、LPS刺激による炎症シグナル亢進を抑制した.Diff.HL-60においてTLR9リガンド刺激で同様の結果だった.また、コルヒチン1x10<sup>-6</sup>M前処置にはこれらの抑制効果がなかった.</p><p>【結論】コルヒチンは適切な濃度でNFκB経路活性化および細胞外トラップ生成を抑制する.これはCOVID-19の血栓形成による重症化予防にコルヒチンが有効であることを示唆する.</p>
著者
脇田 夏鈴 金城 衣良 植田 真一郎 松下(武藤) 明子
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
日本臨床薬理学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.3-P-V-5, 2021

<p>【目的】COVID-19が世界的規模で蔓延している現在、その治療薬や重症化予防法の開発は喫緊の課題である.コロナウイルスを含む病原体の多くはエンドサイトーシス(Edcs)で細胞内に侵入し、感染・増殖する.ヒトコロナウイルスはカベオラEdcsで取り込まれることが報告されているが、COVID-19原因ウイルスSARS-CoV-2に関しての知見は少ない.我々はSARS-CoV-2の細胞内侵入経路と、それに対する微小管阻害薬コルヒチン(Col)の効果について細胞を用い検討したので報告する.</p><p>【方法】ヒト単球系細胞株THP-1をマクロファージ様細胞に分化したものをガラス上に播種し、Col (1x10<sup>-8</sup>M, 1x10<sup>-6</sup>M)または溶媒を一晩処置し、カベオラEdcsを生じるコレラトキシンb (CTb)、またはリコンビナントSARS-CoV-2スパイクエンベロープ(Cv2SE)を1時間暴露後固定し、caveolin-1(cav1)またはゴルジ体マーカー(GM130 or Golgin97)と免疫染色し共焦点顕微鏡にて観察した.</p><p>【結果】[CTb 暴露] 溶媒処置では細胞内でcav1および ゴルジと共局在していたことからカベオラEncsを確認した.Col 1x10<sup>-8</sup>M処置は細胞膜上cav1発現部位にCTbは共局在しゴルジとは重ならずEdcs減少を認めた.Col 1x10<sup>-6</sup>M処置もCTbは主に細胞膜上に分布しcav1と共局在したが、ゴルジの細胞内局在が細胞内全体に分散し劇的に変化しており、高濃度Col処置では様々な細胞内シグナル経路の崩壊が起きていることが示唆された.[Cv2SE 暴露] 溶媒処置でゴルジと共局在を認めEdcsを確認した.Col1x10<sup>-8</sup>M処置は共局在が減少しておりEdcsが抑制されていた.ただしcav1とは局在せず、カベオラ以外でのEdcsが示唆された.</p><p>【結論】 SARS-CoV-2は非カベオラ経由Edcsで細胞内に侵入し、臨床用量ColのEdcs減少作用はCOVID-19感染抑制を期待できる.</p>
著者
金子 順一 堀尾 健一郎
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1055-1056, 2009

本研究は工作機械の旋回軸加速度を陽に設定可能な新しい知的工具姿勢計画法の実現を目的とする.本報では,工具経路上の各点に対応するM-Mapを用いて干渉領域の時間軸方向への変化を可視化し,これをBezier曲線に沿うように逐次変形することによって干渉の生じない連続的な旋回軸指令値の変化をGPU上で探索可能とするDistorted Spatial Temporal Distribution法の提案を行う.
著者
コリー 紀代 清水 弘美 高橋 望 小水内 俊介 近野 敦 金井 理 二宮 伸治 大塚 健 浅賀 忠義
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.117-125, 2018-04-25

背景 : 在宅医療の高度化により, 気管内吸引等の高度ケアを担う人材の育成が喫緊の課題である.方法 : 気管内吸引を行う看護師と看護学生の眼球運動を測定し, 気管内吸引中の認知・判断面を含めた多重タスク構造を気管内吸引オントロジーとして可視化した.結果 : 構築された気管内吸引オントロジーの階層構造からは, 手順という手続き的知識のみならず, 医療機器に関する知識, 気管内吸引が無効であった際の選択肢に関する知識など, 多岐にわたった専門知識が要求される行為であることが示された.考察 : オントロジーは「できる」能力の範囲や評価すべき能力の定義を示す教育評価ツールとしても活用の可能性がある表現法と考えられた.
著者
園田 高広 金山 貴明 鈴木 誉子
出版者
福島県農業試験場
雑誌
福島県農業試験場研究報告 (ISSN:03887723)
巻号頁・発行日
no.37, pp.11-18, 2006-08

(1)アスパラガス新品種「ハルキタル」および「春まちグリーン」を育成した。(2)「ハルキタル」は、生産ほ場の「メリーワシントン500W」の中から若茎の形質が優れていたことで選抜された優良雌株9307と、「メリーワシントン500W」と「Gijnlim」自殖一代の後代から選抜された超雄株9701を交配して得られた全雄一代雑種である。(3)ほ場試験の結果、「ハルキタル」は「UC157」よりも規格内収量が多く、若茎頭部のしまりが緊密で、若茎のアントシアニンの発現が少なく、揃いが良かった。また、アスパラガス斑点病の発生程度は、「UC157」よりも少なかった。(4)「春まちグリーン」は、「信濃ヨーデル」から若茎が太いことで選抜された優良雌株9436と、「Gijnlim」の自殖後代から選抜された優良雄株9324を交配して得られた一代雑種である。(5)ほ場試験の結果、「春まちグリーン」は、「UC157」よりも萌芽が遅く、若茎が太かった。
著者
金 イェジ
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.203-219, 2019

<p> This paper focuses on the Korean "daily toon," a specific genre of webtoon</p><p>(a portmanteau of the words "web" and "cartoon"). In these toons, a character</p><p>appears as an avatar presenting the writer's perspective. Present research considers</p><p>the melancholic representation of youth in the early years of daily toons.</p><p>Daily toons featuring authors' experiences were often drawn quite frankly, as</p><p>one would write or sketch in a diary. Youths developed an affinity for these</p><p>toons, as their production and consumption reflected facets of young people's</p><p>everyday life. Focusing on these points, this research aims to examine: ⑴ relationships</p><p>between the three aspects of the melancholic motif appearing in early</p><p>daily toons; ⑵ the structure of feeling of the younger generation and ⑶ personal</p><p>homepages as private spaces online( where episodes were published serially).</p><p> In the early 2000s, young people shared ambivalent emotions arising from</p><p>social changes following the 1997 financial crisis. They were tasked with maintaining</p><p>the role of standard-bearers for social change, while also experiencing</p><p>feelings of self-pity and loss. In the early daily toons, depressive feelings are</p><p>represented by three themes, namely: ⑴ thinking and self-reflection; ⑵ loss and</p><p>loneliness and ⑶ emptiness and lethargy. Such melancholic motifs can be interpreted</p><p>as symbolizing youths' depression and sense of loss, utilizing the properties</p><p>of personal homepages as private spaces for self-expression. In real life,</p><p>young people's collective actions toward social change occur in spaces such as</p><p>public squares, where their behavior and practices represent emotions such as</p><p>anger and resistance. In contrast, the motifs in the early daily toons can be</p><p>interpreted as representing more personal emotional processes (such as fear</p><p>and pity) among youth.</p>