著者
金京 拓司
出版者
神戸大学
雑誌
国民経済雑誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.202, no.5, pp.61-79, 2010-11
著者
金子 義弘 加藤 宗規
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100178, 2013

【はじめに、目的】ハンドヘルドダイナモメーター(以下,HHD)は安価で簡便な筋力測定方法である一方,膝伸展筋力など高い筋力値を測定する場合においては,徒手による固定方法では検者間による測定誤差が生じる可能性がある.この欠点を補うため,徒手に代わり運動を固定する固定用ベルトを使用した計測方法が考案され,先行研究では同一日でのtest-retest再現性について,若年および高齢健常者,脳血管疾患患者において良好な結果であったことが報告されている.しかし,運動器疾患を有する患者における再現性については報告されていない.そこで,本研究では,大腿骨近位部骨折術後の入院患者における本法のtest-retest再現性を検討するとともに,膝伸展筋力値による病棟内杖歩行自立のカットオフ値について検討した.【方法】対象は,大腿骨近位部骨折にて当院入院中で重度な認知症状がなく,免荷指示やその他の影響する疾患を有さない76名(女性60名,男性16名)である.内訳は,平均年齢80歳(55-97歳),平均体重46.7±10.3kg,手術内容は全人工関節置換術1名,人工骨頭置換術41名,骨接合術34名,手術から計測までの平均日数は26.5±8.4日であった.骨折に至った転倒原因は不明だが,計測時の移動能力は病棟内杖歩行自立以上が31名,杖歩行監視以下が45名であった.大腿四頭筋筋力の測定は椅子座位でアニマ社製等尺性筋力測定器 μTas MF-01を使用した.測定にあたり,被検者は体幹をベッドと垂直にして座り,両側上肢は体側両脇に位置して手をベッド面につき体幹を支持した.そして,パッドを含めセンサーを面ファスナーで被検者の下腿遠位部前面で足関節内果上縁の高さに固定し,さらに固定用ベルトでセンサーおよび下腿をベッド脚に固定した.測定肢の膝窩に折りたたんだバスタオルを入れ,測定時に大腿が床面と水平になるようにしたとともに,膝関節が90°屈曲位になるようにベルトの長さを調節した.等尺性膝伸展筋力は,5秒間の最大努力中における最大値として,健側および患側について各3回実施した.そして得られた結果から,3回の測定における再現性について,級内相関係数[The intraclass correlation coefficient;以下,ICC]と対応のある因子の一元配置分散分析により検討した.また,3回の最大値を採用した膝伸展筋力体重比を算出し,Receiver Operatorating Characteristic curveを用いて膝伸展筋力体重比による病棟内杖歩行自立のカットオフ値を検討した.なお,危険率は5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】対象者や家族には,研究の目的と方法,およびデータの管理と使用について書面を用いた説明を行い,同意を得た.【結果】膝伸展筋力測定の結果,健側の平均値(±標準偏差)は,1回目12.6±7.6 kgf/kg,2回目13.6±7.8 kgf/kg,3回目13.6±7.4 kgf/kg,患側の平均値は1回目7.6±4.3 kgf/kg,2回目8.2±4.3 kgf/kg,3回目8.5±4.4 kgf/kgであり,一元配置分散分析では両側ともに主効果を認めなかった.3回の測定の再現性について,ICC(1,1)の値は,健側が0.944(95%信頼区間;0.920-0.962),患側がICC=0.953(95%信頼区間;0.932-0.968)であった.また,3回の最大値を採用した体重比の平均値は,健側0.30±0.14 kgf/kg,患側0.19±0.08 kgf/kg,両側の平均値は0.24±0.10 kgf/kgであった.体重比による病棟内杖歩行自立のカットオフ値について,健側0.25 kgf/kg(感度0.65,特異度0.80),患側0.17 kgf/kg(感度0.80,特異度0.73),健患平均0.20 kgf/kg(感度0.70,特異度0.79)であった.【考察】固定用ベルトを用いたHHDによる等尺性膝伸展筋力測定は,大腿骨近位部骨折受傷後の入院患者においても,先行研究に報告された若年および高齢健常者,脳血管疾患患者と同様にtest-retestの再現性が高いことが考えられた.また,病棟内杖歩行自立のカットオフ値として今回示された膝伸展筋力体重比は,臨床における病棟内杖歩行自立の検討に関する一指標となると考えられた.【理学療法学研究としての意義】固定用ベルトを用いたHHDによる筋力測定方法は,大腿骨近位部骨折術後患者においても有効であることが示唆された.
著者
金山 知弘
出版者
名古屋大学高等教育研究センター
巻号頁・発行日
2013

2012年度名古屋大学学生論文コンテスト優秀賞受賞
著者
金沢 吉展
出版者
明治学院大学心理学部付属研究所
雑誌
明治学院大学心理学部付属研究所年報 = Annual Report of the Meiji Gakuin Institute for Psychological Research (ISSN:18827241)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.33-41, 2018-07

日本の心理職にとって長年の懸案であった法的資格である公認心理師法が制定された。しかしこの法律および関連する制度について,海外の同種の資格と比較すると様々な課題が指摘される。公認心理師に求められる知識・技術,ならびに業務の定義が曖昧であることにより,今後の混乱が懸念される。資格試験受験資格が大学院修了ではなく学部卒も含まれていること,資格更新制度が採用されていないことは,資格制定の目的である一般市民の保護に資するのか,疑問が提示される。卒後教育が必要であることは当然であるが,全国で充実した卒後教育を受けられるようなシステム作りが必要である。法的資格取得後の公認心理師の質向上について,関連する学会や職能団体が果たす役割は大きいと言える。
著者
金 光林
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.56, pp.9-16, 2020-06

筆者は東アジアの姓氏の発生と変遷過程についてこれまで研究を進めてきた。この研究をさらに発展させる形で、今回は東アジアの族譜の形成と発展についてまとめた。 本稿においては、先行研究の成果を踏まえながら、中国・朝鮮・日本の族譜(系図)の形成と発展の過程を辿り、中国族譜の編纂目的・体制(形式)・機能について調べ、中国と韓国・朝鮮の族譜の数と所蔵状況について確認した。そして膨大に残されている族譜が現代の研究資料としてはどういう価値を持ち、そこからどういう学問的成果が期待できるのか、という問題について考えてみた。 族譜は膨大な数の資料を残しながら、従来、この資料を対象にした研究が活発には行われなかった。それは族譜が収録された個々人の家族・宗族関係、出生、死亡などの私的な記録に偏り、膨大の資料の割には社会との関連で活用できる情報が乏しいこと、現存する族譜は中国でも、朝鮮でも近代初期に編纂されたものが多数であり、事実関係に信憑性が足りないものも多く、文献として活用する場合慎重な扱いが必要であり、族譜の編纂目的、それの持つ機能が現代社会の価値観にあまりなじまないということが族譜を対象とした研究が振るわない原因だと考えられる。そのために、族譜は歴史研究においては補助資料として活用されるに留まっていた。しかし、族譜に対して、新しい視点と多様な方法を持ち込むことで新たな学問的成果が期待できるようになった。
著者
八杉 克志 西名 大作 村川 三郎 金田一 清香 安藤 元気 石田 正樹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.79, no.702, pp.715-723, 2014-08-30 (Released:2014-09-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

The purpose of this study is to clarify the operating conditions of two kinds of domestic electric appliances which are a washing machine and a clothes dryer installed in a bathroom. Based on the measurements of electric power consumption in the 100 electrified housing located in Hiroshima area, 39 washing machines and 35 clothing dryers were examined. The operating conditions of the appliances varied in the frequencies of operation, the operating hours and the starting time of operation. Especially, the conditions of the operation with drying function differed from those without drying function. The housing was classified into several clusters by the Cluster analysis based on the starting time of operation. Each cluster showed different tendencies on the operating conditions.
著者
金山 富貴子 山本 眞理子 Kanayama Fukiko Yamamoto Mariko
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.26, pp.121-131, 2003-09-01

我々は、日常生活において様々な他者と相互作用を行う中で、種々の感情を相手に対して持つ。このような、ある特定の人物に対する感情は、対人感情と呼ばれる。対人感情とは、"特定の他者に対する持続的な感情"であり、相手との ...
著者
金崎 雅之 細江 守紀
出版者
日本地域学会
雑誌
地域学研究 (ISSN:02876256)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.283-293, 2002

In this paper, we analyze whether it can decrease the inefficiency of policy making by voting, which it was seen in Lizzeri and Persico (2001), by the central government and about the problem of allocation of political authority between the local and central government which can choose local public goods provision policy or redistribution policy of income. In Lizzeri and Persico (2001), the candidate who promises the provision of local public goods is not always chosen by voters even though the value of local public goods is high. This is inefficient in the view of social welfare.<br>However, in case this local public goods has spillover effect and the central government has the information about desirable public goods for this region sufficiently, it is desirable to give the political authority to the central government in the view of social welfare. As the value of public goods increase, the domain it is desirable to give the political authority to the central government expands in Winner-take all-system.<br>Conversely, in proportional-system, this domain is getting narrow with increasing of the value of one.
著者
金子 周司
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

近年、危険ドラッグとして我が国で蔓延した合成カンナビノイドの一種5F-ADBはカンナビノイドCB1受容体に対する強い親和性を示す一方、パニックなどの精神神経症状、頻脈などの心血管系症状を起こす。本研究では5F-ADB がドパミン・セロトニン神経機構に与える影響について検討した。急性単離中脳冠状切片において5F-ADB(1μM) はドパミン神経の自発発火頻度を有意に増加させCB1受容体遮断薬の存在下ではその増加作用は消失した。一方で縫線核セロトニン神経の自発発火頻度に関しては5F-ADBは影響を与えなかった。以上より5F-ADBはセロトニン神経活動に対して直接的な影響を示さないことが示唆された。