著者
金山 彰宏 小曽根 恵子
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー学会誌 (ISSN:09167382)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.9-13, 1997-09-25 (Released:2019-07-11)
参考文献数
8
被引用文献数
3

潜伏場所から出て,活動場所で行動するチャバネゴキブリの夜間の活動を,カメラを用いて観察した.観察の結果,雄成虫の活動は極めて活発で,餌場はもとよりその周辺部にも広く分散する様子が観察された.一方,卵を持った雌成虫では,その活動範囲は非常に狭く,潜伏場所に潜む個体数に関係なく夜間の行動は少なかった.卵を持たない雌成虫は,餌場に集中する傾向が強かった.雄雌成虫が示す行動パターンは雌雄成虫,幼虫が混在した条件でも大きく異なることはなかった.食堂内の開放された場所に設置した粘着式トラップに捕獲されたチャバネゴキブリ成虫の構成比をみると,雄成虫は64%,卵を持たない雌成虫は32%,卵を持った雌成虫では4%であった.このことは実験室内で観察されたチャバネゴキブリ成虫の行動特性を良く現していると思われる.
著者
山本 季来 金丸 眞一 辻 拓也 窪島 史子 金井 理絵 西田 明子
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.28-33, 2014 (Released:2015-07-01)
参考文献数
11

一般的に髄液耳漏は頭部外傷・腫瘍性疾患・炎症性疾患・手術後の合併症などが主な原因と考えられているが、これらの既往がなく、内耳正常の成人型特発性髄液耳漏は極めて稀である。今回我々は難聴・頭痛・めまい・鼻漏を主訴に当科を受診した特発性髄液耳漏に対して乳突開放術を行い、確定診断かつ治癒に至った症例を経験した。術前のCT、3D-CT、造影MRI、脳槽シンチグラフィーなどの複数の検査結果に基づく疾患部位の予測が、術前診断かつ治療方針決定に非常に有用であった。また本症例は術中診断で脳ヘルニアの状態にあったが、経乳突法のみで頭蓋底再建が可能であった。術後は聴力・頭痛・めまいの改善を認め、約1年4カ月経過したが明らかな再発を認めていない。
著者
金澤 浩 浦辺 幸夫 岩本 久生 白川 泰山
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.A0475, 2008

【目的】腱損傷や腱断裂の術後などでは腱組織の伸張性の改善が求められる.その際のリハビリテーションではストレッチングを用いる場合が多いが,ストレッチングによって生じる腱組織の伸張量は明確ではない.腱組織の伸張を目的としたストレッチングを効果的に実施しようとする場合,実施時間と腱組織の伸張量との関係を知る必要がある.本研究の目的は,下腿三頭筋をストレッチングし,アキレス腱伸張量とストレッチング時間との関係を調査してアキレス腱の伸張に有効なストレッチング時間を決定することである.<BR>【方法】対象は下肢に傷害の既往がなく,特別なスポーツ活動を行っていない健康な成人女性40名とした.方法は,まずデジタル超音波診断装置(EUB-6500,(株)日立メディコ)とリニア型プローブ(EUP-L54MA,(株)日立メディコ)を用い,安静立位の超音波画像上で右の腓腹筋内側頭の筋腱移行部を確認し,その位置の皮膚にマーカーを付けた.また,踵骨隆起の位置を確認して皮膚にマーカーを付け,二点間の距離をアキレス腱長とした.対象は足関節最大背屈角度に設定されたストレッチングボード上で立位をとった.ストレッチング終了直後,再び安静立位でアキレス腱長を測定し,ストレッチング前後のアキレス腱長を比較した.ストレッチング時間は,1分,2分,3分,5分,10分の5種類とした.1回のストレッチングの影響が最長で4日間持続するという報告があることから,各測定の間隔を5日以上とした.測定は同じ時間帯に行い,実施時間の順序は無作為に選択した.本研究は,医療法人エム・エム会マッターホルン病院倫理審査委員会の承認を得て行った.<BR>【結果】安静立位のアキレス腱長の平均は182.4±23.1mmだった.ストレッチング後,アキレス腱は,1分で3.3±1.5mm,2分で6.6±2.1mm,3分で6.8±0.4mm, 5分で7.1±0.5mm,10分で7.4±0.5mm伸張され,1分と2分では有意に伸張されたが(p<0.01),それより長い時間では伸張量に差は認められなかった.<BR>【考察】10分のストレッチングでアキレス腱は平均7.3mm伸張された.久保ら(2006)は,足関節底背屈0°で底屈方向への等尺性最大随意収縮時の腱組織の最大伸張量は20歳代で14.4mmだったと報告した.腱組織はストレッチングよりも筋収縮によってさらに伸張される可能性を示しており,腱損傷後などのリハビリテーションで段階的なストレッチングを実施する際に示唆を与えるかもしれない.アキレス腱伸張量とストレッチング時間との関係については,ストレッチングを3分以上行っても2分のアキレス腱長と差がなかったことから,腱組織の伸張を目的としたストレッチングは2分間で十分であると考えられた.<BR>【まとめ】本研究の結果,アキレス腱の伸張を目的としたストレッチングは2分で有効であることがわかった.
著者
久保 宏紀 金居 督之 北村 友花 古市 あさみ 山本 実穂 小林 実希 野添 匡史 間瀬 教史 島田 真一
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11130, (Released:2016-03-29)
参考文献数
37

【目的】脳内出血患者における急性期病院退院時の機能予後およびその要因を検討すること。【方法】2013年4月~2015年3月に入院となった脳内出血患者88例(男性76%,平均年齢65.2 ± 11.2 歳)を対象に,退院時modified Rankin Scale を用い予後良好群と予後不良群に群分けし,機能予後に影響を及ぼす因子およびそのカットオフ値を検討した。【結果】Cox 比例ハザード分析の結果,退院時機能予後に影響を与える因子として年齢(p = 0.008),入院時NIH Stroke Scale(p = 0.001)および離床開始日(p < 0.001)が抽出され,各カットオフ値はそれぞれ66 歳(感度:0.758,特異度:0.582),7 点(感度:0.970,特異度:0.818),2病日(感度:0.788,特異度:0.836)であった。【結論】脳内出血患者の急性期病院退院時の機能予後は年齢,重症度,離床開始日が関連している。
著者
金 銀実
出版者
埼玉大学大学院文化科学研究科
雑誌
日本アジア研究 : 埼玉大学大学院文化科学研究科博士後期課程紀要 (ISSN:13490028)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.63-73, 2012

私は1985年に中国吉林省延辺朝鮮族自治州にある朝鮮族と漢族が共存して暮らしている発電所村で生まれた。特殊な生活環境の影響で、私は小学校に入る前から、自分の民族について知っていた。民族について知っていながらも、小学校の高学年になるまで韓国の存在を知らないまま暮らしてきた。そんなある日、叔父が韓国へ出稼ぎに行くようになり、それをきっかけに韓国に興味をもつようになる。それ以外にも、私のまわりでは、家族を含む多くの親戚たちが、延辺を離れて、中国の都市部へ、韓国へ、と移動をする人たちが多く、それを当たり前のように受け止めながら、暮らしてきた。 しかし、大きくなるにつれて、それは決して普通のことではない、朝鮮族に特有のことであるのに気付き、大学院で研究することにした。そのなかでも、特に朝鮮族の移動が目立つ韓国への移動をめぐって、修士論文を書こうと思い、埼玉大学から韓国の高麗大学に交換留学をした。しかし、当初、まわりの朝鮮族の友達に「韓国人の朝鮮族に対する差別はもうあまりないと思うし、それを研究テーマにして意味あるの?せっかく日本に留学しているんだから、日本でできる研究テーマを選んで研究した方がいいんじゃない」と反対されたこともあった。 韓国では、朝鮮族教会、城南教会などを訪れて、フィールドワークをおこなうと同時に、在韓国中国朝鮮族18人に聞き取り調査もおこなった。半年間のフィールドワークと聞き取りを通じて、「中国が影響力を持つようになってきたから、韓国人が朝鮮族を差別しなくなった」と一言では言いきれない、在韓国朝鮮族の人々がおかれた状況は十人十色、百人百様だということを知った。また、在韓国中国朝鮮族の各人がもっている資源、置かれた境遇、制度的なものなどによって、その人たちの韓国での生活体験への意味づけ、アイデンティティ構築(変容)が違ってくることもわかった。 今回の調査ノートは主に、私の身のまわりで起きたことと在韓国中国朝鮮族18人からの聞き取り事例だけに基づいて書いたもので、全体状況の把握に欠けているのは事実である。だから、今回の調査ノートは、今後より多くの韓国在住中国朝鮮族に聞き取り調査を実施し、彼ら/彼女らの存在のありようについて、多様性を描出しつつ、全体状況の把握に努める入口にしたいと考えている。
著者
山内 康太 小柳 靖裕 岩松 希美 熊谷 謙一 萩原 理紗 金子 裕貴 藤本 茂
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0061, 2015 (Released:2015-04-30)

【目的】脳卒中発症後における機能・能力障害に対しては発症直後より可及的早期の集中的なリハビリテーションが推奨されている。脳卒中急性期では機能障害,併存疾患,社会的背景などをもとに機能予後を予測しリハビリテーションを遂行する。特に日常生活自立のために重要な機能の一つである歩行障害の予後予測は治療内容や転帰先を検討するうえで重要となる。本邦における脳卒中治療ガイドラインにおいては機能障害の評価としてStroke Impairment Assessment Set(SIAS)が推奨されており,総合的な機能障害の評価として汎用されている。SIASは併存的・予測妥当性は証明されているが,急性期におけるSIASに関する報告は少ない。またSIASが能力障害の重症度を判別できるか否かなど,ベンチマークとなる点がなく指標がないのが現状である。今回,SIASによって発症以前の活動に制限がないとされるmodified Rankin Scale(mRS)≦1,歩行自立(mRS≦3)の判別および脳卒中発症1週目におけるSIASによる予測妥当性について調査したので報告する。【方法】2010年4月から2013年7月までに発症1週以内に脳卒中にて入院し,リハビリテーションを施行した479例のうち入院前modified Rankin Scale(mRS)0-1であった341例を対象とした。調査項目は年齢,性別,既往歴(高血圧,高脂血症,糖尿病,心房細動,腎不全,閉塞性動脈硬化症,虚血性心疾患),発症1週目におけるSIAS,NIHSS,Trunk Control Test(TCT),Functional Independence Measure(FIM)認知項目とした。(1)SIASによる能力障害の重症度判別の解析は機能障害と能力障害の乖離が生じないようにリハビリテーションを実施した発症3週目(発症3週以内の場合は退院時)におけるSIASがmRSの各スコア間で階層化されるか調査した。SIASのmRSスコア別における群間比較はKruskal-Wallis検定およびBonferroni検定を用いた。また活動制限なし(mRS≦1),歩行自立(mRS≦3)を判別するSIASのカットオフ値はROC分析によって求めた。(2)脳卒中急性期におけるSIASの予測妥当性は3ヶ月目における歩行可否を予測し得るか否かとした。統計解析は3ヶ月目の歩行可否における2群間の比較において有意差を認めた因子を独立変数とし,3ヶ月目歩行可否を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った。なお,年齢は単変量解析の結果に問わず調整すべき変数として強制投入した。【結果】(1)SIASにおける能力障害重症度判別mRSのスコア別におけるSIASの中央値(四分位範囲)はmRS0;75(73-76)点,mRS1;74(72-76)点,mRS2;72(70-75)点,mRS3;70(60-74)点,mRS4;51(38-64)点,mRS5;24(15-35)点であり,mRS0-2までの群間および2-3の群間に差を認めなかった。これらの群間以外は全て有意差を認めた。活動制限なし(mRS≦1),歩行自立(mRS≦3)のカットオフポイントは各々71点(感度87.0%,特異度69.7%,曲線下面積0.85),64点(感度93.2%,特異度86.5%,曲線下面積0.96),であった。(2)急性期におけるSIASの予測妥当性3ケ月フォローアップが可能であった315例のうち,3ヵ月後歩行が自立した症例は257例(81.6%)であった。単変量解析の結果,病型,性別,BMI,糖尿病有無,閉塞性動脈硬化症有無,発症1週目SIAS,NIHSS,TCT,FIM認知項目に有意差を認めた。SIAS,NIHSS,TCTは相関係数r>0.8であり,多重共線性を考慮し,危険率が最も低値であったSIASを機能障害の指標として独立変数とした。多重ロジスティック回帰分析の結果,独立した予測因子はSIAS(OR1.12,p<0.001),FIM認知項目(OR1.08,p=0.003),年齢(OR0.95,p=0.040)であった。判別的中率は93.4%と高値であった【考察】本邦ではSIASが汎用されているが評価した点数により重症度を判断することができないのが現状であった。本研究の結果では発症前の活動制限を認めない能力(mRS≦1),歩行自立(mRS≦3)のカットオフポイントは各々71点,64点であった。今回の結果より3ケ月後における歩行可否の予後予測にSIAS,FIM認知項目,年齢が独立した因子であり,SIASの予測妥当性が証明された。つまりSIASは歩行能力などの能力障害を判別し,予後予測の独立した因子であり,急性期脳卒中リハビリテーションの評価として有用であることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】本研究は本邦で汎用されているSIASの急性期予測妥当性を明らかにした初めての研究であり意義が高い。

1 0 0 0 OA 真宗学序説

著者
金子大栄 著
出版者
文献書院
巻号頁・発行日
1923
著者
阿部 百合子 住友 直方 大熊 洋美 福原 淳示 市川 理恵 平井 麻衣子 中村 隆広 松村 昌治 金丸 浩 七野 浩之 鮎沢 衛 陳 基明 麦島 秀雄
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.2, pp.S2_64-S2_68, 2012 (Released:2013-09-18)
参考文献数
8

背景:抗真菌薬には種々の副作用が報告されている.抗真菌薬使用後QT延長に基づくtorsade de pointes(TdP),無脈性心室頻拍(VT),心室細動(VF)に対し静注用アミオダロンの効果が認められた小児例を報告する.症例:15歳,男児.再発急性リンパ性白血病(ALL)の化学療法後の骨髄抑制期間に深在性真菌感染をきたし,抗真菌薬であるアムホテリシンBリポソーム製剤(L-AMB)を投与した.L-AMBの副作用と考えられる低カリウム血症を認め,補正を行ったが低カリウム血症が続いた.その後,真菌感染の増悪を認めたため,アゾール系抗真菌薬であるボリコナゾール(VRCZ)の追加投与を行った.VRCZ投与6日後から副作用と考えられるQT延長を認め,7日後からTdP,無脈性VT,VFをきたした.抗真菌薬の副作用と診断し,薬剤を変更して,さらなる低カリウムの補正を行い,メキシレチン,プロプラノロール,ニフェカラント,リドカインを投与したがVT,VFのコントロールは非常に困難であった.その後,アミオダロン1.6mg/kgの単回静注したところ,TdP,VTは停止し,アミオダロンの持続静注を開始したところVT,VFはコントロールされた.VT,VFは消失したが,抗真菌薬の変更を余儀なくされ,真菌感染の増悪を招き死亡した.結語:低カリウム血症を認めた場合に,ボリコナゾール(VRCZ)などQT延長を認める可能性のある薬剤の使用には注意が必要である.このような場合,アミオダロンの使用には注意が必要であるが,一部の症例では有効と考えられた.
著者
川井 祐美子 吉本 真純 坂田 佳成 天野 喜崇 金子 貴俊 宮本 梓
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.F-058, 2020 (Released:2020-01-01)

【背景】先行研究において,足関節背屈運動に伴い遠位脛腓関節(以下,DTFJ)が離開することや足関節内反捻挫による不安定性がDTFJの離開と関係すると報告されているが,足関節背屈に伴うDTFJの離開距離については明らかになっていない.本研究の目的は,足関節の前方不安定性がDTFJ離開距離に与える影響を明らかにすることである.【方法】対象者は大学生30名(左右合計60肢)とした.評価項目は,足関節背屈可動域,背屈0°のDTFJ離開距離,最大背屈位のDTFJ離開距離,前方引き出しテスト(以下,ADT)とした.DTFJ離開距離の測定は超音波断層撮影装置(TOSHIBA社製Nemio XG SSA-580A)を使用した.計測後,最大背屈離開距離と0°離開距離の差(以下,開大距離)を算出した.統計処理は足関節背屈0°のDTFJ離開距離および最大背屈位のDTFJ離開距離と足関節背屈可動域との関係性についてピアソンの積率相関係数を用いた.有意水準は5%未満とした.【倫理的配慮】所属施設の倫理委員会にて承認を得た.参加者に十分な説明を行い,書面にて同意を得た.【結果】ADTは陰性48脚(以下,陽性群),陽性12脚(以下,陰性群)であった.陽性群,陰性群ともに背屈0°離開距離と開大距離の間に有意な負の相関を認めた(陰性群:r=-.34.p<.05,陽性群:r=-.73,p<.05).陰性群最大背屈離開距離と開大距離の間に有意な正の相関を認めた(陰性群:r=.47,p<.05)が,陽性群最大背屈離開距離と開大距離の間に相関を認めなかった.また両群とも開大距離と背屈可動域の間に有意な相関を認めなかった.【考察】陰性群最大背屈離開距離と開大距離の間に有意な正の相関を認めたが陽性群最大背屈離開距離と開大距離の間に有意な相関を認めなかった.この要因として足関節前方不安定性による距腿関節のマルアライメントが背屈に伴うDTFJの開大に影響していると考えられる.よって陽性群においてDTFJ開大制限が生じていること示唆された.
著者
松原 絵里子 小杉 裕一郎 加納 公子 松本 有右 下平 秀夫 内田 寛 湯浅 宏 金谷 芳雄
出版者
一般社団法人 日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.129-135, 1993-03-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
16

Accuracy of dividing weight of 11 drugs (5 powders, 3 fine glanules and 3 glanules) were tested on a automatic pre-packing machine, TOSHO BL-4W. The mean coefficient of variation (C. V.) was 3.9% for 30 subpacks of 1g in theoretical weight and sufficient accuracy of dividing weight was obtained. However, fine lactose, corn starch, and precipitated calcium carbonate showed relatively large C. V. values. The mean C. V. of 3 drugs (Gastropylore, heavy magnesium oxide and Marzulene S) were 3.0 and 5.5% obtained on 0.3 and 0.6g in theoretical weight, respectively, and these mean C.V. were regarded as sufficient. However, on 0.3g in theoretical weight, Gastropylore gave relatively large C. V., 8.5%. Gastropylore also gave relatively large C. V. on total weight of 30 subpacks. Angles of fall were highly correlated to C. V. values. It is suggested that angles of fall are especially useful for predict accuracy of dividing weight on a pre-packing machine.
著者
斎藤 金兵衛
出版者
農林省蠶絲試驗場
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-13, 1959 (Released:2012-08-30)
著者
加藤 金治 高島 教一郎 中島 篤之助
出版者
社団法人 日本分光学会
雑誌
分光研究 (ISSN:00387002)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.293-298, 1976

In the atomic absorption spectrophotometry using an air-acetylene flame, both titanium and niobium existing as peroxo-complex compounds (presumably peroxo-) in nickel-base alloy sample solution seriously interfere with the determination of copper, manganese, and cobalt. Obtained absorbance readings for these elements show random values.<BR>The following two dissolution treatments have been examined: 0.5 g portions of the sample are dissolved in (1) HNO<SUB>3</SUB> (5 m<I>l</I>) +HCl (5 m<SUB>l</SUB>) +HF (1 m<SUB>l</SUB>), (2) 3N-H<SUB>2</SUB>SO<SUB>4</SUB> (25 m<I>l</I>) +HCl (10 m<I>l</I>) +H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB> (10 m<I>l</I>), and the solutions are diluted exactly to 100 m<I>l</I> with water. In the former, no interference effect is observed. In the latter, irregular absorbance readings are obtained for copper, manganese, and cobalt. No interference effect is observed, however, when a nitrous oxide-acetylene flame is used.<BR>The mechanism of the interference effects has been investigated by using an especially prepared twin-nebulizer. From the result, it is concluded that the origin of the interference effects can be attributed to the vaporization behavior of wet aerosols. Probably, these aerosols make refractory compounds in the air-acetylene flame and the compounds occlude copper, manganese, and cobalt and the incomplete dissociation of these compounds traversing the flame zone causes the irregular absorbance readings.
著者
水田 博之 芝崎 靖雄 延谷 宏治 金丸 文一
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1043, pp.355-362, 1982-07-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
5

0.12K2O・0.48PbO・0.40ZnO・0.15Al2O3・1.70SiO2(mol) の基本組成を持つ基礎釉及び基本組成にTiO2(5wt%) とNH4VO3(3wt%) を単独または同時に加えた組成の釉について結晶化及び虹彩現象の研究を行った.1150°-1250℃の温度範囲で溶融後徐冷すると基礎釉及びV添加釉ではZn2SiO4の結晶が析出するが, Ti添加釉ではZn2SiO4とZn2TiO4の結晶が析出した. TiとVを同時添加した釉ではルチル型 (TiO2) が主として析出し鮮やかな虹彩を示した. この虹彩現象は葉片状に集合した薄板状ルチル型 (TiO2) の析出によって引き起こされるが, Zn2TiO4やZn2SiO4の析出は逆に虹彩現象を弱めた. 析出結晶相の同定には, 実体顕微鏡, 走査型電子顕微鏡, 分析電子顕微鏡やX線回折装置を用い, 析出結晶と虹彩現象との関連性を詳しく議論した.
著者
村井 貞子 稲積 温子 金子 義徳 奥田 六郎 田中 陸男 川崎 富作
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.227-239, 1982

溶連菌保菌者と臨床的あるいは細菌学的に溶連菌感染症と確認された症例について, Bactericidal testによるM抗体と凝集反応によるT抗体とを比較した.結果は以下のとおりであった.<BR>1) 1, 4, 6型について観察された範囲では保菌菌型とT抗体には強い関連性が見られた.<BR>2) 急性糸球体腎炎患者54例について観察されたT抗体とM抗体については, T12抗体陽性7例中6例がM12抗体強陽性であり, T12抗体陽性がM抗体の存在を示す良い指標となりうることを示してい九一方, T抗体陰性は必ずしもM抗体陰性を意味するものではなかった.<BR>3) 感染菌型に相当するT抗体は, 猩紅熱, 咽頭炎の溶連菌一次症では発病後3週頃より検出し得た.<BR>4) リウマチ熱や急性糸球体腎炎の溶連菌二次症の場合にはT抗体の陽性率は, 猩紅熱あるいは咽頭炎のような急性感染に比較して高く, 多様なT抗体パターンを示す症例の多いことが認められた.<BR>5) インドネシア・東ジャ鳴の住民のT抗体パターンは日本のパターンと著しく異なり, 日本と眼なる菌型のA群溶連菌の浸淫を示唆していた.