著者
古沢 明彦 鵜浦 雅志 野ツ俣 和夫 森岡 健 早川 康治 松下 栄紀 小林 健一 服部 信 牧野 博 福岡 賢一 田中 延善 中川 彦人 西邨 啓吾 金井 正信 杉本 立甫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.2765-2772, 1989 (Released:2007-12-26)
参考文献数
32
被引用文献数
1

40歳未満で発症した若年肝細胞癌 (HCC) 11例について, 非若年HCC187例と臨床病理学的に比較した. 若年ではHBsAg 陽性例が10例(91%)と非若年に比し有意に高率であり, 50%にHBVや進行性肝疾患の家族集積を認めた. 肝硬変合併率は73%と非若年と差異は認めなかつた. 肝障害の既往を有する例は27%で, 腹痛で発症し発見時進行例が多かつた. 腫瘍随伴症候群 (PNS) 合併例が若年では36.3%と非若年に比し有意に高率であつた. PNS合併若年HCCではLC合併例は25%と低く, AFP著増例が多く且つ著しく予後不良であつた. 以上より我が国の若年HCCではHBVが発癌に強く関与し, またPNSを伴う例はHCCの中でも特徴的な1群を形成しているものと推測された.
著者
森下 浩二 横川 三津夫 宇野 篤也 石原 卓 金田 行雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.17, pp.1-5, 2014-12-02

現在日本最速のスーパーコンピュータである 「京」 を用いて,一様等方性乱流の超大規模直接数値シミュレーション (DNS) を実現するために,地球シミュレータ向けに開発された,フーリエ・スペクトル法に基づく一様等方性乱流の DNS コードの 「京」 への移植,及び最適化を行った.移植の際には,従来の 1 次元分割によるデータ分散手法から,より効率的な All-to-all 通信が可能であると考えられる 2 次元分割による手法へと変更を行った.その結果,「京」 の 192×128 ノードを用いて最大格子点数 122883 の超大規模 DNS の実現に成功した.これはプロダクトランとしては世界最大の一様等方性乱流の DNS である.ピーク性能比として,格子点数 61443,81923,122883 の DNS でそれぞれ 3.84%,3.14%,2.24% の実効性能が得られた.また,コードの更なる高効率化のために,乱流 DNS 特有のアルゴリズムに対する最適化を試み,その性能評価を行った.

1 0 0 0 OA 犯罪者の心理

著者
金子準二 著
出版者
犯罪科学書刊行会
巻号頁・発行日
1934

1 0 0 0 OA 地鯰居士雜筆

著者
武者 金吉
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第1輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.10, no.12, pp.543-547, 1938-12-25 (Released:2010-03-09)
著者
江本 宏史 金廣 裕道 中島 祥介 堀川 雅人 中野 博重 堤 雅弘 小西 陽一
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.820-824, 1997-10-25 (Released:2009-08-13)
参考文献数
11

症例は42歳, 女性で右季肋部痛を主訴に受診した。超音波検査にて肝腫瘍と診断, 諸検査の結果, 肝血管肉腫と診断され平成3年5月に肝右葉切除術を施行。病理学検査にて肝血管肉腫と確診された1症例を報告する。本症例は, 肝血管肉腫の原因としてあげられている, トロトラスト, 塩化ビニール等とは因果関係は認められなかった。肝血管肉腫は, 原発性肝腫瘍のなかでは比較的稀であるが, その予後は一般に不良とされている。本例も外科的切除し得たにもかかわらず, 術後20カ月目にして, 再発による腫瘍死を遂げた。本症例の経験からも, 肝血管肉腫は早期診断と広汎囲な外科的切除が, 予後の向上につながると考えられた。
著者
大石 康彦 金濱 聖子 比屋根 哲 田口 春孝
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.70-77, 2003-02-16
被引用文献数
14

日林誌85:70〜77,2003 森林環境のイメージと気分を比較検討することを目的に,5種類の森林と対照区(森林外)で実験を行った。各実験区においては被験者(n=44)に10分間の自由行動を与えた後にPOMSおよびSD法により評価させ,最後に5種類の森林を順位付けさせた。POMSの結果,活気を除く5尺度(緊張,抑うつ,怒り,疲労,混乱)に森林外と各実験区の間に有意差が認められたが,5実験区相互の間では一部を除き有意差が認められなかった。SD法の結果,価値因子,空間因子が認められた。価値因子においては,2区が最高,1区が最低の評価を得た。空間因子においては,1区が最も開放的な評価を得,4区が最も閉鎖的な評価を得た。好みの順位は2区-5区-4区-3区-1区であった。POMS尺度,SD法因子,好みの順位の結果からSpiamanの順位相関係数を求めた。POMSの活気尺度と好みの順位の間にプラスの相関が,疲労尺度と好みの順位の間にマイナスの相関が認められた。
著者
金城 やす子 Kinjo Yasuko 名桜大学人間健康学部看護学科
出版者
名桜大学
雑誌
名桜大学紀要 (ISSN:18824412)
巻号頁・発行日
no.19, pp.97-104, 2014

幼児の睡眠の実態を明らかにするため,保育園通園児の保護者を対象に質問紙調査を行った。3~5歳児の保護者1064名の回答を処理した。幼児の睡眠では21時までに就寝すると回答したものは3歳児で85名(25.9%), 4歳児108名(27.8%), 5歳児84名(30.1%)と約3割は適切な時間に就寝していた。また21時~22時の睡眠は各年齢ともに60%程度であり,約9割の幼児の就寝時間は適切な範囲にあると考えられる。睡眠潜時(就床から入眠までの時間)では平均23分,最小値は1分から最大120分の回答があった。睡眠と不定愁訴では「疲れた様子がある(からだがだるそう)」は起床時間,睡眠持続時間に有意な差がみられたが, 「朝の寝起きが悪い」 「気分にむらがある」 「落ち着きがない」 「保育園に行きたがらない」の4項目については,就寝時間が21時~22時の子どもとそれ以外の時間に就寝する子どもにおいて有意な差がみられた。また保護者の生活リズムに関する意識調査では約9割の保護者は規則的な生活が送れていると考えていた。保護者の意識と子どもの就寝時間との関連では21時までに就寝する子どもでは95%, 22時までは85%, 22時以降は43%が規則的な生活ができていると認識されていた。子どもの生活における睡眠行動としては,寝つきの良さ・目覚めの良さ・就寝時間が重要であることが示唆された。l conducted a questionnaire survey to the parents of nursery school children in order to reveal the actual conditions of the infants' sleep behaviors. I processed 1064 answers from parents who had three- to five-year-old children. Regarding the infants' sleep behaviors, 85 (25.9%) parents of the three-year-olds, 108 (27.8%) of the four-year-olds, and 84 (30.1%) of the five-year-olds replied that their children would go to bed by 21:00. The result shows that about 30% of the infants would go to bed at an appropriate time. Moreover, 60% of the infants of each age would go to bed between 21:00 and 22:00, which suggests that 90% of the infants sleep for a proper amount of time. The infants' average sleep latency was 23 minutes, minimum 1 minute and maximum 120 minutes. Concerning the infants' sleep behaviors and general malaise, there were five behaviors affected by the time the infants woke up and the duration they slept : "looking tired, "waking up in a bad mood, "having a mood swing, "being restless, and "not wanting to go to nursery school." There was a meaningful difference between the infants who would go to bed between 21:00 and 22:00 and those at different times. In the attitude survey on the parents' life rhythm, about 90% thought that they were leading a systematic life. Concerning the relationship between the parents' awareness and the time their children went to bed, 95% of the infants who go to bed by 21:00 were recognized as leading a systematic life, 85% by 22:00, and 43% after 22:00. This study suggests that the time when infants go to bed is the most important issue among infants' sleep behaviors and their life rhythm.
著者
金 景柱 岩橋 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.336, pp.9-16, 2000-10-06
被引用文献数
14

本報告では, 音声と画像情報を統合的に処理することにより, 単語と単語を構成する音声セグメントを獲得するための原理およびアルゴリズムについて述べる.音声セグメントと単語の階層構造を, 音声に対応づけれた画像情報を用いていかに獲得するかが問題であり, これを解決するための相互情報量規準に基づいた情報理論的学習原理が示される.これにより, 音声セグメント, それによって構成される単語, および各単語に対応付けられる画像概念が同時に求められる.アルゴリズムでは, 音声セグメントと単語と動的画像概念が隠れマルコフモデル, 静的画像概念が多次元正規分布で表現され, これらの確率モデルの数とパラメータ値が自動決定される.単語を孤立発声した音声とぬいぐるみの画像を用いた実験を行ない, 言語音声単位と画像概念が適切に獲得できることを示す.
著者
大田 友一 尾野 徹 秋道 慎志 藤田 米春 井上 誠喜 斎藤 英雄 北原 格 大城 英裕 藤野 幸嗣 金出 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.633, pp.17-22, 2001-02-15
被引用文献数
4

現実空間を多数のビデオカメラで撮影した映像を統合して仮想化現実空間を構成し、臨場感の高いコミュニケーションを可能にすることを目指して進めているプロジェクトについて述べる。多数の2D映像と、それらを加工することにより構築される3Dモデルを、CV技術とCG技術を駆使してシームレスに統合することにより、受け手の視点選択の自由度と実時間性を両立させた自由視点映像スタジアムを開発していく。特に、多数の固定カメラと少数の可動カメラの併用により画質を飛躍的に向上させる技術を開発するとともに、現実のスタジアムの空間に複数のカメラを設営した大規模な実験を行うことによって、実用化のために要求される開発課題の検討を実証的に進めている。
著者
金澤 清恵
出版者
成城大学
雑誌
成城美学美術史 (ISSN:13405861)
巻号頁・発行日
no.17, pp.49-69, 2012-03

Georges ROUAULT (1871-1958) was a French artist who became famous in the first half of the 20th century, such as Picasso and Matisse. He participated in Salon d'Automne, and changed his style, with a dynamic touch, arranging the original colors and dark colors in the influence of his teacher, Gustave Moreau. He continued to paint the same subjects, circus clowns, prostitutes, judges, religious scenes, and the anger and sorrow of social injustice. Indeed, such creative activity is similar to Fauvism, but Rouault is considered to be an expressionist with a spiritual mind. In Japan, he was introduced by some artists and critics in the 1920s, such as Jutaro KURODA, Katsuzo SATOMI. This introduction is later than other Impressionists and Post-Impressionists, but he was popular among many Japanese artists and connoisseurs in an instant by the collection of Shigetaro FUKUSHIMA. His collection was introduced in an article of Bijyutsu-Shinron in 1929 and exhibited in Tokyo in 1934. Parts of his collection were lost, but some works are stored at the Bridgestone Museum, the Shiodome Museum and so on. I have outlined the details of Rouault's introduction, among others reception in Japan from the 1920s to the present.Georges ROUAULT (1871-1958) was a French artist who became famous in the first half of the 20th century, such as Picasso and Matisse. He participated in Salon d'Automne, and changed his style, with a dynamic touch, arranging the original colors and dark colors in the influence of his teacher, Gustave Moreau. He continued to paint the same subjects, circus clowns, prostitutes, judges, religious scenes, and the anger and sorrow of social injustice. Indeed, such creative activity is similar to Fauvism, but Rouault is considered to be an expressionist with a spiritual mind. In Japan, he was introduced by some artists and critics in the 1920s, such as Jutaro KURODA, Katsuzo SATOMI. This introduction is later than other Impressionists and Post-Impressionists, but he was popular among many Japanese artists and connoisseurs in an instant by the collection of Shigetaro FUKUSHIMA. His collection was introduced in an article of Bijyutsu-Shinron in 1929 and exhibited in Tokyo in 1934. Parts of his collection were lost, but some works are stored at the Bridgestone Museum, the Shiodome Museum and so on. I have outlined the details of Rouault's introduction, among others reception in Japan from the 1920s to the present.
著者
杉田 久志 金指 達郎 正木 隆
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.456-464, 2006-12-01
被引用文献数
8 6

岩手県の黒沢尻試験地の落葉低木型林床ブナ林における皆伐母樹保残法による天然更新施業試験地の更新実態について解析した。1948年伐採(保残母樹密度6本/ha)で刈払いを実施した林分は,伐採後54年の時点でブナ純林状の再生林となっていた。1969年伐採林分(保残母樹密度13本/ha)のうち,刈払いを省略した林分では伐採後33年の時点でウワミズザクラ,ホオノキなどの再生林となっており,ブナ更新樹はわずかしかみられなかった。刈払いを実施した林分では,多数のブナ更新樹がみられL字型の直径階分布を示したが,保残母樹の樹冠下およびその周辺に限られ,林冠層に達しているものは少なく,ブナ優占の更新林分が成立している状態ではなかった。以上の結果から,刈払いがブナ稚樹の定着,生存に大きな効果をもつことが示されたものの,刈払いが実施され多くのブナ稚樹が定着した林分がその後必ずしもブナ再生林へと推移しているとは限らないことが判明した。刈払いの実施にもかかわらずブナの更新状況にちがいを生じさせた要因として,施業とブナ結実とのタイミングに加えて,施業前のブナ稚樹生育状態も関係している可能性がある。
著者
金政 祐司
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-16, 2005 (Released:2005-11-11)
参考文献数
34
被引用文献数
5 5

本研究は,青年期の愛着スタイルと感情調節ならびに対人ストレスコーピングとの関連についての検討を行った.研究1では大学生460名を対象に,青年期の愛着スタイルと感情調節との関連を検討した.その結果,安定型愛着スタイル傾向は,感情の表出性や感受性と正の関連を,反対に,アンビバレント型傾向は,それらと負の関連性を示していた.また,愛着次元からの分析では,“関係不安”は,感情の感受性に,“親密性回避”は,表出性にネガティブな影響を与えていた.さらに,統制については,それら2次元軸の交互作用が見られ,“関係不安”が低い場合に“親密性回避”の影響が認められた.研究2では,大学生393名について,青年期の愛着スタイルと対人ストレスコーピングとの関連について検討を行った.その結果,安定型傾向は,ポジティブ関係コーピングと正の関連を,ネガティブ関係コーピングとは負の関連を示しており,不安定型の愛着傾向は,ネガティブ関係コーピングと正の関連を示していた.愛着次元からの分析では,“関係不安”の影響は,ネガティブ関係コーピングおよび解決先送りコーピングにおいて見られ,“親密性回避”の影響は,ポジティブ関係コーピングで認められた.これらの結果について,幼児期と青年期の愛着スタイルの概念的な対応性の観点から議論を行った.