著者
吉本 忍 金谷 美和
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、現在アジア、アフリカにおいて民族衣装の素材として広く使用されているプリント更紗が、インドネシアやインドの伝統的染織技法とデザインをもとにして、ヨーロッパの植民地支配を背景にしたグローバルな交易と産業革命による技術革新によって創出され、広く展開してきた歴史的経緯を、サンプル帳を始めとする資料の検討によって実証的に明らかにしたものである。本研究を通して、私たちが経験する伝統工芸の変革と文化の創出の場面におけるグローバル化の功罪などの本質的意義について批判的視座を提示した。
著者
杉本 典子 金丸 玲子 池田 大輔 竹田 正幸 井上 仁 廣川 佐千男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.95, pp.27-34, 2003-09-26
被引用文献数
3 2

自己点検・評価活動のサポート 及び第三者評価への機能的な対応を目的として 九州大学教官の教育 研究 社会連携活動に関するデータを蓄積し公開するためのデーベースシステムを構築した. 一般に 大学評価では 必要となる基礎資料や統計データは多種多様であり 社会的要望や大学戦略の変化に伴って変動するものと考えられる. そのため 不定長のデータからなる不定個数のデータ項目を扱うのに適したデータベースが必要となる. そこで 本システムでは XMLをデータ構造として採用した. 本システムには 項目変更に対応するための機能が組み込まれており データ項目の変更に伴って発生する種々の作業をきわめて容易に行うことができる.We have constructed a database system containing research, education and social activities of teachers, in order to support the self-evaluation activity, and to functionally response to the third person evaluation of Kyushu University. It is known that various kinds of data items are needed for university evaluation and that it is possible to change data items according to the social requirement and the university strategy. Thus, we adopt an XML as a data format for our system, because it is flexible enough to represent such data. Since our database system has some useful properties to change data items, we caneasily upgrade the system to deal with the data scheme.
著者
樋口 キエ子 原田 静香 カーン 洋子 山口 和枝 金子 裕子
出版者
順天堂大学
雑誌
医療看護研究 (ISSN:13498630)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.42-49, 2008-03
被引用文献数
1

退院後の患者・家族の退院支援への要望・意見から退院支援のあり方を検討することを目的とした。方法は,地域特定機能大学付属病院に入院し,退院支援部署で指導を受けた患者家族の「退院支援への要望・意見」の記述データを分析した。その結果,患者家族が希望する退院支援は,【対象者の意思を尊重した退院準備】【療養継続に向けたケアの計画的指導】【退院後の生活を見据えた社会資源の紹介】【対象者にわかる連携体制】【対象者に伝わる診療看護体制】の5コアカテゴリーとそれを構成する内容が明らかになった。特にケアの継続に向けた指導の要望が最も多く,対象特性は高齢者夫婦や医療ニーズが高い療誉者が多い結果から,退院支援の開始時期,患者・家族にわかる退院支援システムづくり,関係者間のチームケアの必要性が示唆された。患者・家族の求める継続ケアの実現には,退院後の生活を見据えた退院支援体制づくりが求められる。
著者
高橋 一夫 平野 真紀 糠野 亜紀 新谷 公朗 金田 重郎 白井 由希子
出版者
常磐会短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

保育現場では子ども達の表現活動が重視されている。その表現活動には言語表現の領域があり、日々の保育においても絵本の読み聞かせなどが豊かに実践されている。ところが、絵本などを用いずに話す「素話(すばなし)」は、保育の場において衰退しつつある。そこで本研究では、言語表現活動として重視されるべき「素話」が、なぜ保育現場で衰退しているのかを実証的に分析し、「素話」の実践を支援する方策を模索した。その結果、「素話」では絵本の読み聞かせと異なり、子ども達が想像力を働かせていることが明らかになった。そして、この「素話」に特徴的な効果を理解することが、豊かな実践に必要であることが分かった。
著者
谷津 三雄 弓削 朝子 坂本 嘉久 金子 守男
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.250-255, 1989-03-20
被引用文献数
1

連合軍から昭和21年4月15日に歯科教育審議会の設置を指示された.それにもとづき決定された「昭和22年歯科教育審議会に於いて決定せる教授要綱」を資料とし,戦後の日本歯科教育を運命づけた「標準学科課程」の別表を中心に述べた.
著者
日本金属学会編
出版者
丸善
巻号頁・発行日
2004
著者
金井 文宏 庄田 祐樹 吉岡 克成 松本 勉
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2014-CSEC-66, no.46, pp.1-7, 2014-06-26

スマートフォン向け OS として Android が広く用いられている一方で,それを狙ったマルウェアの数も増加している.Android マルウェアの中には,リパッケージと呼ばれる手法を用いて,正規アプリの中に悪性コードを追加することで作成されたものが多く存在する.攻撃者がリパッケージマルウェアを大量に作成する際には,リパッケージ処理の自動化が必須であると考えられるが,自動リパッケージの実態や対策については,十分な調査・検討が行われていない.そこで我々は,既存の正規アプリが自動リパッケージに対して,どの程度の耐性を有するかを検証する.まず,実際のリパッケージマルウェアの解析を行うことで,リパッケージの方法を特定し,自動リパッケージを再現するスクリプトを作成する.次に,このスクリプトによって,複数の正規アプリに対して,外部と通信を行う機能だけを持つ検証用コードを挿入する.作成したリパッケージ済みアプリを動的解析して,挿入した検証用コードが正常に動作するかどうかを検証する.その結果,評価対象としたアプリの約 75% において,挿入した検証用コードと元の正規アプリのコードの両方が正常に動作することを示す.この実験において挿入した検証用コードを,悪性のコードに変更した場合でも,同様の方法で自動リパッケージが可能であることが予想される.以上より,現状の Android アプリの多くは自動リパッケージヘの耐性が不十分であり,耐ダンパー技術等を用いたリパッケージ対策が必要であることがわかる.
著者
大谷 浄 金子 憲一 赤岸 桂樹 山本 清大 藤井 昭一
出版者
公益社団法人日本ガスタービン学会
雑誌
日本ガスタービン学会誌 (ISSN:03874168)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.360-367, 1999-09-20
被引用文献数
2

The inverted Brayton cycle was reconsidered experimentally and analytically in this paper. The cycle can be operated in the flow passing through the turbine, heat exchanger and compressor by using the exhaust hot gas with near atmospheric pressure. It is noted that the direction of working fluid is reversed in comparison with gas turbines. To confirm the operation of idling and power extracted, the experiment on the various turbine inlet temperature was carried out by a test rig of 30 mm diameter turbocharger. Further calculations, based on experimental data, show that the exhaust energy recovery of 20% can be possible under the conditions of 90% turbomachinery adiabatic efficiency and 1150 K turbine inlet temperature.
著者
渡辺 さつき 森田 せつ子 金井 章 野口 眞弓 稲垣 恵美 竹中 美 水野 妙子 西川 浩昭 高見 精一郎 奥村 潤子 小林 小綾香 大瀬 恵子 植田 和也
出版者
豊橋創造大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

妊婦が耐震性のある建物の中で緊急地震速報を見聞きしたと仮定し、揺れに備える7つの姿勢を実際にとってもらった。各姿勢において安定感・移動のしやすさ・実施可能性について妊婦へ質問紙調査を行った。285名の結果から、安定感は、お尻をついてかがむであり、避難行動への移りやすさは、立ったまま机を支えにする、実施可能性は、膝をついてかがむ姿勢であった。起震車を用いた模擬妊婦の実験では、四つん這いの姿勢が、腰部の加速度は低く、負担の少ない姿勢であることが示唆された。
著者
松本 金寿
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
日本教育学会大會研究発表要項
巻号頁・発行日
vol.22, pp.169-170, 1963-08-27
著者
小林 快次 金子 勝比古
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究によって、非鳥類型恐竜類から鳥類への脳や骨の進化過程において多くの情報を得ることができ、またそれらの境界を探ることができた。脳の進化過程としては、特に嗅覚の肥大・縮小というマクロの構造変化に注目することによって、非鳥類型恐竜から鳥類への生活や食性の変化を明らかにすることができた。このことは、中生代当時の生態系において、恐竜たちがどのようにニッチを奪い合って進化してきたかをみることが可能になり、これまで考えられてきた以上に複雑な進化をしていたことがわかった。また、これらの境界にあたるグループで鳥類に属すか否かの議論がされているオビラプトロサウルス類においても、脳の構造の視点から、これは非鳥類型恐竜に属すことが考えられ、体骨格の鳥類に類似した特徴は収斂進化であることを示す。活や食性の進化と同様、恐竜は複雑な進化を遂げながら、鳥類へ移行していったことがわかった。今後の課題としては、マクロなスケールではなくよりミクロな構造を分析することである。このさらなる研究によって、脳や神経システムからみた恐竜類の進化過程がより明らかになってくるであろう。
著者
李 仁子 二階堂 裕子 金谷 美和
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、東日本大震災の津波被災地において人々の生活再建や地域の復興がどのように進むのかを明らかにするために、複数の調査地で長期にわたる文化人類学的調査を行い、被災者の移動に伴う生活相の変化や、被災者をとりまく社会的環境の変化、さらには彼らのコミュニティに生じた再生や変容を詳細に記録した。再建や復興のプロセスは一様かつ直線的なものではなく、被災の程度、行政による施策の影響、震災前から家族やコミュニティに内在していた諸条件、外部からのボランティアとの関わり方等々といった様々なファクターにより多様かつ複雑に展開するのだが、その全容を民族誌的に記述するためのデータを蓄積することもできた。
著者
金子 知適
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究課題では,コンピュータの人工知能の判断力が,高度に訓練された人間の判断力に匹敵しうる分野を対象に,コンピュータプログラムを用いて人間の判断を支援する手法を研究を行なった.具体的には,囲碁や将棋において,コンピュータプログラムがMinMax探索を行なって得た評価値やモンテカルロ木探索をもちいて得た勝率として提示した判断と,人間の熟達者の判断との差について研究を行なった.
著者
長谷川 修 金出 武雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.1795-1807, 2003-07-15
被引用文献数
5 3

人と車両が入り混じる,対面通行の一般道路映像中の移動物体を対象に,(1) {車両,人物,その他} の識別および車両ならばその種別の識別,(2)対象が含む主要な色の推定,を同時に行うビジョンシステムを試作した.識別する対象の種別は,実験システムの入力映像中に多く見られた,{小型作業車,セダン,バン,トラック,人物(単数,複数とも),その他(ノイズなど)}とし,また色は {red-orange-yellow,green,blue-lightblue,white-silver-gray,darkblue-darkgray-black,darkred-darkorange} の色グループから選択させた.入力映像として晴天もしくは曇天の午前9時から午後5時の間の映像を用いた実験の結果,種別と色の識別結果が双方ともオペレータの目視による識別結果と合致した場合を正答として,91.1%の正答率を得た.また本研究では,上記の機能を利用し,あらかじめ設定した特定対象(種別と色の組合せから特定される)を映像中から検出させる実験も行った.特定対象を {FedEx社の集配車,郵便車,パトカー} に設定して行った実験の結果,92.9%の正答率を得た.こうした識別や推定の機能は,統計的線形判別法(線形判別分析)と非線形識別則(重みつきK-最近傍法)を組み合わせる手法を導入して実現した.This paper describes a vision system that recognizes moving objects(cars and humans) on general streets. The system classifies objects based on shape appearance and estimates their colors from images of color video cameras set up toward a street.The input images were obtained between 9:00 a.m. and 5:00 p.m. in fine or cloudy weather conditions.The types set up in the system are {human, sedan, van, truck, mule (golf cart for workers), and others}, and the colors are {red-orange-yellow, green, blue-lightblue, white-silver-gray, darkblue-darkgray-black, and darkred-darkorange}.Moreover, the system can selectively extract specific targets, such as FedEx vans, police cars, mail vans and others from objects based on classified and estimated results. For classification and estimation, we cooperatively used a stochastic linear discrimination method (Linear Discriminant Analysis: LDA) and a nonlinear decision rule (weighted K-Nearest Neighbor rule: K-NN).