著者
金丸 友 中村 伸枝 荒木 暁子 中村 美和 佐藤 奈保 小川 純子 遠藤 数江 村上 寛子 Kanamaru Tomo Nakamura Nobue Araki Akiko Nakamura Miwa Sato Naho Ogawa Junko Endo Kazue Murakami Hiroko カナマル トモ ナカムラ ノブエ アラキ アキコ ナカムラ ミワ サトウ ナホ オガワ ジュンコ エンドウ カズエ ムラカミ ヒロコ
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.63-70, 2005-06-30
被引用文献数
2

本研究は,慢性疾患をもつ学童・思春期患者の自己管理およびそのとらえ方の特徴と影響要因を明らかにし,看護援助に有用な枠組みを構築することを目的とし,Patersonのmeta-studyの方法を用いて26文献を分析した。その結果以下のことが導かれた。慢性疾患の学童・思春期患者の自己管理のとらえ方には,「本人の望む生活」と「疾患の理解・適切な療養行動」のギャップの大きさが影響していた。ギャップが大きな患者は,生活と療養行動の両者を大切なものと考え葛藤を感じており,ギャップが小さい患者は肯定的・葛藤のないとらえ方であり,ギャップが不明瞭な患者は受け身・不確かにとらえており,「疾患の理解・適切な療養行動」を受け入れられない患者は,否定的にとらえていた。葛藤を感じている患者は,親や友達からのサポートを得て「主体的・問題解決」の自己管理を行っており,療養行動を適切に行いながら本人らしい生活を送っていた。肯定的・葛藤のない患者のうち親や友達からのサポートを得ている患者は,時間の経過により自己管理に慣れ療養行動を適切に行っていたが,親や友達からのサポートが不足していると,「受け身・逃避・否認」の自己管理となり,不適切な療養行動によって症状が悪化したり生活に不満をもっていた。受け身・不確か,または否定的にとらえていた患者は,親や友達からのサポートが不足しており,「受け身・逃避・否認」の自己管理となり,不適切な療養行動によって症状が悪化したり生活に不満をもっていた。「本人の望む生活」と「疾患の理解・適切な療養行動」のギャップの大きさと,親・友達からのサポートをアセスメントし,看護援助を行っていく重要性が示唆された。The purpose of this study was to investigate the characteristics of self-care and associated perceptions among Japanese school-aged children and adolescents with chronic conditions and influencing factors, and to develop a framework for effective intervention, analyzing 26 articles using meta-study. The following results were obtained: 1) Perceptions of school-aged children and adolescents with chronic conditions were affected by size of the gap between 'The daily life desired by the child' and 'Performing self-care properly'. Children displaying a large gap experienced conflict, those with a small gap were no conflict, and those with an unclear gap were passive and uncertain. Children denying 'Performing self-care properly' were negative. 2) Children who got support from parents and friends could live as they wished, continuing self-care properly with or without conflict. 3) Children with an unclear gap and children denying 'Performing self-care properly' were unable to get support from parents and friends, and were unsatisfied with their life and displayed poor self-care. Assessments of size of the gap between 'The daily life desired by the child' and 'Performing self-care properly', and support from parents and friends appear important.
著者
西松 豊典 金井 博幸 藤原 恵 高橋 恭平 岸根 延幸 藤田 初芽 古田 麻子 升川 綾子
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
Journal of Textile Engineering (ISSN:13468235)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.91-98, 2014-12-15 (Released:2015-03-03)
参考文献数
13
被引用文献数
1 4

The hand is one of the important qualities of bath towels. It is interesting to study what physical properties of bath towels correlate to their hand. In this paper, the relationship between the sensory values for the good feel and physical properties of twelve bath towels was studied by means of the principle regression analysis and the correlation analysis. The results are as follows.(1) As a result of principal component analysis, it was found that two principal component “good in touch” and “sturdy and drying property” were chosen to represent the hand of bath towel.(2) The compression feeling was affected by compression properties((To-TM), compression ratio, compression energy, and recovery energy). And the softness feeling was affected by the friction property(MMD), and the warmth by the thermal property(q-max).
著者
カク金慶 天野直紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.609-611, 2013-03-06

現在、店舗内の盗難を防止するために、多くの店舗で防犯カメラが利用されている。しかし店舗内の盗難事件は必ずしも減っていない。その原因としては、防犯カメラが店内を歩き回る人物を容疑者として特定することが困難だという点がある。 本研究ではコンビニエンスストアなどの店舗内の盗難の監視システムを提案する。 人体認識技術を用いて容疑者の歩き方と振る舞いを記録し、照合する。そしてそのデータを複数の店舗で連携することで、モデルのデータが豊かになり、効率よく容疑者を特定することができると考える。
著者
三島 等 金谷健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.74, pp.67-74, 1999-09-16
被引用文献数
22

必ずしも等方一様でない独立な正規分布に従う誤差のもとで2組の対応点から基礎行列を最適に計算する手法を述べる。まずこの誤差モデルのもとでの精度の理論限界を導き、次にこれを達成するアルゴリズムを記述する。これはまずランク拘束を考慮せずにくりこみ法により基礎行列を計算し、次にこれがランク拘束を満たすように補正するものである。そして本手法の精度が理論限界を実際に達成していることを実験的に検証する。したがって、本手法は厳密に最適であり、もはや改良の余地はない。また、本アルゴリズムにより最適解が得られるだけでなく、その信頼性も同時に評価される。シミュレーションおよび実画像実験によりエピ極点の信頼性を評価する例を示す。This paper presents an optimal algorithm for computing the fundamental matrix from two sets of corresponding points in the presence of independent Gaussin noise not necessarily isotropic or homogeneous. We first derive a theoretical accuracy bound and then present an algorithm that attains it. This algorithm first applies a technique called renormalization without considering the rank constraint and then corrects the solution to impose the constraint. We demonstrate by experiments that our algorithm indeed attains the accuracy bound. Hence, our algorithm is optimal in the strict sense: no further improvement is possible. Our algorithm produces not only optimal estimate but also evaluates its reliability. We show simulated and real-image examples of the reliability of the computed epipoles.
著者
大久保 好純 金崎 良一 藤木 卓 糸山 景大
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.16, pp.7-14, 1996-04-20
被引用文献数
3

授業における概念の獲得の際に生じる情意的側面の挙動を捉えるために、2種類の連想調査を行った。そこで得られた結果に対し、情報論的処理を施すことにより、挙動をあらわす「情対角」を求め、「情動連想マップ」を作成した。このマップを用いると、「面白かった-つまらなかった」、「難しかった-易しかった」という学習者の情動を視覚的に表現することができる。
著者
佐原 壮海 樫原 茂 太田 能 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.51, pp.1-6, 2015-02-23

既存のレートアダプテーション機能 (RA) は主に室内などの移動性の低い環境を対象としているため,路車間通信のような移動環境においては,チャネル品質の変動に適応した伝送レート選択を行うことは困難である.本論文では,まず,移動環境における既存 RA の通信性能をシミュレーションにより評価し,問題点を明らかにする.そして,移動時のチャネル品質の変動に適応するための RA として,データセットを利用した RA(Rate Adaptation with Dataset: RAD) を提案する.シミュレーション評価により,既存 RA と比較して,RAD の FTP/CBR 通信の通信量がともに向上することを示した.
著者
佐原 壮海 樫原 茂 太田 能 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.51, pp.1-6, 2015-02-23

既存のレートアダプテーション機能 (RA) は主に室内などの移動性の低い環境を対象としているため,路車間通信のような移動環境においては,チャネル品質の変動に適応した伝送レート選択を行うことは困難である.本論文では,まず,移動環境における既存 RA の通信性能をシミュレーションにより評価し,問題点を明らかにする.そして,移動時のチャネル品質の変動に適応するための RA として,データセットを利用した RA(Rate Adaptation with Dataset: RAD) を提案する.シミュレーション評価により,既存 RA と比較して,RAD の FTP/CBR 通信の通信量がともに向上することを示した.Existing rate adaptation mechanisms (RAs) are basically targeted for selecting the best transmission rate at indoor environments. As a result, RA in mobile environments, such as in Vehicular to Infrastructure communication, is more challenging due to frequently changing of channel quality. In this paper, we evaluate existing RAs in mobile environments using a simulator, and disclose the RAs' problems. We also present Rate Adaptation with Dataset (RAD) for selecting the appropriate data rate in mobile environments. Finally, we show that RAD outperforms other existing RAs in FTP/CBR communication.
著者
石橋 英二 金野 隆光 木本 英照
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.664-668, 1992-12-05
被引用文献数
10

水田土壌におけるコーティング肥料(LP 140, LP100, LPS 140, U-L)からの窒素溶出パターンについて反応速度論から導かれる温度変換日数法を用いて解析した.その結果,コーティング肥料の溶出は一次反応式で説明でき,五つの特性地(溶出速度,溶出速度の温度依存性,誘導期,誘導期の温度依存性,最大溶出率)を用いて,予測できることを明らかにした.1)反応式:コーティング肥料からの窒素溶出は次の一次反応式にしたがった.[chemical formula] ただし,k : 溶出速度定数(d^<-1>),TAU : 窒素が溶出を開始するまでの期間(誘導期),TAU_1 : 溶出開始までに要する期間のうち温度に無関係な部分,TAU_2 : 溶出開始までの期間のうち温度に依存する部分,A : 最大溶出率.2)溶出速度:溶出速度定数は0.0177〜0.0326(25℃,d^<-1>)で土壌窒素の無機化速度の2〜5倍であった.3)溶出速度の温度依存性:溶出速度に関わる見かけの活性化エネルギーは69,900〜98,000 Jmol^<-1>であり,土壌窒素の無機化と同等の温度反応性を示した.4)誘導期および誘導期の温度依存性:誘導期には温度に依存しない誘導期(TAU_1)と温度に依存する誘導期(TAU_2)があり,LP 140はおのおの10.9日,0.0日であり,LP 100は8.0日,0.0日,LPS 140は12.2日,26.4日,U-Lは0.0日,26.2日であった.また,TAU_2の見かけの活性化エネルギーはLPS 140で114,300 J mol^<-1>,U-Lでは126,800 J mol^<-1>であった.5)最大溶出率:最大溶出率はLP 140,LP100,LPS140では100%で,U-Lは90%であった.
著者
金平 亮三 初島 住彦
出版者
The Botanical Society of Japan
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.663, pp.105-119, 1942
被引用文献数
2

クノニア科<br>Aistopetalum tetramerum K. et H. 本屬ハニユーギニヤノ特産デ從來舊獨逸領カラ2種知ラレテヰタガ今囘更ニ一種ヲ發見シタ。SCHLECHTER ハ屬ノ特徴トシテ花ハ5數, 葉ハ3出トシテヰルガ, 面白イ事ニハ本種デハ葉ハ通常5個ノ少葉ヲ有スル羽状複葉 (稀ニ3出) デ花ハ4數 (極メテ稀ニ5數) ヨリナル點ガ異ナツテヰル。<br>Betchea aglaiaeformis K. et H. 本屬モニユーギニヤ特産デ從來2種知ラレテヰタガ今囘第3番目ノ種類ヲ海拔1900米附近ノアンギ(男湖)湖ニ注グイライ河ノ河岸林内デ發見シタ。一番近イノハ B. rufa SCHLTR. デアルガ, 本新種デハ葉ニ鋸齒ガアリ, 先端ハ鋭頭, 小枝, 葉ニ黄色ノ密毛ガアリ, 雄蕊ハ長ク, 柱頭ハ5裂 (彼ハ3製) シ、花瓣ノ背面ニ毛ヲ有スルノデ容易ニ區別出來ル。<br>Ceratopetalum 本屬ハ濠洲系ノ植物デ濠州ニ4種, ニユーギニヤニ一種知ラレテ居ル。<br>Opocunonia papuana K. et H. 本屬モニユーギニヤノ特産デ從來3種知ラレテヰタガ今囘ナビレ附近ノ低地林ニ更ニ一種ヲ發見スル事ガ出來タ。一番近イノハ舊獨領産ノ O. kaniensis SCHLTR. デアルガ本新種デハ花瓣ガ著シク短イ點デ一見區別出來ル。<br>Pullea sp. 本種ハアンギ(女湖)湖畔ノ森林内デ採集シタガ, オシクモ花モ實モナイ標本デアル。然シ一般的樣子カラ見テ Pullea 屬ニ屬スル事ハ間違ナイ樣デ, P. mollis SCHLTR. ニ最モ近イ新種ト考ヘル。若シ萬一本屬デナイトスレバ次ノ Spiraeanthemum 屬カモシレナイ。<br>Spiraeanthemum Pulleanum SCHLTR. 本種ハアンギ湖附近ノ乾燥シタ尾根通リノ硬葉灌木樹林内ニ普通デ, 葉縁ガ著シク内曲シ上面ガ泡状ニ凸凹シテヰルノガ特微デアル。GIBBS 女史ハ1917年 S. buttatum GIBBS ヲ記載シタ時, 既ニ SCHLECHTER ガ1914年ニ S. Pulleanum SCHLTR. トシテ種ノ檢索表内ニ發表シタモノヲ見テヰナイラシク, 本種トノ比較ハ何等擧ゲテヰナイガ, 兩種ガ同一物ナル事ハ疑ナイ。花ハ4又ハ5數ノモノガ同一花序内ニ見ラレルノデ此點ハ兩種ノ區別點トハナラナイ。<br>Schizomera homaliiformis K. et H. 本屬ハ北濠 (一種), アンボン島 (一種), ニユーギニヤ (6種) ニ分布シ, ソノ分布ノ中心地ガニユーギニヤナル事ハ容易ニ想像スル事ガ出來ル。本種ハニユーギニヤ産ノ S. floribunda SCHLTR. 及アンボン島ノ S. serrata HOCHR. ニ近イガ前者トハ葉ガ大キク, 楔脚デ, 花序ハ常ニ葉ヨリ短カク, 蕚片ハ幅廣ク内面無毛ナル點デ區別出來ル。後者ハ記載ニヨレバ花序ガ疎デ, 花モ大分大イノデ同一種トハ考ヘラレナイ。<br>Weinmannia hypoglauca K. et H. 本屬ハ Cunoniaceae ノ内デ最モ大キナ屬デ, ソノ種類ハ全種數ノ約半數, 即チ126種ヲ占メ南ハ南米, メキシコ, マダガスカル島及附近ノ島々, ニユーカレドニヤ, フィージー, タヒチ, 爪哇カラ北方ハボルネオ, モルツカ群島, 比島迄北上シテヰル。ニユージーランド及濠洲ニ全然産シナイノハ面白イ。<br>本種ハ舊獨領ニユーギニヤ産ノ W. tomentella SCHLTR. ニ最モ近イガ, 葉ハ3~5個ノ小葉カラナリ, ソノ裏面ハ粉白デアルコト, 雄蕊及花柱ガ著シク長イコト, 蕚ハ狹ク無毛デ先端ガ著シク尖ツテヰルコトデ一見區別出來ル。<br>利用 本科ノ植物ハ全部木本ヨリナリ, 大喬木トナリ硬材ヲ産スルモノガ多イ。殊ニ Ceratopetalum 屬ニハ有名ナ硬材ヲ産スルモノガアルカラ本屬ニ屬スル C. tetrapterum MATT. モ同樣ニ有用材ヲ産スルモノト考ヘル。Opocunoia papuana K. et H. モ30米以上ノ大喬木トナルノデ有用材ヲ産スルデアラウ。Weinmannia 屬ノ或種類ノ樹皮カラハ赤色染料ガ採レル。又濠洲産 Schizomera 屬ノ果實ハジヤムノ原料トシテ上等ナモノトサレテヰル。
著者
金井 成行 谷口 典正
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.1237-1241, 1999-09-25
被引用文献数
5 1

実験的骨減少症モデルと考えられている卵巣摘出 (OV) ラットと実験的関節症モデルであるアジュバント関節炎 (AA) ラットの脛骨の骨塩量をDEX法とCXD法にて測定した. OVラット, AAラットの骨塩量は, DEX法のみならずCXD法においても有意にコントロール群に比べて減少を示した. また, DEX法とCXD法による骨塩量には, 有意に相関が認められた. これらの結果からAAラットも実験的骨減少症モデルに充分なりうると考えられ, CXD法も骨減少の評価に有用であることが示唆された.
著者
金子 栄 各務 竹康 松尾 裕彰 直良 浩司 森田 栄伸
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.1250-1257, 2014

【背景・目的】アトピー性皮膚炎は慢性・反復性経過をとる疾患であるために,継続した治療が必要である.併せて患者の生活に配慮した指導が重要である.これまでの医師及び患者に対しての調査からは「外用薬の塗り方の指導」が重要であることが判明した.今回,「外用薬の塗り方の指導」について重要な役割を担う薬剤師に指導についてのアンケート調査を行った.【方法】島根県および広島県の病院および調剤薬局にアンケートを配布し,勤務する薬剤師全員にアンケートを依頼した.アンケートは指定した項目ごとに指導しているものを選択する形式とし,自由記述欄も設けた.【結果】集まった548通(回収率13.8%)を解析した.皮膚科の処方箋を扱わない薬剤師も多く, 1日で取り扱う処方箋枚数の中央値は1枚であった.ステロイド外用薬で最も多く指導している項目は,「塗布部位」(86%)でついで「回数とタイミング」(68%)であった.「副作用が出ないように少量塗布を指導」も45%の人が選択していた.タクロリムス軟膏については副作用の「ヒリヒリ感の説明」が最も多く(52%),ステロイド外用薬と保湿剤にくらべ,「パンフレットにて指導」(27.3%)が多くみられた.「実際に塗って塗り方を指導」は,どの外用薬でも少なかった.自由記述欄での医師への要望は用法用量の確実な記載と外用量指示が多く,失敗談の欄では自身の指導不足や副作用を説明することにより患者が外用しなかったことが挙げられていた.【結語】今回のアンケート調査により,薬剤師は外用薬の用法用量の指導を最も重視していることが明らかとなった.クロス集計からは,アトピー性皮膚炎診療ガイドラインを知っている薬剤師が有意に様々な指導を行っていることが判明し,まずは薬剤師へのガイドラインの普及が重要と考えられた.
著者
金 廷恩 松本 仲子
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.363-368, 2009
被引用文献数
2

『5訂食品成分表2006』に掲載されている食品について, 韓国と日本における料理への使用頻度を評価した。評価は「よく使う」「まあまあ使う」「あまり使わない」「ほとんど使わない」の4段階に区分した。調査の結果は以下のとおりである。<br>1. 韓日ともに「よく使う」野菜は, はくさい, だいこん, きゅうり, ほうれんそうなどであった。日本で「ほとんど使わず」, 韓国で「よく使う」のは, えごまの葉, キキョウの根などであり, 韓国で使わず, 日本で「よく使う」のは, アスパラガス, カリフラワーなどであった。<br>2. 韓日ともに「よく使う」茸は, えのきたけ, しいたけ, しめじ, ひらたけ, 海藻は, わかめ, 豆及び加工品は, あずき, だいず, 豆腐であった。日本で使わず, 韓国で「よく使う」のは, あおのり, いわのり, りょくとうなどであり, 韓国で使わず, 日本で「よく使う」のは, ひじきであった。<br>3. 韓日ともに「よく使う」魚介は, たい, ひらめ, まぐろ, いか, あわびなどであった。日本で使わず, 韓国で「よく使う」のは, おきあみ, いしもち, かわはぎなど, 韓国で使わず, 日本で「よく使う」のは, かつお, いせえびなどであった。<br>4. 韓日ともに「よく使う」肉, 卵, 乳類は, 牛肉, 豚肉, 鶏肉, 豚の肝臓, 牛乳などであった。日本で使わず, 韓国で「よく使う」のは, 心臓, 胃, 腸などの副生物などで, 韓国で使わず, 日本で「よく使う」ものはなかった。<br>5. 韓日ともに「よく使う」香辛料, 調味料などは, ごま油, 唐辛子, にんにくなどであった。日本で使わず, 韓国で「よく使う」ものは, えごま油と粉唐辛子などで, 韓国で使わず, 日本で「よく使う」のは, ウスターソース, トマトピューレ, 中華だしなどであった。なお, 韓国ではかつおだしは使わない。
著者
湯上 浩雄 金森 義明 井口 史匡
出版者
東北大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

本研究では,高温物体の表面に波長と同程度の周期構造(回折格子)を形成することにより、熱放射スペクトルの制御を行い、熱光発電システムや化学反応プロセス等の高効率な熱利用システムを構築することを目的としている。昨年度の研究において、Maxwell方程式の厳密解を求めるシミュレーションコードにより、各システムに最適な微細構造の決定を行うとともに、可視領域の輻射スペクトルを選択的に放射する表面ナノ構造体を高融点金属に作製するためのプロセス研究を行ってきた。この成果にもとずき、本年度は以下の研究を行った。1.昨年度までに整備したフーリエ赤外分光器を中心とした熱放射スペクトルの絶対値を測定する装置により,単結晶および多結晶タングステン試料表面に製作した表面回折格子からの熱放射を測定し、キャビティ深さと熱放射スペクトルについて系統的に調べた。その結果、キャビティ深さが浅い場合は、表面プラズモンポラリトン共鳴による放射が観測されるが、キャビティ深さの増大とともに、孤立したキャビティ内部の電磁波モードからの放射が支配的となることが分かった。2.光学定数が複雑な分散関係を示す材料に適応可能なFDTDプログラムコードを開発して,構造との共鳴効果による熱放射スペクトルへの影響を定量的に解析すると共に、実験結果との比較を行った。その結果、開発したFDTDコードにより、熱放射スペクトルが再現でき、実験と定量的な比較が出来る事が分かった。3.これまでの研究成果の取りまとめを行と共に、今後の研究の方向性や更に研究すべき課題について検討した。