著者
鈴木 一元
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.Supplement60, pp.29-37, 1992-12-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
7

A new theory of sound analysis in the auditory system is proposed. The main function of the inner ear is not frequency analysis but transformation of acoustic information into impulses in the auditory neurons. An impulse evoked by sound stimulations in the inner ear has only two kinds of information, that is,1) “when” and 2) “in which neuron” it was evoked. The accuracy of the information is guaranteed by hair cells having the function of “phase locked” response to traveling waves and being aligned on the basement membrane.These two kinds of information can be analyzed as precisely as is needed by the convergences and the divergences of neurons in the central auditory system. The nature of “tonality” in the auditory system is the inevitable attribute of the theory of sound analysis I propose, which is called “Wavelength Theory”. The resonate nature of the basement membrane functions to transform the sound intensity into the total number of impulses evoked in the inner ear. There is a conflict in “Place Theory” with respect to the insufficient transformation of the sound intensity.
著者
鈴木 昌
出版者
日本医療ガス学会
雑誌
Medical Gases (ISSN:24346152)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.7-12, 2022 (Released:2022-07-19)
参考文献数
29
著者
鈴木 紅葉 小林 勇太 高木 健太郎 早柏 慎太郎 草野 雄二 松林 良太 森 章
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2118, (Released:2022-10-25)
参考文献数
48

森林の再生は、気候変動や生物多様性の損失などの社会課題に対する有効な手段の一つである。北海道知床国立公園内の森林再生地では、本来の潜在植生である針広混交林の再生を目指した森林再生活動が実施されている。ここでは、科学的知見をもとに合意形成し、管理手法を実践しながら改善する適応的管理のアプローチが取り入れられている。本稿では、この森林再生活動の成果を航空機レーザ測量およびドローン写真測量を用いた林冠構造解析によって評価した。具体的には、植栽地における樹冠高と構造的多様性、代表的な森林タイプにおける 2004年から 2020年までの 16年間の森林成長量を算出した。その結果、在来種の植栽地では他の森林タイプよりも顕著な森林成長が見られたものの、構造的多様性の回復は遅いことがわかった。このことから、活動開始から約 40年が経過しても未だ構造的多様性の回復には至っていないことが示唆された。当地での適応的管理に基づく森林再生活動の内容を紹介し、森林再生のあり方を議論することで、他地域における参考情報を提供したい。
著者
鈴木 智哉 金井 敬 蝋山 敏之 若林 憲章 江口 秀一郎 多田 桂一 江口 甲一郎
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.99-103, 1999-07-25 (Released:2009-10-29)
参考文献数
9

小児の調節麻痺下での屈折検査には、サイプレジン®の有用性が重要視されているが、何歳までサイプレジン®を用いた屈折検査が必要かについて検討した報告はまだみられない。そこで今回我々は、無作為に抽出した器質的疾患がない1032例を対象に、ハーティンガー合致式レフラクトメーターを用いてサイプレジン®点眼後と点眼前の他覚的屈折度の差(以下、戻り値とする)を各年齢ごとに検討した。戻り値の平均は成長とともに減少し、10歳以上では0.4D程度で推移した。重回帰分析により戻り値は屈折度よりも年齢に強く関連した。今回調査した戻り値の平均が10歳以上では0.4D程度で安定する事から、回帰式により戻り値0.4Dの年齢を求めると全症例14.3歳、近視群14.4歳、遠視群14.8歳となった。このことから、現代の繁忙な中高校生がサイプレジン®点眼下での精密検査を難しいと訴えるときは、これらの事を念頭において、眼鏡やコンタクトレンズの度数決定に際し、慎重に対処する必要があると考える。
著者
鈴木 智子 後藤 友美 橋本 英樹 佐藤 繭子 豊岡 公徳
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.90-93, 2022-08-30 (Released:2022-09-07)
参考文献数
18

中性水圏に生息する鉄酸化細菌が作る酸化鉄について,特にGallionella ferrugineaが作るらせん状酸化鉄に着目し,HRTEM,STEM-EDX,STEM-EELSによりその結晶構造,構成元素,微細構造について明らかにした.さらに,菌体から酸化鉄が生成される場面について空間的に解析するため,アレイトモグラフィーによる3次元再構築を試みた.

1 0 0 0 OA 膵臓手術

著者
海道 利実 宮地 洋介 三本松 毬子 中林 瑠美 武田 崇志 鈴木 研裕 松原 猛人 横井 忠郎 嶋田 元
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.186-191, 2022-10-15 (Released:2022-11-15)
参考文献数
23

膵臓手術には,膵頭十二指腸切除術(Pancreaticoduodenectomy:PD)や膵体尾部切除術などがある.特にPDは,膵や胆管,消化管の再建を伴い,術中の腹腔内汚染などに起因する手術部位感染(Surgical site infection:SSI),特に臓器/体腔SSIの頻度が高く,術後在院日数延長の一因となっている.さらに膵臓手術患者は,術前低栄養や糖尿病,サルコペニアなどを合併していることが多く,SSI発生を助長している.したがって,膵臓手術においては,手術手技や術中の感染症発症予防対策とともに周術期代謝栄養管理がきわめて重要である.そこでわれわれは,2020年4月より「PD術後10日以内の自宅退院を目標アウトカムとするクリニカルパス」を作成し,臓器/体腔SSI予防ならびに早期退院を目的とした周術期代謝栄養管理を開始した.術前は評価に基づく術前栄養運動療法,術中は臓器/体腔SSIの発生を防ぐ工夫,術後は早期離床,早期経口摂取開始などである.その結果,PD施行連続30例の臓器/体腔SSI発生率は3例(10%),術後在院日数中央値は8日(6‐26)と良好な結果を得ることができた.
著者
力丸 真美 谷野 功典 福原 敦朗 佐藤 俊 二階堂 雄文 佐藤 佑樹 東川 隆一 福原 奈緒子 河俣 貴也 梅田 隆志 森本 樹里亜 小泉 達彦 鈴木 康仁 平井 健一郎 植松 学 峯村 浩之 斎藤 純平 金沢 賢也 柴田 陽光
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1_2, pp.85-88, 2018-10-25 (Released:2019-04-02)
参考文献数
15

キノコの屋内栽培では大気中に大量の胞子が浮遊しており,高濃度のキノコ胞子を繰り返し吸入することで感作され,Ⅲ型,Ⅳ型アレルギーの機序により過敏性肺炎を発症する.診断には臨床経過や画像検査所見,環境誘発試験,沈降抗体反応やリンパ球刺激試験など免疫学的所見と病理学的所見の結果を総合的に判断することが重要である.今回我々はナメコ,シイタケ栽培者に発症した過敏性肺炎の2症例を経験したので報告する.
著者
鈴木 友里亜 久光 一誠 伊澤 千尋 柴田 雅史
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.94, no.8, pp.219-224, 2021-08-20 (Released:2021-08-27)
参考文献数
10

保湿剤水溶液の感触評価方法として,官能評価用語を用いない群分類法を考案し,その群分類結果と物性測定による群分類との対応を調べた。大学生を評価者として,10種の保湿剤間でその感触の差異を識別する三点識別比較試験を行った。二種類の保湿剤の感触が類似していれば識別しにくくなり,正答率が低くなることから,正答率によって保湿剤間の類似性が定量化されると考えられる。そこで主座標分析を用いて識別正答率の高低に基づく群分類を行ったところ,保湿剤は感触の類似性の高い三つの群といずれの群にも含まれない2種に分類された。各保湿剤水溶液について,肌に塗布した際の摩擦抵抗値・引き離し応力の測定と法線応力測定を行い,その大きさならびに経時変化の特徴に基づいて群分類を試みたところ,上記の感触評価による分類と対応する群分類が可能であった。
著者
花岡 俊仁 鈴木 宏光 中川 和彦 福原 哲治 小林 一泰 佐伯 英行 白川 敦子
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.62-66, 2010 (Released:2010-07-16)
参考文献数
16

症例は64歳,女性.糖尿病の既往がある.2002年6月血痰,喀血が出現し,当院を受診した.胸部CTにて左上葉中心に淡いスリガラス様陰影を認めた.気管支動脈造影にて2カ所血管の拡張部を認め,塞栓術を施行した.その後血痰は減少し,肺の陰影も消退したが,左上葉に8×5mm大の小結節影が残存した.経過観察となったが,2003年1月再び喀血が出現し,胸腔鏡補助下に左上葉切除術を施行した.病理組織検査にて肉芽形成を伴う気管支炎像があり,一部にムコールの菌塊が充満する像を認め,肺ムコール症と診断した.手術後6年2カ月を経過し,再発なく糖尿病外来に通院中である.肺ムコール症の頻度は稀で,免疫能低下状態で発症することの多い予後不良な疾患である.自験例は糖尿病があり二次性といえるが,左上葉の小結節影にムコールが付着・増殖した腐生性の要因も考えられた.
著者
森田 盛大 山脇 徳美 斉藤 志保子 庄司 キク 後藤 良一 岡村 敏弘 長沼 雄峯 鈴木 敞謙 熊谷 冨士雄 石田 名香雄
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.26-36, 1982-01-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
8

秋田県内における1970~1979年の猩紅熱罹患率 (対人口10万) を伝染病統計からみると, 20~54.7であり, 都市部が農村部より高かった. また, 本県で実施している感染症サーベイランス情報 (1978~1979年) から, 猩紅熱, リウマチ熱, 急性腎炎の患者発生実数を推計した結果, それぞれ, 年間25,143名, 495名, 1,192名であり, 猩紅熱と後2者の比は14.9: 1であった.一方, これらの病原となっているA群溶連菌の各種感染症患者からの分離頻度を菌型別にみると, 分離された216株 (分離率27%) のうち, 4型菌と12型菌が56.9%を占め, つづいて多かったのが6, 22, B3264, I型などであった.また, 県内住民のA群溶連菌に対するT抗体陽性率 (使用抗原は21種類の菌型) を測定した結果, 20種類のT抗体が検出され, このうち.2型が最も高率であり, 次いで, 4, 44, 14, 5, 28, 1型などが高かった. 年齢別T抗体陽性率分布を地域別にみると, 分布パターンそのものは概ね類似していたが, 陽性率の高さと陽性率上昇起点年齢が異なる傾向を示した.最後に, これらの各菌型の患者からの分離頻度と住民のT抗体陽性率から, 21種類のA群溶連菌の菌型を7群に群別すること, および, 試算値の病原指数を基礎に3群, 4亜群に大別することがそれぞれ試みられた.
著者
大野 亮一 鈴木 雅一 太田 猛彦
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.3-10, 1998-11-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
18
被引用文献数
3

Prediction of ground water movement is very important and critical to forecasting slope failure because many slope failures are triggered by the surcharge of water weight and drop of suction when precipitation infiltrates into soils. It is necessary to consider both saturated and unsaturated flow phases, particularly for sequentially estimating ground water flow to specify the time and location of the failure.Richards' equation has strong nonlinearity of coefficients. As a result, its numerical analysis tends to be much more difficult than that under moderate conditions, especially with very dry soils or a perched water table. Recently, new methods to solve Richards' equation that focused on diminishing water balance errors and less limitation of time step size were presented (Celia 1990, Pan 1995). In this paper, those new methods are first introduced with explanation of their algorithms specified for balance errors or time step size. Second, based on the fact that both steady and unsteady phases are combined in Richards' equation, the consequent oscillation problem is demonstrated and examined. The algorithm of the oscillation is explained with the analytic method presented in this paper.
著者
鈴木 裕太郎
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.1191-1198, 1979-12-20 (Released:2011-12-02)
参考文献数
30

甲状腺機能低下症では呼吸困難, 動悸, 全身の浮腫, 腹水, 心陰影の拡大, 心電図の異常所見など心臓病を疑わせる症状や臨床所見を主徴として発症することがある. このような場合, 甲状腺機能低下症が根底にあることが解るまでに年月を要することが多い. ここに6症例を報告し考察を行つた. 心不全との鑑別は最も困難なものの一つであり重要である. 心陰影の拡大は多くの場合心嚢水腫によるものであるが, 心筋の異常による心拡大もあるようである. 心嚢液が高蛋白, リバルタ反応陽性であることは炎症または悪性腫瘍転移によるものと誤られやすいので注意を要する. 6例のうちの1例はSick Sinus Syndromeを主徴として発症したもので今までに報告例を見ない. このような心臓循環器系の症状を主徴とした甲状腺機能低下症の診断にはまずその存在を疑うことが重要である. 病気がカモフラージされているのでmasked hypothyroidismとも呼ばれるが, 臨床医にとつて日常の診療に際し注意すべきことと考える.
著者
菊地 良介 金 貞姫 鈴木 敦夫 度會 理佳 横山 覚 齋藤 尚二 八木 哲也 松下 正
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.546-553, 2020-10-25 (Released:2020-10-29)
参考文献数
8
被引用文献数
1

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)の補助診断法として血清学的診断法が期待されている。抗SARS-CoV-2抗体試薬は,SARS-CoV-2のspike protein S1 domain(S)とnucleocapsid protein(N)に対する抗体を検出する2種類に大別される。今回我々は,COVID-19と診断された症例の経時的試料を用いて,SとN抗原を用いた抗SARS-CoV-2抗体試薬の検証を行った。S抗原を用いた抗SARS-CoV-2抗体試薬は,EUROIMMUN S-IgA,IgG試薬とVITROS S-total,IgG試薬を使用した。N抗原を用いた抗SARS-CoV-2抗体試薬は,ARCHITECT N-試薬とcobas N-試薬を使用した。その結果,来院時点(第X病日)からEUROIMMUN S-IgA試薬によるIgA抗体は陽性であった。第X + 5病日よりVITROS S-total試薬による抗SARS-CoV-2抗体は陽性となり,第X + 8病日よりARCHITECT N-試薬によるIgG抗体は陽性であった。本症例において,S抗原を用いた抗SARS-CoV-2抗体試薬は早期より抗SARS-CoV-2抗体が陽転化した。特に,抗SARS-CoV-2 S-IgA抗体はCOVID-19の早期補助診断に有用な可能性が示唆された。
著者
鈴木 すすむ
出版者
The Surface Finishing Society of Japan
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.698-702, 1997-07-01 (Released:2009-10-30)
参考文献数
22
被引用文献数
3 3