- 著者
 
          - 
             
             関 友作
             
             赤堀 侃司
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本教育工学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.20, no.2, pp.97-108, 1996-09-20 (Released:2017-10-20)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 29
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             3
             
             
             
          
        
 
        
        
        本研究では,テキストにおけるレイアウトとしての段落表示が,内容理解に与える影響を調べた.実験では,段落の設定を変えた3種類のテキストを用意し,それぞれの再生成績を比較した.テキストは,1)正しく段落づけしたもの(正段落),2)誤った段落づけをしたもの(誤段落),3)段落のないもの(無段落),の3種類であった.再生成績は,正段落,誤段落,無段落の順であり,正段落と無段落の間に有意差があった.これは,全体の再生だけでなく,要旨の再生についても同じ結果であった.このように,正しい段落設定が内容理解を高めるのは,段落が文章を視覚的に分節化することにより,読み手に次のような読解方略を促すためであると推察された.つまり,1)段落ごとに内容を体制化し,ポイントを把握する;2)段落間の関係をもとに文章構造を理解する,という方略である.このような方略の利用が,読み手の内容理解を促進すると考えられた.