著者
小林 孝幸 竹内 俊郎 荒井 大介 関谷 幸生
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.1006-1013, 2000-11-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
13 22

アルテミア摂餌期におけるノコギリガザミ幼生へのエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)の給餌適正量を明らかにすることを目的に, 各齢期の生残率, 平均到達日数, 第1齢稚ガニの全甲幅長および餌料中の脂肪酸含量等を検討した。その結果, ノコギリガザミ幼生は生残に対してEPAを強く要求し, 乾燥重量当り1.3∿2.5%程度必要であるものと推察された。また, DHAは第1齢稚ガニの全甲幅長を大きくすることに機能するが, 0.46%以上強化するとメガロパ幼生への変態に際し, 脱皮失敗によるへい死率の増加がみられることが明らかとなった。
著者
高尾 豊 井関 涼子 タカオ ユタカ イセキ リョウコ Takao Yutaka Iseki Ryoko
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.163-201, 2014-05

判例研究(Case Study)本件は、被告(日本漢字能力検定協会)が、原告(被告の元理事長)の有する「日本漢字能力検定協会」にかかる登録商標が後発的に公序良俗に反するものとなったことを理由として請求した登録無効審判の、審決取消訴訟である。審決及び判決は、登録が無効である旨の判断を下した。商標法4条1項7号は、公序良俗に反する商標の登録を認めない旨を定める。同号の公序良俗概念は時代によって変化するものであり、裁判例、学説による類型化が図られてきた。不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的等の「不正の目的」で使用される商標は、そのような類型の一つであった。平成8年の商標法改正により、他人の周知商標と同一又は類似であって不正の目的で使用するものの登録を排除する規定である法4条1項19号が新設されてからは、7号と19号の適用関係が問題となっている。7号は公益的理由に基づく不登録事由を定めるものであるため、他人が使用する商標を先回りして出願した場合のような商標の帰属争いについては、7号ではなく19号を適用すべきと思われる。しかし、「不正の目的」の他に、別途公益を害すると評価される事情が存する場合は、7号の適用を認める余地があると考える。本件は、商標権者の不正の目的が考慮されている点で、一見、当事者間での商標の帰属争いにも見えるが、それを超えて公益が害されている事例であり、7号該当性を肯定したのは妥当であることを論じた。This case concerns the validity of the registered trademark "日本漢字能力検定協会(The Japan Kanji Aptitude Testing Foundation)". The plaintiff who was once the chief director of the defendant (The Japan Kanji Aptitude Testing Foundation) had the trademark right of the mark above. The defendant requested a trial for invalidation of the trademark registration of that mark, insisting that the trademark registration was against Article 4(1)(vii) after the registration. The Patent Office made a decision to the effect that the trademark registration is to be invalidated, and the court supported the decision.A trademark which is contrary to public policy cannot be registered by Article 4(1)(vii) of Trademark Act. The courts have held that trademarks which were used with unfair purposes were against public policy. Article 4(1)(xix) enacted in 1996, however, provides that a trademark which is identical with, or similar to, one well known and is used with unfair purposes cannot be registered. Article 4(1)(vii) provides the reason for public purposes, among various unregisterable reasons. Therefore, even if the applicant make, with unfair purposes, an application for registration of a trademark which has been used by another person, the trademark should not be against Article 4(1)(vii) because that is merely a private reason. That is a dispute of possession and it should be solved by Article 4(1)(xix). But, if other circumstances for which the trademark applied for is contrary to public policy exist in addition to the applicant's unfair purposes, the trademark can be against Article 4(1)(vii). This case involves such circumstances, so I agree with the court's decision.
著者
高木 康文 横関 弥樹博 辻 琢人 左文字 克哉 大島 直樹 朴 康司 米津 宏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.95, no.387, pp.73-78, 1995-11-24

初期成長機構を制御することにより、エピタキシャル層を貫通する結晶欠陥の発生を抑制することを試みた。GaAs基板上の(InAs)_1(GaAs)_1歪短周期超格子(Strained Short-Period Superlattice:SSPS)の成長において、原子状水素照射下で成長することで、格子不整合歪に起因して生じる3次元成長を抑制することを試みた。原子状水素が基盤表面に付着する成長温度350℃の成長において3次元成長の抑制効果が顕著に現れた。その結果、3次元成長に起因した貫通転位の発生を抑制することができた。また、Si基盤上のGaPの成長において、MBE法で成長した場合、高密度のV字型の積層欠陥(Stacking Fault:S.F.)がGaP-Si堺面より発生していた。このS.F.の発生はMEE法で成長することで抑制することができた。
著者
関 和彦
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.10_58-10_61, 2015-10-01 (Released:2016-02-05)
著者
関 節朗 干場 健 Jorge BORDON
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.33-37, 2001-03-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
11

パラグアイ南東部穀倉地帯における不耕起栽培ダイズ (Glycine max (L.) Merr.) の収量は近年減少傾向にある.この原因が不耕起栽培を継続した圃場での根の発育不良にあるか, どうかを明らかにするため, 年数, 耕起法, 前作物, 土壌の異なる11圃場についてダイズの根の形態, 分布を調査した.その結果, 不耕起畑では地表下5~10cmのところで, 主根が彎曲したり, 主根の伸長が止まり, 代わりに側根が水平に伸長したり, 主根の伸長・肥大が貧弱で側根がタコ足状に発達したりしているダイズが多数観察され, このようなダイズでは根系が地表近くに分布する傾向が認められた.一方, 耕起畑および開墾初年目の畑では主根伸長異常のダイズは少なかった.土壌調査結果によると主根の土壌下層への伸長不良は, 播種床下の土壌硬度が高いほど, また土壌表層と下層のリン酸濃度の差が大きいほど多くなる傾向にあった.このことから長年不耕起栽培を継続した畑では, 土壌に圧密層が形成され, また施肥リン酸が表層に集積するなどして, ダイズ根の土壌下層への伸長を妨げて根系分布の表層化を招き, 軽度の気象変動 (干ばつ) にも生育が左右され, 近年の収量低下の原因になっているのではないかと考えられた.
著者
西井 修 荒川 文男 石橋 孝一郎 中野 定樹 志村 隆則 鈴木 敬 橘 貢 戸塚 米太郎 津野田 賢伸 内山 邦男 山田 哲也 服部 俊洋 前島 英雄 中川 典夫 成田 進 関 光穂 島崎 靖久 里村 隆一 高須賀 知哉 長谷川 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.98, no.23, pp.17-24, 1998-04-24
被引用文献数
6

2命令を同時に実行し、チップサイズが58mm^2のマイクロプロセッサを開発した。0.25ミクロン, 5層配線CMOSプロセスを用い、200MHz動作時の消費電力は1.2Wである。本報告は、チップ概要、低電力のための機構、および高性能化のために行った設計内容について述べる。浮動小数点演算の高性能化のため、1クロックにつき7個の単精度浮動小数点演算を処理可能なグラフィックFPU、およびサポート命令を設けた。このグラフィックFPUは2ステージ構成の4元内積(積和)演算器を有する。該内積演算器のディレイ(シミュレーション値)は3.69nsである。
著者
田向 権 有泉 政博 ベルグシュタイン ナダヴ ロブリア ジョナタン 関根 優年
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.229, pp.1-6, 2010-10-07

本論文では,hardware object modelに基づくnetworked hw/sw complex systemのデザイン例を述べる.提案するデザインフローでは,ハードウェア部はオブジェクトとして扱われる.ソフトウェアのオブジェクトと同様に,ネットワーク上の任意のアプリケーションから,動的な生成・実行・削除が可能である.ハードウェアオブジェクトはFPGA内の仮想回路空間にロードされ,アプリケーションの演算速度を加速する.この実現のために,ハードウェアオブジェクトの遠隔動的再構成,遠隔操作,仮想化技術を提案する.さらに,networked hw/sw complex systemのプラットフォームとして,hwModule FPGA Board series及びSystem Develoment Kitを開発した.動画像コーデックを用いたWEBアプリケーションの実装例を通して本手法の有効性を述べる.hw/sw複合体