著者
早川 博文 高橋 弘
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.289-293, 1983-12-15 (Released:2016-09-02)

吐[カ]喇列島の宝島および中之島から採集された雌雄成虫標本に基づいて, 新種A. takaraensis n. sp.タカラキイロアブを記載した。本種はA. kakeromaensis Hayakawa, Takahasi and Suzukiカケロマキイロアブに酷似しているが, 腹背面の斑紋が全くないことと, 翅脈R_4の小枝がきわめて短いかまたはそれを欠いていることにより, 容易に区別される。日本産キイロアブ属11種の検索表を掲げた。
著者
早川 博文 高橋 弘
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.389-392, 1977

福岡と大分の県境に位置する英彦山で, 1948年, 宮本正一教授によって採集された標本について, 新種Haematopota hikosanensisヒコサンゴマフアブを記載した。本種はH. toyamaensis Watanabe, Kamimura and Takahasiに酷似するが, 明瞭な額の中央斑およびほぼ円形の側斑, 背縁が真直ぐな触角基節, 小楯板上の灰色斑, および腹部背面の各節は縁帯を欠き, 全体が暗褐色であることにより, 容易に区別される。
著者
吉原 亨 蔦木圭悟 高橋 弘太
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.123(2008-SLP-074), pp.233-238, 2008-12-02

できるだけ聞き落としを生じることなく,時間的な効率を上げて音声再生を行うためには,個々の音声に対して最適な再生速度を決定するための指標が必要となる.本稿では,この問題に関して得られた 2 つの成果について発表する.第一の成果は, 2 つの異なる狭帯域エネルギの時間変化に着目した話速推定法を提案し,正規化した誤差で 16% の推定精度で話速推定が行えることを示したことである.第二の成果は,通常発話の音声と高速発話の音声を,それぞれ極めて速い話速に話速変換した結果を観察し,高速発話を話速変換した音声が,より調波構造の乱れが少ないことを示したことである.本稿は,我々で製作している話速バリエーション型音声データベース (SRM-DB) を用いて行った.我々は本研究を SRV-DB の有効な利用法の一例として発表する.
著者
高橋 弘彦 鈴木 省三 宮城 進 熊坂 繁太郎 佐藤 佑
出版者
仙台大学
雑誌
仙台大学紀要 (ISSN:03893073)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.43-51, 1996-03

Concerning the change of body temperature during long distance swimming, comparison is made between the case of wearing wet suit and the case of without it. Moreover, the effect of sea environment condition is investigated. Main results of this study can be summarized as follows : 1) The body temperature tends to decrease faster in case of swimmers with lower body fat percentage, especially in lower water temperature. However, even among swimmers with about the same body fat percentage, the individual differences are observed. 2) Although the physical intensity is kept at relatively low level during the long distance swimming, the swimmer's subjective response shows increasing difficulties as time elapses. This may be because of the continued motion, the decrease of body temperature and resultant increase of metabolism. 3) Before carrying out the long distance swimming, every swimmer's body composition must be examined. Especially for the swimmers with lower body fat percentage, the instructor should observe carefully their responses. It must be noted that wearing the wet suit, which does not fit well the swimmer's physique, is not necessarily effective for the purpose of keeping the body temperature. 4) Human reaction is remarkably influenced by not only the water temperature but also velocity and direction of the tidal current. Therefore, before making decision whether or not carry out long distance swimming, the instructor should investigate sufficiently those sea environment conditions.
著者
田村 類 高橋 弘樹 生塩 孝則
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.2, pp.71-82, 2001 (Released:2004-02-20)
参考文献数
31

有機ラセミ結晶の新しい自然光学分割現象を見いだし,これを優先富化現象と命名した.ラセミ結晶が優先富化現象を示すための必要条件を明らかにし,その機構を解明することを目的として,優先富化現象を示す化合物の誘導体や類縁体を合成し,これらの化合物の分子 · 結晶構造と優先富化現象の相関関係,これらのラセミ結晶の形態(ラセミ化合物,ラセミ混合物,ラセミ混晶の別)について系統的な研究を行った.その結果,X線結晶構造解析と融点相図の作成により,優先富化現象を示す化合物のラセミ結晶の形態は,きわめて秩序の高いラセミ化合物型の鏡像体間の混晶,あるいは中程度の秩序を持つ鏡像体間の混晶であることが判明した.一方,優先富化現象を示さない化合物のラセミ結晶の形態は,きわめて秩序の低い鏡像体間の混晶であることが示された.また,溶液中での鏡像体の会合構造を保持したまま結晶化したと考えられる結晶構造を得ることができたので,この構造を基にして,優先富化現象と密接に関連する結晶多形転移の機構を提唱する.
著者
森 勇人 高橋 弘 加来 伸夫 西村 宏之
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.132, no.12, pp.182-189, 2016-12-01 (Released:2016-12-15)
参考文献数
14

It is difficult to reuse the construction sludge directly because the water content of it is extremely high. Therefore, it has been disposed as industrial waste in the final disposal site. In order to reduce the construction cost and environmental load, the effective reuse of construction sludge has been an important problem. In order to increase the recycling rate of construction sludge and to solve the above mentioned problem, the authors have already developed a new recycling method for construction sludge by using paper debris and cement. As this method can improve the high water content sludge into high quality ground materials on sites, this method has already been utilized in over 400 construction sites in Japan.On the other hand, the biodegradation of fibrous materials is not made clear as yet. It is considered qualitatively that fibrous materials used in this method is hard to be biodegraded by soil microbes, because fibrous materials still remains in the soil which was improved by this method 10 years ago. However, the degradation by soil microbes is not confirmed quantitatively.Therefore, the biodegradability of fibrous materials was investigated experimentally through a culture test and a soil buried test. As a result, it was found that paper fragments were degraded in the solution of pH7.0, but were not degraded in the solution of pH9.5. Furthermore, it was confirmed through soil buried test that paper fragments buried in the normal mud were degraded significantly, but those buried in Fiber-Cement-Stabilized soils were not degraded and fibrous materials remained. Therefore, it was concluded that the fibrous materials in Fiber-Cement-Stabilized soil are not degraded by soil microbes when pH of Fiber-Cement-Stabilized soil is over 9.5, and they remains in the modified soils for a long time.
著者
高橋 弘
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
産業・化学機械と安全部門講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.17-18, 2012-10-17

ドライブ装置(Power Drive System,PDSと略されることが多い)とは,モータを可変速度制御するものであり,ファン,ポンプ,搬送装置をはじめとして,エレベータ・工作機械・電車・電気自動車・ロボットなどにも使われている.このドライブ装置に関する国際規格というのは,IEC(国際電気標準会議)において,IEC61800シリーズとして規定されている.この報告は,ドライブ機能安全規格であるIEC61800-5-2を実装したドライブを開発する上で,抽出された課題を検討したものである。
著者
田村 類 高橋 弘樹 生塩 孝則
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.22-33, 1998-01-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
16
被引用文献数
1 3

We have discovered the first case of accomplishment of an enantiomeric resolution by simple recrystallization of a series of racemic compounds [(±) forms] composed of a regular packing of (+) and (-) molecules in a crystal, although in principle this sort of enantiomeric resolution has been considered to be infeasible for more than a century since the discovery of chiral crystals by Pasteur and preferential crystallization of conglomerates by Gernetz which are a mixture of homochiral (+) and (-) crystals. We have designated this new enantiomeric resolution phenomenon as “Preferential Enrichment”. Here we report a distinct evidence that polymorphism between a racemic compound and a mixed crystal (solid solution), which consists of alternating alignment of the two homochiral dimers in a crystal, is responsible for the “Preferential Enrichment”, and we propose a mechanism of the phenomenon of the reversal of chirality in the deposited crystals, that is the essence of the “Preferential Enrichment”, on the basis of the polymorphic transformation during crystallization.
著者
高梨 成次 大幢 勝利 高橋 弘樹
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.85-90, 2009 (Released:2010-02-23)
参考文献数
5

強風等により,足場が倒壊する災害が,多く発生している.足場は水平方向には不安定な構造物である.その対策として,壁つなぎで足場を建設中の建築物等と連結し,水平安定性を確保している.強風による足場の倒壊災害の多くは,この壁つなぎの破損に起因すると考えられる.そのため筆者らは,すでに壁つなぎ材の強度に着目した実験的研究を実施している.それによれば,既存の壁つなぎ材の強度は十分に高いが,それらの設置時に施工誤差が発生することによって,安全性が低下する可能性が高いことを示した.本論では,それらの壁つなぎ材がALCパネルに固定された場合の引張強度と圧縮強度を実験的に調べた.その結果,アンカーの強度は引張強度,圧縮強度ともに壁つなぎ材の強度に比べて著しく低いことが分かった.そのため,足場の壁つなぎをALCパネルに固定する場合には,壁つなぎ材の強度の他,アンカーの強度を考慮して,壁つなぎの数量を増すなどの配慮が必要であることが分かった.
著者
金谷 重彦 平井 晶 高橋 弘喜 Altaf-Ul-Amin Md. 中村 建介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.322, pp.71-76, 2010-11-25

ゲノムプロジェクトの進展に伴って、現在までに、数百種のバクテリアゲノム、数十種の植物および動物のゲノムが解読された。植物における二次代謝産物は約20万種以上と推定され、5万種については構造決定されていると報告されている中で、ゲノムサイエンスの一環として、代謝産物と生物種の関係を体系化することを目的に、文献情報をもとに生物種とその生物において発見された代謝物の関係をデータベース化することを2004年より開始した。本論文では、このようにして開発された代謝物データベースKNApSAcK DBの現状を紹介する。さらに、生物資源の多面的な利用の目的からの代謝物検索を容易にするためのウェブサービスとしてKNApSAcKファミリーの研究開発を進めている(http://kanaya.naist.jp/KNApSAcK_Family/)。現在までにLunch Box(目的:食履歴)、KAMPO(漢方生薬)、KNApSAcK from around the world(世界の薬用植物)などのデータベース構築が完了した。これらのデータベースの現状についても紹介する。
著者
高橋 弘幸
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.443-449, 1990-05-01
被引用文献数
1

胎動と心拍数の関係を客観的に評価するため, 時差相互相関係数を用いて検討した. 超音波ドプラ胎動心拍数計で得られた胎動信号と心拍数信号をパーソナルコンピュータでフロッピーディスクに収録後, 再生して各5分区間ごとに心拍数と胎動信号スパイクの3点移動平均との時差相互相関係数を算出し, 最大相関係数値とその遅延時間を求めた. 対象は妊娠14〜41週の正常妊婦68例, 461区間であった. 1)胎動バーストに伴い一過性頻脈が認められる胎児活動期と胎動バーストが見られない胎児安静期の相関係数曲線を検討すると, 前者で胎動信号をプラス数秒遅らせた時点に相関係数の有意なピークを認めるのに対し, 後者ではピークは不明で, 係数の絶対値は小さかった. 以上より, 胎動が起きてから数秒の時間的因果関係で一過性心拍数増加がピークになることが明らかとなった. そこで妊娠32週以上の症例で一過性頻脈の有無と最大相関係数値およびその遅延時間を検討した. 一過性頻脈の認められない5分区間と1個以上の一過性頻脈が見られた5分区間のそれぞれの平均最大関係数値は0.141±0.097(mean±SD, 以下略)と0.275±0.135, 平均遅延時間は13.1±8.6秒と7.6±5.7秒で, どちらも有意差を認めた. 一過性頻脈が1〜3個以上の場合, 一過性頻脈の数による相関係数値および遅延時間の差は認められなかった. 2)1回の検査について全区間中で最高となった最大相関係数値とその遅延時間を妊娠週数別に検討すると, 週数の進行により相関係数値は有意に増大し, 遅延時間は逆に短縮した. 3)典型的な胎児呼吸様運動としやつくり様運動が記録されている5分区間の相関係数曲線のピークは不明で, 係数はどちらの絶対値も小さかった. 超音波電子スキャンで確認した胎児吸啜様運動は, 周期性をもった胎動で, 遅延時間がプラス3秒の時点で相関係数のピークを記録し, 上記と同様の時間的遅れをもった同期性が認められた.
著者
高橋 弘充
出版者
広島大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、日本のX線観測衛星「すざく」と、本年度に米国から打ち上げに成功したガンマ線観測衛星Fermi(旧名GLAST)を用いて、超新星残骸(SNR)を共同観測し、世界で初めてSNRからπ^0起因のガンマ線の有無を直接的に検証することである。「すざく」衛星についてこれまでに、我々が開発した硬X線検出器(HXD)の2つの検出器(シリコンPIN半導体とGSOシンチレータ)のバックグラウンドモデルの再現精度を定量的に評価することで、SNR(RXJ1713.7-394,SN1006)のデータ解析において、SNRからの微弱なシンクロトロン放射をこれまでにない精度で測定することに貢献してきた。また今年度も従来どおりに衛星の運用に携わり、検出器の性能向上に努めた。Fermi衛星について2008年6月の打ち上げ前から、衛星の運用が行われる米国・スタンフォード線形加速器センター(SLAC)に滞在し、衛星の模擬運用に参加した。この経験を活かし、打ち上げ後もSLACで実際の運用に携わり、さらに帰国後は日本から運用に参加するだけでなく、日本メンバーに運用のノウハウを伝え、検出器チーム全体で日米欧3局24時間体制での衛星運用を維持することに尽力した。初期観測データの解析においては、LAT検出器の較正を行いながらいち早く結果を出すため、銀河系内でもっとも明るいガンマ線天体であるパルサーを扱っている。とくにFermi最初の観測論文(CTA1パルサー)においては、Fermiのデータを解析するだけでなく、私のこれまでのX線観測の経験を活かし、「あすか」やXMM-NewtonなどのX線衛星のデータ解析も行った。これにより、ガンマ線で発見されたパルス周期がX線で検出されていないことを確認することができた。SNRはパルサーよりも暗いため、現在は日々のサーベイ観測によって得られたデータを蓄積している段階である。
著者
高橋 弘充
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、我々が日米欧共同で開発・製作したPoGOLite検出器をもちいて「はくちょう座X-1」から硬X線偏光を検出することを目指した。2011年度・2012年度では天候などによりPoGOLite気球の放球を実施・成功させることはできなかったが、2013年度には初めて放球に成功した。フライト中には、「はくちょう座X-1」だけでなく他のブラックホール連星系GRS 1915+105やパルサー星雲である「かに星雲」の観測を実施することができた。
著者
高橋 弘樹 大幢 勝利 高梨 成次
出版者
独立行政法人労働安全衛生総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

平成21 年に労働安全衛生規則が改正され、新たに墜落防止用の幅木等を足場に設置することが義務付けられたが、現行の風荷重に対する足場の設計指針は従来の足場を対象としているため、規則改正後の幅木等を設置した足場に対応しているかは不明である。本研究では、風荷重に対する規則改正後の足場の倒壊防止を目的として、規則改正後の幅木等を設置した足場を対象に流体解析と風洞実験を行い、幅木の高さと足場の風力係数の関係について検討した。研究の結果、幅木を設置した単体の足場の風力係数の値は、幅木の高さにほぼ比例することが分かった。更に、これらの結果をもとに、幅木を設置した単体の足場の風力係数の計算方法を提案した。
著者
高橋 弘太
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

人間の聴覚特性に基づいて,最も聞き取り易い再生速度で音声を再生する手法について研究した.この研究では,第一に,話速が聴覚にあたえる影響の定量的研究,第二にその研究成果に基づいた再生速度決定アルゴリズムの研究とそのアルゴリズムを実証するためのシステム実装と実験の2つが大きな柱である.さらに,第三の柱として,この研究のために自前で製作する話速バリエーション型音声データベースをインターネットで公開し、音声分野の研究者に利用してもらい話速推定研究を啓蒙することがあげられる.3年間の期間で,これらを計画どおり実施した.