著者
佐々木 登 高橋 公治 井駒 秀人
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.41-48, 1989-02-28 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11
被引用文献数
3

We have recently developed a novel color print film “REALA” with excellent color reproduction quality. This has been realized by incorporating the fourth light sensitive layer in addition to the conventional red-, green-, and blue-sensitive layers. The fourth layer (CL layer) is sensitive to cyan color (ca. 470-540 nm) and it releases development inhibitors in proportion to the degree of light exposure in order to give a due inter-image effect to the red-sensitive layer thus approximately realizing the negative lobe of color matching functions. In addition, the spectral sensitivities and interimage effects for the conventional three layers have also been optimally designed based upon the color reproduction theory. As a result of these optimization, color mismatches for yellow green colors, certain fabric colors, or deep purple to blue flower colors, which are rather difficult to photograph exactly in previous color print films, have been remarkably improved. It should be also pointed out that the color mismatches caused by photographing under fluorescent lamps are also dramatically relieved thus reproducing all object colors most naturally.
著者
高橋 裕樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.9, pp.1871-1877, 2020-09-10 (Released:2021-09-10)
参考文献数
13
著者
佐藤 信博 川島 康男 出構 のり子 小出 康弘 深津 徹 中村 博司 高橋 裕見子
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.846-848, 1991-11-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
12

We sent questionnaires to 1, 416 registered hospitals of The Japanese Orthopaedic Association and made inquiries about the use of bupivacaine for spinal anesthesia. We received answers from 870 hospitals (reply rate of 61.4%). In 85.7% of these hospitals, orthopaedic surgeons anesthetize their patients, performing surgical operations of their hips or lower extremities. In 41.4% of these hospitals, they use Marcain® for spinal anesthesia. During the 6 month period between January through June of 1998, 39, 690 patients were anesthetized by orthopaedic surgeons in those 870 hospitals. 27, 287 cases were for spinal anesthesia and Marcain spinal were used in 7, 321 cases. The most common side-effects were hypotension, but its degree was mild and controllable. No neurologic side-effects were reported. 90.5% of the surgeons who had experienced the Marcain spinal anesthesia reply that they need preservative-free bupivacaine for spinal anesthesia strongly.
著者
高橋 健一
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.43-62, 1975-01-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
25
被引用文献数
13 6

日南海岸青島の波蝕棚表面にみられる「波状岩」あるいは「鬼の洗濯板」とよぼれる波状起伏は,潮間帯の上半部にあって,その峰部は砂岩層,谷部は主に泥岩層からなる.調査地域における両岩石の最も主要な力学的侵蝕過程は,砂岩では,日射に関連した風化による表層部の強度低下を介した波浪や風による摩耗侵蝕であり,泥岩では,表層部の乾湿破砕で分離した小岩片の波浪による除去である.これらの過程の侵蝕基準面は,それぞれの風化過程の基準面に対応して,砂岩では平均高潮位付近にあり,泥岩では平均海面の少し下方にある.また,潮間帯における侵蝕速度は,泥岩の方が砂岩よりもはるかに大きい.このため,泥岩は砂岩よりも急速にかつ低い水準まで侵蝕され,潮間帯の上半部に波状起伏が形成された.なお,波状起伏の峰は,重力侵蝕によって低下するため,その突出程度は,砂岩層に発達する節理の間隔によって制約されている.
著者
高橋 哲
出版者
一般社団法人 日本リスク学会
雑誌
リスク学研究 (ISSN:24358428)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.155-164, 2023-01-15 (Released:2023-01-15)
参考文献数
43

The purpose of this study is to examine the characteristics of perceived risk of recidivism in the general public in comparison with actual crime statistics. Participants were 280 female university students, and they were asked to estimate risks of reincarceration of released prison inmates within five years using a web-based self-report questionnaire. Results showed that the risks of recidivism were overestimated for sex offenders and drug offenders while they were underestimated for those who committed theft, assault, and arson compared to the actual statistical data shown in the White Paper on Crime. Future research recommendation and practical implications, especially on recidivism risk communication, were discussed.
著者
金木 亮一 高橋 紀之 矢部 勝彦
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.211, pp.29-34,a1, 2001-02-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13

代かき作業と肥料の種類が田面水の窒素・リン濃度に対して及ぼす影響を検討するため, ポット試験を行った.代かきについては2条件 (代かき有りと無し), 肥料の種類については4条件 (無肥料, 重焼リン, 化成肥料, 被覆肥料) とし, 実験は3回繰り返した. 表面積500cm2のポット8個に水田作土を約20cmの厚さに詰め, 10cm湛水した.ポットは20℃ の恒温室内に静置し, 実験開始1, 3, 5, 7日後に田面水を採水して分析に供した.田面水の窒素・リン濃度に対しては, 代かき作業の方が肥料の種類よりも強い影響を及ぼし, 代かき7日後においても有意な差を示していた.窒素については代かき化成肥料区が他よりも著しく高い濃度を示した. リンは代かきの有無によって大きな濃度差を生じたが, 肥料の種類による差異は小さかった.
著者
高橋 克伸 徳久 銀一郎 前川 正幸 高木 一広 清田 幸宏
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1770-1774, 1992-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
28

We observed a nine-year-old boy who suffered from a so-called Brodie's abscess involving the adjacent metaphysis and epiphysis of the distal tibia, communicating through the growth cartilage of the epiphyseal plate. The patient presented himself with the mild symptoms and subtle clinical findings that are characteristic of Brodie's abscess, which is usually confined to the metaphyseal, and occasionally to the epiphyseal, bone. Initially, he was treated by surgical evacuation of the abscess and with intravenous antibiotics, and then by oral andtibiotics. The pathogenic organism was Staphylococcus aureus. At follow-up 10 months after treatment, he had normal results without any evidence of a growth disturbance. As far as we know, there have been 27 previously reported cases of Brodie's abscess traversing the epiphyseal plate. We believe that surgical evacuation of the lesion, followed by antibiotics, is an appropriate treatment for some children presenting themselves with this condition.
著者
中崎 公隆 諸橋 環 清水 翔一 河村 研吾 高橋 昌里 森岡 一朗
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
pp.cr.2019.0164, (Released:2020-07-17)
参考文献数
11

症例は 9 歳男子.腹痛発作を主訴に受診し,左腎に高度の水腎症を認めた.当初無機能腎として腎摘出術も検討されたが,腎実質障害は可逆性と判断し腎盂形成術を実施したところ,著明な腎機能の改善が得られた.高度な水腎症で検査上無機能と判断される場合でも,不可逆性の組織変化を来す病態以外では腎温存術を検討する必要がある.
著者
高橋 正通 柴崎 一樹 仲摩 栄一郎 石塚 森吉 太田 誠一
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.51-59, 2020-06-25 (Released:2020-07-14)
参考文献数
58
被引用文献数
1

砂漠化防止や気候変動緩和のため乾燥地での植林活動が続けられている。乾燥地・半乾燥地土壌の保水性を高め,苗木の活着や成長を促すため,高吸水性高分子樹脂(superabsorbent polymer,SAP)が土壌改良に利用される。本総説ではSAPを添加した土壌の物理性,化学性,生物性を中心に基礎的知見をとりまとめ,効果的な使い方を考察する。SAP添加土壌は以下のような特徴がある。1)SAPによる保水量の増加は土性の影響が顕著で,埴質な土壌より砂質の土壌の方が保水量は増える。2)SAP添加土壌の水ポテンシャルはpF 2.5以下の水分が主で,永久萎凋点pF 4.2以上で保水される量は少ない。3)吸水と排水過程で大きなヒステリシスが認められ,排水過程の方が保水量は多い。4)塩類濃度の高い水には吸水性能が発揮できない。5)ち密な土壌に粒径の大きな膨潤したSAPを入れると,粗孔隙が増加する。6)SAPの吸水・膨潤時には粗孔隙が塞がれ,一般に透水性は低下する。7)SAPのイオン交換容量(CEC)は大きく,砂質土壌のCEC増加につながる。8)SAP施用により土壌が湿潤になり微生物バイオマスが増加する。9)施用SAPによる環境汚染の影響は小さい。以上のような特性から乾燥地においてSAPを有効に使うには,土壌の塩分が比較的少なく,砂質または粗孔隙の大きな礫質の土壌への施用が推奨される。通常,せき悪土壌は貧栄養なため,肥料と併用するには,SAPの適切な施用位置などの検討が必要である。
著者
松本 浩幸 柄本 邦明 今井 健太郎 高橋 成実
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_319-I_324, 2020 (Released:2020-11-04)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究では,リアルタイム津波検知手法の高度化のために,台風接近時に観測された海底津波計データを精査して,地震にともなう津波との相違点を明らかにした.台風接近時と地震にともなう津波発生時では,観測波形の卓越周波数の特徴が異なることが判明した.すなわち,台風接近時には広帯域にエネルギーが分布するのに対し,地震にともなう津波発生時には低周波のエネルギーが卓越する.次に,微小振幅波理論にもとづくカットオフ周波数で津波を検出するリアルタイムフィルタを設計し,海底津波計の近傍で発生した地震に適用した.検出した津波は数値計算と整合し,設計フィルタの妥当性を検証した.ただし,台風接近時にはうねり成分が含まれることから,うねり成分を除去するカットオフ周波数の検討が必要であることを示唆する.
著者
大西 康貴 日浅 芳一 村上 尚嗣 中川 貴文 當別當 洋平 陳 博敏 宮崎 晋一郎 馬原 啓太郎 小倉 理代 宮島 等 弓場 健一郎 高橋 健文 岸 宏一 細川 忍 大谷 龍治
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.43-46, 2009-03-25

症例1は46歳女性.2007年10月に2回,食事中に失神発作があった.近医でのホルター心電図にて,最大で6.5秒間の心停止を伴う発作性房室ブロックが確認された.当院入院中にも夕食時に一致して4.5秒の発作性房室ブロックによる心停止がみられた.心エコーなどその他の画像検査でも異常は認められなかった.以上から,失神発作の原因は嚥下性失神によるものと考え,永久ペースメーカー植え込み術を行った.術後,失神の再発は認めていない.症例2は,74歳男性.10年前より年に2,3回,固い物を飲み込んだときにボーっとすることがあった.2008年4月,食事中に意識消失発作があり,近医でのホルター心電図にて,食事中に最大6.3秒間の心停止を伴う高度房室ブロックが認められた.現在,永久ペースメーカー植え込み術を勧めているところである.
著者
深沢 潔 安藤 弘 中山 孝一 高橋 比路美 新保 敏和
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.31-37, 1987-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
35

NK細胞は生体内で腫瘍細胞やウイルス感染細胞などの破壊に働くと考えられている.したがって, NK細胞も他のリンパ球サブセットと同様に生体内の免疫監視機構の制御を受けていると推察されるので, NK細胞への抑制因子の検討を行った.白血球混合培養(MLC, one-way)の上清中には種々のリンパ球活性に対する抑制因子が含まれているが,培養72時間のMLC上清にNK抑制活性が検出された.この抑制はMLCの反応細胞とautologousなNK細胞に対して,またはallogeneicなNK細胞に対しても同等な活性であった.泌尿器系癌患者から得たMLC上清を健康成人のNK細胞に加えてその影響をみたところ,前立腺癌(M0)と腎癌(M0, M1)でそのNK抑制活性が低下していた.一方,健康成人由来のMLC上清に対する癌患者NK細胞の感受性は膀胱癌,前立腺癌,腎癌のほぼ全例において欠如していた.
著者
高橋 達 宿谷 昌則
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.482, pp.43-50, 1996-04-30 (Released:2017-01-28)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

We developed a method to calculate entropy values associated with mutual diffusion of substances and to articulate an exergy-entropy process of human body in terms of water and other inorganic substances. The purpose is to have a better understanding of the consumption process of freshwater resource of human body. It was found that human body consumes 95% of the supplied exergy of inorganic matter and disposes of the rest, namely 5%, with urine. The amount of water, 1.0〜1.6kg/day, which is required by human body, was confirmed to be optimum for maintaining actively the state of exergy in terms of inorganic matters in human body, while consuming the least exergy of freshwater. The disposal of entropy generated within human body by urination makes room for consuming exergy contained by freshwater.
著者
今野 健一 高橋 早苗
出版者
山形大学法学会
雑誌
山形大学法政論叢 = Yamagata University the journal of law and politics
巻号頁・発行日
no.31, pp.47-66, 2004-08-31

はじめに 日本における個人のセキュリティ確保は、ここ数年のうちで犯罪・治安問題が急速に社会問題化したことにより(「安全神話」の崩壊)、政策課題としての重要性を増しつつある。一方、欧米諸国は、日本とは異なって、すでに過去数十年にわたる深刻な犯罪・治安問題を経験しており、その克服のため、旧来の刑事司法の施策の枠を超え、包括的な取り組みが行われてきた。我々の研究の目的は、このような欧米諸国のセキュリティ問題につき比較検討を行うことである。その第一段階として、イギリスとフランスの基礎的な研究に着手し、その成果を別の論文で発表している。そこで示唆したのは、イギリス・フランスでも、その具体的な犯罪統制の態様にニュアンスの差異があるとしても、いかに犯罪問題に対応するかが重要な政治的アジェンダであり続けていると同時に、公的・私的な多様な対応には多くの問題が含まれている、ということである。今回取り上げるアメリカも例外ではない。アメリカは、犯罪の常態化にあえぐ社会の代表的な例である。本論文では、次のように検討を進める。まず、アメリカにおける犯罪の動向とそれに対応する刑事政策の概略、および一般市民の犯罪リスクを明らかにする。次に、市民の犯罪恐怖の上昇と、それをと伴う私的なセキュリティの興隆の状況を取り上げる。第3に、市民の安全確保に関わる警察活動の動向を歴史的に概観した後、代表的なポリシングの形態を素材に、それらの意義と問題点を検討する。
著者
高橋 勇夫 間野 静雄
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-12, 2022-07-20 (Released:2022-10-05)
参考文献数
37
被引用文献数
1

天然アユの流程分布,とくに遡上上限がどのように決まるのかを明らかにするために,アユの遡上を阻害するような構造物が無く,かつ,種苗放流を 2013 年から停止した北海道朱太川において,2013 年~2021 年の 7 月下旬~ 8 月上旬に 12 定点で潜水目視による生息密度調査を行った.また,2014 年には下流,中流,上流の 3 区間からアユを採集し,52 個体の Sr/Ca 比から河川への加入時期を推定したうえで,加入時期と定着した位置の関係についても検討した.アユの推定生息個体数は 4.6~132 万尾と 9 年間で 30 倍近い差があった.各年の平均密度は 0.09 尾 /m2 ~2.61 尾 /m2 で,9 年間の平均値は 0.82 尾 /m2 であった.アユの生息範囲の上限は河口から 21~37 km の間で,また,生息密度 0.3 尾 /m2(全個体が十分に摂餌できる密度)の上限は 4 ~37 km の間で変動した.河口から生息範囲の上限までの距離および 0.3 尾 /m2 の上限までの距離ともにその年の生息数に応じて上下した.流程分布の変動は,密度を調整することにより種内競合を緩和することに寄与していると考えられた.耳石の Sr/Ca 比から河川へ加入してからの期間を推定したところ,早期に河川に加入したアユは上流に多いものの,下流部に定着した個体もいた.一方,後期に加入した個体は下流に多いものの,上流まで遡上した個体も認められた.これらのことは,早期に河川に加入した個体が後期に加入した個体に押し出されるように単純に上流へと移動しているのではないことを示唆する.さらに,推定生息数が最も少なかった 2018 年の分布上限は平年よりも 10~15 km も下流側にあった.これらより,遡上中のアユは充分な摂餌条件が整えば,移動にかかるコストを最小限に抑える行動を取っていると推察される.