著者
高橋 清 宗田 良 岸本 卓巳 松岡 孝 前田 昌則 荒木 雅史 谷本 安 河田 典子 木村 郁郎 駒越 春樹 谷崎 勝朗
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.686-692, 1992
被引用文献数
1

自律神経系の機能異常に基づく各種アレルギー性肺疾患病態における肺肥満細胞の役割を解明する目的で, 酵素処理法, percoll遠心法, 付着細胞除去法によって得られた高純度ヒト肺肥満細胞のアセチルコリンに対する反応性を, ヒスタミン遊離率を指標として検討した. その結果, 肥満細胞からのヒスタミン遊離はアセチルコリンの濃度に依存し, 10^<-5>で有意に亢進していた (p<0.05). また, アセチルコリンは抗ヒトIgE家兎血清によるヒスタミン遊離を相対的に増加させた. なお, かかるヒスタミン遊離はアトロピンでは部分的にしか抑制されなかった. 一方, ヒト末梢血好塩基球はかかるアセチルコリンに対する反応性が認められなかった. 以上の結果より, ヒト肺肥満細胞はIgE受容体のみならず, アセチルコリン受容体を介する反応により自律神経系の標的細胞として各種アレルギー性肺疾患の発症機構の一端を担っていることが示唆された.
著者
山下 泰央 高橋 大志 寺野 隆雄
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.4_33-4_40, 2008-10-28 (Released:2008-12-31)

近年,金融技術の高度化,金融市場の重要性の高まりなどを背景とし,金融教育の重要性が認識されつつある.本研究では,ビジネスゲーム手法により,金融資産への投資の学習に焦点をあてた分析を実施した.分析の結果,(1)実験を通じ参加者は過剰なリスクを取らなくなること,(2)当手法がリスク管理の重要性の理解を促進させることなど,興味深い現象を見出すことができた.これらの結果は,当手法の金融教育への応用の有効性を示すものである.
著者
高橋房男著
出版者
高橋房男
巻号頁・発行日
1977
著者
井川 克彦 長谷部 弘 阿部 勇 奥村 栄邦 西川 武臣 小林 延人 高橋 未沙 土金 師子
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

江戸後期において上田小県地方は生糸主産地の一つであり、その生糸は前橋の生糸市に集荷され、桐生などの絹織物の原料となった。横浜開港後にその生糸生産はさらに拡大して明治を迎えたが、この地方では器械製糸業がなかなか勃興しなかった。上田商人や生糸流通構造の実態を明らかにすることに努めた結果、養蚕と結合した農家小商品生産の部厚い存在、買い集める上田生糸商人の資本基盤の小ささを見通すことができた。
著者
武田 和義 高橋 秀和
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-8, 1999-03-01
被引用文献数
1

ムギ類の作期にほとんど雨の降らない夏雨型の半乾燥地では, 種子を深播して土壌深部の水を利用するため, 深播した場合にも出芽し得る深播耐性が必要である.オオムギ5,082品種とコムギ1,214品種を用いて深播耐性の品種変異を評価し, 極強品種を選抜した.深播耐性には大きな遺伝変異があり, 種子の大きさならびに幼芽の伸長量と関係があって半矮性品種の深播耐性は弱い.同質遺伝子系統対を比較したところ皮性オオムギの方が裸性オオムギよりも強かった.
著者
井上 秀範 吉井 新平 高橋 渉 喜納 五月 多田 祐輔
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.237-242, 2001-06-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は70歳男性. 平成12年2月, 胸部不快感および持続する右胸部痛を認めたため近医を受診し右肺梗塞の診断で線溶療法を中心とする加療するも軽快せず, 精査加療目的にて当院に紹介された. CTおよびMRIにて一部肺動脈壁外に浸潤する右主肺動脈をほぼ完全に占拠した陰影を認め, Gaシンチグラフィーでは右肺門部に集積像を認めた. 肺動脈造影では右主肺動脈をほぼ閉塞する球状かつ辺縁平滑な腫瘤影を認め, 右内胸動脈および右気管支動脈造影では, 腫瘍の部位に一致して腫瘍濃染像を認めた. 肺動脈造影時に施行した吸引組織診で血管肉腫と診断された. 他の全身検索では転移巣を認めず, 胸骨正中切開によるアプローチで右肺全摘術及び縦隔リンパ節隔清術を施行した. 術後病理組織所見では肺動脈原発のintimal sarcomaと診断され, 右下葉に肺内転移を認めた. 現在術後10ケ月経過するが, 再発の徴候はない.以上, きわめて稀な右主肺動脈原発肉腫を経験した. 文献上術前に診断しえた本邦5例目の症例であるので報告した.
著者
高橋 教雄 守谷 富男 手島 光司
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.63-71, 1982-03

自由噴流中におけるCO_2,CH_4,D_2分子及びHe-Ar, Ar-Ne混合気体の凍結並進温度を分子線飛行時間法によって測定した。分子に対し既存の回転・並進緩和理論との比較を行ない, 分子の緩和速度が小さくなるにつれて凍結並進温度に対する実験値と理論値との差が大きくなることが分った。これは, その理論が非常に大きい緩和速度を有する分子にしか適用できないことを示している。一方, 希ガス混合気体に対して重い粒子の凍結温度が軽い粒子の凍結温度よりも2&acd;3倍も高くなることが観測された。これはモーメント法による理論的予測に反した。しかしながら, モンテ・カルロ法による非経験的な数値結果とは定性的に一致し, さらにsudden freeze理論に対して非常に良い一致を示した。この事実は混合気体の自由噴流中における各原子種の凍結並進温度が原子間のポテンシャルモデルに大きく依存していることを暗示している。
著者
高橋 弘幸
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.443-449, 1990-05-01
被引用文献数
1

胎動と心拍数の関係を客観的に評価するため, 時差相互相関係数を用いて検討した. 超音波ドプラ胎動心拍数計で得られた胎動信号と心拍数信号をパーソナルコンピュータでフロッピーディスクに収録後, 再生して各5分区間ごとに心拍数と胎動信号スパイクの3点移動平均との時差相互相関係数を算出し, 最大相関係数値とその遅延時間を求めた. 対象は妊娠14〜41週の正常妊婦68例, 461区間であった. 1)胎動バーストに伴い一過性頻脈が認められる胎児活動期と胎動バーストが見られない胎児安静期の相関係数曲線を検討すると, 前者で胎動信号をプラス数秒遅らせた時点に相関係数の有意なピークを認めるのに対し, 後者ではピークは不明で, 係数の絶対値は小さかった. 以上より, 胎動が起きてから数秒の時間的因果関係で一過性心拍数増加がピークになることが明らかとなった. そこで妊娠32週以上の症例で一過性頻脈の有無と最大相関係数値およびその遅延時間を検討した. 一過性頻脈の認められない5分区間と1個以上の一過性頻脈が見られた5分区間のそれぞれの平均最大関係数値は0.141±0.097(mean±SD, 以下略)と0.275±0.135, 平均遅延時間は13.1±8.6秒と7.6±5.7秒で, どちらも有意差を認めた. 一過性頻脈が1〜3個以上の場合, 一過性頻脈の数による相関係数値および遅延時間の差は認められなかった. 2)1回の検査について全区間中で最高となった最大相関係数値とその遅延時間を妊娠週数別に検討すると, 週数の進行により相関係数値は有意に増大し, 遅延時間は逆に短縮した. 3)典型的な胎児呼吸様運動としやつくり様運動が記録されている5分区間の相関係数曲線のピークは不明で, 係数はどちらの絶対値も小さかった. 超音波電子スキャンで確認した胎児吸啜様運動は, 周期性をもった胎動で, 遅延時間がプラス3秒の時点で相関係数のピークを記録し, 上記と同様の時間的遅れをもった同期性が認められた.
著者
高橋 温子 山路 雄彦 渡邊 秀臣
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C4P1166, 2010

【目的】<BR> 義足には感覚が存在しないことから,切断者は断端部およびそれより近位からの体性感覚情報を活用していると考えられる.大腿切断者のADLにとって,断端の体性感覚情報は重要な役割を果たしていると考えられるが、断端に感覚検査を行っている報告は少ない.そこで大腿切断者の断端部の体性感覚情報と義足制御の関係を明らかにするために,感覚検査と感覚刺激に対する反応時間を調べ,その関係について検討することとした.<BR><BR>【方法】<BR> 対象は切断から2年以上経過し,神経疾患の既往の無い男性大腿切断者11名(年齢30.2±17.6歳,身長170.8±4.9cm,体重62.6±8.6kg,断端長11.1±3.4cm)と,健常男子大学生15名(年齢21.7±2.6歳,身長169.9±6.3cm,体重62.1±7.8kg)とした.感覚検査は振動覚,二点識別覚,関節位置覚とし,臥位で行った.振動覚は上前腸骨棘,坐骨結節に音叉を当て,振動感知時間を各3回測定し,検者との比率(%)を算出し平均値を求めた.二点識別覚は,坐骨結節,坐骨結節から6cm末梢の大腿後面(以下,大腿後面),坐骨結節から6cm末梢の大腿前面(以下,大腿前面)の3ヶ所で,二点を識別できる距離を各1回測定した.関節位置覚は,股関節屈曲角度を30度と60度に設定し,模倣試験を各角度で3回行い,設定角度からのずれ(以下,誤認角度)を測定し,平均値を求めた.感覚刺激の入力から筋収縮までの潜時(以下,反応時間)の計測には,筋電計(日本光電工業株式会社製WEB-9500)を用い,大腿直筋,内側ハムストリングス,外側ハムストリングス,大殿筋の4ヶ所に電極を装着した.また筋電図上に波形が出現するようにした感覚刺激スイッチ(OMRON社製)で,坐骨結節,大腿後面,大腿前面の3ヶ所に一定の強さで触れた後,坐骨結節,大腿後面への刺激では股関節伸展,大腿前面への刺激では股関節屈曲を各3回行わせ,波形の立ち上がりを最大振幅の20%とし平均値を求めた.測定時は耳栓を装着し,閉眼にて外部からの刺激を極力無くした.統計学的分析では,切断者の健側と患側の感覚検査,反応時間の比較にWilcoxonの符号付き順位検定を用い,健常者の左右の感覚検査,反応時間の比較には対応のあるt検定を用いた.なお有意水準はともに5%未満とした.<BR><BR>【説明と同意】<BR> 対象者全員に研究の趣旨および方法を説明後,同意を書面にて得た上で,検査,計測を行った.<BR><BR>【結果】<BR> 感覚検査では,すべての測定項目において健常者では有意な左右差は認められなかった.切断者では,坐骨結節の振動感知時間は,健側59.5±10.5%,患側67.6±17.0%であり,患側の坐骨結節の振動覚閾値が有意に低いことが認められた(p<0.05).大腿後面の二点識別覚では,健側2.0±0.9 cm,患側1.3cm±0.6cmと,患側大腿後面の二点識別覚閾値が有意に低いことが認められた(p<0.05).振動覚,二点識別覚のその他の部位,関節位置覚の誤認角度では,健側,患側間に有意な差は認められなかった.感覚刺激に対する反応時間では,すべての測定項目において健常者で有意な左右差は認められなかった.切断者では,大腿後面に感覚刺激を与え股関節伸展した際の大殿筋の反応時間が,健側0.22±1.1 sec,患側0.16±0.06 secと,患側大殿筋の反応時間が有意に速いことが認められた(p<0.05).その他の運動方向,筋では有意な差は認められなかった.<BR><BR>【考察】<BR> 深部感覚はソケットを介した義足の位置の認知,義足のコントロールに欠くことはできず,また,表在感覚はソケット装着時の皮膚表面の痛みや圧迫の度合いを知ることに必要であり,そのため深部感覚,表在感覚は義足の制御において重要な役割を果たしていると考えられる.今回,切断者の坐骨結節での振動覚閾値,大腿後面の二点識別覚閾値が患側で有意に低く,さらに大殿筋の反応時間が患側で有意に速かった.このことは大腿切断者では,立脚相の制御において,坐骨結節で義足に対する荷重量を感知し,大腿後面で膝折れに関する情報を検出するとともに,さらに速い大殿筋の働きにより膝折れを防止することを示唆していると考えられる.<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 大腿切断者は,立脚初期において坐骨結節への荷重量,大腿後面のソケット内圧の変化を感知するとともに,大殿筋の速い収縮によって,膝折れを制御していることが示唆された.そのため,切断術後の理学療法において,断端への感覚入力を促すなど,感覚へアプローチすることでより安定した義足歩行の獲得が可能であると考えられる.
著者
高橋 善彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.360-365, 1994-04-25
参考文献数
5
被引用文献数
2

当社のネットワークの変遷について簡単に触れる.その中にはどのような課題が与えられてきたのかを整理する.そして,将来の企業ネットワークに与えられている課題が,ネットワークのフレキシビリティという観点から,どのような要因によって解決されるのかを検討し,フレキシブルなネットワークに期待するところを整理する.
著者
浅田 和雄 高橋 浩昭 高橋 尚志
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.41, no.468, pp.1396-1402, 1992-09-15

When a projectile with high velocity impacts onto a target, several fracture modes (such as spall fracture, plug fracture, penetration fracture and so forth) appear in the target. Therefore, in order to identify an impact fracture strength of materials, a particular type of impact experiments should be undertaken. For example, an impact experiment for flying plate is suitable to determine the spall fracture strength. Different impact conditions, however, may bring in different fracture strength even for the same target material. For the purpose of clarifying perforation dynamics (mechanism) by means of computer code, it is necessary to provide a unified fracture condition which enables to explain all modes of spall fracture, plug fracture and penetration fracture. Under this fracture condition, fracture takes place when the strain has attained its critical value, which may be affected by pressure and temperature. In the present study, the unified fracture condition was examined through comparison between the back surface velocity of flying plate impact experiment and the velocity calculated from computer code by using Ni-Cr-Mo steel (SNCM-630 steel). The computer code used here was that of one -dimensional large deformation stress wave propagation by finite-difference-method. The experimental results and computer code results were well in accord with each other, confirming the applicability of the unified fracture condition to perforation dynamics.
著者
越田 賢一郎 高橋 毅 竹内 孝 中村 和之
出版者
函館工業高等専門学校
雑誌
函館工業高等専門学校紀要 (ISSN:02865491)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.51-56, 2014

Many glass beads have been found at archaeological sites in Hokkaido. We performed chemical analysis of glass beads discovered in Hokkaido by using scanning electron microscope (SEM) with energy dispersive X-ray spectrometry (EDX). Some glass beads were discovered from the Washinoki Site at Mori Town. These glass beads belong to Epi-Jomon culture and these are made from soda-lime glass.