著者
菅原 敏 高橋 健介
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.117-122, 2012

小型の二酸化炭素測定器を用いて、仙台市中心部における移動連続観測を行った。その結果、郊外に比べて交通量が多い仙台市中心部において濃度が高いことに加え、主要な道路ごとに交通量に応じた微細な濃度分布が存在することが判明した。
著者
高橋 一夫 平野 真紀 糠野 亜紀 新谷 公朗 金田 重郎 白井 由希子
出版者
常磐会短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

保育現場では子ども達の表現活動が重視されている。その表現活動には言語表現の領域があり、日々の保育においても絵本の読み聞かせなどが豊かに実践されている。ところが、絵本などを用いずに話す「素話(すばなし)」は、保育の場において衰退しつつある。そこで本研究では、言語表現活動として重視されるべき「素話」が、なぜ保育現場で衰退しているのかを実証的に分析し、「素話」の実践を支援する方策を模索した。その結果、「素話」では絵本の読み聞かせと異なり、子ども達が想像力を働かせていることが明らかになった。そして、この「素話」に特徴的な効果を理解することが、豊かな実践に必要であることが分かった。
著者
高橋 憲二
出版者
島根県立大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、過疎地域において、人口減少及び地理的条件不利により、従来型の社会サービスや社会福祉サービスの提供を困難にする中で、高齢期の在宅生活継続の社会的条件を探ることを目的に実施した。そのために、この4年間、島根県江津市桜江町内9集落、津袖野町4集落、大田市温泉津町6集落、浜田市金城町2集落の全世帯調査を実施した。主な知見は以下の通りである。1.島根県下においては2004年度の限界集落数は416集落になっている。今回の調査では21集落を調査した。これは、県下全集落数(3,586集落)の0.58%に相当する。2.限界集落の政策要望は次の3点に集約される。まず、僻地で生活できるだけの年金の保障をおこなうこと。そして、介護保険料や利用料の利用者負担の負担減をおこなうこと。さらに、交通費の負担軽減措置をおこなうことである。3.集落は住民にとって基本的で最小の生活圏である。従って、生活を維持する上で最低限の社会的サービスが堤供されることが必要である。それは、交通手段の確保や、生活環境基盤の整備、食料品・生活必需品の調達、及び郵便・金融サービス、そして介護サービスの提供が求められている。4.市町村合併によって周迦集落の生活支援施設が撤退している。生活必需品を購入できるシステムを再構築するとともに、行政だけではなく、地域住民や民間事業者など多様な担い手との連携・協衝を加えた社会サービス提供手法の検討が求められている。5.高齢化と集落衰退の進行の中で住民の危機意識は高まっている。一部では地域の互助活動や行政と住民活動とのコラボレーション、コミュニティ・ビジネスなども活発に行われている。しかし、こうした動きを広げていくためには、行政によるこれまで以上の財政的、人的なサポートが必要となっている。
著者
高橋 淑子
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

平成14年度は主に、ヤマトヒメミミズの再生過程でなにがおこっているのかという基本的な知見を得ることに集中した。得られた結果を以下に示す。1.再生過程におけるからだの前後極性を知るために、5種類のHox遺伝子のcDNA断片を得た。2.より効率よくシグナルを得るためのin situ hybridization法を探索した。3.人工的にミミズを切断した直後、どの細胞種が再生過程の中心的な役割を担うかについて、増殖細胞のマーカーであるPCNAを用いて、切断後経時的にその発現を観察した。結果、ネオブラスト周辺の数細胞が最初に増殖を開始することがわかった。これに引き続き、表皮が増殖能を獲得することも観察された。4.再生過程に特異的に発現する遺伝子群を探ることを目的に、ESTプロジェクトを開始した。平成15年度は、前年度の観察から得た再生過程でみられるイベントの知見をもとに、分節と再生に関与する遺伝子を同定することに注目した。今年度の活動と得られた結果を以下にまとめる。1.前年度から進行しているESTプロジェクトの結果に加えて、「再生中ミミズ」と「再生を完了しているミミズ」のサブトラクトラクションを行うことで、再生芽に特異的に発現する遺伝子の候補を34クローン得た。2.これら全ての遺伝子についてin situ hybridization法を用いて、発現パターンによるスクリーニングを行った結果、再生中期の再生芽に発現する21遺伝子を特定した。また、このうち11遺伝子は既に再生初期で発現が認められた。3.上記の結果を発現パターンでカテゴリー別に分類したところ、再生初期から表皮に強い発現をみせる遺伝子、表皮を除く再生芽に発現する遺伝子をはじめとして、さまざまな発現パターンを示す遺伝子が得られた。これらの活動から、ヤマトヒメミミズの再生過程の分子機構に関し、全く新しい知見を多く得ることができた。
著者
高橋 雅延
出版者
聖心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1.実験1強烈な感情が対人記憶に及ぼす制御効果について検討するために、ある人物の一日の行動を写した写真18枚を材料とし、情動的な刺激(死体)を提示した場合(情動群16名)の前後の記憶について、情動的な刺激を提示しない場合(中立群16名)の再認記憶と比較検討した。その結果、ネガティブな感情が対人記憶に対して順向抑制効果を与えることが明らかとなった。これは、そのような状況において、精緻な処理が行えず、記憶が悪くなったのではないかと考えられた。2.実験2ある男子大学生の一日について述べられた文章を材料とした。そして、この男子学生に抱く対人感情(ポジティブ感情、ネガティブ感情)を操作するために、その人物の友好的描写を読ませるネガティブ感情群27名を設け、1時間後に、文章の偶発自由再生を求めた。その結果、対人記憶課題では、ポジティブ感情をもった群の方が、行動の種類によっては、そのような感情の源となった行動とは一致しない敵意性行動の再生成績が高い傾向が見受けらた。このように、行動によって結果のパタンが異なることから、矛盾情報というように一つのカテゴリで行動をまとめてしまうのではなく、矛盾情報の中でも、細かく行動別に調べていくことが必要であると思われる。
著者
佐藤 克文 島谷 健一郎 依田 憲 渡辺 伸一 高橋 晃周 坂本 健太郎 赤松 友成 高橋 晃周 坂本 健太郎 赤松 友成
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

加速度時系列データから簡便にスペクトログラムを作成し、k-means法による自動判別を行い,いくつかの行動にカテゴライズするソフトウェアーEthographerを作成した。本ソフトを用いることで、複数種類の対象動物から得られた加速度時系列データを簡単に解析する事が可能となり、対象動物毎の生理・生態学上の発見に加えて,種間比較による研究成果が得られた。
著者
荒川 正晴 町田 隆吉 松井 太 舩田 善之 荒川 慎太郎 佐藤 貴保 坂尻 彰宏 赤木 崇敏 高橋 照彦 武内 紹人
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

各班における資料調査の成果にもとづき、シルクロード東部地域の民族や文化の交流および政治・社会・経済などの具体的な姿を、各分担者の研究領域から明確にするとともに、「出土史料学」の基盤作りを行った。すなわち当該地域より出土した各文字資料の分類とそれぞれの性格と機能を検討し、このうち公文書については、各文書群の間で相互比較することを通じて、唐~宋~元にいたる公文書の長期間にわたる通時的な展開と、周辺国家・地域への公文書の空間的な波及と受容のあり様を明らかにした。研究成果は、既に国際ワークショップを開催して公表し、今はその成果をまとめた本を準備中である。
著者
岡田 忠司 杉下 朋子 村上 太郎 村井 弘道 三枝 貴代 堀野 俊郎 小野田 明彦 梶本 修身 高橋 励 高橋 丈夫
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.596-603, 2000-08-15
被引用文献数
29 194 25

医薬品として販売されているγ-アミノ酪酸製剤(合成GABA製剤)は,脳代謝促進作用があり,脳梗塞・脳出血後遺症等,脳血管障害の諸症状の改善や血圧上昇抑制効果が認められている.また最近の医学分野の研究では,更年期障害や初老期の自律神経障害にみられる精神的症状の緩和にも効果があると報告されている.<br>本試験では,コメぬかから分別製造した「GABA蓄積脱脂コメ胚芽」を用いて,更年期及び初老期の被験者20名に対する効果をプラセボとの比較にて検討した.<br>その結果,更年期及び初老期に見られる抑うつ,不眠,イライラ,不定愁訴の自律神経障害の改善に,GABA蓄積脱脂コメ胚芽が高い効果を示すことが明らかになった.またこのほかに,高血圧症や肝機能の改善作用も示され,服用に伴う副作用も全く見られなかったことから,毎日摂取できる機能性食品素材として高い利用価値を有していることも明らかになった.
著者
川井 啓市 劉 輝雄 施 壽全 楊 國郷 翁 昭紋 林 肇堂 王 正一 王 徳宏 渡辺 能行 山口 俊晴 土橋 康成 高橋 俊雄 CHUAN Shin-Shou YANG Kuo-Ching MIN Weng-Chao LIN Jaw-Town WANG Cheng-Yi WANG Teh-Hong LIU Hui-Hsiung 青池 晟
出版者
京都府立医科大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

十二指腸潰瘍が胃潰瘍よりも多く,かつ胃瘍が少ない沖繩県に隣接する台湾でも十二指潰腸瘍が胃潰瘍より多いといわれており,台湾における胃癌や大腸癌の実態を明かにし,その発生要因を検討するのが本研究の目的である。記述疫学的に死亡統計をみてみると,台湾では,男で胃癌の漸減傾向,直腸癌と結腸癌の増加傾向が,女で胃癌の減少傾向,結腸癌の漸減傾向,直腸癌の漸増傾向がみられたのに対して,日本では男で台湾と同様の推移が,女で胃癌が減少傾向,直腸癌が漸減傾向,結腸癌が増加傾向を示していた。また,日本では結腸癌の増加傾向が著しいが,台湾では過去15年間に一貫して結腸癌の方が直腸癌よりも高率であり,いわゆる欧米的なパターンを呈していたことが強調される。臨床統計として台湾大学医学院内科において1992年1年間に診断したすべての胃癌患者は男52例,女30例,合計82例であった。同様に大腸癌は男22例,女18例,合計40例であった。大腸癌の部位は結腸癌23例(男11例,女12例),直腸癌17例(男11例,女6例)と,男では結腸癌と直腸癌は同数であったが,女と合計では結腸癌の方が多かった。1990年1年間の京都府立医大・第一外学教室で新たに診療したすべての胃癌患者は男73例,女38例,合計111例であった。同様に大腸癌は男20例,女13例,合計33例であった。その部位は結腸癌15例(男8例,女7例),直腸癌18例(男12例,女6例)で,直腸癌の方が多かった。台湾におけるこれらの胃癌の組織型をみてみると,well differentiated adenocarcinoma10%,moderate differentiated adenocarcinoma15%,poorly differentiated adenocarcinoma45%,signet ring cell carcioma11%,その他9%不明11%であった。同様に台湾の大腸癌の組織型は,well differentiated adenocarcinoma 5%,moderate differentiated adenocarcinoma48%,poorly differentiated adenocarcinoma3%,詳細不明のadenocarcinoma38%,その他8%であった。このような組織型はわが国における実験と大差なかった。1991年12月より台湾大学医学院内科他3施設において内視鏡検査受診者に対するライフスタイルなどの調査を開始した。1993年1月末現在で上部消化管内視鏡検査受診者7856人と大腸内視鏡検査受診者589人分の資料を収集した。最終的に胃癌患者は約100例,大腸癌患者は約50例になる予定である。このうち,既に整理の終わった胃癌患者30例と大腸癌患者24例の資料を用いて分析疫学の症例・対照研究の手法で台湾における胃癌と大腸癌のリスク・ファクターの検討を行った。解析に用いた胃癌症例は男18例,女12例,合計30例である。対照は上部消化管内視鏡検査で著変なかった男47例,女156例,合計203例である。これらの対象の既往歴,癌の家族歴,飲酒,喫煙及び食餌習慣について性・年齢階級の絞絡を補正するためにMantel-Haenzel法によって各要因単独の暴露ありのオッズ比を求めた。その結果,統計学的に10%以上の有意水準で有意であった要因について,相互の絞絡を補正するために多変量解析のunconditional logistic regression analysisを用いて解析した。高血圧の既往があることとのオッズ比は0.02であり,香辛料を週に2-3回以上摂取することのオッズ比は0.07でともに有意に胃癌のリスを下げていた。同様に大腸癌症例男13例,女11例,合計24例と大腸内視鏡検査で著変なかった対照の男47例,女60例,合計107例について単独の要因について解析した。牛肉を週を1-2回以上摂取することは有意に大腸癌のリスクを0.30に下げ,塩からい食品を毎日摂取することは有意に大腸癌のリスク3.52倍高めていた。なお,大腸癌については少数例であり多変量解析は行えなかった。この結果の評価については,最終的に収集できた全胃癌症例と大腸癌症例を用いて行う予定である。また,背景の遺伝子の解析としてPGC RFLPパターンは台湾の胃潰瘍では前庭部と他部位で異なっていた。
著者
高橋 菜奈子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.15-24, 2005-03-15

本稿では, 韓国・朝鮮人名の特徴と書籍への記載のあり方から, NACSIS-CATの著者名典拠における標目記述をめぐる問題点を考察した。標目の採用の規則に例外規定が設けられているために, 規則の解釈にゆれが生じ, ハングル, 漢字形, 日本語ヨミ, ローマ字翻字形のどの形式で書誌を検索しても検索漏れの可能性があることを指摘し, 著者名典拠を活用した書誌検索のシステムが課題となっていることを示した。この問題点を解消するため, 「漢字∥日本語ヨミ∥ハングルヨミ分ち書き」または「ハングルヨミ」を標目の基本とすることを提案した。また, 著者名同定のために必要な項目は何かを探るため, 韓国出版物の著者略歴の特徴を抽出し, 学位・現職・出身校情報の有効性を示した。
著者
岡田 至 奥井 周子 関根 真波 高橋 洋治 福地 俊樹
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.69-73, 1992-02-20
被引用文献数
6

われわれは先にN-(4-tert-ブチルベンジル)-4-クロロ-3-エチル-1-メチルピラゾール-5-カルボキサミド(tebufenpyrad, Code No. MK-239, Pyranica^[○!R])が, 高い殺ダニ活性を有することを報告した.さらに高活性な化合物を目標に, 26種の二環式ピラゾール誘導体(IV)を合成し殺ダニ活性を試験したところ, シクロペンタン環を有する化合物が高活性であることを見いだした.その中で, N-(4-tert-ブチルベンジル)-2, 6-ジメチル-2, 4, 5, 6-テトラヒドロシクロペンタピラゾール-3-カルボキサミド(21)が最も高い活性を示し, テトラニカス属やパノニカス属のダニに対してMK-239に匹敵する活性を示した.
著者
高橋 優 南谷 さつき 中東 真紀 石原 領子 長太 のどか 古屋 かな恵 張本 浩平
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101610-48101610, 2013

【はじめに、目的】 春日井市は、65歳以上の老年人口が20.1%であり全国平均と比較し現状の老年人口は若干少ない地域である。超高齢社会において高齢期の健康の保持と増進においては栄養は重要なものである。今回、在宅における栄養摂取の現状把握をMini Nutritional Assessment-short form(以下MNA-SF)を用い、実際に摂取している総カロリー量及びたんぱく質量と比較し若干の知見を得た。【方法】 評価期間は平成24年8月20日~平成24年9月15日の4週間とした。対象は、本調査の趣向を説明し同意を得られた、当訪問看護ステーションを利用している10名(男性6名・女性4名)、平均年齢75.3±8.9歳とした。 (1)栄養評価は、MNA-SFを用い、栄養障害の状態を栄養障害あり・低栄養のおそれあり・栄養障害なしの3つに分類した。栄養評価は、担当スタッフに検査方法を十分に説明し、(2)の開始前の訪問時に実施した。(2)摂取カロリー・摂取たんぱく質量については3食3日分の食前・食後の写真撮影を利用者または家族により実施した。写真撮影の漏れがないよう3食3日分の食事チェック表を作成し間食の記録も行なった。なお、外食に行かれた場合、撮影漏れ・撮影不良が起きた際は、1日分の食事を後日改めて写真撮影をするなど行なった。摂取カロリー・摂取たんぱく質量の測定は管理栄養士が統括した。(3)統計学的解析は、MNA-SFスクリーニング値と摂取カロリー・摂取たんぱく質量・BMI値で回帰分析を用い有意水準5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には、調査を行う前に本調査の趣向を紙面と口頭で説明し、インフォームドコンセントを得た。【結果】 (1)MNA評価結果は、栄養状態良好4名、低栄養のおそれあり6名、低栄養0名、BMI平均21.1±4.3であった。(2)摂取カロリー・たんぱく質量は、1日分の平均摂取カロリー1543.8±220.4キロカロリー、摂取たんぱく質量62.4±15.3グラムであった。(3)MNA-SFスクリーニング値と摂取カロリー・摂取たんぱく質・BMIの回帰分析の結果、摂取カロリー、摂取たんぱく質量とは有意な相関を認めなかった。BMIはR値:0.46、 p値: 0.02で有意な相関がみられた。【考察】 在宅における栄養摂取の現状を把握するためにMNA-SF評価ツールと食事撮影・測定を実施した。MNA-SFと摂取カロリー・タンパク質量の相関はみられなかったが、BMIとの相関はみられた。MNA-SFとBMIは密接な関係にあり栄養状態の把握にBMIが有用に働く事が示唆された。MNA-SFの結果からは、MNA-SFの最大の特徴は低栄養の階層化における低栄養のおそれありというグレーゾーンの設定である。今回の結果より低栄養のおそれありの6名は、低栄養となる可能性がある。摂取カロリー・摂取たんぱく質量からは、普段の食事より、写真撮影時の方が多めの食事となりバランス良く摂取されている可能性があるが、全国平均では、摂取カロリー1821.5±101.5キロカロリー、摂取たんぱく質量68.3±4.0グラムであり、平均一日あたり摂取カロリー数は約300キロカロリー、摂取たんぱく質量は約6グラム足りていない結果となった。以上のことから、MNA-SFと摂取カロリー・摂取たんぱく質量の相関は得られていないが、低栄養のおそれありの利用者が低栄養になる可能性があり、サルコペニア等の問題も浮上してくる事が考えられた。今後は、詳細な栄養摂取の現状把握が行なえるよう対象者を増やし、摂取カロリー・たんぱく質量の測定方法を考慮して実施したいと考える。【理学療法学研究としての意義】 高齢者における栄養の摂取量低下は、健康に多大な影響を与える事が、多くの研究により明らかにされている。高齢者が地域で満足した生活を営む為に栄養状態の把握・改善に対してアプローチしていかなければならないと考える。
著者
高橋 弘充
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、我々が日米欧共同で開発・製作したPoGOLite検出器をもちいて「はくちょう座X-1」から硬X線偏光を検出することを目指した。2011年度・2012年度では天候などによりPoGOLite気球の放球を実施・成功させることはできなかったが、2013年度には初めて放球に成功した。フライト中には、「はくちょう座X-1」だけでなく他のブラックホール連星系GRS 1915+105やパルサー星雲である「かに星雲」の観測を実施することができた。
著者
高橋 静昭 安原 治機 長嶋 祐二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.10, pp.1080-1086, 1987-10-15
被引用文献数
1

模擬試験の得点や共通一次の自己採点などから 入試における合格最低点を推定する場合 合格者の学力の水準と入学の難しさの2つは 合格最低点とは微妙に異なる.それは 模擬試験の得点等と大学入試得点の相関係数の値が1より小さいことに起因する.もし相関係数が1ならば 合格最低点の入試得点者のみが 最低点に対応する模試の境界得点者となる.しかし 相関係数が1より小さくなるに伴って 合格最低点よりやや高い入試得点者と低い得点者の双方が模擬試験の対応する境界得点となることが多くなる.合格率が1/2以下のときには 高得点者の方が少ないので前者の人数が後者を上まわる.したがって模擬試験の対応境界得点近傍の受験者の合格率は 1/2より小さくなる.さらに同様の関係で 合格最低点近傍の受験者の模試の平均点は模試の境界得点より低くなる.逆に 合格率が1/2を超えているときは 模試の境界得点の受験者の合格率は1/2より大きくなる.これらの関係は 従来公表されている難易度では十分に説明されていない.本論文では 模試得点や自己採点等の変数Xとそれによって評価される大学入試得点Yが 2次元のガウス分布に従うものとしてモデル化し 合格最低点 最低合格者の水準および合格難易度の3つを定量的に定義し検討する.さらにこの統計モデルを用いて 合格者の中の入学手続者の入試得点上の分布を表現し 入学手続の予測に応用することを提案する.