著者
高橋 康人 徳増 正 藤田 真史 若尾 真治 岩下 武史 金澤 正憲
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.791-798, 2009-06-01
被引用文献数
25 5

This paper proposes novel techniques for the improvement of the convergence characteristic of step-by-step time integrations in nonlinear transient eddy-current analyses. The proposed methods, which are based on the time-periodic finite-element method and the explicit error correction method, can extract poorly-converged error components corresponding to large time constants of an analyzed system. The correction of the extracted error components accelerates the convergence of transient calculation efficiently. Furthermore, we extend the performance of the proposed methods in nonlinear problems. Some numerical results that verify the effectiveness of the proposed methods are also presented.
著者
森本 有紀 高橋 時市郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.1329-1338, 2015-05-15

本稿では,自由形状のイラストをデザインの原理に基づき美化する手法を提案する.直線や楕円による単純な描画を美化制約に基づき美化する手法はこれまでにさかんに研究されてきた.しかし,それらの美化制約の自由形状への適応は挑戦的な課題である.本手法では,制約付きドロネー三角形分割を用いて,自由形状における局所的に関連の強い部分を効率的に探索する.また,本手法では,平行・滑らかさ・形状類似性・共曲線性,のデザインの原理を美化制約として用い,自由形状を評価する.本手法は,形状評価,特徴保存平滑化,形状あてはめの3つのステップによって成り立つ.まず制約付きドロネー分割を行った入力に対して,デザインの原理に基づき形状を評価する.次に,形状評価値に,特徴保存の平滑化処理を行う.最後に,形状あてはめでは,複数の異なるデザインの原理に対して形状エネルギーを最小化し,最適な形状を生成する.既存手法との比較アンケートからは,本手法はより適切な美化ができることが分かった.
著者
高橋 研介 高橋 一志 大山 恵弘
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21888655)
巻号頁・発行日
vol.2015-CSEC-69, no.20, pp.1-8, 2015-05-14

近年,代表的な Web ブラウザの一つである Firefox の拡張機能を悪用した攻撃の危険性が認識されており,悪意を持つ拡張機能による脅威が増している.一方,Firefox では拡張機能をインストールする際,その拡張機能がどのような操作を実行するのか一切通知されない.そのため,無害に見える拡張機能がバックグラウンドで悪質な操作を行っている場合,それを発見することは極めて難しい.本稿では,そのような状況への対策として,Firefox 拡張機能が実行しうる操作をユーザに通知するシステムの提案を行い,インストールする拡張機能が悪意を持つかどうかを判断する材料を提供する.また,セキュリティ対策の一環として 2015 年に導入される予定である Firefox 拡張機能の署名が,本システムに与える影響を考察する.
著者
藤田 悠記 高橋 俊介 那須 章人 下井 岳 亀山 祐一 橋詰 良一 伊藤雅夫
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.115-119, 2007-09

ウズラ胚体外培養法を応用し,卵殻を使わず人工容器でのニワトリ胚の発生能について検証した。ニワトリ胚は,白色レグホンを用い,孵卵器内で3日間培養した後,卵の内容物を100mlカップ内に空気透過性のあるテフロン膜を卵型に装着した人工容器に移し,ラップで封をした。再び孵卵器内で孵化までの18日間培養した。人工容器は空気の流通を完全に遮断したもの(Type 1),空気の流通を自由に行わせたもの(Type 2),さらに空気の流通量をある程度人工的に調節可能としたもの (Type 3) の以上3タイプを用いた。また,人工容器に移す際には卵殻粉末あるいは乳酸カルシウムを添加した。人工容器を用い培養した結果,孵化させるまでは至らなかったが,卵殻粉末の添加により孵化直前の20日目まで培養することに成功した。最も好成績であったもので培養16日目に76.0%,18日目に52.0%,20日目に12.0%の生存率が得られた。一方,対照として行った,二黄卵卵殻を代用卵殻に用いた場合は60%が孵化したが,人工容器を用いた場合と同様に培養初期(孵卵6日目)と後期(孵卵16日目)に生存率の低下が認められることから,この2つの時期がニワトリ胚の体外培養において重要な時期であると推察された。The developmental ability of chicken embryos in an artificial vessel without eggshell was investigated using the in vitro quail embryo culture method. After White Leghorn eggs were incubated in an incubator for 3 days, the egg content was transferred into an artificial vessel consisting of a 100-ml cup attached with an egg-shaped air-permeable Teflon membrane and sealed with wrap, followed by incubation in an incubator for 18 days until hatching. Three types of artificial vessels were used : Type 1 with complete blockage of air flow, Type 2 with air flow, and Type 3 with controllable air flow. Eggshell powder or calcium lactate was added when the egg content was transferred to a vessel. Although no hatching was obtained, the eggshell powder addition allowed the culture by day 20, immediately before hatching. In the group with the best outcomes, the viabilities on days 16, 18, and 20 of culture were 76.0%, 52.0%, and 12.0%, respectively. In contrast, in the control group using eggshell containing 2 yolks as surrogate eggshell, 60% of the eggs hatched, but the viability decreased at early (day 6) and late (day 16) time points, similar to the eggs cultured in the artificial vessel. These findings suggested that these 2 time points are important for in vitro culture of chicken embryos.
著者
立川 雅司 三上 直之 櫻井 清一 山口 富子 大山 利男 松尾 真紀子 高橋 祐一郎
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、食品安全におけるゼロ・トレランスを消費者に訴求する傾向がみられ(「不使用」「検出ゼロ」など)、消費者もこうした情報に敏感に反応する傾向がある。ゼロトレ対応は様々な問題を生じさせており、その実態解明と対応方策が求められている。本研究の目的は、こうした対応、言説に着目し、複数の事例を比較分析しつつ、その背景と影響、関係者間での合意基盤を明らかにすることである。本研究では、食品安全に関してゼロトレ対応の諸問題に関して、多角的に分析するとともに、政府による情報発信の課題を明らかにした。またゼロトレ志向の消費者の特徴を明らかにすると共に、模擬的討議を通じて合意基盤の可能性について検討した。
著者
吉永 龍史 小野 武也 沖 貞明 大塚 彰 梅井 凡子 星本 諭 中平 剛志 高橋 祐二 小林 弘基
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.A4P2062-A4P2062, 2010

【目的】関節拘縮の治療に関わるものは、関節の動きを維持するために一日に必要な関節運動の時間を知りたい。この検討は動物実験を通して、関節をギプスなどで固定した後、固定を外してストレッチを一日につき一定時間実施し、再び関節を固定する方法で行われている。これを1週程度毎日繰り返し、最終日は固定を外して治療として持続的伸張運動(以下、ストレッチ)を実施した後に、効果判定の関節可動域テストを行っている。ここでポイントとなる点は、最終日の効果判定直前に治療としてのストレッチを行っている点である。先に述べた方法による最終日の関節可動域の効果判定結果は、 2つの影響が含まれていると考えられる。一つは毎日行う関節運動の影響(蓄積効果)である。もう一つは、最終日の関節可動域測定直前のストレッチの影響(即時効果)である。蓄積効果と即時効果を含む方法による研究結果によると、関節の動きを維持するために一日に必要な関節運動の時間はおよそ30分/日であろうと推測されている。ところが、我々は朝起きるとストレッチを行わないでも関節可動域は維持できている。これは、前日までの関節運動が十分に行われているためと考えることができる。このようなことから、効果判定を行う直前にストレッチを行わないで、関節の動きを維持するために一日に必要な関節運動の時間を検討することも重要と考えられる。本研究の目的は、即時効果を省き蓄積効果により関節の動きを維持するために一日に必要な関節運動の時間の検討である。<BR>【方法】8週齢のWistar系雌ラット20匹を用いた。ラットは10匹ずつ無作為に2群に振り分けた。そのうち1群は、左後肢を「正常群」、足関節最大底屈位でギプス固定した右後肢を「固定群」とした。さらに、固定群と同様にギプス固定を行い、2日目から最終日(7日目)の前日までの計5回、1日1回ギプスを外し、麻酔下でバネ秤を用い30gで30分ストレッチを実施した右後肢を「30g伸張群」とした。尚、固定期間は1週間とした。すべてのラットは飼育ゲージ内で水と餌も自由に摂取する事ができるようにした。足関節背屈角度(以下、背屈角度)は、初日と最終日(7日目)の背屈角度を測定した。ただし、実験最終日には、ストレッチを実施しないでギプス除去後に測定した。測定は、麻酔で小型筋力計を用いて30gの力を加えた状態で行った。統計処理は、実験前の各群間の背屈角度の比較に一元配置分散分析を、また各群の初日と最終日の背屈角度の比較をKruskal-Wallis検定によって確かめた後、有意差を認めた場合は多重比較検定にScheffe法を適用した。なお、危険率は5%未満をもって有意とした。<BR>【説明と同意】本研究は、本学の研究倫理委員会の承諾を受けて行った。<BR>【結果】実験前の背屈角度は、正常群が37.9±1.2°、固定群が37.6±1.3°、30g伸張群が37.0±1.6°ですべての群間で有意差を認めなかった。最終日の背屈角度は、正常群が37.9±1.7°、固定群が73.4±4.8°、30g伸張群が84.5±6.5°であった。実験前後の背屈角度の比較から固定群および30g伸張群には、実験後に有意をもって拘縮発生を認めた。また、各群間の比較では、すべての群に有意差が認められ、30g伸張群がストレッチを行ったにも関わらず、関節拘縮が最も発生していた。<BR>【考察】本研究の結果から、最終日にストレッチを行わずに効果判定を行うことで、30分/日で行うストレッチによる蓄積効果のみではギプス固定除去直後に関節拘縮が生じることが明らかとなった。また、ストレッチを行った30g伸張群が固定群と比較して関節拘縮がより悪化していた。ストレッチを行ったにも関わらず30g伸張群が固定群と比較して関節拘縮が悪化した原因について、先行研究によると、ギプス固定1週間のラット足関節の制限因子は、皮膚切開によって10%、下腿三頭筋切除によって80.5%であったと報告していることからも、軟部組織による制限因子であると推測される。そのため、30gによるストレッチが重すぎたのではないかと考えられる。もう一つの原因は関節可動域運動の時間が不足していたと考えられる。小児を対象とした先行研究では1日約6時間の関節運動を必要としている。このことから、関節可動域運動の伸張時間が長いほど関節拘縮を防ぐことができると考えられる。よって、本研究の関節可動域運動の時間は不足していたと考えられる。蓄積効果により関節の動きを維持するために一日に必要な関節運動の時間は、即時効果を含めた場合よりも多くの時間を必要とする可能性が考えられる。<BR>【理学療法学研究としての意義】日々臨床で遭遇する関節拘縮を予防するために必要な運動時間を知ることは重要である。<BR>
著者
高橋 信雄 茂登山 清文 安田 孝美
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 = ITE technical report (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.16, pp.71-74, 2014-03

CG画像と実写画像を合成する際,両者をシームレスにつなぎ合わせるには,CG画像の二次元フィルター処理が不可欠となる.通常CG制作の現場では,この処理を作業者の感覚に依存するため,CG実写合成の水準にはばらつきを生じている.本論文では,実写画像から撮像系の解像特性を取得し,それをCG画像の二次元フィルター処理に応用する手法を提案する.これにより,CG実写合成の際,簡便で正確な二次元フィルタリングが可能となる.
著者
高橋 成
出版者
[西郊民俗談話会]
雑誌
西郊民俗 (ISSN:09110291)
巻号頁・発行日
no.230, pp.23-33, 2015-03
著者
礒村 宜和 木村 梨絵 高橋 宗良
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.14-21, 2011-03-05 (Released:2011-05-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

大脳皮質や海馬のような脳領域における局所回路内の信号処理の仕組みを調べるためには,複数の電極をもちいて多数の神経細胞の発火活動を同時に検出できるマルチニューロン記録法が有効である.ここでは同記録法の簡単な具体例を中心にして,動物の手術から,多点電極,プリアンプ,メインアンプ,記録装置,オフラインでの自動スパイク·ソーティングとスパイク·クラスターの修正と選択までの各段階を,順を追って詳細に解説する.
著者
高橋 昭
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.133-142, 1977-12-01

近年,日本産Neope属は2種の独立種に分離されたが,この両者に対して用いられるべき学名については未検討のままである.筆者は,これら日本産Neope 2種に関するすべての原記載と,British Museum (Natural History)所蔵のButlerが記載したN. niphonica, N. japonicaのダイプ標本を検討し,サトキマダラヒカゲにはN. goschkevitschiiの学名を,ヤマキマダラヒカゲにはN. niphonicaの学名を用いるのが正しいと結論した.N. goschkevitschiiの原記載には,タイプ標本をGoschkevitschが採集したことが記されているので,彼の足跡を歴史的に検討すると,1854年12月4日に下田港に到着し,12月23,24日の両日におきた安政地震と津波でDiana号が大破したため,1855年7月14日まで伊豆半島(主として下田,戸田(へだ))に滞在したことが明らかとなった.Menetriesの原著には図版が添付されており,この図から,N. goschkevitschiiは明らかにサトキマダラヒカゲ春型♂と判断され,本種のタイプ標本は1855年の春に伊豆半島(下田,戸田またはその近傍)で採集されたものと思われる.
著者
一ノ瀬 友博 高橋 俊守 川池 芽美
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.123-142, 2002-01-30
被引用文献数
4

1970年代にバイエルン州で初めて作製された生物空間地図は,その後ドイツの自然保護において,必要不可欠な資料として位置づけられ,ドイツ各地で作製されるようになった.地図作製手順には,当初から大きな変更がないものの,具体的な作業方法は大きな変化を遂げた.一般的だったカラー空中写真にかわり,最も重要な基礎資料として赤外カラー空中写真が利用されるようになった.地理情報システムの活用によって,情報はすべてデジタル化され,コンピュータ上で地図が作製されるようになった.本論では,最新の地図作製方法とその応用について紹介するとともに,我が国における生物空間地図を生かした生物多様性保全のあり方について検討した.