著者
細谷 良夫 ELIOT M STARY G 成 崇徳 蒲地 典子 王 鐘翰 陳 捷先 石橋 崇雄 楠木 賢道 PAN A.T 加藤 直人 中見 立夫 松浦 茂 岸本 美緒 江夏 由樹 松浦 章 香坂 昌紀 河内 良弘 松村 潤 神田 信夫 STARY Gioban ELOT Mark TATIANA A.Pang WANG Zhong-han CHEN Jiw-xian CHENG Chong-de 王 禹浪 関 嘉禄
出版者
東北学院大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

「実績の概要」1994〜96年の3年間にわたり、清朝史研究の基礎的な作業として、多岐にわたる清朝史料の体系的把握を目的に、満州語史料を中心とする各種史料の所在状況の調査及び版本と档案の関係を課題とする共同研究を実施した。研究活動は国外の研究分担者の協力を得て中国、台湾、香港、アメリカ、ロシアで実施したが、はじめに調査研究の対象となった主要な(1)史料所蔵機関と(2)史料名称を以下に列挙する。(1)史料所蔵機関(中国)第一歴史档案館、遼寧省档案館、吉林省档案館、吉林市档案館、黒龍江省档案館、北京図書館、科学院図書館、吉林大学図書館、中央民族学院図書館、遼寧省図書館、大連市図書館、中国社会科学院歴史研究所、中国社会科学経済研究所、中国社会科学院清史研究室、中国社会科学院近代史研究所、遼寧省博物館、黒龍江省博物館、黒龍江省民族博物館、新賓満族自治県博物館、伊通満族博物館、海拉尓民族博物館、阿里河鄂倫春族博物館、莫力達瓦文物管理所図書館、承徳市囲場県文物管理所、赫哲族民族博物館、赫哲族民族館(中華民国・台湾)台湾中央図書館、故宮博物院文献處、中央研究院近代史研究所、中央研究院歴史言語研究所(香港)香港大学図書館、香港理工学院図書館(アメリカ)カリホルニヤ大学(バ-クレイ)図書館、議会図書館、ハ-ヴァト大学燕京漢和図書館、プリンストン大学ゲスト図書館、ニューヨーク市立図書館(ロシア)ロシア科学アカデミー極東研究所中国学図書館(モスクワ)、ロシア科学アカデミー東洋学研究所(サンクトペテルブルグ)、サンクトペテルブルグ大学、サルトコフシチュドリン名称公衆図書館(2)主要な史料と史料系譜の名称無圏点「満文老档」、有圏点「満文老档」、満文「清実録」(太祖・太宗朝)、内国史院档、崇徳3年档、逃人档、〓批奏摺、戸科史書、礼科史書、内閣大庫漢文黄冊、戸部銀庫大進黄冊、戸部銀庫大出黄冊、江南銭糧冊、徽州文書、理藩院題本、黒龍江将軍衙門档案、三姓档、黒図档、尚務府档、朝鮮国来書簿、尚可喜事実冊档案、南満州鉄道北満経済調査所所蔵史料、哈爾濱学院所蔵史料、駐哈爾濱外務局特派員公署所蔵史料、満漢文清朝初期関係の石碑拓本、嫩江流域達斡尓族所蔵の満文史料、大楊樹付近の満族関係史料、烏蘇里江流域赫哲族所蔵の満族史料、琿春付近の満族関係史料、鴨緑江流域所在の満族関係史料「共同研究会の開催」上記各史料所蔵機関で、各種の資料をめぐり中国では王鍾翰、成崇徳、台湾で陳捷先、アメリカでエリオット、ロシアでタチアナ・パン各教授と個別課題で共同調査と研究を実施した。また文書史料のみならず、中国東北地域で、清朝初期史をめぐる石碑史料、宗譜や牌単などの祖先祭祀史料、鄂倫春族などを含む満族をめぐる口承伝承資料の採集などの現地調査と研究を関嘉禄、王禹浪研究員と共に行った。3年間にわたる共同研究のまとめとして、1996年12月に成崇徳教授を招聘、満族史研究会の招聘などで来日中の陳捷先、スターリ、パン、エリオット教授をまじえ、満漢文史料をめぐるシンポジュウムと満文版本目録作成のためのワークショップを5日間にわたり実施し、これまでの総括と今後の共同研究の方法を討議した。「成果」共同研究の実施の結果、各所蔵機関の資料状況が明らかになったことに併せて、個別資料の研究、すなわち実録の基礎となったであろう国内史院档の系譜や実録写本の検討、礼科史書と理藩院題本の関係、清朝から満州国に及ぶ東北土地文書の史料系譜、銭糧冊や黄冊などの清朝の経済政策を解明する基礎史料の整理などの官本と档冊の研究が行われた。同時に従来所在不明とされていた朝鮮国来書簿あるいは既に倒壊したと伝えられていた尚可喜神道碑の発見、あるいは逹斡尓族の満州語使用とその档冊や写本を見出した。これらの多くの成果は分担者それぞれの研究成果として公表されると共に「満族史研究通信」の誌上に史料状況を中心とする調査報告が公開されている。また満族史研究通信は国外に対する共同研究の成果の還元として、各国に送付され高い評価を得ている。
著者
HIGO KEN-ICHI YAMAMOTO OSAMU
出版者
日本放射線影響学会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.353-359, 1985-09
被引用文献数
2

In the presence of tritiated water (HTO), Escherichia coil NG30 was grown in sealed test tubes containing synthetic medium (M9-0.4% glucose-0.005% arginine), and cell growth was monitored by measuring medium turbidity. Catalase (60 μg/ml) was added to the medium to reduce HTO associated accumulation of H_2O_2. A positive correlation between increasing concentration of HTO in the medium and the growth suppression was seen. A similar trend was observed when cells were grown under continuous irradiation of ^<60>Co gamma-rays. The RBE of HTO beta-rays relative to gamma-rays was calculated from the accumulated doses to the cultures. It was found to be 1.7 when the growth was inhibited to 60% of the control, and increased with decreasing dose.
著者
Wu Hai-Long Wan Qiu-Hong Fang Sheng-Guo
出版者
社団法人日本動物学会
雑誌
Zoological science (ISSN:02890003)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.333-340, 2006-04-25
被引用文献数
6

The black muntjac (Muntiacus crinifrons) is a rare species endemic to China and its current distribution is confined to partial mountain ranges in eastern China. To assess the population structure and gene flow among the extant populations, we sequenced a portion of the mitochondrial control region (424bp) for 47 samples collected from its current three large populations (Huangshan,Tiammushan and Suichang). A total of 18 unique haplotypes were defined based on 22 polymorphic sites. Of these haplotypes, 15 ones were population-specific and only one haplotype was shared among the three populations. Significant genetic differentiation was detected between Suichang and Huangshan populations (φ_<ST>=0.1677, P<0.001) or between Suichang and Tianmushan populations (φ_<ST>=0.2002, P<0.001), indicating that the Suichang population may be spatially structured from other two populations along matriline. The Mantel test revealed that this significant differentiation was not driven by geographic distance (P=0.14), implying that genetic divergence of Suichang population might result from recent human disturbances. Phylogenetic analyses suggested the mitochondrial control region haplotypes were split into two well divergent clades (Clade I and Clade II). Interestingly, the two distinct haplotype clades were found to coexist in Suichang area. The nested clade analysis revealed a significant phylogeographic structure among the black muntjac populations (total cladogram: χ^2=18.68; P<0.001), which was inferred to result from past fragmentation followed by range expansion. The population expansion was supported by the analysis of mismatch distribution and the tests of neutrality. Therefore, we suggest that the coexistence of distinct haplotypes in Suichang population was induced by historical population expansion after fragmentation and that the current genetic differentiation should be attributed to the reduction of female-mediated gene flow due to recent habitat fragmentation and subsequent loss.
著者
船田 龍平 Baykas Tuncer Sum Chin-Sean Wang Junyi Lei Ming Rahman Azizur 木村 亮太 西口 嘉紀 荘司 洋三 原田 博司 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.103-108, 2008-02-27
被引用文献数
1

マルチギガビット伝送を可能とする60GHz帯のミリ波PANシステムにおける主要なアプリケーションの一つとして,HDMI伝送等の数Gbpsの帯域を必要とするビデオストリーミングが有望視されている.このような高速かつ高品位な通信を行うためのフレーム設計においては,従来の無線LANのようなフレーム設計とは異なる手法が要求される.本稿では,高速且つ高品位な通信に適したミリ波WPAN用のフレームの設計手法を提案する.提案手法により,プリアンブル,ヘッダの誤りに起因したブロックノイズ,もしくはストリーミングの瞬断という問題に対処するため,60GHz帯WPANに求められる諸要件を考慮しつつ,プリアンブル,及びフレームヘッダをペイロードと同程度の簡易なアーキテクチャで,且つペイロード以上の良好な特性を有するように設計が行われる.また提案手法を用いて構築されたBeaconing・Signaling用の制御フレームと,データ通信用のフレームのフレーム構成にっいて述べ,特性評価を行うことにより提案フレーム構成の妥当性を確認している.
著者
平井 英二 山口 幸祐 北村 守次 丁子 哲治 村本 健一郎 上木 勝司 全 浩 李 敏熙 宮崎 元一 QUAN Hao LEE Min-Hee 庄田 丈夫 李 敏煕 小村 純子 山口 幸裕 鍛治 利幸
出版者
北陸大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

1.吉林省環境保護局吉林省の劉 淑塋副省長,吉林大学環境科学系の杜 尭国教授らによれば,同省は人口約2,500万人,面積約19万km^2であり,両者とも中国の約2%である。東部は長白山を望み,櫟などの木材資源が豊富であり,中部は松遼平原が広がり,農業が発達している。西部は大草原であり,羊・馬の放牧地である。基幹産業は長春市の自動車,吉林市の化学工業である。大気汚染は,従来から低硫黄(0.4%以下)の石炭を使用せていたが,工業の発展にともない省外の石炭を輸入のため,低硫黄の石炭の確保が困難となり,大気汚染が進行中である。水質汚濁として,地表水のCODは8ppm程度であり,有機物による汚染が進んでいる。さらに,同省の図們江開発にも言及した。また。吉林大学の環境関係の研究は太陽光,粉塵,微生物等の自然界由来の物質を有効利用して汚染物質を低減する研究が集中的に行なわれている。図們江開発にも関係するので,吉林省からの帰路を利用して,大連経済技術開発区を見学と調査を実施した。2.研究成果森林衰退の原因は多くの研究者が様々な地域で研究している。観測,測定が行なわれた地域によって,気象,土壌,樹種,大気中の汚染物質濃度などが異なるため,重要な因子が異なってくる。即ち,土壌酸性化/アルミニウム毒作用説,オゾン説,マグネシウム欠乏説,ストレス説,窒素栄養過剰説があるが,関与している因子が多いことが,この問題を難しいものとしいる。酸性降水は土壌と接触することによって速やかに中和される。この中和反応は多岐であり,炭酸塩の溶解反応,陽及び陰イオンの交換反応,アルミニウムの溶出反応,二酸化炭素の溶解反応がある。これらの反応を総合的にを数式化し,実験と比較し,酸性降水による河川水質のメカニズムを正確に解明できた。β線吸収法による浮遊粒子の解析から黄砂現象の評価するに,黄砂の彼来により酸性雨の成分であるSO_4^<2->とNO_3^-に影響を及ぼし,日本海側における冬期のSO_4^<2->濃度が異常に高い原因の一つに黄砂が関与している可能性が高いことが明らかになった。酸性雨・雪の現象をレーダによって定量的に観測するため,一般的に地上観測データとの重畳によって行なう.そして両者の観測から,レーダ観測で得られるレーダ反射因子(Z)と地上観測で得た降雨や降雪強度(R)の関係を求める。このZ-R関係が求まればレーダ反射因子(Z)から降雨や降雪強度を推定できる。研究ではXバンドレーダを使用し,降雪についてZ-R関係を求めた。短い期間に分割すると良い相関がえられた。3.STRATEGY FOR AIR POLLUTION CONTROL IN EAST ASIAの刊行特に中国は硫黄酸化物が主成分である大気汚染物質の影響が深刻である。よって大都市である重慶市での研究・調査を1991年度から実施すると同時に,大気汚染とその対策のついてのシンポジウムを,重慶市環境保護局と平井班が主催し,1992年10月に同市で「中日大気汚染防止対策シンポジウム-重慶‘92」を開催した。本研究班の全員と四川省,重慶市の研究者や行政担当者が多数参加し,重慶市のマスコミにも大きな関心をあたえた。これらの発表は大気汚染のデータも含むが,大気汚染についての基礎的な事項や環日本海各国の酸性雨の現状,酸性雨の分析,土壌の中和反応機構,湖沼・森林への影響,環境行政,火力発電所の排ガスや環境保全などの多方面にわたっている。これらの発表論文に最近の研究成果を追加して翻訳し,1冊の書に纏めて刊行し,今後に工業化される東アジアの諸国の大気汚染対策に役たてれば,かけがえのない地球のボ-ダレスな環境の解決の一つとなると考えた。これが1994年度の科学研究補助金研究成果公開促進費に採択され,今春に刊行する。東アジア諸国に配布するが,平成8年度の国際学術研究にも活用する予定である。
著者
Fujioka Kantaro Kinoshita Masataka Choi Jai-Ho Fuse Keisuke Gamo Toshitaka Hasumoto Kouji Ishibashi Jun-ichiro Koga Kazuhide Miyata Hiroki Nishiyama Ei-ichiro Sayanagi Keizo Shimamura Kiyoshi Shitashima Kiminori Suzu
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.61-132, 1987-10-23

The Mikura Basin and Hachijo Basin lie just beyond the volcanic front of the Izu-Ogasawara arc-trench system and the existence of submarine hydrothermal activity is expected. This area was surveyed during the cruise of KT 86-10 by the R/V Tansei-Maru, Ocean Research Institute, University of Tokyo from the 12th to the 21st of July, 1986. A small topographic high west of the Inanbajima which occupies the central part of the basin was found by a 12 kHz echo sounder as well as a seismic profiler. The small topographic high consists mostly of the boulder of volcanic rocks which were recognized later as two pyroxene andesites by the submersible "Shinkai 2000" of JAMSTEC. The other parts of the basins are covered by thick volcanogenic and biogenic materials having bioturbation structures on the surface by the bottom dwelling organisms. The geologic developments of the basins viewed from the present observations are as follows: Basement of the region was cut by the normal faults relating to the initiation of rifting the northern Izu-Ogasawara backarc area and followed to subside. Thick volcanic materials covered the basement. Compressional stress field after the end of the rifting may take place to form folding and fissure eruption of andesitic lava to make small knoll. CTD (Conductivity, Temperature, Depth) measurements across the knoll were carried out and temperature anomalies were found near the knoll. The temperature and salinity relationship observed along the knoll gives negative possibility to support the existence of presentday hydrothermal activity. Multichannel seismic profiler data show the existence of a low velocity part, which may possibly be a magma chamber, about 1.5 km beneath the Mikura Basin. All the other data support the existence of hydrothermal activity in the basins. However, it will be necessary to have more elaborate surveys of this area in future studies.御蔵海盆と八丈海盆は伊豆.小笠原島弧-海溝系の火山フロントのすぐ背後に位置している.これらの海盆には海底熱水活動の存在が期待されている.東京大学海洋研究所の淡青丸によるKT86-10次航海が1986年7月12日から21日の間行われ,この地域の地質学,地球物理学,及び地球化学的な調査がなされた.御蔵海盆の中央にある藺灘波島の西部からPDRと音波探査によって小さな地形的高まりが発見された.この高まりは北北西-南南東の伸長方向を持ちその幅数100メートル,高さ数10メートルで2マイル程度連続する.これは,火山岩の巨礫の積み重なった小丘で,その深部には断層が発達している.この火山岩の大部分は両輝石安山岩であることが後の「しんかい2000」の潜水調査で確かめられた.周辺の海盆底は厚い火山源及び生物源物質によって埋立てられており,堆積物が底生生物によって著しく乱されている.これらの海盆の発達史は音波探査の記録から以下の通りまとめられる.まず伊豆・小笠原背弧のリフティングに関連した正断層群によって,この地域の基盤が切られ沈降した.ひきつづきこの基盤を厚い火山物質が覆った.次に,北北西-南南東方向のσhmaxに平行な安山岩質溶岩の広域割れ目噴火を起こし,活断層と伴に小丘が形成され,この小丘を横切ってCTDの観測が行われ小丘の近くで0.05℃程の温度異常が見つかった.小丘に沿って観測された温度と塩分濃度の関係は現在の熱水活動の存在に否定的である.しかし,マルチチャソネル音波探査の結果は御蔵海盆の深さ約1.5kmのところにマグマ溜りの存在を示している.島弧を横切る方向の地殻熱流量の値の分布が火山フロントで高く,背にでもやや高いこと,断層による陥没及び活断層の存在,深海カメラや潜水艇で熱水性堆積物らしいものが撮影されていること,潜水艇のマニピュレータで得られた安山岩にFe-Mnに富む堆積物が付着していたことなどは海盆に熱水活動の存在することを支持しているが,この海域のもっと丹精なる調査が将来必要である.
著者
Vercammen-Grandjean P.H. 熊田 信夫 NEWELL I. M. ROBAUX P. 鈴木 博
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.245-249, 1974
被引用文献数
3

ケダニ上科のケダニ科・ジョンストンダニ科などに属するダニ類の大部分は節足動物寄生性であるが, 同上科のツツガムシ科のダニ類に似た形態的特徴を持つために, しばしば混同されることがある。本稿では, さきに著者のひとりVercammen-Grandjeanによってツツガムシ科のアポロン亜科からジョンストンダニ科に移籍されたNothotrombicula, Grossiaの2属に, その他の既記載属6属とここに記載する新属Ralphaudynaを含めて, 合計9属が互いに近縁であり, 少なくともTrombellinae亜科の従来の定義を拡大して, そのChyzeriini族としてこれら9属を取り扱うべきこと, さらに独立科の新設の必要性などについて予報を行ない, 新種R. amamiensisを命名記載した。本種は奄美大島湯湾岳中腹において恙虫類の調査中, 著者のひとり鈴木により土壌中から採集されたものである。また新属名Ralphaudynaは, 永年にわたる恙虫病および恙虫に関する研究によって, 衛生動物学の発展に多大の貢献をされたJack Ralph Audy博士の死を悼み, 同博士を追慕する思いを込めて捧げられた。
著者
BAKHRONOVA Munisa (2010) バフロノヴァ M (2009) BAKHRONOVA MUNISA (2007-2008)
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本年度は、11月17日~12月16日まで28日間ウズベキスタン、サマルカンド市内の旧市街に位置する伝統的な4つのマハッラ(Xuja・Zudmurod(タジク人が主に居住)、Qoraboy Oqsoqolマハッラ(タジク人とユダヤ人が居住)、Ozodマハッラ(ジプシー、タジク人が居住)、Obodマハッラ(トゥルクメン人、タジク人が居住))において最終的なフィールドワークを実施した。さらに、それぞれの4つのマハッラ内で行われる女性のみの集まり、Bibi SeshanbeやBibi Mushkulkushodに参加し、行事を仕切る女性のリーダーにも聞き取り調査を行いました,今までの質問票調査、インタービューの最終結果をまとめ、それぞれのマハッラのリーダー(Oqsoqol,Noib)、サマルカンドのコミュニティ社会、マハッラの歴史などに詳しいサマルカンド国立外国語大学、Samiboey Xurshed教授、文献調査の検索などに協力をえたウズベキスタンの首都タシュケントのIjtimoiy Fikr(Public Opinion Study Center)の方々にお会いし、最終的な調査結果の報告をした。本研究のウズベキスタンのコミュニティ社会の研究にどのような貢献をもたらすことができるのか、成功と欠点について皆さんの意見、指摘などを聞いた。最後に、サマルカンド国立外国語大学の英語学部3、4年生向けのSamiboev教授のセミナーにも参加し、最後に30分の研究発表をする機会あった。また、2011年1月12日~22日まで11日間欧州の首都ブリュッセルのシンクタンクCentre for European Policy Studies(CEPS,世界でのトップ10位に入る非常に優れたシンクタンクの一つである)。最近では、中央アジア出身の博上課程の優れた若手研究者がCEPSに数人集まっており、1月に行われた集まり会に参加することができ、自分の研究を紹介する機会を与えられた。
著者
Kim Junghyun Chung Han-Kook Jung Taewon CHO Wan-Seob CHOI Changsun CHAE Chanhee
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.57-62, 2002-01-25
被引用文献数
6 70

1999年1月から2001年12月までの間に発生した離乳後全身性消耗症候群について, 疫学, 組織病変および混合感染の有無についてレトロスペクティブに調べた.離乳後全身性消耗症候群の診断は臨床所見(体重遅延), 特徴的な組織病変(肉芽腫性炎と封入体形成)と病変中のサーコウイルス-2(PCV-2)の存在によってなされた.これらの所見に基づいて1, 243例中の133例(8.1%)が離乳後全身性消耗症候群と診断された.年齢は25日齢から120日齢の間に分布していたが, 大多数は60日齢から80日齢(78例, 58.6%)に集中していた.発生は年間を通してみられたが, 5月(38例, 28.6%), 4月(18例, 13.5%), 6月(13例, 9.8%)の順に多かった.特徴的, 普遍的病変は, リンパ節, 肝臓および脾臓における多発性の類上皮細胞と多核巨細胞からなる肉芽腫性病変であった.また大多数の例(113例, 85, 0%)で混合感染がみられた.PCV-2とヘモフィルス・パラスイス(43例, 32.3%)ついで豚生殖器・呼吸器症候群(39例, 29.3%)との混合感染が多かった.病変部には他のウイルスや細菌に比べPCV-2の存在が圧倒的に多かったことから, 離乳後全身性消耗症候群の病因としてPCV-2が強く示唆された.
著者
二文字 理明 INGEMAR Emanuelsson JAN-AKE Klason BENGT Eriksson
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

スウェーデンにおけるインクルーシブ教育はノーマライゼーション思想に発する「人間としての尊厳」および「すべての者のための一つの学校」という理念を掲げて展開されてきた。「場の統合」を経て「個の統合」を実現してきた。しかし、1990年時点でも「個の統合」の実現の割合は、養護学校の全児童生徒の8.7%に留まる。1990年以降は、社会民主労働党の弱体化と連動して、インクルーシブ教育を支持する言説にも陰りがみられる。カールベック委員会の基本的な構想の破綻はその象徴であろう。理念の標榜と、学校における障害者の処遇の実態との乖離に悩む現実が改めて明らかになった。
著者
Eun-Joo Shin Phil Ho Lee Hyun Ji Kim Toshitaka Nabeshima Hyoung-Chun Kim
出版者
The Japanese Pharmacological Society
雑誌
Journal of Pharmacological Sciences (ISSN:13478613)
巻号頁・発行日
vol.106, no.1, pp.22-27, 2008 (Released:2008-01-22)
参考文献数
42
被引用文献数
15 16

Drug abuse involving dextromethorphan, an antitussive, has been a social problem in various geographic locations since the 1960s. Ironically, high doses of the drug confer neuroprotective activity with central nervous system and behavioral effects. Accumulating evidence suggests that metabolism to phencyclidine-like dextrorphan is not essential for the neuroprotective activity of dextromethorphan. Here, we review the neuroprotective properties of dextromethorphan and its potential for abuse and the potential neuroprotective effects of the drug’s analogs and 3-hydroxymorphinan, a metabolite of dextromethorphan. These compounds may provide a novel therapeutic direction for the treatment of neurodegenerative diseases such as convulsive or parkinsonian-like disorders.
著者
Beuchat Jean-Luc Muller Jean-Michel
出版者
IEEE
雑誌
IEEE transactions on computers (ISSN:00189340)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.1600-1613, 2008-12
被引用文献数
20 19

Since redundant number systems allow constant time addition, they are often at the heart of modular multipliers designed for public key cryptography (PKC) applications. Indeed, PKC involves large operands (160 to 1024 bits) and several researchers proposed carry-save or borrow-save algorithms. However, these number systems do not take advantage of the dedicated carry logic available in modern Field Programmable Gate Arrays (FPGAs). To overcome this problem, we suggest to perform modular multiplication in a high-radix carry-save number system, where a sum bit of the carry-save representation is replaced by a sum word. Two digits are then added by means of a small Carry-Ripple Adder (CRA). Furthermore, we propose an algorithm which selects the best high-radix carry-save representation for a given modulus, and generates a synthesizable VHDL description of the operator.
著者
柏原 正樹 有木 進 谷崎 俊之 中島 俊樹 加藤 周 三輪 哲二 SCHAPIRA Pierre KANG Seok-Jin VILONEN Kari D'AGNOLO Andrea
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

この5年間の表現論に関連した研究の成果として大きなものが3点挙げられる。第一は、確定特異点型ホロノミーD-加群のリーマン・ヒルベルト対応を不確定特異点型ホロノミーD-加群に拡張したこと(A. D'Agnoloとの共同研究)、第二は、余次元3予想の肯定的解決(K. Vilonenとの共同研究)、第三は、円分箙ヘッケ代数を用いた量子群の表現の圏化である(S-J. Kangとの共同研究)。
著者
ショウ ラジブ (2007 2009-2010) ラジブ・クマール ショウ (2008) PARVIN Gulsan Ara GULSAN ARA Parvin
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究では、バングラデシュの首都ダッカ市と南部に位置するハティア島を対象地域とし、災害リスク軽減策の一つであるマイクロクレジットプログラムの適応性について議論を行った。今年度の主な研究成果は下記の通りである。本研究では、マイクロクレジットの適応性を見極める一つとして、、ダッカ市内を対象として、Climate CHange Resilience Iniciative (CDRI)の手法を用いて気候変動に起因した災害に対する適応力を評価した。ダッカ市内は10の地区から構成されており、各地域の災害対応力を評価した。その結果、第2地区は、対応力が高く、第8地区は中間的数値を示した。また、第9地区並びに第10地区は高所得者を対象とした住宅地であることから、経済的側面に於いて、他の地区より高数値を示した。また、ダッカ市内の商業中心地域である第4地区は地域防災力の総スコアが3を示したが、他の地区では1または2のスコア結果を示し、地域防災力はあまり高く無い傾向が明らかになった。マイクロクレジットプログラムへの適応性を議論するため、気候変動に起因した災害への対応力評価の他に、ダッカ市内の財政、貯蓄、予算、および補助金を調査した。その結果、災害への適応力と災害リスク軽減策は必ずしも一致しておらず、担当行政も異なることから、災害や気候変動の脅威に直面した際の対応力に多くの課題点が存在することが明らかになった。これらの研究成果は、2010年9月にオーストラリア・アデライドで行われた国際会議Coast to Coast 2010及び同年10月神戸市で行われたUSMCA2010国際会議において発表を行い、多くの議論を得ることができた。また、研究成果を広く公表する為、論文を国際誌に投稿中である。
著者
藤井 光男 藤井 治枝 大西 勝明 丸山 惠也 趙 玉志 古賀 義弘 ZHAO Yu-Zhi 李 占祥 趙 亨済 李 占国 とう 必きん 加茂 紀子子 高久保 豊 劉 永鴿 柴崎 孝夫 菊地 進 大橋 英五 小林 英夫
出版者
日本大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

我々の国際学術共同研究は、日本企業のアジア進出に伴う国際分業の進展と、技術移転・労務問題との関連を調査・解明することを目指している。このため第1年度(平成8年度)ではまず韓国・中国の研究者(複数)を招請して、日本の自動車と同部品企業や浜松テクノポリスを訪ねて研究交流を図り、また他方では中国東北部長春の有力国有自動車企業、第一汽車のほか、大連経済開発区の日系三資企業を調査して、実態解明に努めた。次に第2年度(平成9年度)では、引き続いて前述第一汽車の補足調査を進める一方で、北京地域の首鋼日電など電機・電子企業や、さらに上海・蘇南地域の電機や繊維・アパレル関連日系三資企業や郷鎮企業の調査を実施した。そして第3年度(平成10年度)では、韓国蔚山地域の現代自動車や同重工業、ついでソウルの現代電子など財閥系企業の資料採訪を行い、最後に上海蘇南地域の郷鎮ビッグビジネス数社を調査して実態分析の締めくくりとした。こうして我々は冒頭に掲げた研究課題に沿い、東アジアの代表的諸産業の企業研究に関してかなり詳細な資料を収集し、実態を解明し得たと考えるので、今後は理論的・実証的検討によってこれを体系化し、研究書として刊行することを企画している。