著者
及川 浩和 加藤 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.24, pp.256-257, 2008-08-19

日本語を学ぶために別科に入学した中国人留学生を対象として,コンピュータの漢字変換機能に着目し,正確な読みの指導を中心とした読解・聴解能力を育てるための5つの学習活動を取り入れた日本語学習指導法を開発した.学習プロセスモデルに基づき授業実践した結果,漢字変換機能を活用した学習には一定の成果が得られ,学習者にはこの学習活動に対し肯定的な意見が多く聞かれた.
著者
佐々木 祐輔 久世 均
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.34-37, 2011-08-20

平成23年3月11日(金)14時46分に発生した,東日本大震災に関する「震災デジタル・アーカイブ」を事例として,震災情報の記録・収集・保存の問題を考察した.戦後の地域資料のデジタル・アーカイブの展開の中では,歴史的資料から地域の生活に密着した現代資料へという流れがあるが,1990年代末以降現われるようになったデジタル・アーカイブの動きは今のところ歴史的・郷土誌的資料にとどまっている.また,多くのデジタル・アーカイブズでは情報の蓄積・検索方式に対する考慮が稀薄で,検索システムを備えているものは多くない.今回の東日本大震災で進められている「震災デジタル・アーカイブ」の多くのは,大量でかつ多様性に富んだ現代資料のデジタル化という点て,現時点では他にほとんど例のないものであるが,主にメタ情報(二次情報)構築における標準化がとられてないことから,独自性の強い組織化手法という現状がある.まず,今回の「震災デジタル・アーカイブ」の現状と収集資料の特色,「震災デジタル・アーカイブ」のメタ情報とその課題について述べる.
著者
陰山 英男
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.25, pp.160-163, 2009-08-22

立命館小学校を中心として、脳の力を最大限に引き上げることを中核とする学力の向上、ならびに人間力の向上を研究のテーマとしています。一連の研究の中で、生活習慣を早寝早起き朝ごはんに代表されるような人間本来の姿に戻すことによって、学力の向上が見られることが確認できました。また、読み書き計算の高速の反復学習によって、短期間に知能指数が向上するなど、学力向上に加速度をつける方法を確立できました。現在は、これらをICTを使ったものに移植したり、得られた高い学習能力を応用的な学習にどう活用できるかを課題としています。
著者
加藤 由樹 加藤 尚吾 竹内 俊彦
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.24, pp.236-237, 2008-08-19

本研究では、BBS、Blog、SNSの3つのネットコミュニケーションと対面における、"クラスメイトの風貌や体型(事実)について話す/書く"、"クラスメイトの珍プレーや失敗(事実)を話す/書く"など、7つの行為に関する意識調査を、情報科の教員を目指す大学生を対象に実施した。それぞれの行為に対して、"子ども達は、この行為をしてしまう可能性があると思う"、"子ども達は、クラスメイトからこの行為をされると嫌な気持ちになる"、"あなたは、この行為をネットいじめと考える"の3つの質問に5段階評定(全くそう思わない〜とてもそう思う)で回答を求めた。本稿では、これらの回答の集計分析結果を報告する。
著者
大杉 成喜
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.28, pp.218-221, 2012-08-25

障害がより重度で身体をほとんど動かせない児童生徒を対象としたICT活用学習におけるエビデンスベースの実践研究(EBP:evidence-based practice)の方法を検討した.訪問教育担当教員への先行調査では,その実践において「スイッチ入力が随意なものか」「選択をどのように学習させるか」が問題として指摘されていた.アシスティブ・テクノロジー(Assistive Technology)先進国である米国ではスイッチ入力に関するアセスメント方法が開発されているが,より障害の重度の児童生徒については必ずしも十分とはいえない.これまで大杉・佐原(2006)はU-LAM(Universal Language Activity Monitor)を援用した日本語VOCAの使用記録フォーマット「J-LAM」によるAAC実証ベースの実証研究を提案してきたが,本稿ではより障害の重いスイッチ入力導入期の児童生徒に対して,その入力状況を詳細に記録する方法を提案し,その活用の方向性について論じた.
著者
武田 正則
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.26, pp.218-221, 2010-08-21

グループワークによる参画学習では様々なアクティビティが用いられている。本研究ではオブジェクト指向プログラミングとファシリテーション技法の共通性を探るために目標を「問題解決(プロセス)」,活動を「知識創造技法による作図作業(プロダクト)」とした参画学習のためのアクティビティ・プログラムを開発する.本発表では,このプログラミングにより構築した「ロジックツリー学習モデル」を提示し,学習および校内教員研修において実践する.
著者
沖 裕貴 井上 史子 林 泰子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.166-169, 2012-08

2012年3月に公表された中教審大学分科会の審議のまとめ「予測困難な時代において生涯学び続け,主体的に考える力を育成する大学へ」では,学士課程教育の質的転換を促進・強化するために,学位プログラムで育成する能力の明確化と各授業との関連性の明示化,学修時間の増加や学修成果を重視した評価の導入等を喫緊の課題として提示している。これらは2009年の中教審答申「学士課程教育の構築に向けて」で示された「3つのポリシーの明確化」をよりいっそう推進し,単位制度の実質化につなげ,教育評価の客観性・厳格性・公正性を担保しようとする提言に他ならない。欧米,とくに米国において大学教育に活用されているルーブリック評価は,科目の成績評価(総括的評価)の客観性・厳格性・公正性を増大させるのみならず,日常的な形成的評価やライティング・センター等の他機関との協働学習支援にも有効であると言われている。日本の初等中等教育や米国大学教育等のルーブリック評価の導入事例から,日本の大学教育に導入するために,どのようなルーブリック・テンプレートが利用可能か,あるいはどのような手続きや研修が必要なのかを具体的に検討するとともに,その課題を吟味したい。
著者
槙場 政晴
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.25, pp.266-269, 2009-08-22

コミュニケーションツールとして開発されたPIC (Pictogram Ideogram Communication)のシンボル及びJIS絵記号を語彙の理解、文脈の理解を支援するツールとして利用し、LLブックの制作を試みた。本試みでは、単語にふりがなを付けるようにシンボル配置することにより、文字の固まり(単語)の意味の理解を促そうと考えた。その結果、文章の意味が捉え易くなった。また、注視や追視が苦手で、朗読がうまくできない対象児の読書に対する苦手意識を軽減することができた。