著者
河崎 昌之
出版者
和歌山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

和歌山県和歌山市西部の加太沖に残存する「友ヶ島第2砲台跡」を計測対象として,撮影時のカメラの縦・横位置が,デジタル写真測量ソフトによる3次元モデル生成に,影響を及ぼし得るかを,実験協力者の印象評価から判断し,より適切な画像取得の方法を考察した.モデリングのベースとなる画像セット(64ファイル)を撮影し,そこから互いに組み合わせが異なる4種類のセット(各32ファイル)を作成した.各画像セットから生成されたモデリング画像の計測対象の再現性の優劣を評価した.その結果,横位置で撮影した場合が高評価を得た.また再現性が,必ずしもソフトウェアが処理するファイルの数に依存しない可能性が示唆された.
著者
小栗 慶之 長谷川 純 小川 雅生
出版者
東京工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

注射針を患部に刺入して針内部に粒子線を通し,先端の標的に照射してガンマ線を発生し,ガン治療に用いる新しい方法について調べた.予備実験でガンマ線強度が小さいことが判明し,代りに陽子線照射により重金属標的から発生する特性X線を用いた.針の軸出しを精密に行い,内径で決まる値の80%のビーム透過率を得た.先端にAg標的を取り付けてX線を発生させたところ,針の壁の遮蔽効果により目的とするAgの特性X線のみを取り出すことに成功した.
著者
小松 太郎
出版者
上智大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

研究期間にわたり、ボスニア・ヘェルツェゴビナ国の住民参加型学校運営制度と地域社会の社会的結束の関係について確認した。一年目の調査では学校運営協議会の実態を確認した。二年目は紛争中に民族虐殺が発生したスレブレニツアにおいて、少数民族系の生徒に対し面接調査を行った。生徒自身が民族交流の場としての学校を評価していた。三年目は民族混在性の高いブルチコ地区を中心に、協議会委員へ面接調査を行った。多民族から構成される協議会は、学校運営の正統性(legitimacy)を高めていたことがわかった。学校は社会的結束を促進しうる。多民族住民参加型学校運営は学校の正統性を確保しその役割を促進することが示唆された。
著者
倫 裕發
出版者
東京工芸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

東京の気候は、国内の他のメガポリスのように、比較的温暖な冬と高温多湿な夏である。暑い夏は、空調の使用は避けられない。2011年の福島事故後、我が国は、夏に、季節的な需要の増加により、厳しい電力不足に見舞われている。気温の上昇は発汗と蒸散を増加させ、夏バテや熱中症のような熱に起因する病死が増えている。従って、良好な通風は、伝統的な涼風手段であるが、十分な室内の気流流動を確保し、空調の使用を最小化する上で、依然として重要である。2011年度は、(1)文献調査と(2)外皮ファザードの評価と適用効果を報告した。2012年度は、風洞実験により通風促進壁の詳細評価を実施した。通風促進壁は風向45°から67.5°までの間で、通風効果が顕著であった。後流域でも通風促進効果が確保された。窓開口のある南側外壁面に通風促進壁を設置することが特に外気誘引効果に有効であることが判った。
著者
小池 康晴
出版者
東京工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

筋電図によるアクティブな制御が可能な防水型福祉機器のために、筋電図用防水アクティブ電極を開発した。また、水中と空気中で計測した波形の質を比較し、性能の低下がほとんど見られずに計測できることを確認した。また、無線による通信のために、消費電力を抑えるシステムを構築した。さらに、防水型の義手の試作として、安価なサーボモータを用いた義手を製作した。関節角度とインピーダンスを可変に設定することで、位置だけでなく力の大きさも筋電図による制御可能とした。
著者
西尾 嘉之 寺本 好邦
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

木材および関連の天然高分子をベースとした成形加工性に富む新規磁性材料の設計・試作を行った。特筆成果として、天然木粉に化学修飾と酸化鉄微粒子のナノ充填を施し、熱加工によって超常磁性の透明マグシート・マグプレートを作製することに成功した。また、木材主成分および関連多糖類を個々に分子修飾あるいは他高分子と複合化して、種々の賦形化と異方的な磁場応答が可能な多機能ソフトマテリアルも設計しえた。
著者
児美川 佳代子 佐々木 康 宮永 美知代 青柳 路子 生井 亮司 猪瀬 昌延 上野 裕一 本郷 寛 木津 文哉
出版者
東京芸術大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

美術とスポーツにおいて、技術の習熟や行為の遂行において、身体への見方がどのように影響しているかを明らかにすることを目指した。実践研究では、スポーツ選手に人体クロッキーを描いてもらうことで、スポーツ選手の身体観を考察した。理論研究では、実践研究の分析とともに、美術とスポーツの比較から両者の共通点と差違について多角的に検討し、美術制作行為及び美術の学びの特質を明らかにした。
著者
大津 由紀雄
出版者
明海大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

現代言語学で用いられている方法は、資料・事実・仮説・予測・事実との照合・仮説の保持、修正または棄却という自然科学の方法の典型例と捉えることができる。本研究はこの点に注目し、メタ言語能力を利用した科学教育を学校教宵の一環として組み込むことの可能性を理論的・実証的に探ることを目的とするものである。理論的には、メタ言語能力の発達について言語理論と認知発達理論の両面から検討し、提案する科学教育プログラムの理論的基盤を構築する。実誼的には、成果を教室で実践するさまざまな可能性について、小中高連携をとりながら、調査・検討を行った。さらに、その成果を実現・実践可能な力リキユラムや教材としてまとめた。
著者
赤倉 貴子 東本 崇仁 古田 壮宏
出版者
東京理科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、非同期型eテスティングシステムにおいて、受験している時間全てにおいて個人認証を行うことができる方法論を開発することであった。テスト受験中、問題を読んでいる時間はディスプレイ方向(カメラ方向)を見てと考えられるため、この時間は顔認証を行い、解答を書いている時間は筆記認証をする方法論を提案した。筆記認証については、文字をパーツに分解することにより、少ない登録文字で多種多様な文字の認証ができる方法論を開発した。また、顔認証は、テスト問題が次の問題に移動した直後が最も精度が高いこと、さらに頬杖をついたりするため、顔認証は目より上で行うことが適切であることを実験的に確認できた。
著者
神澤 孝夫 伊藤 佐知子 澤田 誠
出版者
(財)脳血管研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

ミクログリアは脳内のマクロファージ様細胞として知られ、悪性脳腫瘍においても腫瘍内部および浸潤域に、集蔟している事が確認されているが、その抗腫瘍作用は不明であった。しかし、活性化ミクログリアは悪性脳腫瘍細胞に抗腫瘍効果を発揮し、悪性脳腫瘍細胞に形態的にアポトーシスでなく、第二のプログラム細胞死:オートファジーを伴う細胞死を誘導することが、悪性脳腫瘍細胞に生じるオートファジーをモニターすることによって、判明した。そして、この細胞死はカスパーゼ阻害役で抑制はされなかった。抗腫瘍効果の機序として、ミクログリアが産生するNOが重要で必須であることが分かったが、NO単独では、悪性脳腫瘍細胞にオートファジーは誘導されるもの、細胞死は誘導されなかった。さらなるミクログリア由来の分子を解析したところ、TNF family分子および炎症性サイトカインが重要な役割を果たすことがわかった。TNF-α、CD40、Fas、IL-β、IL-6は、いずれも、単独で、細胞死を誘導することはなく、NO阻害薬がこの細胞死を完全に抑制するのに対して、TNF family分子および炎症性サイトカインの阻害は部分的な抑制のみであった。これらの結果から、悪性脳腫瘍に対するミクログリアの抗腫瘍効果において、NOは必須であるが、細胞死を誘導するには至らず、さらに、TNF family分子および炎症性サイトカインからのシグナルが、相補的に作用することによって、細胞死を制御していると考えられた。
著者
石川 クラウディア
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

近年、関係省や有力な団体が、一貫して、外国高度人材受け入れ政策を主張し続けてきたが、それに並行して、日本の出入国管理法政策のもう一つの特徴は人座育成政策に推進と言える。本研究は、1)外国人留学生、2)外国人技能実習生、そして、3)経済連携協定(EPA)に基づいた外国人看護師・介護士等の受入れ制度を対象に、日本の入国管理法政における国際自在育成施策推進のインパクトと可能性を明らかすることが目的であった。また、ドイツとオーストラリアの外国人育成プログラムとの比較研究を行いながら、移民政策における国際的キャパシティー・ビルヂングの役割を分析しました。
著者
河内 信幸 福島 崇宏
出版者
中部大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ジャクソン・ポロック(Jackson Pollock)は、「アクション・ペインティング」の旗手として知られ、アメリカ抽象表現主義を代表する芸術家といわれている。しかし、ポロックはインディアンの文化やメキシコ壁画運動にも共鳴し、当初は「アクション・ペインティング」とは程遠い作風の芸術家であった。本研究では、ポロックが関わった雇用促進局(Works Progress Administration:WPA)の連邦芸術計画(Federal Art Project:FAP)の意義を明らかにし、ポロックが「抽象」と「具象」を動的に融合させ、独自のアメリカ・モダニズムを追い求めたことを検証した。
著者
寺崎 英紀 井上 徹
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本課題では、マントル鉱物中のH2Oフルイド三次元分布のその場観察を目指して、中性子線を用いた高圧トモグラフィー測定技術の開発を行った。トモグラフィー測定用に新たに製作した加熱・加圧機構を小型プレス導入した。またJ-PARC中性子施設において中性子イメージングの光学系セットアップの最適化を行い、試料種類・サイズによるイメージ変化についても調べた。以上の最適化したセットアップを用いて、含水鉱物と無水鉱物試料を用いた中性子トモグラフィー測定をおこなった。以上より高温高圧下における中性子イメージングおよびトモグラフィー測定が可能となった。
著者
西堀 正洋 劉 克約 和氣 秀徳 大熊 佑
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

High mobility group box-1(HMGB1)は、組織障害に由来する炎症惹起物質として、今大きな注目を集めている。研究者は、これまで取り組んできた脳虚血や脳血管攣縮に対する抗 HMGB1抗体の治療効果に大きなヒントを得て、現在治療法のない交通事故や転落事故後の脳外傷に対する抗体治療の応用について検討した。 その結果、ラットの脳外傷後に局所の神経細胞の核から細胞外へと HMGB1 が放出されること、HMGB1 の活性を抗 HMGB1 抗体の投与で中和すると、血管-脳関門の破綻が抑制され、脳浮腫を著明に抑制できることを実験的に証明した。抗 HMGB1 抗体による脳外傷治療は有望である。
著者
塚田 晃司
出版者
和歌山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

大規模災害時には,既存通信インフラが使用できない場合の代替通信手段の確保が重要課題である.本研究課題では,代替通信手段の一つとして,可視光通信の非常時通信への適用を提案した.発光色の変化で変調する方式を採用したプロトタイプシステムを実装した.そして,評価実験を実施し,誤り率の低減のためには解決すべき課題は多々あるが,夜間においては十分実用性があることを確認した.
著者
水野 一晴
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

南アルプスの「お花畑」の植生について2011-12年に調査し、その結果を1981-82年の調査結果と比較し、その30年間の変化とその要因を検討した。森林限界以下の「お花畑」の植生はかつて、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ニッコウキスゲなどが優占していたが、近年はシカによる食害で、シカが食べないミヤマバイケイソウやマルバタケブギが優占し、大きく変化していた。一方、高山帯では、チングルマやガンコウラン、ミネズオウ、アオノツガザクラなど、同じ場所では30年間で優占する植物種に変化がなく、このことからシカによる食害の影響は近年、森林限界付近まで及んでいると考えられる。
著者
山口 忍
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

水俣病発生した後1965年以降に公衆衛生看護活動に類似する活動が行われていたことを発掘することができた。それは「移動診療所の活動」であった。活動を行っていたのは、看護職、医療職、資格を持たない人々である。その中でも、看護師である堀田静穂氏が行っていた訪問活動は、保健師の「家庭訪問」と酷似していた。その訪問活動を受けた患者から「家族関係がよくなった」「不安が軽くなった」「地域の活動に患者が出向くようになった」という評価を得ることができた。
著者
亀山 俊樹
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

イントロンの長さは100塩基以下のものから数十万塩基にも及ぶ巨大なものまで多様である。従ってスプライシング反応のイントロンが切出される際に生じる副産物<投縄状RNA中間体>の大きさもまた多様である。次世代シークエンサーを用いた癌細胞由来投縄状RNAスプライシング中間体の網羅的な配列決定には、様々なサイズの投縄状RNAから高品質のライブラリー作製が必須である。しかしながら特に巨大な投縄状RNAは生化学的にも物理的にも壊れやすく、高品質の投縄状RNAを精製することが非常に困難であった。様々なRNA抽出法を試した結果、ゲノムDNA抽出操作と同様全ての操作に物理的にマイルドな処理を行うことが重要であった。今回直面し解決した問題点に留意しながら現在高品質投縄状RNA中間体ライブラリーの作製を行っている。
著者
奥乃 博 合原 一究
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012

(1)ギター演奏の手の動きとギター演奏音響信号との情報統合と,複数の追跡機構の結果統合による裏拍等に頑健なビート追跡法を開発し,音楽共演者ロボットを開発.(2)カエルの合唱でのリーダに倣ったリーダ度を設計し,実時間でリーダ度を求め,リーダ度が最も高いパートに演奏を合わせる合奏機構を開発し,音楽共演ロボットで有効性を確認.(3)2種の信号帯域に応答する音光変換装置「カエルホタル」の開発し,2種類のカエルの合唱の同時観測に日豪で成功.
著者
栗原 聡 諏訪 博彦 篠田 孝祐
出版者
電気通信大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

早急な開発と運用が求められるスマートグリッドやアンビエント情報基盤,そしてビッグデータを背景とする次世代情報社会インフラシステム等の構築に際しては「多段創発型階層構造」に基づく設計が重要である.そこで,多段創発型階層構造における「下層が上層をボトムアップ的に多段階に創発するしくみ」を本研究の主目的とした.そして,群知能型手法の代表であるACOを土台とする方法を提案した.この方法により,階層性のある時系列パタンが含まれるデータからの階層構造抽出を可能とした.多数の自律エージェントが簡潔なルールに基づき他のエージェントと協調することで,データに隠された階層構造を抽出することができる.