著者
下島 昌幸
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

低温馴化株をベースにした組換えインフルエンザウイルスの作製HA分節にVSV-G遺伝子、NA分節にVenus遺伝子を持ち、残り6分節を低温馴化ウイルス由来のものとしたインフルエンザウイルスの作製をリバースジェネティクス法で試みたが、増殖するウイルスは得られなかった。そこで、低温馴化ウイルス由来ではないWSN株由来の分節と様々な組み合わせを作り検討したところ、少なくともMおよびPB2分節はWSN株由来でないと33℃で増殖するウイルスが得られないことが判明した。残り4分節をすべて低温馴化ウイルス由来にすることはできなかったが、幾つかの分節が低温馴化株由来で33℃において増殖するウイルスが5種類(5つの組み合わせ)得られた。増殖可能な組換えウイルスの低温馴化得られた5種類のウイルスは33℃では増殖可能だが、この温度では接種対象としたいショウジョウバエは生存できない。そこで、まずこのウイルスの低温馴化(2℃ずつ、BHK細胞、MOI=0.0005で接種)を行った。31℃ではいずれも増殖可能であったが、29℃では増殖性が急激に低下し、5種類のうち2つは増殖不可能となった。残り3種類に対し更に2回29℃で増殖させたところ、増殖能の上昇が認められ約5x10^4~5x10^5PFU/mlのウイルス液が得られた。すべての分節がWSN株由来のものが最も高いウイルス価を示し、低温馴化は予想に反し比較的容易おこることが判明した。
著者
白崎 伸隆
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,精密質量分析を応用し,消毒処理におけるウイルス構造タンパク質の変性をアミノ酸レベルで捉えることにより,水系感染症ウイルスの不活化メカニズムを解明することを試みた.その結果,紫外線照射-過酸化水素処理において生じたヒドロキシルラジカルによるウイルス構造タンパク質の酸化が確認されたと共に,精密質量分析を応用することにより,酸化されたウイルス構造タンパク質由来ペプチドの箇所を特定することに成功した.
著者
太田 訓正
出版者
熊本大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本申請では、Human Dermal Fibroblasts(HDF細胞)からリプログラミング物質の同定を目的とした。乳酸菌を超音波破砕処理後、クロマトグラフィーを繰り返し、細胞塊形成能を持つ分画を同定した。その分画を用いて、MALDI-TOF-MS解析を行い、リプログラミング物質の同定を試みた。私たちは、リプログラミング物質の同定に成功し、これをHDF細胞に作用させると乳酸菌を用いた時と同様に細胞塊を形成した。これらの細胞塊は脂肪細胞、骨細胞、神経細胞などへと分化したことから、乳酸菌由来リプログラミング物質は、宿主HDF細胞の遺伝子発現をコントロールしていることが示唆された。
著者
安部 恭子
出版者
産業医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

ヒト母乳(以下、母乳)は、児の成長にとって欠かせないものである。一部の母親もしくは児に医学的な母乳育児阻害要因がなければ、母乳を児に与えることは意義深いといえる。しかし、母乳はヒトの血液から産生されるためにその成分組成は、同一人物の母乳であっても、その質が常に一定ではない。また、同一の泌乳であってもその最初と最後では組成が異なるといわれる。母乳は児の成長に応じた成分で構成されており、免疫を高めるなどの特徴がある。栄養学や生理学の分野で母乳に関する研究が多数なされているが、その大半は個人の母乳研究ではない。また、ベテラン助産師はいわゆる「おっぱいマッサージ」を通して、「よいおっぱい」「悪いおっぱい」を言い当て、児は「よいおっぱい」を実際よく飲む。このベテラン助産師が「よい」と判断する母乳、「悪い」と判断する母乳の相違点を視覚的に明らかにされた研究は少ないため、形態学的に検証する目的で本研究は開始された。今年度は、ベテラン助産師が「よい」と判断する母乳、「悪い」と判断する母乳、それぞれの形態学的特徴を光学顕微鏡下で観察し、続いて、電気泳動を用いて膜たんぱくの状態について検討、さらに走査・透過顕微鏡を用いて膜たんぱくの状態の程度を明らかにする予定であった。その準備として、研究責任者の所属大学のある開業助産師の協力を得て、母乳保存に関する基礎データを収集し、べテラン助産師が母親に「よいおっぱい」「悪いおっぱい」と断定する母乳の特徴を形態学的に明らかにする準備をした。また、他大学の研究者へも分析協力の依頼を行った。しかし、研究代表者の傷病による研究中断、退職に至る。そのため、本研究は終了に至った。
著者
上本 伸二
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ラット同種間強拒絶肝移植モデルを用いて、肝移植術前にレシピエントの骨髄細胞をドナーに移植することにより、拒絶が軽減するかどうか検討した。肝移植術前に骨髄細胞移植を行うことで肝移植術後の拒絶反応が軽減された。肝グラフト内に移植骨髄由来の細胞の生着を認め、それらはKupffer細胞に分化していた。ドナーに対するレシピエント由来の骨髄移植によるKupffer細胞置換は肝移植後の拒絶抑制に有用な治療となる可能性がある。今後、異種移植モデルで検討を行っていく。臨床でのブタ/ヒト異種移植を想定し、ハムスター/ラット間の異種肝移植モデルの手技を確立した。
著者
山本 光
出版者
横浜国立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

「学校その他の教育機関における著作物の複製に関する著作権法第35条ガイドライン」が平成16年に発表され、学校現場での教育活動との間の差について調査し、著作権に関する意識調査や、海外での実例などを踏まえて、見直しのための基本資料の収集を行った。その結果、ガイドラインの教員への周知や海外の事例から、補償金制度などを導入することなども含め、学校教育における著作物の制度そのものを検討する必要があるとの知見が得られた。
著者
高田 暁
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

室内での温熱快適性を予測する理論やモデルが提案されてきているが、着衣と皮膚との間に形成される空気層(着衣内空気層)での換気が十分に考慮されてこなかった。本研究では、測定の困難さを、着衣内空気層の実形状を考慮した数値流体力学(詳細モデル)による数値実験により克服し、着衣内空気層での換気性状を明らかにした。次に、これを換気力学モデル(簡易モデル)で再現する可能性を探り、それに必要な係数値を求めた。最終的に、簡易モデルにより換気を考慮した「着衣-人体熱水分収支モデル」により、室内の温湿度・風速等の条件から体温を求めるプログラムを作成し、着衣内空気層での換気が人体に及ぼす影響の量的な評価を行った。
著者
赤池 孝章 岡本 竜哉
出版者
熊本大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

Helicobacter cinaediは1984年に初めてヒトへの感染が確認された新興感染症菌である。これまでの報告の多くは、免疫能低下症例における日和見感染症であるが、我々は免疫異常のない術後患者における敗血症・蜂窩織炎の事例を報告した。本菌は培養効率が悪いため、我々は本菌の主要抗原組換え蛋白質を用いた本菌感染の血清診断法を確立した。近年、非消化器疾患、特に動脈硬化症や不整脈の病態に、H.pyloriなどの慢性感染の関与が示唆されている。H.cinaediはH.pyloriに比べ血管侵襲性が強く、様々な非消化器疾患に関連している可能性が示唆される。そこで本菌と動脈硬化症や不整脈との関連について臨床疫学的な解析を行った。まず、熊本大学附属病院にて2005年から2009年にかけて精査・加療した症例で、心房性不整脈を有する群(不整脈群:132症例)と、有しない群(非不整脈群:137症例)を対象に、抗H.cinedi抗体レベルをELISA法にて測定した。その結果、非不整脈群に比べ不整脈群において有意に高い抗体レベルを認めた。一方、これまで上室性不整脈との関連が示唆されてきたH.pyloriやChlamydophila pneumoniaeに対する抗体レベルは両群間で差を認めなかった。また多変量解析にて、H.cinaedi抗体が陽性であることは、心房性不整脈に対する有意な独立した危険因子であることがわかった。さらに、本菌に対する特異抗体を作成し、解離性大動脈瘤症例から得られた剖検組織(9例)を免疫組織染色した結果、全例にて粥状硬化巣のマクロファージに一致した陽性像を認めた。以上の知見は、H.cinaedi感染が動脈硬化症や不整脈といった心臓血管疾患の病因に関連していることを強く示唆しており、当該疾患の病態解明ならびに新たな診断・治療法の確立に大きく寄与できるものと期待される。
著者
谷池 雅子 毛利 育子 大野 ゆう子
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

日本の睡眠習慣に即した子どもの睡眠評価のための「子どもの眠りの質問表」を開発した。また、睡眠時のビデオグラフィの解析により、子どもの体動量と睡眠疾患の関係を明らかにした。
著者
畑 秀明 玉田 春昭 角田 雅照
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は,ソフトウェア開発者の様々な特性や行動原理を理解するを目的とし次の課題に取り組んだ.1)リスクに対する開発者の特性を明らかにするための行動経済学に基づくアンケート調査,2)オープンソースソフトウェアプロジェクトの開発履歴データに基づく開発者の特性分析,3)クローズドな開発環境のデータ分析による開発者の特性分析,ゲーム理論に基づく開発者の行動原理や動向の分析.
著者
竹内 康
出版者
東京農業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本研究では,温水パイプの耐久性と電熱シートの簡便性を兼ね備えたハイブリッドタイプのヒーティング装置の開発を行うとともに,ロードヒーティングへの適用性に関する検証実験を行うことを目的としている。平成22年度は,ヒーティングパイプ内に封入するガスの種類およびパイプの形状を変化させた加熱実験を通じたヒーティング装置の開発結果を受け,ガスの種類のうち最も良い効果を示した代替フロンガスHCFCを封入した銅製の多重ループ管(蛇行管)をコンクリート平板に埋設して室内での融雪実験を行った。このときの,温度条件は,妙高市の赤倉温泉郷にて測定した温泉排水温度が30~40℃程度であったことから,融雪実験に際しては水温を15~40℃に設定し,融雪状況の確認を行った。また,加熱部の長さは,ヒーティング装置の加熱実験結果を受け,放熱部の5~10%程度になるようにした。その結果,室内融雪実験では,水温が15℃程度であっても十分に融雪効果が得られることが確認された。さらに,多重ループ管の間隔が融雪特性に及ぼす影響と屋外での融雪効果を確認するため,既往の文献を参考に間隔を10cm,16cmとした蛇行管を埋設した1m×1m程度の舗装用コンクリートと同等の熱的特性を有するモルタル平板を2枚作製し,冬季の長野県飯綱高原にて屋外での融雪実験を行った。その結果,パイプ間隔が10cmで,熱源温度が20℃程度であれば,19~28mm/hr程度の降雪強度に対応できるロードヒーティングシステムが構築できることがわかった。
著者
奈良 一秀 木下 晃彦 田中 恵 村田 政穂
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

樹木の多くは養分吸収の大部分を外生菌根菌に依存しており、効果的な菌株な選抜・育種ができれば、樹木の成長や定着を促進できる。本研究では、厳しい土壌条件でも効果が期待される菌根菌の選抜や樹木に与える影響の評価を行い、有効な菌群を特定した。また、交配育種に役立つ情報を整備するため、主要な菌群の遺伝子流動や系統進化についても新規知見を得た。
著者
鈴木 佳苗
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、幼児を対象として「ぬいぐるみのとしょかんおとまり会」のプログラムを検討し、実践と評価を行った。従来のプログラムでは、子どもたちは初日にぬいぐるみと一緒におはなし会に参加してからぬいぐるみを図書館にあずけ、翌日以降におむかえに行くという構成が多かった。本研究では、ぬいぐるみを初日にあずかり、最終日におはなし会と参加者全員でのふりかえりを行い、ぬいぐるみが選んだ本と図書館での活動の写真を渡すというプログラムを提案し、公共図書館と幼稚園・保育園で実践を行った。保護者を対象としたプログラム評価の結果、評価は高く、また、幼児はぬいぐるみが選んだ絵本などに高い関心を示した。
著者
川村 秀憲
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は大規模マルチエージェントシミュレーションを実行する環境についての研究である。シミュレーション対象として、Thomas SchellingによるSegregation modelを取り上げ、オープンストリートマップをデータを用いて構築された環境で数万規模のエージェントが居住地選択を行い、社会的地位などで居住地域がどうセグメント化されていくのかにおける大規模エージェントシミュレーションに成功した。
著者
齋藤 邦明 山本 康子 村上 由希 齋藤 ゆみ
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

ストレスは精神神経疾患や生活習慣病など様々な疾患の引き金の一つとして考えられているが、ストレスによる疾患発症の詳細なメカニズムは未だ解明されない部分が多く残されている。本研究では個々のストレス状況を把握し、負荷が少ないIT 技術を用いた利便性の高い設問形式を用いて、ストレス評価法の構築と新規ストレスバイオマーカー検索の可能性について検討した。設問集を用いたストレス解析については、CES-D、GST28などをベースとして、データをIT 技術による算出する方法を確立し、同時に種々の臨床データと経時的に血清等のバイオリソースを高品質で保管管理できるシステムが構築された。本システムが構築された事により、健常人および慢性疾患患者の個々人レベルでの追跡が可能となり、データ解析の際に臨床で問題となるノイズの軽減が可能となった。さらに、高ストレス群と低ストレス群でのプロテオーム解析の結果より、両群間で差のあるいくつかのタンパクが認められた。すなわち、高ストレス群と低ストレス群共に例数を重ねてターゲットタンパクを絞り込み、特異性のあるタンパクを詳細に解析して複数のターゲットタンパクを組み合わせることでストレス度を判定できる新しいバイオマーカーを確立できる可能性の充分ある事が判明した。設問紙を利用することにより、ストレスの総合的解析が可能となり、ストレス軽減方法の開発に寄与できるものと考えている。すなわち、客観的側面からの分析(類似回答パターンの有効性の検討)として、回答から類似の回答パターン(数種類)に分類し、ストレス度が高いパターン、ストレス度が低いパターンを構築したシステムから抽出し、クラスタ分析など統計的解析と血液等のストレスバイオマーカーを加える事による精度の高いシステム構築が可能であることが示唆された。
著者
野水 基義 吉川 大和 保住 建太郎 片桐 文彦
出版者
東京薬科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ラミニン-111の由来の活性ペプチド(60種類)を高分子多糖のキトサンに固定化したペプチド-マトリックスを作成し、線維芽細胞と神経細胞を用い生物活性を測定し、活性の違いにより5種類のグループに分類した。各グループの中で最も活性の強いエッセンシャルなペプチド-マトリックスを選定した。さらに高活性なペプチド-マトリックスを作製するため、ペプチドと多糖の間のスペーサーの検討を行い、各ペプチドの最適なスペーサーを見いだした。最適なスペーサーを用いてエッセンシャルなペプチド-マトリックスを組み合わせることにより、組織工学に応用可能なバイオマテリアルの開発が可能になった。
著者
瀧口 正樹 松本 絵里子 松本 絵里子 岩瀬 克郎 大平 綾乃 有田 恵美子 平良 暁子
出版者
千葉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

夜行性のマウスを通常食にて飼育すると,休眠絶食期である明期に,肝臓において,アミノ酸からグルコースを合成する糖新生系が活性化される。今回,高タンパク質食にてマウスを飼育すると,糖新生系酵素のmRNAレベルが,通常食に比べ活動摂食期の暗期を中心に,上昇することを明らかにした。また,コルチコステロンの血中レベルには著変が認められなかったのに対し,グルカゴンは高タンパク質食の摂食期に顕著な上昇を示し,食餌アミノ酸に応答した糖新生系酵素遺伝子の活性化を媒介する液性因子の候補と考えられた。
著者
金田 英宏
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

一般に宇宙望遠鏡の光学試験では、レーザー干渉計を用いて、平面鏡で光を折り返したオートコリメーション法による波面誤差測定を行う。しかし、1mを超える大きな望遠鏡では、同等サイズの平面鏡の製作が非常に困難である。そこで、小さな平面鏡を動かして多数回の部分開口データを測定し、それらを縫い合わせることで、開口全面の波面誤差を得る。本研究では、この原理に基づいて、望遠鏡を試験するためのソフトウェアアルゴリズムを開発し、実験で測定方法の検証を行った。また、面精度の悪い平面鏡を用いた時の、結果への誤差伝搬を評価し、その誤差を改善する新アルゴリズムの提案を行った。実際に試験を行い、新手法の有効性を実証した。
著者
MICHAEL Vallance
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

2010~2011年の資金援助(科研費22650196)は、レゴマインドストームのプログラミングタスクを段階的かつ反復的に開発し、研究をさらに進めた。新しい仮想学習スペースは、オープンソースOpenSimの技術を使って開発された。ユニークで画期的な仮想ツールは、タスクをより複雑化することに成功した。コンピュータのスクリーンキャプチャー、コミュニケーションの映像、およびレゴタスクの過程の形式で、60時間分のデータが記録・分析された。また、認知過程と機能知識は3D力学グラフにマッピングされ分析が行われた。その結果、ロボットタスクの複雑性と人間の認知過程の間に非線形の相関関係があることをわかり、この発見は下位から上位までの認知動作の過程に関する最新文献に異議を唱える結果となった。
著者
岡本 栄司 金岡 晃
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

高度に発達した情報ネットワークにおいて、多くのセキュリティシステムが導入されているが、今までは攻撃等による危殆化に対する事前対策が主であった。しかし、実際にはどんな対策をとっても必ず危殆化するため、事後対策も同等に考慮した対策が必要となる。そこで、ネットワークにおける危殆化の確率とその被害を定量的に評価し、その評価を用いた危殆化リスクに強いセキュアネットワークシステムの構築し、それらに基づいた危殆化リスクの予測の試みを行った。その結果、SLA(Security Level Agreement)の形成に役立てることができるようになった。