著者
山本 輝太郎 石川 幹人
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.5-8, 2018-03-25 (Released:2018-07-01)
参考文献数
5

たとえばPISA(OECD 生徒の学習到達度調査)では,生徒が習得を目指す科学的リテラシーに関して,科学・技術に関する議論に積極的に参加できる態度の形成が望ましいとしている.また,議論を建設的に行うために,誤った論法=誤謬に陥らないようにすることが重要である.そこで,筆者らが構築・運営している「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」におけるコメントを事例とし,科学が関与する議論においてどのような誤謬がみられるかについて分析した.結果,議論を閲覧する第三者に向けて自身の主張の正当性を演出するような誤謬が多くみられた.これを,現代社会におけるネット上での議論に特有の問題として位置づけ,こうした方面を重点的に学習する教材開発を目指している.
著者
小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.191-204, 2011-06-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

The Exploratorium, founded by Frank Oppenheimer, has been regarded as one of the origins of hands-on 'science' museums, while its unique exhibition rationale described in its title 'the museum of science, art and human perception,' shows that it is not necessarily a simple 'science museum.' Why has it been perceived as a museum, not of 'science, art and human perception,' but of 'science'? In order to explore the question, the present study examined how the Exploratorium's exhibition rationale was reflected in the exhibition, 'Exploratorium in Japan' held in 1989. Through an extended examination of the exhibit selection process using a collection of recorded documents from the Japanese side as well as an archive from Exploratorium's official management record (US side), no concrete and detailed discussion on the exhibition rationale and/or exhibit policy between the two sides was found to have happened during the negotiation process.
著者
遠西 昭寿 久保田 英慈
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.37-42, 2004
参考文献数
7
被引用文献数
8

概念変換をめざす理科の授業において、個々の生徒の心的変容をリアルタイムでフィードバックするためのツールとして「運勢ライン法」を改良し、使用した。概念変換は概念切り替えとコミットメントの変化によって測定した。この結果、授業者の授業設計の意図にもかかわらず、多様な学びのパターンが存在することがわかった。また、概念変容は実験によってより、むしろ討論など相互作用の中に生じることが明らかになった。さらに、授業における教師の「まとめ」が科学理論習得にとって重要な役割を演じていることも明らかになった。運勢ライン法は授業の流れにほとんど影響を与えずに、個々の生徒の心的変容をリアルタイムで測定でき、その解釈も直感的に可能であり、教育の臨床研究のツールとして有用である。
著者
下野 洋 市川 智史 梅埜 国夫 小椋 郁夫 恩藤 知典 河原 富夫 小島 繁男 小林 道正 五島 政一 佐藤 俊一 猿田 祐嗣 下畑 五夫 浜中 正男 藤田 郁男 松田 義章 三宅 征夫 山下 浩之 山田 正昭 渡辺 享
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.315-316, 1995

理科の野外学習指導法の体系化を図るために、野外学習の有効性、必要性、児童・生徒の環境認識の実態、野外学習の目標、カリキュラム上の位置付け、野外学習の指導の型、観察対象の類型化、野外学習の指導法などについての検討を行った中間報告である。
著者
標葉 靖子 江間 有沙 福山 佑樹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.161-169, 2017 (Released:2017-07-15)
参考文献数
15

Tremendous developments in science and technology have brought prosperity and an affluent lifestyle to mankind, but scientific and technological progress has also generated social issues related to the environment, security, ethics, and socioeconomic activities. Under these circumstances, a Science, Technology, and Society (STS) education that emphasizes the teaching of scientific and technological developments in their cultural, economic, social, and political contexts is required in order to cultivate human resources capable of making decisions about how to address these issues. In this study, we developed “nocobon,” a game-based teaching material for thinking on STS issues from various perspectives. “Nocobon” is a detective card game that can be played by a group of three to six people. The results of its prototype test for high school students suggest that players could acquire new knowledge and learn to think from different perspectives on STS issues through unlocking the mysteries in a series of “nocobon” cards. The results also indicate that “nocobon” could be a simple and convenient teaching material from the viewpoint of the time management.
著者
渡辺 勇三
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.17-22, 2006
参考文献数
1

先般の「お茶の間宇宙教室の提唱」、「街角宇宙教室の提唱」、「街角星空教室の提唱」に続き、「街外れ星座教室の提唱」を報告する。近頃、星を見なくなった。何故だろうか。多忙なのだろうか。星が見えないのだ。郊外や海外や高山で星を見て感動した投書など見ると今の都会では如何に星が見えないかがよく解かる。では、相模原市ではどうなのだろうか。アンケート調査を実施した。視界の広がる相模川の堤防、農道、街灯を避ける高い塔などでささやかな星ウォッチングが行なわれていた。夏の日のタ刻、南の空にさそり座の雄姿を眺めた時の感動は終生忘れられない。今でも心が安らぐ。精神的な豊かさを得るには星座観測が一番だが星空学習は危機的状況にある。大気汚染とネオン光害で都会の低い空には星が無い。夜は誘惑が多く事故や事件で危険が一杯だ。先人は百年計画で明治神宮の森を作り上げ世界に先駆けて京都議定書を作成した。遠い将来を見据えて緑化と省エネに励みつつ田園で星々を学習することを提案する。
著者
渡辺 勇三
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.32, pp.241-242, 2008

相模原市立城山公民館で平成19年9月1日に「子ども宇宙ステーション」と題して親子星空教室が企画された。日本の月探査機「かぐや」の活躍と宇宙と天文の初歩的な学習に併せて夏の夜空の代表的な星座を観測することを目的とする公民館事業である。平成20年2月8日に「暮らしの教養講座・真冬の宇宙学&スターウォッチング」が企画実施された。冬の星座のギリシャ神話と赤く輝く火星に焦点を当てながら月の科学を学習した。続いて近くの中学校校庭に場所を移して南の空の観測を試みた。天候のために実施できなかった前記の夏の空に比べて雪に洗われた天空に代表的な星座を眺めることができた。前者では夏休みの最後の時期に、後者では正月気分もおさまった冬の最中に子ども達に良い学習の機会を贈ることができた。
著者
伊藤 光雅
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.475-476, 2009

マレーシア政府の東方政策の一環として誕生した、マレーシア人学生に対しての日本の高専留学プログラムは、1983年に1期生の入学から、1999年にはアジア通貨危機のため1年間の学習募集停止をしたが、2009年3月には第25期の修了生を日本へ送り出し、これまでに25年に渡る伝統を持つに至った.現在までに教務運営や教員採用形態も数度の変遷を経て、2009年4月からは、マラ工科大学(UiTM)国際教育センター高専予備教育コース(INTEC, DPT KTJ)へ機関移転した.本機関での理数教科教育は、マレーシア人学生に対してマレーシア予備教育課程の理数教科教育を1年次にマレーシア人教員、日本の高等学校指導範囲を2年次に日本人教員により教育する.日本への留学のための日本語教育と同時に日本語で理数教科教育をも行っている.この特徴の故に生じる課題も多く、その課題への対策授業、さらに日本の高専編入学後を見据えた先取り授業の取組みと、これまで25年間にて数回実施した高専編入学後の追跡調査結果について報告する.
著者
荻原 文弘
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.31, pp.383-386, 2007

高等学校の数学教育において3次元動的幾何ソフト(以下, 3D DGS)を活用することにより,次の学習・指導を改善する可能性が高まる: I)内容の理解を深めるための学習・指導, II)内容の関連性を深めるための学習・指導, III)内容の扱いを拡げるための学習・指導。
著者
岩崎 秀樹 阿部 好貴 山口 武志
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.366-377, 2008-12-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
28
被引用文献数
1

The purpose of this research is to clarify the current issues of mathematical literacy and to propose its future perspective. In this paper, we firstly look at the historical and social development of the conception of literacy from the hunter-gatherer society through the agricultural society and the industrial society to the knowledge-based or information society. Secondly, we consider the asymmetrical relationship between the society and individuals, in terms of "mathematization". The point is that mathematics becomes implicit and invisible for the people, because it is embedded in technological tools such as calculators and computers in the society. This situation can be best summarized by the following words: "an increasing mathematization of our society is complemented by an increasing demathematization of its individual members" (Keitel, 1997:2). Because we are living in this mathematized society, we should develop mathematical literacy in order to encode and decode from the real world to the mathematical one. From this perspective, we discussed the fundamental principle of an alternative curriculum for mathematical literacy. In short, it means that mathematical thinking including modeling and critical thinking is emphasized increasingly as well as mathematical contents.
著者
下山 芽衣子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.43-48, 2013

第5学年の「流れる水のはたらき」の学習を展開するにあたり,学習指導要領には,「イ 川の上流と下流によって,川原の石の大きさや形に違いがあること」をとらえさせるとあるが,実際に川原の石の変化をとらえさせる上で,さまざまな問題点があった。そこで,導入や教材,発表のさせ方を工夫し,子どもたちが「わかった!」「なるほど!そうか。」と思える授業を展開することで,実感を伴った理解をさせることができるのではないかと考えた。そのため,川の様子を再現したモデル実験を取り入れ,学習したことを実際の川に置き換えて石の大きさなどを考えられることを目標に授業を行った。
著者
山崎 良雄 高橋 典嗣 垣内 信子 高橋 和子 間々田 和彦 田仲 永和
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.469-470, 2004

私たちの地球は、太陽系の第三惑星として、太陽やその他の惑星とともに、約45億年前に誕生した。この間、大地にはさまざまな動物や植物が繁栄し、進化をとげてきた。現在の地球は太陽系の他の惑星とちがい、「水の惑星」と呼ばれるように、生命に最適な環境がそなわっている。この地球のことをもっと知り、より地球の大切さを実感してもらうことをねらいとし、毎年学校で健康診断をするように、夏至の日を「地球の健康診断の日」とし、世界規模で地球の診断の試みを啓発普及していきたい。
著者
渡辺 進武 丹羽 直正 酒井 茂 上田 康信 川上 紳一
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.7-10, 2003
参考文献数
2

現行の学習指導要領では,小学理科「月と星」の学習で月の動きについて学習するものの満ち欠けのしくみまでは学習しない.にも関わらず中学生になって,金星の観測を行って満ちかけが金星の公転によることを学習することになっている.こうしたカリキュラムの中で,中学3年生には天体望遠鏡組み立てキット(スピカ)を一人一つずつ与え,継続的な金星の観測を行って,満ち欠けのしくみをモデルを使って理解する授業を実践した.一方,小学4年生にも同じ望遠鏡を与え,月の満ち欠けの学習を試みた.岐阜大学教育学部の屋上で撮影した天体画像をホームページで公開し,児童・生徒の観測への動機づけや観測結果の確認に使用した.これらの授業実践をもとに,天体望遠鏡(スピカ)とweb教材がより充実した学びへと支援できるか検討を行った.
著者
軸丸 勇士 大森 美枝子 田代 恵 照山 勝哉 中谷 京一 河野 志津子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.39-44, 2005-11-26 (Released:2017-11-17)
参考文献数
5

野生ニホンザルの生息地の一つである高崎山自然動物園(大分市)。その山の麓に平成16(2004)年4月, 学習施設「おさる館」が開館した。山や館を訪れた人々のニーズをアンケートにより掴み, それを活用した見学や学習支援のための人材育成とその手法について紹介し, 連携した科学教育の必要性を述べる。
著者
坂本 美紀 稲垣 成哲 竹中 真希子 山口 悦司 藤本 雅司 山本 智一 大島 純 大島 律子 村山 功 中山 迅 近江戸 伸子 竹下 裕子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.425-426, 2004

筆者らは,遺伝子組み換え食品(GMF)を題材にした科学教育のためのCSCL環境を開発し,小学生を対象にデザイン実験を行っている.本研究では,このデザイン実験の評価の一環として, GMFに対する理解とイメージが,単元の学習を通して変容したかどうかを検討した.分析の結果,概念的理解については. GMFの基礎知識や論争性についての理解が進んだことが明らかになった。また,イメージの変容も確認された.
著者
西島 徹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.29, 2005

本発表は,読売新聞の記者としてフィンランドの教育を現地取材した印象を紹介する。日本との相違点が明らかとなった。
著者
大谷 実 瀬沼 花子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.133-136, 2004

数学教育における創造性の育成に関して,才能豊かな児童・生徒に対する特別な方策を講じてきたハンガリーを取り上げ,その伝統と今日的課題を整理する.①数学は初等・中等教育段階の必履修教科であり,数学コンテストや数学教育雑誌等が創造性育成の重要な手段として機能している.②社会主義崩壊後,中等教育の拡充・と多様化が進み,数学優秀児のクラス数が増大した.③国家基本教育課程(NAT)の実施と欧州連合加盟により,数学の教育内容の大幅なレベルダウンと授業時間数の削減,学力低下が懸念されている.
著者
高橋 典嗣 山崎 良雄 庄司 涼 鈴木 愛理 吉川 真
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.35, pp.281-282, 2011

科学衛星「はやふさ」の成果は、地球帰還後に多くの人々に知られ、社会から賞賛されるようになった。その人気は何なのか、どのような人々が支えているのか、はやぶさ地球帰還1周年記念講演会の参加者から、その動向をさぐることにした。