著者
須田 達也 板生 知子 中村 哲也 松尾 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.310-320, 2001-03-01
被引用文献数
14 6

本論文では, IT2に代表される新しいネットワークパラダイムの考え方を背景に, オープンなネットワーク環境におけるサービス創発のための適応型ネットワークアーキテクチャ:Jack-in-the-Netを提案する.Jack-in-the-Netでは, 複数の自律的なシステム構成要素であるサイバーエンティティ(CE:Cyber-Entity)の間で, 柔軟で可塑的なインタラクションを行うことによって適応型サービスを提供する.CEは自らを取り巻く環境をセンシングする能力をもち, 状況に応じてインタラクションを変化させたり, 移動, 交配, 死などの生物的動作を行う.複数CE間のインタラクションの結果, 集団としての望ましい動作や秩序が生まれ, 新しいサービスを創発する.そして, 創発によって多様化したサービスとその自然淘汰を経て, サービスが進化する.Jack-in-the-Netにより, ユーザの日々の生活シーンやマスの傾向の変化に追従できるサービスの創発が可能になる.
著者
市川 晃 佐藤 英哉 島田 哲雄 尾脇 志麻子 西村 義孝 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.478, pp.105-110, 2001-11-22

輸血後GVHDとは, 輸血血液中の供血者リンパ球が受血者の体細胞を攻撃する輸血による重篤な副作用である.発症すると有効な治療法が存在せず, ほぼ100%が死亡する.そのため予防措置が重要とされ, 現在血液製剤に対する放射線照射によるリンパ球の不活化が行なわれている.しかし, これは高コスト, 照射直後からの血漿中K+イオン濃度の上昇などの問題点が多い.紫外線にもリンパ球を不活化する効果があり, 放射線の代わりに用いることで, それらの問題を改善できると考えられる.紫外線は低エネルギーであることなどの問題があったが, 水銀キセノンランプを使用し高強度紫外線照射をした場合, 高いリンパ球不活化効果を得られることが分かった.そこで本研究では, 血液製剤に対する保存前, または輸血時紫外線照射を目的とした装置開発と, それにともなった照射条件の検討を行なった.
著者
北村 毅史 本田 和博 小川 晃一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.349, pp.23-28, 2012-12-06

本論文では,2素子半波長だいぽーるあれーあんてなについて到来波SNR,素子間の電力の差異である不等電力ΔGそして素子間の相関係数ρを変化させ,もんてかるろしみゅれーしょんによりMIMO伝送容量特性の解析を行った.その結果から多変量回帰分析によってSNR,ΔG,ρを変数とするMIMO伝送容量の関数を求めた.この関数から得た伝送容量が妥当であるか,もんてかるろしみゅれーしょんの結果との比較を行った.さらに得られた関数について,人体影響が存在する端末実装あんてなを用いて解析を行い,提案方法の妥当性を検証した.
著者
斎藤 和義 日高 裕敏 品川 準輝 小林 岳彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.193, pp.119-126, 2000-07-12
被引用文献数
2

セルラネットワークを計画・設計・運用する上で、移動通信トラヒック特性の把握は重要である。従来よりトラヒック特性を予測するために移動特性モデルの開発が行われてきた。本報告では、大都市、及び小都市を移動範囲とするタクシーの移動特性をGPSを用いて実測した結果から、仮想的なセルラシステムにおけるセル滞在時間分布、移動方向確率を推定した。また、その推定結果を用いたシミュレーションからセルラシステムにおけるハンドオフ頻度や回線ブロック率等のトラヒック特性を評価した。その結果、大都市と小都市ではセルサイズが小さい場合は特性の差がほとんどないが、セルサイズが大きい場合は平均的な移動範囲の違いから移動方向確率に差が生じることを明らかにした。
著者
山本 吉伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.68, pp.295-300, 2014-05-29

学会のポスターセッションでは,ポスター発表者は何人ぐらいの聴講者にメッセージを伝えることができているのか.逆に,聴講者は何件ぐらいのポスターを見ているのか.将来の学会サービス向上にむけてこれらのデータを調査する方法を実施したので,その事例を紹介する.
著者
山本 吉伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.68, pp.295-300, 2014-05-22

学会のポスターセッションでは,ポスター発表者は何人ぐらいの聴講者にメッセージを伝えることができているのか.逆に,聴講者は何件ぐらいのポスターを見ているのか.将来の学会サービス向上にむけてこれらのデータを調査する方法を実施したので,その事例を紹介する.
著者
金丸 裕亮 豊嶋 章宏 奥村 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.81, pp.29-33, 2014-06-14

TwitterやFacebook,ウェブログ等のソーシャルメディアが広く利用されるようになり,それに伴いソーシャルメディア上でのトラブルも年々増加している.ソーシャルメディア上では,不用意な発言によってたちまち炎上してしまう.本研究では, Twitterに着目し,大量のログデータから他者が受け取るイメージ(感情)を抽出することで,ソーシャルメディア上で形成される発信者の性格(表層心理)を推定する手法について検討している.実験として,ある発信者のログデータを感情判断システムによって解析し, Big Threeモデルとの対応を行うことで,ソーシャルメディア上での発信者の性格を推定している.
著者
天野 敏之 浮田 宗伯 岡部 孝弘 佐川 立昌 日浦 慎作
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.524, pp.43-48, 2004-12-17
被引用文献数
3

2004年7月,はこだて未来大学にて画像の認識・理解シンポジウムMIRU2004が開催された.その併設イベントとして,若手研究者の活性化および相互交流を図るため「若手プログラム」が開催された.本稿ではその概要を報告する.
著者
廣見 多恵 仁田 周一 武藤 篤生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.611, pp.13-20, 1996-03-27

ヒューズは回路に過電流が生じた際洛断し, 回路を熱から保護するために挿入されている重要な保護回路である.回復可能なブレーカーが普及してきた今日でも未だに精密な機器に利用されている.ヒューズに関する研究は今までも多数行ねれており,それに従ってヒューズに関するJIS規格も多数ある.しかしそれらは基準時間以内にヒューズが溶断する事が主な項目である.また,溶断時に発生するアーク放電に関しては,消弧技術に関する研究はなされているが,アーク放電発生の機構に関する研究はなされていない. しかし実際にはヒューズが洛断する際アーク放電が発生し,電流が短時間で遮断出来ないばかりか,激しい電圧変動が生じる.それが本来保護すべき回路に悪影響を及ぼす可能性がある.本研究では,ヒューズが溶断する際に生じるノイズの発生機構の研究とそれが回路を含むシステムに及ぼす影響を観測し,ヒューズを使用する際にJISで定められている規定以外に留意しなくてはならない点を提言することを目的としている.
著者
坂田 憲紀 青野 正志 上村 忍 小松 民邦 國武 雅司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.456, pp.25-28, 2013-02-26

各pHでの水溶液-AU(111)界面におけるメレムの2次元自己組織化構造の構築挙動について電気化学走査型トンネル顕微鏡(STM)及びサイクリックボルタンメトリーを用いて評価した.弱塩基性及び中性水溶液では,基板電位を制御することによってハニカム構造,充填構造,ファイバー構造の3種類の2次元自己祖織化構造を作り分けることに成功した.一方,酸性水溶液では,ハニカム構造及び充填構造の2種類のみが構築された.酸性水溶液中ではメレムのプロトン化か起こることで,ヘプタジン環のスタックが近傍に存在する対イオンによって阻害されたため,ファイバー構造が構築されなかったことが示唆された.
著者
高瀬 柔郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.69, pp.19-24, 2000-05-12
被引用文献数
10

近隣コミュニティにおけるボランティア活動をサポートするために, 既存のネットワークとの使い分けを前提とし, 使用料を必要としない超分散網の構築について考察する.この網は, 近隣コミュニティに潜在するネットワーク・リソースを活用する.そのリソースとして, 各家庭のパソコン, 大気, 壁, 上下水道の配管, および配電線などを想定する.それらを活用するために必要となる基本的な課題を提示する.
著者
伊藤 貞則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.434, pp.65-68, 2009-02-13
被引用文献数
1

欧州指令で臭素への規制が始まっている。その対応として欧州で採用されている赤りん系難燃剤の日本を含めた東南アジアにおける適応性について検討した。結果は高温多湿下で絶縁劣化のほかに接点腐食や付着による接触不良を起こしやすいので使用方法の制限が必要といえる。
著者
川上 貴文 廣瀬 敏也 春日 伸予 澤田 東一 小口 泰平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.582, pp.49-52, 2005-01-15
参考文献数
4

本研究は, 運転者の認知過程を考慮した追突防止システムの評価を検討したものである.システムは3種類を用意し, それぞれのシステムはブレーキランプに情報を提示するものである.その提示情報は(1)減速度, (2)制動力, (3)点滅による警報である.実験はドライビングシミュレータを用いて, システムを搭載した前走車の減速に伴い, 後続車の運転者が減速するものである.その結果, 制動力を提示したシステムは, 追突防止に効果が見られた.理由としては, システムが運転者の認知, 判断の時間を短縮していることが考えられる.
著者
橋本 義仁 萬 伸一 永沢 秀一 沼田 秀昭 小池 雅志 田原 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.333, pp.1-6, 1996-10-30
参考文献数
5

2000ゲート規模のジョセフソン論理回路にトランスフォーマーを用いて両極性の高周波電源を供給する実験を行った. 試作したトランスフォーマーは約10MHzから10倍程度の電流増幅率を持つ. 共振周波数は650MHzであり, このトランスフォーマーでクロック周波数1.3GHz程度までの高周波電源を供給できる. このトランスフォーマーを用いて2000ゲート規模の負荷回路に電源を供給し, 動作実験を行った. この負荷回路には現在当グループで開発中の超伝導インターコネクションシステムの要素回路であるSOF回路が組み込まれており, SOF回路の正常動作をクロック周波数1.024GHzまで確認した. この結果から, 2000ゲート規模の回路を1GHz以上のクロックで動作させる見通しを得ることができた. 今回, 高周波電源ノイズをチップレイアウトの改善により大幅に低減できることも同時に示し, 非常に低ノイズな出力波形を得ることに成功した.
著者
高清水 直美 野田 哲夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.363, pp.53-56, 2011-12-10

島根大学におけるRuby教育は,プログラミング知識の習得だけでなく,Rubyを中心とした最新のITビジネスや技術動向について広く学ぶことを目標としている。プログラミング言語Rubyおよび開発フレームワークであるRuby on Railsは,その生産性の高さが注目され,近年のWebアプリケーション開発市場におけるニーズが拡大している。本稿では,本学における教養科目としてのRuby教育の実践と課題について報告する.
著者
臼井 健 中内 清秀 北辻 佳憲 横田 英俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.75, pp.81-86, 2011-05-26
被引用文献数
1

3G、WiMAXやWiFiホットスポット等の異種無線アクセス環境が整う中で、定期的な位置の登録やストリーミング配信等端末に対して継続的な通信を要求するサービスが増えつつある。そのようなモバイルネットワークで、サービスの大規模化や大容量化、高可用性、継続性を確保するために、従来の技術のように端末に対して水平・垂直ハンドオーバを適用することや固定的なサーバ・クライアントモデルを適用することだけでは限界がある。そこで筆者らは、新世代ネットワークにおいて端末の移動に加えて、端末に対するサービス提供側の処理の移動まで含めたトータルなモビリティである「サービスモビリティ」を実現する新しい通信アーキテクチャを提案する。本稿では、上記の「サービスモビリティ」のコンセプト、技術要件、アーキテクチャの設計、要素技術の実装方針を示す。
著者
石沢 真樹 鍬田 豊 木全 活久 青木 忠一 尾形 努
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PE, 電子通信用電源技術
巻号頁・発行日
vol.96, no.277, pp.15-21, 1996-09-27
被引用文献数
1

NTTは、低騒音で、クリーンに発電する3タイプ(直流出力タイプ、交流出力タイプ、蓄電池内蔵タイプ)のポータブル燃料電池を開発した。このポータブル燃料電池は、小形燃料電池セル、水素ボンベ、電力変換装置、制御装置類をきょう体に収容したもので、容易に運搬可能な実装形態とした。容積6.7リットルの水素ボンべを2本用い、200〜250ワットで6時間以上発電可能である。直流出力タイプは、小容量の通信装置に適したDC55V及び汎用のDC12V、交流出力タイプはAC100V、蓄電池内蔵タイプは、起動と同時にAC100VおよびDC12Vが出力可能であり、室内で運転可能な非常用バックアップ電源として適用できることを明らかにした。
著者
網 淳子 岡本 利夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)とは、IETF(Internet Engineering Task Force)においてRFC(Request For Comments)1541で規定されたプロトコルで、ネットワークに接続された計算機に自動的にIP(Internet Protocol)アドレスの割当や各種パラメータの設定等を行うものである。従来、コンピューターの移動や新しいコンピューターの導入に伴うIPアドレスの設定は、システム管理者の手作業により行われていた。しかし、ネットワークが拡大するに伴いその作業量は増加し、設定誤りといった問題も発生してきた。そこで、従来からあるRFC951に規定されたBOOTP(BOOTstrap Protocol)の拡張であるDHCPが登場した。ところが、現状のDHCPはセキュリティの面で不充分であり、権限のないサーバーが勝手に立ち上がって誤ったアドレスや経路情報を流したり、悪いホストが他のホストになりすまして情報の横取りをする可能性が存在する。そこで本報告では、セキュリティを向上させる方法について提案を行う。
著者
岸本 了造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.94, no.190, pp.43-50, 1994-08-01
被引用文献数
1

本論文は、マルチメディア通信サービスとしての「エージェント通信サービス」を提案している。まず、エージェント通信システムを従来の回線交換網、パケット交換網と比較しながら、そのサービス接続性により多様なサービスが提供可能になることについて述べている。次に、代表的なエージェント通信サービスとして、(1)テレコンファレンス、(2)メール、(3)グループウエア、(4)広域網情報検索、(5)作業依頼(ショッピング、バイキング)を提案し、その中の広域網情報検索についてモデル化を提案している。最後に、実装したサービスについて論じている。