著者
片桐 徹 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.416, pp.119-124, 2014-01-21

動的再構成プロセッサ(DRPA:Dynamically Reconfigurable Processor Array)は,そのエネルギー効率の高さにより組み込みデバイスのアクセラレータとして優れているが,最近の組み込みデバイスは高い性能を必要とするため,必ずしもこれに対応できていない.そこで,本報告では,まずDRPAのPEアレイの接続方式の変更,PE(Processing Element)のパイプライン化による動作周波数の向上を行った.次に,複数のPE間にまたがるデータハザードを原因とするストールに対処するため,Tiny Vector命令を提案した.この二つの改善手法により,ベースアーキテクチャと比較して約4倍の性能を実現することができた.
著者
小林 寛征 高松 希匠 島村 和典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.519, pp.29-32, 2002-12-10
被引用文献数
5

ネットワークのブロードバンド化に伴い,基幹網内のIPパケット量は増加し,将来,ルータ等の中継機器の性能を超えてしまう.そこで,MTUの異なるアクセス網と基幹網の間でIPパケットを結合・分解し,経路選択にかかるプロセッサ負荷を軽減するパケットアセンブリ技術を研究している.この技術を非同期パイプラインを持つデータ駆動型プロセッサに実装し,課題の抽出と,解決方法について報告する.
著者
UCHIDA Teiji MIKAMI Osamu
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on electronics (ISSN:09168524)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.81-87, 1997-01-25
参考文献数
13
被引用文献数
34

Optical surface mount technology (O-SMT), which was proposed to provide a possible solution to growing serious problems in manufacturing process of optoelectronic products, is introduced. After discussing the basic idea of O-SMT, experimental results are also described to show its feasibility.
著者
梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.511, pp.21-25, 2004-12-09

本稿では,ヘッドフォン感覚で装着し,常に耳元での消音を実現する新しいマルチチャネルアクティブノイズコントロールシステムを提案する.本システムでは,騒音制御フィルタの更新アルゴリズムに摂動法を用いているため,二次経路の変動に追従して騒音制御フィルタの更新を行えるという利点を有する.つまり,環境変化に対して安定な制御が可能となる.そこで,quiet zone(消音領域)が耳元にくるように誤差マイクロホンを固定し,これをヘッドフォンのように頭部に装着することで,ユーザが移動しても常に消音が可能となる.本稿では,このヘッドフォン型誤差マイクロホンを用いたマルチチャネルアクティブノイズコントロールシステムの有効性を実システムにより検証する.
著者
伊藤 彰則 好田 正紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, pp.345-346, 1996-03-11

現在我々は文節構造をベースとした対話音声認識を目指して研究を進めている.その一環として,これまで人間同士の対話から文節構造モデルを構築するという研究を行ってきた.しかし,単純な有限オートマトンによる文法では認識に用いる際の制約能力が不十分であることから,N-gramなどの確率モデルの利用を検討している.N-gramによる確率モデルを日本語に適用する際に問題になるのは,何をモデルの単位とするかである.英語の場合には学習用のテキストが単語ごとにわかち書きされているので単語単位のN-gramが容易に構成できるが,日本語の場合には事前に形態素解析が必要である.しかし,従来の形態素解析システムを用いて会話文のような文章を解析するのは難しく,正確な解析は望めない.文字などの単位を用いた確率モデルを使うこともできるが,N-gramの単位が短いため,制約が弱い.そこで本稿では,次のような手法によって自動的にN-gramを生成する方法について検討する.1.「単語単位」と「文字単位」の中間的な単位として,学習テキストから自動的に抽出できる単位を用いて確率モデルを構成する.2.学習テキストの文字列を何らかの基準でクラスに分け,そのクラスと文字のN-gramを構成する.3.学習テキストに対して文節数最小基準による形態素解析を行い,その結果からN-gramを生成する.今回は,文節単位のデータを用いてN-gramを構成し,マルコフモデルによる文節モデルを構築している.
著者
木村 克治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム
巻号頁・発行日
vol.97, no.255, pp.1-6, 1997-09-18
被引用文献数
2

リニアゲインセルの実現方法とそれを用いて完全なバイポーラ4象限アナログマルチプライヤを実現する方法を明らかにした。これまでに知られている交叉接続バイポーラ差動対を用いる方法以外にも、交叉接続バイポーラトリプルテールセルを用いるやり方とマルチプライヤ・コア回路としてバイポーラクァドリテールセルを用いた完全な4象限アナログマルチプライヤの実現方法を再提案した。また、こうして実現された完全な4象限アナログマルチプライヤの伝達特性の実測値を示して線形動作していることを示した。
著者
大久保 寛 佐藤 慎也 竹内 伸直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.837-840, 2005-04-01
被引用文献数
16 1

落雷による電磁界の時間波形を観測する場合, 電磁界の伝搬経路中の大地の影響により観測波形が変歪する.本論文では, FDTD法を用いて大地を有限の導電率を有する媒質とした場合を計算し, 観測される波形のピーク時間への影響を解析している.
著者
高畠 一哉 赤穂 昭太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.588, pp.151-154, 2007-03-07

多変数確率モデルの最尤推定に最急勾配法を用いた場合,勾配ベクトルの評価に多大な計算が必要となることがよくある.contrastive divergence法は勾配ベクトルの評価に近似とモンテカルロ法を用いて計算量を削減した手法であるが,この近似のために結果が真の最尤推定値からずれてしまうという欠点がある.本論文では真の最尤推定値が得られるようにcontrastive divergence法を改良したprogressive contrastive divergence法を提案する.確率モデルにボルツマンマシンを使い実験を行った結果を示す.
著者
加藤 修三 荘司 洋三 原田 博司 安藤 真 池田 秀人 大石 泰之 川崎 研一 高橋 和晃 豊田 一彦 中瀬 博之 丸橋 建一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.555, pp.175-178, 2007-02-28
参考文献数
8
被引用文献数
5

本予稿は現在IEEE802.15.3cで標準化が進んでいるミリ波通信システム(WPAN,最低2Gbps及びオプションとして3Gbps以上の伝送)の開発・標準化状況を述べる.標準化のサブコミッティはシステム要求条件,選択条件,使用モデル,伝播路モデルの最終版を本年1月でおこなわれたロンドン会議でまとめ,コール・フォー・プロポーザ/レ(CFP)及びコール・フォー・インテンション(CFI)を発出した.前者は5月7日,後者は3月1日が締め切りである.現在,PHYシミュレーションに選定された使用モデルはビデオ伝送とキオスク型ファイル転送の2つであり,ともにポイント-ポイント通信である.現在までに議論されているエアーインタフェースはシングル・キャリア及びOFDM方式であり,その選定は7月から始まる予定.
著者
鈴木 豊 阿部 賢史 山田 英一 秋山 承太郎 雨海 正純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.265, pp.45-48, 2005-09-01

近年半導体パッケージの統合化、微細化、小ピッチ化に伴い開発されたスタック・ダイ・パッケージの内部構造の影響が与えるダイのストレスについて、ストレスセンサーを使用して定量的に評価した。ストレス測定は信頼性試験下で行い、各試験下におけるダイのストレスを測定した。また、4点曲げ試験との相関を取ることで、ストレスセンサーの定量的な応力の測定を行った。
著者
中島 博臣 藤原 実 川中 繁 新居 英明 篠 智彰 東 篤志 井納 和美 幸山 裕亮 勝又 康弘 石内 秀美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.271, pp.31-36, 2002-08-15

High-End LSIをターデットとした90nmノード(ゲート長60nm)部分空乏型SOI MOSFETに関して、ゲート絶縁膜形成条件や、Extension/Haloイオン注入条件、スパイクアニールによる活性化条件を最適化することにより、NMOSのIon=910μA/μm、PMOSのIon=320μA/μm、(Ioff=30nA/μm、Vdd=1.0V with self-heating)を達成し、10年以上のHCI Life TimeをNMOS・PMOS双方に対して確認した。
著者
馬場 紘彦 江端 正直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.95, no.141, pp.47-53, 1995-07-14

本論文は、救急車の乗務員2,295人に対して、電子サイレン音についての意識調査を行い、出動中における電子サイレン音の効果や心身への影響等を調べたものである。そして主に次の様な結果が得られた。(1)電子サイレン音は、時と場合により音の大きさを変える必要があり、特に交差点や交通の多い所で大きく、住宅や夜間では小さい方が望ましい。(2)一般車が実際に避譲する距離は30m以内で83%である。(3)電子サイレン音は心身に影響があると回答した人は約41%であり、その内容は、頭痛や耳の障害の他、精神的苦痛等さまざまである。
著者
佐藤 雄隆 金子 俊一 丹羽 義典 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.616-624, 2003-05-01
被引用文献数
60 32

本論文では,背景画像を用いて出現物体を背景から分離するための新しいアルゴリズムについて報告する。従来,単純背景差分は処理コストの低さやインブリメントの容易さから広く用いられてきた。しかし,対象と背景の明度パターンのみに依存する方法であるため,明度の不良条件に対する耐性が低い,対象と背景の明度か近い部位が検出されない,などの問題があった。本論文ではこれらの問題を解決するために,新しいフィルタ処理Radial Reach Filter (RRF)を提案する。そこにおいて我々は,背景画像と対象画像との間の類似部分と非類似部分を画素ごとに判定するための新しい統計量Radial Reach Correlation (RRC)を定義し,明度変動の影響を抑えながら画素単位の分解能で局所的なテクスチヤを評価する。また,RRCでは背景画像の局所的な特性に依存して適応的に定義域を調整するメカニズムを導入することによって,情景内の多様な背景や出現物体に対処することを可能としている。理論的検討及び実画像を用いた実験を行い,手法の有効性を示す。
著者
斎藤 秀俊 河野 隆二 今井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.93, no.234, pp.33-39, 1993-09-17

畳込み符号器を用いた多次元符号化変調の中で,カタストロフィックな符号器を選択した時に,自由ユークリッド距離d_free>が大きくなるものが存在することを示す.さらに,時変符号器を用いた多次元符号化変調の中で,補助情報を用いる方式を示す.この方式では,符号化部分のd_free>が時不変の符号器を用いたものより大きくなる特徴がある.この結果,補助情報の伝送を組合せた多次元符号化変調では,低SNで誤り率特性が良くなる.それ故に,符号器の持つカタストロフィック性を除去する等化器及び,記憶のある通信システムと組み合わせることで,有効な多次元符号化変調方式が実現できる.
著者
岡村 寛之 立石 和也 土肥 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.8, pp.1729-1738, 2006-08-01

本論文ではウイルス増殖の時間的推移を確率過程で表現することにより,ウイルス感染予測を行うための統計モデルの構築を行う.特に,いくつかの仮定のもとでウイルス増殖過程が非同次ポアソン過程(NHPP)でモデル化できることを示す.NHPPによってウイルス増殖過程を記述する利点として,モデルパラメータの推定が容易である点と,ウイルス感染による影響を定量的かつ確率的に評価することが可能である点が挙げられる.具体的に,ここでは3種類のNHPPに基づいたモデルを扱い,それらが実際のウイルス感染データによく適合しており,感染予測に用いられる傾向曲線よりも予測精度の観点で優れていることを示す.
著者
菅原 拓哉 降旗 建治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.253, pp.37-40, 2006-09-18

本論文は,耳朶部位透過型脈波センサ出力に同期した2対パルス(10ms)フリッカーの遅延時間(Δt)に対する融合閾値(Flicker Fusion Threshold Δt<10ms)から弁別可能(Clearly Separable Δt≫30ms)までの範囲,すなわち極限法による上昇系列1回の点滅が2回に見える閾値と下降系列2回の点滅が1回に見える閾値の平均遅延時間,いわゆるFlicker Order Threshold (FOT)に関して検討している.心理測定関数にロジスティック関数を用いて評価すると,血流量の違いによってFOTも異なることがわかった.
著者
伊藤 大志 坂口 文則 梅田 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.96, no.494, pp.13-18, 1997-01-24

確率過程の識別における検定の誤り確率はダイバージェンスと深い関係があり, 大偏差原理の関係が知られている. 本報告では, 自己修正点過程に忘却性を持たせたものを確率点過程のモデルとし, マルコフ連鎖近似の極限を用いて点過程のダイバージェンス・レートを導出する. 次に, 忘却のある自己修正点過程を判別するために仮説検定のシミュレーションを行い, 求めたダイバージェンス・レートと検定の誤り確率との関係が大偏差原理に沿うものであることを調べる. また, 忘却の度合を変化させることにより, 大偏差原理の関係式からのずれがどのようなふるまいをみせるかを調べる.
著者
皆川 洋喜 内藤 一郎 加藤 伸子 村上 裕史 石原 保志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.267, pp.25-30, 2001-08-20
被引用文献数
11 2

遠隔地における手話通訳者への情報提示方法についての我々の一連の研究の中で, 特に遠隔操作カメラによる手話通訳者の能動的情報取得方法の可能性について, 事例に基づいて考察する.いくつかの試行的な評価実験を行なったところ, 「通訳者または通訳補助者による遠隔カメラ操作での能動的情報取得は困難である」, 「通訳者以外の機器操作補助者によるカメラ操作(情報選択)であっても, 通訳者は与えられた環境で対応できるようにする」, また, 「通常の通訳と較べて遠隔地の方が手話通訳者に与えられる情報が増える」, 「遠隔地手話通訳により講師・通訳者・学生間の対話が減少する」などの興味深い結果を得た.
著者
本間 義久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.112, pp.31-34, 2013-06-27

パナソニックが提供するHEMS(Home Energy Management System)商品であるスマートHEMSは、家全体のエネルギー消費量を「見える化」し、エネルギーを効率的に使用するために、太陽光発電、燃料電池、蓄電池等の創蓄機器やエアコンやIHクッキングヒータ等の家電機器との連携機能を備えており、エコと快適な暮らしを同時に実現する。スマートHEMSのシステム概要及び構成技術の紹介を行い、インテリジェントなエネルギーマネージメント機能を提供するための中核のコントローラであるAiSEGにおけるマイコン応用事例についても紹介を行う。