著者
佐藤 吉信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.209, pp.9-12, 2005-07-19

PSA/PRAの対象システムには, 多くの場合, リスク軽減を履行するいわゆる安全関連系(SRS)が含まれる.従って, PSA/PRAを実施する際に, SRSへの作動要求とその安全機能遂行との関係が適切にモデル化され, これに基づいてSRSによるリスク軽減を評価するための定式化が行われなければならない.本論文は, まず, 現在の国際的PSA/PRA技術標準では, このようなモデル化が低頻度・短継続作動要求モードと連続(高頻度作動要求)モードの両極端のモードのみに限定さていることを指摘している.次に, 国際標準に依拠して中間的な作動要求モードでのSRSのリスク軽減能力を推定すると, モデル化・定式化上の誤差が生ずることを述べている.そして, この問題を解決し, より妥当なPSA/PRA手法を確立するために最近実施されている研究について論及している.
著者
小中 隆義 鈴木 良 外崎 学 成田 光幸 田中 知朗 佐々木 一正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.621, pp.1-6, 2004-01-23

光ファイバコアにブラッグ・グレーティングを形成させたFBGは格子間隔に依存する特定の波長光を反射する特性を利用した歪みセンサとして優れた可能性を特っていることから,著者等はこれを防災に役立てることを考え,構造物の変形監視システムの開発を行なっている.実際に2001年12月より,FBG歪みセンサを青函海底トンネル作業坑に敷設してフィールド実験を継続中である.途中経過と,さらなる適用事例ついて報告する.
著者
瀧澤 恵介 竹之内 星矢 青森 久 大竹 敢 田中 衛 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.106, pp.119-124, 2011-06-23

本稿では,Paricle Swarm Optimization(PSO)を用い,符号化レートを最小とするセルラーニューラルネットワーク(CNN)による画像予測器の教師付学習手法を提案する.提案手法では,従来予測誤差電力を最小化するよう設計されているCNNによる画像予測器をロスレス符号化性能向上のため,符号化レート最小化をPSOを用いた学習により実現している.特に,本方式で用いられているPSOは評価関数の勾配情報を利用しないため,CNNによる非線形予測器の学習に非常に効果的であると考えられる.様々な標準画像に対し符号化を行い,従来手法と比較し提案手法の有効性を確認した.
著者
岡村 寛之 宮内 聡 土肥 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.210-219, 2006-02-01
被引用文献数
2

本論文では,PageRankを導出する確率モデルとしてマルコフ決定過程を通用することで,Webページコンテンツに依存したランキングアルゴリズムを提案する.現実のWebページを用いた評価実験では,Webページコンテンツの情報量を表す基準にtf-idfを適用し,tf-idfやPageRankのみの評価と比較を行った.最終的に,提案するWebページランキングアルゴリズムはリンク構造とコンテンツを同時に評価することが可能であり,実利用上有効な手法であることが定量的に示される.
著者
伊藤 泰宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.87, no.7, pp.583-588, 2004-07-01
被引用文献数
7

我が国の地上ディジタル放送方式であるISDB-T (Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式は,ハイビジョン番組,移動受信用番組,音声番組の放送やデータ放送などに対し,柔軟な帯域利用が可能で,欧米の方式に比べ多くの利点を有する.ここでは,関東・近畿の2大広域圏において2003年10月10日よりVHF帯で実用化試験放送が開始された地上ディジタル音声放送と,関東・中京・近畿の三大広域圏においてUHF帯で2003年12月1日より本放送が開始された地上ディジタルテレビ放送に関する最新の技術を解説する.
著者
白井 大介 北村 匡彦 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.244, pp.43-48, 2007-09-27
被引用文献数
10

JPEG 2000符号化方式を用いた4K(4096x2160ピクセル)超高精細映像ストリーミングシステムを開発した.本システムは,DCI(Digital Cinema Initiative,LLC.)によるディジタルシネマ仕様に定められた4K解像度の映像を,リアルタイムに符号化し300Mbit/s以上のビットレートで伝送,復号する.伝送にはLDGM符号に基づく高速誤り訂正技術を適用し,エラー率4%のネットワークにおいても10%程度の冗長度でロバストな映像伝送を可能とした.本稿では本システムの詳細と,評価実験結果について述べる.
著者
田中 剛 川本 真一 上原 敬太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.255, pp.91-96, 2011-10-14
参考文献数
14

業務システムのコスト削減や柔軟性向上のため,クラウドコンピューティングの本格的利用が加速しているが,今後さらなる普及に向けて,よりセキュアなサービスの提供と低コスト化が必要である.多数のテナント企業をホストするクラウドにおいてセキュリティを高めるには,テナント間の分離性の保障が重要である.また,低コスト化に向けては,少ない機器で多くの企業をホストしつつ,テナントの負荷変動に対応してリソース割り当てを動的に変更する動的高効率運用と,自動化による運用管理コストの削減が必要である,本稿では,テナント間の分離性保障,動的高効率運用,および運用管理コスト削減の三つの課題を解決する統合運用管理技術を提案する.
著者
森本 雅和 三好 卓也 藤井 健作
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.548-551, 2011-07-01

本論文ではマイナー成分分析を用いてパンの種類を画像から自動識別する手法を提案する.パンは製造工程において発酵や焼成を含むため,個体差が発生しやすい.また,店舗レジへの導入を考えた場合,環境光変化に頑健であることが求められる.本研究では学習用パン画像から様々な特徴を抽出し,主成分分析をもとに特徴の選択を行う,このとき,パンの個体差や環境光変化が固有値の大きな主成分として現れることを考慮し,より分散の小さいマイナーな成分のみを用いて識別を行うことで,通常の部分空間法よりも識別率を改善できることを示す.
著者
鈴木 雅洋 上平 員丈
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.63-66, 2007-09-27

ビームスプリッタの透過と反射とを用いた複合現実感における奥行き知覚に関して,実対象と仮想対象との相対的な奥行きの知覚を検討した.その結果,(a)知覚した奥行きは両眼非対応によって模擬した奥行きと定性的には合致したが,定量的には合致せず,個人差も大きいこと,(b)知覚した奥行きは遮蔽の制約を満たさない条件において弱まること,(c)知覚した奥行きには仮想対象を表示するスクリーンまでの距離が影響することが明らかとなった.
著者
伊藤 吉紀 莅戸 立夫 ハガード ピーター エリソン ブライアン 伊藤 弘 石橋 忠夫 水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.407, pp.71-76, 2002-10-17

ドットマトリクス型単一走行キャリアフォトダイオードをマウントした新型の導波管型フォトミクサを製作し,その特性評価を行った.波長1.55μm帯の二波長混合光をフォトダイオードに照射して高周波電流を誘起することにより,周波数75GHz〜450GHzの短ミリ波の発生を実験的に確認することに成功した.
著者
松尾 英一 小池 義和 中村 健太郎 上羽 貞行 橋本 芳樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.98, no.469, pp.33-38, 1998-12-14
参考文献数
12

著者らは、数kgfの重さの板状重量物体が振動面から数10μmの距離で浮揚可能な音波浮揚現象を見いだし、非接触搬送装置への応用を試みている。円形振動板を用いて円形板状物体を浮揚させた場合非接触で浮揚物体を保持・静止することが可能であるので、振動源を移動させることにより物体の非接触搬送が実現できる。これまで、振動板を固定した状態で浮揚させた場合に浮揚物体に水平方向に働く保持力の特性について検討を行ってきている。本報告では、浮揚物体の大きさ、浮揚距離、放射板の振動振幅、振動モード等が保持力に与える影響について測定を行い検討した結果について報告する。
著者
太田 直哉 大中 慎一 亀井 俊男 土屋 徹雄 溝口 正典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.241, pp.57-64, 1994-09-21
被引用文献数
3

高速道路を走行する車両の前方視野画像を用いて、道路環境を理解する視覚システムについて報告する。現在構築中のこのシステムは、自律的に走行するのに必要な情報として、道路帯(レーン)、他車両、障害物を認識する予定であり、現在までに道路帯および追い抜き車両の認識部分の実装を完了した。本論文では、研究の中間報告として、システムの構成に関する計画と実装を完了した部分について述べる。道路帯はレーンを表す白線によるエッジを検出することで認識する。追い抜き車両は、画面両側のオプティカルフローを解析して検出し、Snakesによって追跡する。これらの情報は3次元環境モデルに集約・保持される。このシステムを実際の高速道路画像を用いて動作させた結果を示す。
著者
巽 敏之 菊池 圭 小池 義和 鈴木 一成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.401, pp.97-100, 2012-01-19

キャビテーション環境での絶対音圧計測は半導体基板における高周波超音波洗浄において重要である。しかし,従来のニードル型ハイドロホンではキャビテーション気泡により損傷の恐れがある。筆者らは,屈折率変調方式の光ファイバハイドロホンを超音波洗浄機の絶対音圧計測に適用を試みている。光ファイバハイドロホン及びマイクロホンは集束超音波の分野で利用されてきているが,キャビテーション気泡の影響による出力変化が音圧計測の妨げになることが問題となる。今回の報告で,キャビテーション環境で光ファイバハイドロホンの適用可能性について検討する。検出機構を増やし気泡の影響を補う計測法を提案する。
著者
飯田 勝吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.309, pp.13-18, 2006-10-16
被引用文献数
3

東京工業大学(以下東工大)では、先進的な研究、教育環境を実現するための情報通信基盤(Information Communication and Technology: ICT) infrasturctureを整備している。その大きな3つの柱は、共通コンピューティング資源としてのスパコン・グリッドTSUBAME、ネットワークアクセス環境としてのキャンパス無線LAN、そして、キャンパス共通認証・認可システムがある。本稿では東工大の情報通信基盤の3つの柱を紹介し、その後キャンパス共通認証・認可システムを紹介する。キャンパス共通認証・認可システムは、キャンパス共通個人情報ディレクトリシステム(LDAPサーバ)、ウェブシングルサインオンシステム等から構成されるもので、東工大の在籍者に特別な手続きを強いることなく、東工大に在籍するだけで利用可能となる情報システムのアカウント(ICカード)を提供する。当該システムの特徴は、利便性、セキュリティ、管理性などを考慮にいれて設計されたことであり、2006年4月から運用を開始した。当該システムの設計理念や各種課題を克服するためのシステム設計等について説明する。
著者
井原 雅行 金田 洋二 上野 圭一 金山 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.717-725, 1999-05-25
被引用文献数
3

本論文では, ユーザの潜在的好みを推定する手法を提案する. 同手法では, ユーザ本人のアクセス履歴に加え, 好みの似ている他ユーザ(一類似ユーザ)を探し, そのアクセス履歴も活用する. そのため, ユーザ本人が未アクセスの情報集合の中に埋もれていて潜在的好みに合致する情報を推薦提示できる. 本推定手法は「直接的類似ユーザ探索手法(SUSM:Similar-User Search Method)」と「間接的類似ユーザ探索手法(ISUSM:Indirect Similar-User Search Method)」から構成される. SUSMはユーザ本人と他ユーザのアクセス履歴を比較し, 共通にアクセスされた情報が最も多い他ユーザを探す手法である. ISUSMはSUSMにより探し出された類似ユーザの情報を用いて間接的に類似ユーザを探す手法である. 本手法を音楽検索システムに適用し, 潜在的好みに合致する情報を類似ユーザのアクセス履歴から探して推薦曲とした. 実験の結果, ユーザ本人のアクセス履歴のみから推薦曲を選ぶ場合と比較して, 提案手法の場合はユーザ本人の好みに合致する推薦曲(=有効推薦曲)が2倍以上に増加することを確認した.
著者
勝尾 双葉 木内 等 森川 栄久 有本 好徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.640, pp.25-29, 2005-01-21
被引用文献数
2

11月22日に実施した成層圏プラットフォーム定点滞空試験機による飛行実験のうち、光通信実験について、実験の内容、実験結果の速報について紹介する。
著者
藤原 淳 須田 博人 安達 文幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.98, no.601, pp.77-82, 1999-02-18

本検討では,ターボ符号および上りサイトダイバーシチをW-CDMAに適用し,サイトダイバーシチ合成周期をパラメータとして,特性の評価を行った.その結果,合成周期が10msから80msにわたり,サイトダイバーシチによる合成利得が得られることを確認した(最大ドップラー周波数f_Dが80Hzの場合),さらに,サイトダイバーシチ状態において,ターボ符号の特性を,従来法である畳込み符号とRS符号の連接符号と比較し,シャドウイングあり,なしの双方の場合において,ターボ符号の特性が従来法を上回っていることを確認した(f_Dが80Hzの場合).f_Dが5Hzの場合においても,シャドウイングを考慮した場合には,ターボ符号は従来方式より優れた特性を示すことを確認した.
著者
水野 陽一郎 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.598, pp.41-46, 2007-03-08

次世代移動体通信においてマルチホップ通信が注目されている.本稿では, MAI(Multi Access Interference)を低減する2つの提案方式によって,固定中継局(HS : Hop Station)を設置したW-CDMA 2ホップセルラシステムにおける上り回線システム容量を増大する. 1つ目の提案方式(RMTPC : Relay Multiplexing Transmission Power Control)では, HSで受信パケットを多重し,送信電力制御(TPC : Transmission Power Control)をする. 2つ目の提案方式(SDRTPC : Site Diversity with Relay Transmission Power Control)では,基地局(BS : Base Station)-移動局(MS : Mobile Station)/HS間のサイトダイバーシチにおいてHSでTPCする.計算機シミュレーションによって,これら2つの提案方式がシステム容量を増大するのに有効であることを証明する.
著者
林 真樹 北出 崇 渡辺 昌俊 宮 和行 加藤 修 本間 光一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.97, no.134, pp.25-30, 1997-06-24
被引用文献数
11

筆者らは次世代移動通信システム(FPLMTS)に向けてW-CDMA/TDD方式に基づくシステムを提案し, 計算機シミュレーションおよび実験装置による特性評価を行ってきた. W-CDMA/TDDシステムでは, 上下回線の伝搬路の可逆性を活かして, 基地局における送受信スペースダイバーシチやオープンループ制御での送信電力制御を容易に実現することができる. 今回, 提案システムの新たな実験評価装置を開発しフェージングシミュレータを用いた室内実験を行い, 送信電力制御誤差, 平均BERはシミュレーション結果とよく一致することを確認した. 最大ドップラー周波数200[Hz]程度まで, 送受信スペースダイバーシチ, およびオープンループ送信電力制御が有効に機能し, 等2波レイリーフェージング環境下で平均Eb/No=3〜4[dB]で平均BER=10^<-3>を実現することを確認し, 提案システムの実用性を実証した.
著者
間瀬 久康 佐藤 智夫 宮崎 保光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.149-154, 1993-01-25
被引用文献数
2

レーザ走査型膜電位計測装置を試作し,コイ心室活動電位を4点より計測し,ガラス微小電極による計測と比較した.膜電位感受性色素として膜電位変化により蛍光放射強度を変化させるWW781を用いた.WW781を0.1mg/mlの割合で生理食塩水に溶解した染色液で,コイより摘出した心室を20分間染色した.光源としてHe-Neレーザ(λe=632.8nm,1.0mW)を用い,音響光学偏向器で1次元のビーム走査を行った.染色後の心室表面にレーザ光を照射し,膜電位感受性色素より生じる蛍光放射強度を1.0msごとに計測した.心室表面上のビームスポット間隔は1.0mmであった.蛍光の受光はホトダイオードで行い,励起光の反射と蛍光の分離は,シャープカットフィルタで行った.活動電位の立上りにおいて,蛍光放射強度は5%程度増加した.最も離れた2点間において,蛍光放射の増加開始時刻に4msの差があった.この時間差はガラス微小電極による計測結果と同程度であった.