著者
大西 純平 竹内 瞬 橋本 昌巳 伊東 一典 香山 瑞恵 為末 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.219, pp.19-24, 2008-09-18
被引用文献数
1

重度障害者とのコミュニケーション手法として透明文字盤がある。この手法では文字盤をはさんで障害者と介護者が対面し、文字盤を動かして障害者の注視文字と介護者の視線を一致させることで、障害者の注視文字を見出している。我々は、この手法をPC上で模擬した視線入力システムを開発している。ウェブカメラにより撮影した眼の画像から画像処理により虹彩位置を求めて視線検出を行い、その方向に応じてディスプレイ上の文宇盤を移動して、選択エリアに注視文字を導いている。入力文字の確定にはまばたきを利用している。
著者
伊藤 和幸 伊福部 達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.527-535, 2005-02-01
被引用文献数
18

本研究では, 重度肢体不自由者向けに視線を利用した意思伝達システム(視線入力式文字入力装置・環境制御装置)を安価に提供できるようなシステムを開発する.視線の検出には, 画像処理ボードを利用した高精度・高機能なものが市販されているが, それらを使用するとコストダウンが困難であり実用に結び付かないという欠点があるため, 本研究ではビデオキャプチャした画像をソフトウェア的に処理することで視線検出を行い, システムにかかるコストの削減を図った.近年のパソコン性能の向上により, ノートパソコンの使用も可能でありシステムのコンパクト化も実現できた.
著者
白井 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.173-175, 2006-02-01
被引用文献数
2
著者
藤井 啓正 吉野 仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.352, pp.15-20, 2007-11-19
被引用文献数
4

異なる優先度を持つ複数のシステムが混在する環境下において,同一及び隣接周波数帯の共用方法を提案する.提案方式では,優先されるシステムの受信機の状況に応じて,送信電力を適応的に制御する.さらに,本稿では,提案方式を用いた場合に非優先システムが達成可能な通信容量の理論解析を示す.また,従来方式として,送信電力を一定とし隣接システムに影響を与えない場合にのみ送信を開始する方式を取り上げ,提案方式との比較を行う.結果より,提案方式では,想定する環境において従来方式の1.5から2倍の通信容量を達成可能であることを示す.
著者
白浜 公章 松岡 悠太 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.414, pp.129-134, 2011-02-10

本論文では,ユーザから与えられたサンプルから,クエリーにマッチするショットを検索する映像例示型検索手法を提案する.特に,異なる撮影技法・状況で撮影された多様なショットを検索するために,'ラフ集合理論'を用いて,サンプルから複数の検索ルールを抽出する.また,少数のサンプルから検索可能なショットの範囲を拡張するために,"バギング"と"ランダムサブスペース法"を導入する.具体的には,サンプルと特徴量の次元をランダムに変更して構築した分類器によって,大きく異なるショットが特徴づけられるようになる.さらに,計算コストを削減するために,"MapReduce"という並列プログラミングモデルを用いて検索プロセスを並列化する.実験では,TRECVID 2009の映像データを対象として,本手法の有効性を示す.
著者
山口 雄志 小谷 賢太郎 堀井 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.59, pp.47-52, 2007-05-17

We developed an eye typing input system using voluntary eye movements toward screen button. While conventional interface uses input actions with a certain duration of fixation at the target, our system asks users to generate saccades and fixate a large screen button area located beneath of the display as soon as they find a target as the intended character. A total of five subjects participated in the experiment to evaluate the system performance. The result showed that the error rates were 3.7 percents in average. The average typing speed was 30 characters per minutes for the fastest person and 13.8 characters per minutes for the slowest person. The error rates obtained in this study were lower than those obtained by previous study using gaze input. The typing speed was also relatively faster than other studies using gaze input (ranging from 10 to 12 characters per minute in average) and blink-based input (average 8 characters per minute). Also, we compared performance when visual feedback was given to the subject and concluded that fine adjustments to minimize the distance between the marker and the true position of eye fixation was important for taking its advantage.
著者
田中 恭之 石津 晴崇 森 直彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.348, pp.55-60, 2007-11-15

本稿では,秘密分散方式に,擬似乱数生成器の出力する擬似乱数系列と真性乱数系列を組み合わせた乱数(混合乱数と呼ぶ)を適用し,安全性解析を行った.この結果,混合乱数の持つ特徴である,もとの擬似乱数系列よりも高い安全性を持ち,混合する真性乱数の割合を増やしていくことで安全性が高まっていくという性質が,そのまま,秘密分散方式に適用しても成立することが確認できたので,その理論的考察結果を示す.
著者
長谷川 剛 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.39, pp.1-6, 2010-05-13
被引用文献数
1

オーバレイネットワークにおけるネットワーク性能の計測においては、複数のオーバレイ経路における計測競合が原因となって発生する、計測精度の低下やネットワーク負荷の増大が問題となる。我々の研究グループにおいて、計測競合を削減するための方式として、2つのオーバレイノード間の経路上に他のオーバレイノードが存在する場合に、その経路の計測を行わず、部分経路の計測結果を統合することによって全体経路の計測結果を推定する、計測結果統合手法を提案している。本稿では、計測結果統合手法の精度評価を、PlanetLab環境における計測結果を用いて行った結果を示す。評価結果より、遅延時間、パケット廃棄率およびTCPスループット理論値について、推定手法により高い精度で全体経路の計測結果を推定することができることが明らかとなった。また、中間オーバレイノードの負荷が原因となり、計測そのものや推定精度が悪化する場合があることもわかった。
著者
小室 孝 鈴木 伸介 石井 抱 石川 正俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-1, 情報・システム 1-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.70-76, 1998-02
被引用文献数
57

本論文では汎用のプロセッシングエレメント(PE)を用いた新しいビジョンチップアーキテクチャを提案する.本アーキテクチャはロボットビジョンなどのさまざまな応用にも対応可能な十分な汎用性を保ちつつ, 多数のPEを1チップ上に集積するために非常にシンプルな構造をもっている.また, 視覚フイードバックに必要とされる1msのオーダでさまざまな視覚処理を行うことが可能であることをシュミレーションによって示した.更に, このアーキテクチャに基づいた試作チップをFPGAを用いて製作し, 動作を確認した.また, フォトディテクタ(PD)を含むフルカスタム回路の設計を行った.
著者
清水 めぐみ 幸谷 智 三輪 進 加来 信之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.1058-1066, 2000-07-25
被引用文献数
9

レーダクラッタのセル間自己相関関数は, 信号のそれに比べて一般に早く減衰するので, 検波後波形はクラッタのほうが信号よりもスパイキーになる.一方, 図形処理において, 小さな点を消去するのに収縮法が用いられる.したがって, パルス積分の前処理として収縮法を用いることにより, 信号対クラッタ比を更に改善する効果が期待できる.本論文では, アジマス及びレンジ方向にそれぞれ複数のセルをもつ窓を設定し, 窓内のセルに一つでも振幅値0がある場合は窓の中心のセルの振幅値を0とする収縮法を適用し, この後2次元移動平均により平滑化を行った.実験には仙台空港に設置された実験用空港面探知レーダを用いたが, 適当なレベルの目標とクラッタを含むデータが取得できなかったので, 各種条件下における目標とクラッタの合成データにこの手法を適用した.この結果, 単なる2次元移動平均よりも信号対クラッタ比を改善することができたが, 場合によっては視覚上は改善されていても, 数値上改善されない例が見受けられた.そこで, 信号対クラッタ比の定義自体についても考察を加えた.
著者
大嶋 尚一 森 悟朗 野沢 尭志 タ トゥアン タン 小熊 博 亀田 卓 中瀬 博之 高木 直 坪内 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.452, pp.89-93, 2008-01-17
被引用文献数
2

我々は、60GHz帯を用いた無線通信方式として、高速化に伴うサンプリング速度・PAPR(Peak to Average Power Ratio)・信号帯域等の増加によるアナログ回路への負担を軽減すべく、マルチキャリアMSK(Minimum Shift Keying)変調方式の提案を行っている。本発表では、提案方式をFPGA(Field Programmable Gate Array)へ実装し、ベースバンド信号の変復調を行った結果、500Mbpsの速度での通信を実現したことを報告する。
著者
小黒 玲 近藤 法夫 尾関 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.39, pp.61-67, 1996-05-16
被引用文献数
4

最近の音声認識においては、HMMによって得られる尤度に基づいて仮説のスコアを定義することが多い。しかし、連続音声中の単語を検出する場合のように、仮説に対応する音声区間が仮説ごとに異なる場合には、尤度をそのままスコアとすることには問題がある。本研究では、尤度そのものをスコアとするスコア関数と、尤度を何らかの方法で正規化することによって得られるいくつかのスコア関数の特性を比較した。比較は、真の単語/文節終端付近でのスコアの振舞いと、そこでの単語/文節認識率の二つの観点から行なった。その結果、エルゴディックHMMを用いて正規化を行なうスコア関数が、総合的に見て最も好ましい特性を持つことが明らかになった。
著者
飯草 恭一 手代木 扶 藤田 正晴 山本 伸一 井家上 哲史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.936-948, 1998-10-25
被引用文献数
12

捕捉・追尾機能を必要としない衛生通信および放送のための車載用として, チルト角45度, ビーム幅18度の円偏波コニカルビームを, 15GHzにおいて同軸円筒スロットアレーアンテナで実現した.アレー配列軸に垂直な方向においては, 一般に±45度の傾きのスロットをλ_g/4間隔(λ_gは外皮導体に切られたスロットの影響を含んだ実質的な管内波長)で配置したペアを素子単位とすることにより円偏波を実現できるが, チルト方向ではスロットの垂直成分と水平成分の射影が等しくないため, 軸比が悪くなる.そこで, スロットの傾き角とペアを構成するスロット間隔の調整による軸比改善法について理論的, 実験的な検討を行った.また, 開口面分布の振幅と位相はそれぞれスロットの大きさと位置によって調整されるが, スロットの移動によりチルト方向への光路長が変化し, アンテナパターンや軸比の劣化が起こる.そこで, この光路長変化を考慮したスロット移動量の補正についても明らかにした.
著者
牛田 啓太 阿佐見 聡士 長谷川 貞夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.418, pp.57-61, 2011-02-11

モバイル環境における,おもに視覚障害者向けの文字入力方法として,「タッチパネルを用いて点字パターンを一筆書きでなぞる」方法を提案する。長方形タッチパネルの頂点および長辺の中ほどにスポットを配置し,タッチパネルに触れる→なぞる→離すの一連の動作の中で通過したスポットの組み合わせに対応する点字に対応する墨字を入力する。本方法に基づく入力アプリケーションをタッチパネル搭載スマートフォンに実装し,視覚障害者・点訳奉仕者等に試用していただいたところ,関心を示す声が聞かれた。
著者
北岡 教英 押川 洋徳 中川 聖一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.496, pp.31-36, 2005-12-15
被引用文献数
3

本稿では, 高頻度単語と短い単語(基本単語)を併用した音声認識を用いた組織名入力インタフェースを提案する.これは, まず音声で組織名を入力し, 音声認識の結果得られた複数の単語・基本単語候補から, ペンタッチで選択, 入力するマルチモーダルインタフェースである.組織名といった語彙サイズが大きく, 常に新しい組織名が生み出されるため, すべてを登録することが難しく, また音声認識が難しいタスクに対し, 単語認識と連続基本単語認識を併用するもので, 認識対象のカバー率と認識性能, 入力効率の両方の向上を図った.そして, その認識結果から単語・基本単語系列候補, 基本単語候補をタッチパネルに表示し, ペンタッチにより簡単に選択して入力が可能な組織名入力インタフェースを考案した.この高頻度単語と基本単語を併用した音声認識をオフラインの認識実験により評価したところ, それぞれ単独での音声認識結果より良い結果が得られた.さらにこの認識結果に基づいてインタフェースを用いた場合の入力可能な割合をシミュレーションすると, 約92%で入力が可能となることが分かった.また, このインタフェースを実装してオンラインで被験者実験を行ったところ, 音声認識性能の低下で1回の発声では83.3%の入力可能率となったが, 2回まで音声入力を許すことで93.3%となった.
著者
浦浜 喜一 井上 光平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.217, pp.39-44, 2002-07-11

Tomasiらによって提案されたバイラテラル(bilateral)フィルタは高速性や性能面で興味を持たれ,多くの解析や応用が行なわれている.本論文では非線形回帰に基づくバイラテラルフィルタの解釈や既存フィルタとの関係について調べ,エッジ強調性や反復バイラテラルフィルタの性質を調べる.またバイラテラルフィルタのスケールスペースについて,画像のセグメンテーションへの応用例と簡単な計算高速化法を示す.
著者
近野 恵 岩田 和将 黄瀬 浩一 岩村 雅一 内田 誠一 大町 真一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.109, no.471, pp.507-512, 2010-03-08

本稿では,我々が開発中のカメラペンシステムで使用する,文書画像検索の精度向上法を提案する.カメラペンシステムとは,カメラを取り付けたペンで書いた印刷文書への筆跡を,デジタルデータとして復元するシステムである.文書画像検索はデータベースから撮影画像の対応範囲を検索することで,筆跡を求める役割を担っており,高精度での検索が必要不可欠である.しかし現状では,撮影画像に生じる射影歪みの影響で検索精度が低下している.そこで,この問題を解決するために,検索に用いる特徴量の改良,および射影歪みを発生させた画像を生成し,データベースを拡張する手法と,撮影画像を基にクエリを拡張して検索する手法の3つを提案する.有効性を検証するため,改良した特徴量と拡張手法をそれぞれ組み合わせ,改良前の従来手法と比較実験を行った.その結果,改良した特徴量を用い,クエリを拡張した手法を用いたときに,最も精度が向上した.
著者
野久 仁志 藤野 亮之 黄瀬 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

現在, 情報はさまざまなメディアによって表現され伝達されている. その中でも中心的な役割を担っているのが図どテキストであり, 各々を組み合わせて用いている文書は非常に多い. 図とテキストを用いている文書では, 各々に同じ情報が重複して記述されることはなく, 対応関係が補える範囲内で相互に情報の省略が行われている. したがってこのような文書を理解するためには, 個々のメディアの理解だけでなく, 相互の対応関係を考慮した統合理解が必要となる. こうした統合理解の第一歩として, 互いの対応関係の抽出が要求される. また, 対応関係を計算機によって自動抽出できれば, 図に関連したテキストを検索する際に, 情報フィルタとしても活用することができ有用である. 本稿では, 図とテキストを用いている文書のひとつとして, 概念図とその説明文を対象とし, 対応関係を抽出する方法を提案する. 本手法は, マーカパッシングを利用して対応関係の抽出を行うものである.