著者
西田 誠幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.326, pp.1-6, 2006-10-19

本稿ではWebアプリケーションを構成する手続き型言語のプログラムを静的に解析して,SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどのWebアプリケーションの脆弱性の存在を検出する一手法を提案する.この手法では,プログラムの手続きを単位として,入力文字列の伝播を表す関数について制約を生成し,解決することによって脆弱性を検出する.
著者
原田 康也 鈴木 正紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.63, pp.21-25, 2010-05-21
被引用文献数
1

日本が国際情報社会になるにつれて、「英語が使える日本人の育成」が緊急の課題と認識されているようになってきた。文部省・文科省の定める学習指導要領では1990年代以降は外国語科目(英語)の授業において「コミュニケーション」を重視することとなっており、2006年度以降の大学センター試験で英語リスニング試験が導入されるなど、日本人英語学習者の英語口頭運用能力に一定の変化・改善が見られてもおかしくない状況にある。一方、こうしたカリキュラム上の改変にもかかわらず、中学・高校における英語学習・英語指導の中核が大学入試に向けての訳読式学習にあり、口頭英語の運用能力の向上は見られないという感想も根強い。大学で英語を担当する教員からは、英語に限らず大学生の一般的な学力低下を嘆く声が年毎に強まっているが、高校卒業時・大学入学時の英語運用能力の経年的変化に関する信頼できる資料はあまり公開されていない。著者たちは2006年度から2008年度までの科研費基盤研究(B)『学習者プロファイリングに基づく日本人英語学習者音声コーパスの構築と分析』と2009年度から2013年度までの科研費基盤研究(B)『属性付与英語学習者発話コーパスの拡充と分析:大学新入生英語発話能力の経年変化調査』の交付を受け、大学新入生を対象とする英語授業の中で共創的な学習活動における学生の英語での発言・応答・相互作用をできる限りそのまま、可能な範囲でデジタル化して記録しようという試みを継続している。その一環として、大学入学時点での新入生の英語力、特にオーラルコミュニケーションに直接関係のある口頭英語運用能力ついても継続的にデータ収集を行っている。今回の発表では、2006年から2009年まで毎年4月に行っているVersant Enghsh Testのスコアについて報告する。
著者
長瀬 敦嗣 岸本 圭史 河中 治樹 小栗 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.58, pp.25-30, 2009-05-21
被引用文献数
6

交通事故の多くはドライバの心身状態に起因しており,ドライバモニタリングは事故を未然に防ぐための予防安全技術において特に重要である.運転中の会話や思考のような認知負荷状態は潜在的な危険をはらみ,多くの交通事故を引き起こす原因となっている.これまでの研究により,認知負荷状態の識別は行われているが,その程度による多クラスの識別までには至っていない.本研究では多値判別法としてECOC法を用い,ドライバの生体情報を特徴量として認知負荷状態の度合いに応じた多クラス識別手法を提案する.2つの手法を用い,識別性能を高めるために最適な特徴量の組み合わせ及び識別手法について考察を行ったところ良好な結果を得た.
著者
丹治 裕一 中口 俊哉 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.724, pp.73-78, 2003-03-10

本報告では,複数の定数領域をもった区分線形出力関数を有するセルラーニューラルネットワークを提案する.元来,セルラーニューラルネットワークは,2つの定数領域を有する区分線形出力関数によって構成され,その画像処理は,2値に限定されていた.それゆえ,本報告で提案する方式は,セルラーニューラルネットワークの可能性を拡大すると考えられる.ここで,安定性の議論及び基本的な回路構成が与えられる.また,ノイズヘの耐性を強化するために,ヒステリシス特性が出力関数に対して考慮される.
著者
安井 希子 三浦 雅展 片岡 章俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.95, no.3, pp.578-587, 2012-03-01

振幅変調された純音や広帯域雑音のみを対象としたFluctuation Strength(FS)の推定方法がこれまでに報告されているが,工事や交通などの身近な騒音を対象としたものは報告されていない.そこでこの研究では,オートバイ排気音を対象としたFSの推定方法を提案している.なお,オートバイ排気音は不均一な変動を含んでおり,その変動を考慮した推定方法が過去に提案されているが,その方法ではオートバイ排気音における爆発音の振幅形状については考慮されていなかったので,それを考慮した推定方法がここで提案されている.提案方法では,記録したオートバイ排気音における爆発音の振幅形状を表す,立上り時間の長さや立下り時間の長さなどに関する計36通りのパラメータを抽出し,それらのパラメータと変動感の主観評価値を対応付けることによってFSを推定している.精度評価実験の結果,過去に提案された方法よりも,本研究で提案している方法を用いた方が,人間が知覚する変動感を適切に推定できることが確認されている.
著者
目黒 光彦 高橋 知紘 古閑 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.363, pp.19-24, 2004-10-14
被引用文献数
9

本稿では,色盲と呼ばれる色覚異常により色の区別が難しいユーザ向けに,カラー画像中の色を弁別しやすいように色の修正を施すことで,見やすいカラー画像を作成する方法を提案する.人間は,光の波長に対して感度の異なる三種類の錐体による反応値の比により色を知覚している.俗に色盲と呼ばれる色覚異常者の多くは,三種類の錐体のうちいずれか一つの錐体を欠いている二色型色盲である.そのため色盲者にとって,色の弁別が困難な色の組み合わせが存在する.提案手法は,処理対象のカラー画像を色により領域分割を行い,それぞれの領域の代表色同士の色弁別がしやすいか否かを判定し,弁別が難しい領域の色の値を変換させることで,知覚しやすいカラー画像を生成するものである.これにより,色覚におけるバリアフリーを実現する一手法が実現される.
著者
高島 雅弘 趙 大鵬 柳原 健太郎 福井 潔 福永 茂 原 晋介 北山 研一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.742-750, 2006-05-01
被引用文献数
40

本論文では,IEEE802.15.4を用いたセンサネットワークにおいて,実環境における無線伝搬特性を確率モデル化し,そのモデルを用いた最ゆう法によりノードの位置を推定する手法を提案する.また,室内での実測から得られた確率モデルを用いたシミュレーション及び位置推定実験による性能評価を行い,提案手法が室内でのマンロケーション管理に有効であることを示す.
著者
坂崎 俊介 若原 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.395, pp.1-6, 2005-11-07

画像検索は, ユーザの目的とする画像を画像情報自身または関連するメタデータを用いて検索し求めるものである.しかし, 近年のハードディスクの大容量化とPCの低価格化によって今までよりも多くの画像が蓄積されつつあり, 膨大な画像情報の中から目的の画像情報を抽出することが難しくなってきた.そこで, この画像検索を効率よく行うためのさまざまな研究がなされている.その一例として個人が画像を選択する際の傾向を画像内から色情報として取り出し, その情報を使って絞込みを行う事で検索時の効率化を図るという手法がある.本報告では, 洋服のデザイナが新しい洋服をデザインする時に, 画像を選ぶ場合の個人的な趣向を画像の中の色情報から抽出し検索して利用することにより, デザイナやその洋服を実際に着用するユーザの好みにあった洋服のコーディネートをアシストすることを狙いとし, 画像の中よりユーザの好みにあたる情報の抽出方法とその利用方法について述べる.
著者
藤木 淳 蔵田 武志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.40, pp.167-174, 1997-05-15
被引用文献数
4

因子分解法は形状とカメラの運動の復元方法として広く用いられているが,この方法の数理的意味についてはあまり議論がなされてこなかった。因子分解法は観測行列を特異値分解などを用いて2つの行列の積に分解することによって形状とカメラの運動の推定値を求めるステップとその推定値を修正するための正則行列を求める2つのステップに分けられる。本稿では,第1のステップで得られた推定値が単位行列でない計量をもつアフィン座標系により記述されていると解釈し,第2のステップが,この計量を決定することにより推定値を単位行列を計量とする座標系によって記述しなおすステップであることを明らかにした。この立場によってアフィン画像から得られる情報の全てを明らかにし,因子分解法の直感的な把握を可能とした。その例として,3枚の異なるアフィン画像から形状復元解が一意に定まる理由と2枚のアフィン画像から得られる形状復元に関する情報を明らかにした。
著者
中村 彰宏 大林 千尋 柴田 智広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.38, pp.51-56, 2011-05-06

我々は,自動掃除機^<TM>Roombaとのダンスを通じて部屋を掃除する社交ダンスシステムを提案する.本システムは,実時間で深度情報を得られるマイクロソフト社の^<TM>KinectとオープンソースライブラリOpenNIを用いて人間の動作を認識し,それに応じてRoombaの動作を制御する.制御に必要なRoombaの位置・姿勢はARToolkitのマーカーを用いて計測する.動作として社交ダンスを採用することで,Roombaでの掃除にエンターテイメント性を付加する.社交ダンスの振付は,パートナとの位置関係と男性の動作で示されるリードによって決定されるため,ユーザーがリードに関する知識を持つことで,Roombaをパートナーとしたダンスによる掃除が可能となる.本稿では,まずシステム構成及びダンス認識による掃除制御アルゴリズムを述べ,次に予備的な実験結果によりシステムの有効性を示す.
著者
水谷 好成 岩本 正敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.309, pp.39-44, 2001-09-07
被引用文献数
6

小学校の国語の授業と関連させた総合的な学習の時間でロボットを扱った授業を行った。この授業は、1)ロボットとは何か、2)どんなロボットを創りたいか、3)ロボットのプログラムを作ろう、の3つのテーマで行われた。ロボットおもちゃやロボットペットを観察させる学習および教育用ロボット梵天丸を用いた簡単なゲームを行った。ひらがなコマンドを用いたまきもの言語によって、ゲームと関連させた簡単なプログラミング学習では、ほとんどの児童はプログラムを完成することができた。実際のロボットを用いた授業によって、ロボットに関する興味関心が向上し、その結果として、国語の授業の中で活発な議論が展開されるようになった。
著者
YASUI Tadahiko NAKANO Yoshiaki
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on communications (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.306-316, 1999-02-25
被引用文献数
24

By adopting a network architecture in which not only a calling but also a called terminal can select a wavelength, a novel WDM network becomes possible. This we call Wavelength Assignment Photonic Network (WAPN). In this network wavelengths are a kind of network resources and according to requests from terminals, wavelengths are allocated or assigned to calls. In the system a wavelength used for a call is to be used for another call after the call is terminated. By supplying wavelengths to the home, a bitrate-free, protocol free or even transmission method free network can be realized. In this paper, from a viewpoint of S/N or Q factor, WAPN is evaluated with special focus on the node architecture -i.e., from the viewpoint of node size, number of switching stages, crosstalk level, and losses, because the allowable node size is the crucial issue to decide the whole network capacity. After brief explanations of this proposed system, the model for system evaluations will be established and a node system is to be evaluated for some practical parameter values considering especially traffic characteristics of a node. As a result of this study a node system with capacity more than 100 thousands erl (about 20 Tbps throughput) can be constructed using present available technologies, which will enable us to construct large WAPN network with radius of 2,000 km and subscribers of about 50 millions.
著者
田中 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.135, pp.163-168, 2010-07-14

著者が携わってきた衛星プロジェクトでの失敗経験について述べる。ポイントは「転んでもただで起きない」である。
著者
角 康之 松村 耕平 横井 逸人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.233, pp.7-10, 2012-10-04

人と情報サービスのインタラクションに一貫性の高さと活動空間の広がりを提供するために、サービスを提供する擬人化エージェントが仮想空間と実空間を行き来する枠組みを提案する。具体的には、観光地を案内する3次元CGキャラクタが仮想空間内の仮想ツアーの途中で実空間のロボットに乗り移り、プレイヤーの実空間体験を誘導するシステムを試作した。我々の試みは、あらかじめ用意されたサービスを提供するだけでなく、実空間での人とのインタラクションを取材し、それを仮想空間に持ち帰って新たなコンテンツとすることに特徴がある。
著者
中澤 満 満上 育久 波部 斉 山添 大丈 八木 康史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.233, pp.15-20, 2012-10-04

本稿では環境中に複数台のKinectを配置することで,人物を含む広域な環境全体を三次元計測するシステムを提案する.環境全体を密に計測するためにはKinectを密な間隔に配置する必要がある一方,密に配置するとKinect相互の投影光の干渉によって計測データが欠損する.本システムでは,計測データが欠落しないようKinectの間隔を空けた配置においてもKinectの位置姿勢パラメータを高精度に推定する手法を適用することで,広域での三次元計測を可能としている.