著者
吉田 英司 三田 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.157, pp.29-34, 2007-07-17
参考文献数
8

本論文では四元数ニューラルネットワークと実数ニューラルネットワークの性能比較について扱う.主に数字認識と顔認識実験についての比較をする.その際に四元数ニューラルネットワークには実数ニューラルネットワークに見られない興味深い性質が現れたのでその説明を行う.
著者
Malhan Rajesh Kumar
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.376-385, 2003-04-01
参考文献数
38

新しいインバータシステムと内燃機関とで構成されたハイブリッド電気自動車(HEV)の市場が拡大しており,パワーデバイスのビジネスチャンスが広がっている.SiCは優れた電気的及び物理的性質をもち,ハードエレクトロニクスにとって非常に魅力的な材料である.本論文では超低損失SiCパワーデバイスの現状とHEV用のパワーモジュールへの応用展開を概観する.SiCの特徴を最大限に引き出すデバイス構造コンセプトを考察した.SiCのユニポーラ,バイポーラのダイオードとトランジスタの性能をSiパワーデバイスと比較し,SiCの優位性を議論した.SiC半導体デバイスは自動車用インバータを開発するためのキーデバイスである.
著者
豊坂 祐樹 廣瀬 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.232, pp.31-36, 2009-10-09
参考文献数
23

常微分方程式によるSIRモデルとマルチエージェントモデルMASを組み合わせて,パンデミックシミュレーションを効率的に行うMADEモデルを提案し,また,その妥当性についても検証を行なってきた.パンデミックシミュレーションは観測例が極めて少ないので通常はシナリオによるシミュレーションが行なわれる.しかしながら,2009年4月にメキシコに端を発したと思われる新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)はまれにみるパンデミックの実例となっている.9月現在,まだ感染は拡大し続けており,今後の動向は不明である.ここでは,観測されたパンデミック初期のデータを用いて,感染蔓延がどのように広がるかという予測をシミュレーションによって行う.また,他の統計的な予測方法との比較も行う.シミュレーションによる予測が観測結果とどのように合致しているか,あるいは異なっているかについては未知であるが,初期段階でのこのような取り組みは重要と考えるので,現段階でできる結果について報告する.MADEモデルによれば,2009年7月までの観測データを用いた場合の日本での感染者総数の予測値は約3,000万人,全世界では5億人程度と予測された.
著者
仁科 エミ 河合 徳枝 大橋 力
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.239, pp.1-6, 2011-10-10
参考文献数
12

私たちは、インドネシア・バリ島の伝統的民族音楽"ガムラン"について長年にわたる研究を行っている。その結果、ガムラン音は、可聴域上限をこえる高複雑性超高周波を含むことを見出した。そうした音は、脳幹・視床・視床下部を含む脳の最高中枢<基幹脳>の活動を劇的に高めることにより、環境適応や生体防御を司り健康と深く関わる<自律神経系・内分泌系・免疫系>、そして美しさ快さを司り感性や芸術と深く関わる脳の<報酬系>の活動を連携して向上させる効果をもつ。高密度のバリ島絵画を被写体とした4K映像に同様の効果が期待されることも私たちは見出している。これらの知見は、今後の衛星通信において、技術的可能性とともに、人間の生理的反応や文化的多様性をも考慮した映像音響密度が必要であることを示唆していると考える。
著者
池田 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.345, pp.23-26, 2005-10-13
参考文献数
12

本論文では、VHF帯超音波光回折効果を用いた溶液濃度測定について述べている。駆動超音波周波数には、9MHzPZTトランスジューサーの高調波で生じる30-100MHzを用いた。試料溶液として、0.0-20.0% NaCl溶液と蔗糖溶液を用いた。AOセルで偏向された輝点を距離検出器により、トラッカ電圧V_Tに変換して、溶液濃度を測定した。NaCl溶液のトラッカ電圧感度は、第9高調波94.02MHzで、139.1mV/%となった。蔗糖溶液の感度は、第9高調波94.02MHzで、47.1mV/%となった。この感度は、9-30MHzのRaman-Nath回折を利用した時より、約11.2倍改善された。NaCl溶液の電圧感度の周波数依存性の比例係数は、1.23mV/%MHzを得た。
著者
三浦 高志 熊岡 忍 松本 建太 下村 孝光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.608-618, 2004-02-01
参考文献数
11
被引用文献数
1

本論文は,適応的直交変換によるベクトル量子化において,ベクトル探索を高速化する方法を提案する.高速化の原理は,誤差ベクトルをより次元の低いベクトルに分割してから量子化を行う,積符号技術である.ベクトルの次元が低くなれば,同じ近似利得を与える辞書サイズが小さくなるので,候補ベクトル数が減少してベクトル探索が高速化される.また,辞書ベクトルを先頭要素の降順にソートしておき,誤差ベクトルの先頭要素値から直接的に候補ベクトルの範囲を限定して候補ベクトル数を削減する方法及び誤差ベクトルの画品質と目標画品質との差によって最適なサイズの辞書に切り換える方法を追加した.提案方式の有効性は数値実験により検証される.
著者
齋藤 牧子 潮田 浩 和田 裕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.369, pp.73-78, 2007-11-29
参考文献数
12

ペットボトル緑茶飲料のパッケージカラーがその味覚印象に及ぼす効果について検討した。実験1では、パッケージカラーとして9色(赤、橙、黄、緑、青、紫、茶、黒、白)を提示し、味覚印象(甘み、渋み、まろやかさ、爽快感、うまみ、味の濃さ、飲みやすさ、香りのよさ、嗜好)の評定を求めた。その結果、これらのすべての味覚印象に対する評価は色によって変化することが示された。実験2では、評定者がどのようにして色の選好評価をしているかを調べるために、AHP(階層化意思決定法)を用いた検討を行った。AHPにおける評価項目として、甘さ、濃さ、飲みやすさの3つを設定した。分析の結果、緑はすべての評価項目において最も好ましさを感じさせるパッケージカラーであることが明らかとなった。
著者
村瀬 澄夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.106, no.450, pp.71-72, 2007-01-04
参考文献数
5
被引用文献数
1

テレラジオロジー(遠隔放射線画像診断)、テレパソロジー(遠隔病理診断)からはじまった遠隔医療は、家庭へのブロードバンドネットワークの普及により、テレケア(遠隔在宅医療支援)として家庭へ浸透しつつある。これらは機器の進歩により、eHealthとして、意識されない健康管理へと進化しつつあり、テレケアは、医療の枠にとどまらず、介護や保健の役目を担い、今後の予防医療や国民の健康増進ための重要な分野になってきている。本講演では、そのような状況を踏まえ、日本の遠隔医療の最前線のトピックと日本遠隔医療学会の取り組みや活動や課題について報告する。
著者
中野 允裕 石黒 勝彦 木村 昭悟 山田 武士 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.286, pp.197-204, 2013-11-12

本稿では,関係データ解析への応用を目的として,無限サイズを持つ行列の長方形分割を行う確率過程について議論する.関係データ解析法の一つとして、与えられたデータを行列として表現し、その行列を少数の長方形クラスタに分割する手法が広く利用されている。長方形分割を表す確率的生成モデルとして従来Chinese restaurant processの積やMondrian processなどが用いられてきたが,これらは限られたクラスの長方形分割しか表現することが出来なかった.より一般に任意の長方形分割を生成しうる確率モデルとしてGilbert tessellationが知られているが,これは統計的な振る舞いの解析が困難であることが知られている.そこで本稿では,有限確率モデルの無限拡張によって長方形分割のための確率過程を構成する方法を提案する.はじめに,確率過程構成の常套手段であるKomogorovの拡張定理を用いた方法を示し,その問題点を明らかにした後,より洗練された構成法として有限のベイズ階層モデルに関する射影系をOrbanzの拡張定理によって無限拡張する方法を提案する.
著者
長谷川 良平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.95, no.9, pp.834-839, 2012-09-01
参考文献数
19

近年,脳と機械を直結するBrain-Machine Interface (BMI)技術を用いた脳機能補償技術の開発が盛んになっている.なかでも頭皮上脳波に着目した非侵襲BMIは,重度の運動機能障がい者を対象にした画期的な意思伝達支援技術として注目されている.しかし,脳波BMIシステム実用化のためにはハードウェアとソフトウェアの両面において解決されなければならない課題が幾つか存在する.本稿では,脳波BMIの基本原理やその開発動向,更には筆者の研究チームで開発を進めている脳波BMI「ニューロコミュニケーター」とその臨床応用を紹介する.
著者
水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.1047-1053, 2008-12-01
参考文献数
12
被引用文献数
5

電磁波のスペクトルのうちミリ波の主要な応用は大容量通信の分野にあると思われるが,一方計測の分野にもユニークな応用を有している.最近,安全・安心(セキュリティ)の分野で,ミリ波を用いたイメージング計測が注目されている.ミリ波イメージングは,光に比べると分解能は落ちるが,衣服,炎などを透過して観測できるなどの利点を持っている.特に,物体自身が放射しているミリ波を観測するパッシブイメージングは完全無侵襲であり,これは計測技術として大きな特長である.更に,ミリ波帯ではこれまで通信用として多くの優れた技術が開発されており,それらを利用して常温で動作する高感度のシステムを組み上げることができる点もミリ波イメージング技術の大きな特長である.
著者
服部 充洋 廣瀬 勝一 吉田 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.422, pp.85-91, 2004-11-09
参考文献数
9

SHA-OのメッセージスケジュールにはGF(2)上の16次原始多項式が用いられている.GF(2)上の16次原始多項式は全部で2048個存在する.各多項式を用いてメッセージスケジュールを構成することにより,2048個のSHA-O variantが構成される.本稿ではこれらのSHA-O variantsに対しCRYPTO'98で提案されたChabaud-Joux攻撃を適用する.そして,いくつかのvariantsが攻撃に耐性を持つこと,元のSHA-Oが必ずしも攻撃に耐性をもたないことを示す.また最も攻撃に弱いvariantにおけるcollisionを示す.これらの結果はChabaud-Joux攻撃を何ら改良することなくそのまま適用することにより得られる.
著者
酒井 恭徳 藤井 威生 マイケル ロックラン 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.99, pp.1-6, 2001-05-22
参考文献数
11
被引用文献数
2

車々間通信の使用は将来のITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)において, 車両同士での情報交擬のために欠かせない技術である. 本論文では対向車の干渉を考慮した車々間通信において, DS/SS(直接拡散)方式を用いた場合とFH/SS(周波数ホッピング)方式を用いた場合を計算機シミュレーションにより比較する. その中で特に, 対向車をトラヒックモデルを用いて生起させた場合の車両の認識率に注目して検討を行う. その結果からDS/SS方式では遠近問題により対向車が大きな干渉となること, そしてFH/SS方式では遠近問題がほとんど起きないため, 対向車の干渉が十分に抑えられることを明らかにする. さらに, 車両認識率において, 距離が離れた車両に対する性能がFH/SS方式の利用により大幅に改善することを示す.

1 0 0 0 料理を作る

著者
山肩 洋子 舩冨 卓哉 上田 博唯 辻 秀典 美濃 導彦 中内 靖 宮脇 健三郎 中村 裕一 椎尾 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.39-47, 2010-01-01
参考文献数
16
被引用文献数
7

食材を用意して調理を始めてから,調理を終えて盛り付け作業に移る前までの一連の作業を支援するため,様々な研究がなされている.本稿では,調理の手順について情報提示を行うことで調理者を支援するシステムや,調理技術の伝達をねらいとした人と人のコミュニケーションを支援するシステムに関する研究を紹介する.
著者
ARIMOTO Suguru NGUYEN Pham Thuc Anh
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on fundamentals of electronics, communications and computer sciences (ISSN:09168508)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.39-47, 2001-01-01
被引用文献数
4

This paper is concerned with analysis of nonlinear dynamics under geometric constraints that express pinching motions of a pair of multi-degrees of freedom fingers with soft tips. The dynamics of such a pair of soft fingers can be expressed by a set of complicated nonlinear differential equations with algebraic constraints, even if the motion is constrained in a plane. However, it is shown from the passivity analysis that dynamic stable grasping (pinching) can be realized by means of a feedforward input of desired internal force with coefficients composed of elements of Jacobian matrices plus a feedback of the difference between moments of rotation exerted at both sides of the object. It is shown in the case of a pair of 2 d.o.f. and 3 d.o.f. fingers (corresponding to a pair of thumb and index fingers) that a principle of linear superposition is applicable to design of additional feedback signals for controlling simultaneously the posture (rotational angle) and position of the mss center of the object, though the dynamics are nonlinear. A sufficient condition for applicability of the principle of superposition is discussed and given as a condition for unique stationary resolution of the overall motion to elementary motions (stable grasping, rotation control, x and y coordinates control). The principle implies that a skilled motion can be resolved into some of elementary motions which human can learn separately and independently.
著者
邊見 均 五味 隆志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.543-551, 2001-07-01
被引用文献数
4

電子回路の構成・機能を自律進化的に変化させる「進化するハードウェア」(Evolvable Hardware:EHW)という研究分野について紹介する。この研究分野は1990年代のはじめに日本, スイス, 英国で独自に開拓され, 現在アメリカ, 北欧, 韓国などへと世界的に広がる様相を見せている。進化ハードウェアという概念がいかにして生まれたかから始め, いくつかのパイオニア的研究例について主に進化を可能とするようなハードウェアのコーディング方法を軸に解説する。また, この分野の最近の動向について主要な研究拠点ごとに概説する。
著者
姫野 龍太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.225, pp.1-6, 2005-07-28

複数のPCクラスタ、ベクトル並列計算機、さらに分子動力学専用機を内蔵したクラスタという三種類の異なるコンピュータをGbitEthernetで結び、グリッド技術で結合したRSCC(Riken Super Combined Cluster)システムを昨年富士通、NEC、日本IBMと開発した。このシステムでは、ユーザーが持つ種々のアプリケーション・ニーズにより柔軟に対応するために、このような異機種複合システムとなっている。また、グリッド技術やウェッブ技術を使い、どのユーザーにも統一された使い勝手をサービスできるように配慮した。稼働から1年が経過したが、故障は当初予想よりも少なく、順調に使われている。一方で、今後マルチフィジックス、マルチ・スケールといった新たな計算ニーズの増加が予想されているが、今回のシステムでは異機種間を結ぶ通信の帯域が十分ではない。このようなニーズに対応すべく、2010年度末完成を目指した、次期複合システムの構想をまとめた。この概要もここで紹介する。
著者
中沢 正隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム
巻号頁・発行日
vol.95, no.272, pp.43-50, 1995-09-28
参考文献数
37

高速な光通信技術は情報サービスを広く提供するために不可欠であり、B-ISDNによるマルチメディア社会の構築と相まってますます重要となってきている。光ソリトン伝送は、光ファイバ伝送路の性能を従来の線形の範囲から非線形の範囲まで広げることにより超短パルス波形を歪ませることなく伝搬できるようにしたものであり、超高速な光システムを実現できる特徴がある。そして、この技術は最近開発されたエルビウム光ファイバ増幅器を用いて現場試験も行われており、かなり実現性の高いシステムになりつつある。本報告では、現場実験を含む最近の光ソリトン伝送技術について報告するとともに、その将来展望について述べる。
著者
亀卦川 学 長谷川 英明 吉田 真人 廣岡 敏彦 中沢 正隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.257, pp.51-56, 2003-08-14
参考文献数
13

我々はこれまでに従来の光ファイバをフォトニック結晶ファイバ(PCF)に接続する場合にはクラッド部の屈折率の差から大きなフレネル反射が生じることを報告した。これは従来のファイバ接続にはない巨大フレネル反射であり、フォトニック結晶ファイバを光部品や伝送路に用いる場合にはその反射が問題となる。本論文ではPCFと従来ファイバの接続特性をさらに詳細に測定し、その接続点におけるフレネル反射光強度をレイリ散乱のレベルまで抑制する接続条件を明らかにした。また、ファイバ接続点付近におけるPCFの断面構造をSEMで観測し、フレネル反射の低減とPCFのクラッド部における空孔形状の関係を議論した。