著者
坂本 裕紀 菅原 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.113, pp.7-11, 2013-07-04

本研究では、各家庭の利得向上を目的として、家庭に設置される制御端末「スマートメーター」による地域内の近隣家庭同士の電力売買市場を想定した,家庭の利得向上を目的とする家庭用蓄電池の充放電計画手法を提案する。充放電は,市場の電力需要に比例して決定される電力価格に対して安価なときに充電,高価なときに放電するよう計画される.当手法をマルチエージェントシミュレーションによる実験で評価した.その結果,地域の環境によって電力需要の平坦化をもたらす最適な学習パラメーターが存在することを示す.また,家庭用蓄電池やソーラーパネルを導入することで,各家庭の利得は導入していない家庭と比較して,向上することが分かった.
著者
高橋 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.284, pp.25-30, 2010-11-11
参考文献数
14

Ford and Fulkersonのラベリング法(labeling method)はネットワークの最大フローを求める古典的アルゴリズムである.このアルゴリズムは,ネットワークの辺容量がすべて整数(有理数)の場合に停止性が保証されるが,ネットワークが無理数容量の辺を持つ場合,フロー増加パスの選び方によっては終了しないことがある.現在までに,そのようなネットワークの例が幾つか示されているが,いずれも無理数容量の辺の容量は特定の値であった.本報告では,最簡かつ最小であり,さらに無理数の容量の値が任意であるようなネットワークを与える.この例は実数値容量ネットワークの多くがフロー増加の無限系列を持つことを示唆する.
著者
神戸 雅一 上野 正巳 伊藤 誠悟 瀧口 浩義 小林 透 近藤 好次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.709, pp.13-18, 2004-03-08
参考文献数
7
被引用文献数
5

Webコンピューティングという伝統的なコンピューティング環境からモバイルコンピューティング環境,ユビキタスコンピューティング環境とコンピューティング環境の変化がある.本稿では,Webコンピューティングにおけるアクセス管理手法であるXACMLのコンセプトをユビキタスコンピューティングに応用する際の考察を行う.考察にあたり,XACMLで想定されている動作主体を,ユビキタスコンピューティング環境上でのサービス実行端末とサービス実行端末の機器情報を格納する多機能ICチップ,ユーザの所持するICカードヘの機能分散を仮定し,本手法における効果および課題を抽出する.
著者
浅見 徹 江崎 浩 関谷 勇司 斎藤 賢爾 山下 達也 岩浪 剛太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.95, no.9, pp.809-814, 2012-09-01
参考文献数
5

本稿は平成23年12月に解散したネットワーク高度利用推進協議会の活動報告である.平成19年8月, Winnyに代表されるP2P (Peer to Peer)技術による著作権侵害や情報漏えいによる通信業界の混乱と,それによる商用P2Pサービスの立ち遅れが目立った日本の事情を鑑み, P2Pネットワーク実験協議会が設立され,キャッシュ技術全般に対象を拡大したネットワーク高度利用推進協議会に発展し,後述するヒントサーバ実験や標準化活動, P2Pガイドラインの制定,優良P2Pの認定等普及啓発活動を行った.第171回通常国会で著作権法が一部改正され,送信を効率的に行うために必要と認められる限度において著作権侵害にはならないことが明確になった.
著者
加藤 研太郎 大崎 正雄 番 雅司 広田 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-03-11

量子信号検出過程において、誤り率を最小とする信号検出過程(量子最適受信機)は明らかにされたが、平均相互情報量を最大とする信号検出過程は明らかにされていない。一方、量子測定通信路における平均相互情報量I(X;Y)の上界がvon Neumann entropy S(ρ)であることはHolevoの定理として知られている。本稿では最も単純な2元の純粋状態を考え、von Neumann entropy及び量子最適受信機の平均相互情報量を計算し比較・検討を行う。
著者
細野 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.77, no.10, pp.pp.519-528, 1994-10-25
参考文献数
19
被引用文献数
4

Poyntingベクトルは普通,空間における電力流を表すベクトル場と考えられているが,電磁気学の多くの教科書には次のような主張がなされ,混乱を巻き起こしてきた.(a)Poyntingベクトルに発散が零の任意のベクトル場を加えても,エネルギーの保存則に違反しないから,電力流の表現としてPoyntingベクトルは唯一のものではない.(b)帯電した磁石の付近の空間でPoyntingベクトルは零でない値をもつが,この空間に電力流が実在するとは考えられず,Poyntingベクトルが電力流を表さない場合がある.このような主張がなされ混乱が起きた原因は電磁理論の相対論的側面を軽視した教育にある.本論文は,電磁教育に寄与する目的で,(a)電磁理論が本質的に相対論的であることのわかりやすい説明,(b)抜山ベクトルは,Poyntingベクトルの代役を果たし得ないことの説明,(c)Poyntingベクトルに付加できるベクトル場の満たすベき一般条件,(d)電力流密度の表現としてPoyntingベクトルが唯一のものと考えられる根拠,などについて考察したものである.
著者
山田 憲嗣 高橋 秀也 志水 英二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.2986-2994, 1997-11-25
参考文献数
8
被引用文献数
3

本論文では, 短波長域における結像法として利用されている符号化開口法を可視光域に適用し, 物体の位置と物体表面の3次元形状を検出する手法について述べる. 本手法は物体から開口面までの距離により, 投影面上に映る開口面の大きさが変化する特性を用い, 開口面から物体までの距離を検出する. この距離検出を対象物体の表面の各画素に拡張することで物体表面の3次元形状を検出する. 実際に, 短波長域で用いる符号化開口法を可視光域で用いることができる条件を考察し, 試作システムを構築して3次元物体の形状を検出した. 提案する検出法は, 両眼視法とは異なり, 物体の反射光だけを利用した単眼視法であるので, 簡単な測定システムで3次元形状検出を実現することができる. また, 光だけでなく波動の性質をもつものであれば可視でも不可視でも本手法を利用し, 3次元形状検出を行うことが可能である.
著者
日浦 慎作 松山 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.1912-1920, 1999-11-25
参考文献数
18
被引用文献数
13

有限の開口径をもつレンズで撮影した画像には,奥行に関する情報がぼけとして現れる.これを利用した距離計測はDepth from Defocusと呼ばれ多数の研究例があるが,高精度な距離計測と安定な完全合焦画像の復元はぼけの大きさに関するトレードオフの関係にあり両立は困難とされてきた.これはぼけの形態を決定する瞳(開口)形状を単なる円形としているからである.そこで我々は,先に提案した多重フォーカスカメラにテレセントリック光学系と構造化瞳マスクを組み合わせ,安定かつ高精度に距離画像と完全合焦画像を同時に求める手法を提案する.多重フォーカスカメラから得た複数の画像を用いることにより,表面テクスチャの種類に依存しない解析が可能となる.更にテレセントリック光学系を用いることで,ぼけ現象は位置不変な畳込み演算となり解析が容易となる.構造化された瞳形状により,ぼけによる情報損を最低限に抑え,高精度な距離計測と安定な合焦画像復元の両立が可能となる.結果として,ぼけを含んだ画像に含まれる距離とぼけのない原画像に関する情報をほぼ完全に分離し取り出すことが可能であることを示す.
著者
梶川 祥世 井上 純子 佐藤 久美子 兼築 清恵 高岡 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.291, pp.19-24, 2005-09-16

2曲の歌(「ゆりかごの歌」, 「ぞうさん」)について, 4-13ヶ月児の母親が乳児に対して歌いかけた場合と乳児不在で歌った場合とで, 音響的特徴の比較を行った.テンポについては, 対乳児のほうが乳児不在よりもテンポが遅くなる傾向が全般にみられた.母親による曲の印象評価においても, テンポは判断の主要な要素であり, 遅いテンポを乳児が好むと考える母親は、他の母親よりも遅いテンポで歌う傾向が「ぞうさん」にみられた。基本周波数平均値については, 対乳児と乳児不在での変化には個人差があり, 対乳児歌唱音声で一様に高くなるとする従来の見解は支持されなかった.乳児に対する歌唱音声では, テンポは個人、曲によらず一定の傾向がみられる要素であり, 周波数の高さは個人や曲によってばらつきがあると考えられる.
著者
磯部 隆史 堤 聡 瀬戸 康一郎 青島 健次 苅谷 和俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.448, pp.549-554, 2010-02-25
参考文献数
6

TLS/SSL暗号通信の全機能をFPGA・ASICにワンチップ化して搭載するアーキテクチャを開発し、省電力(23W)な10Gbps TLS/SSLアクセラレータを65nm FPGAを用いて実現した。FPGA・ASICを用いることで、並列化・パイプライン化・演算単位最適化による演算効率向上が可能となり、省電力化が実現される。ワンチップ化することで、機能ブロック間の接続にスイッチを用いることが可能となり、データ交換時の輻輳が無くなり、高スループット化が実現される。本研究では、回路量を削減してワンチップ化を容易にするために、送受信回路の一部共通化、複数データで1回路を共有する並列演算、等の演算方式の高効率化を行った。加えて、スイッチの配線量を削減して動作周波数を向上させるために、スイッチの入出力を共通化することでスイッチを小型化した。これらにより、TLS/SSL暗号通信の全機能の回路量を、本開発で使用した65nm FPGA1つ分に抑え、10Gbpsスループットの実現に必要な166MHz動作(64ビット幅パイプライン処理時)を得た。試作ボードを用いた実験評価では、23Wの消費電力による10Gbpsの暗号化スループットを達成した。
著者
片山 冬馬 夏目 季代久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.227, pp.79-84, 2012-09-27
参考文献数
12

「飽き」はヒトが感じる情動で有り脳で処理されていると考えられる.「飽き」は学習効率低下の要因かもしれないが,もし科学的に素早く「飽き」を検出できれば,学習者に休憩を取るように助言したり,学習教材を変更する事で効率を下げずに学習できるようになると考えられる.そこで被験者に英語リズム学習を繰り返し行なってもらい,脳波(EEG)で「飽き」を検出出来るかどうか実験を行った.その結果,被験者が「飽き」を自覚する前に,前頭と後頭,頭頂と後頭のコヒーレンス値,及び頭表面の多くの場所でのα波,β波,γ波パワーが低下した.従って,コヒーレンス値減少及びパワー値減少が「飽き」と関連する脳の反応と考えられる.
著者
降旗 建治 藤岡 祥子 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.259, pp.15-22, 1999-08-26
参考文献数
19

前報では, 超音波振動子を用いて, 骨伝導聴取を行うと, 超音波領域における骨伝導の可聴範囲は27dB前後であることを明らかにした。引き続き, 本報では, 骨導経由で与えられた超音波に対する聴覚特性を明らかにするために, 最初に超音波骨導音の音の高さ, 次に超音波骨導音によるマスキング, 更に気導音および骨導音による耳音響放射に関して実験的に検討している。これら骨導で与えられた超音波に対する諸特性の結果から, 超音波に応答する部位が蝸牛内に存在する可能性が示唆された。
著者
秋山 佳春 高谷 和宏 山根 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.530, pp.55-60, 2001-12-14
参考文献数
8
被引用文献数
4

2.4GHzのISM帯を用いた短距離無線通信方式であるBluetoothに関して、同じ2.4GHz帯を使用する無線LAN(IEEE802.11b準拠)による干渉特性を、実際の機器を用いた測定及び信号処理解析ツールを用いたシミュレーショオン等により評価した。その結果Bluetooth及び無線LANともに1対1通信系とすると、干渉源が直接拡散方式無線LANの場合、D/U(希望波と干渉波の平均電力比)が-10dB以上においてビットエラーレート(BER)はほぼ10^<-3>以下であった。これはBluetoothの所要伝送品質(BER=1×10^<-3>)を満たしており、スループットは劣化しないことがわかった。一方、干渉源が周波数ホッピング方式無線LANの場合も、BERの測定値及び計算値は1×10^<-3>未満であり、Bluetoothの所要伝送品質を満たすためスループットは劣化しないことがわかった。
著者
瀧澤 哲也 中村 康雄 林 豊彦 駒井 正彦 信原 克哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.592, pp.1-4, 2007-03-09
参考文献数
6
被引用文献数
3

子供,大人を問わず野球投手は,肩・肘に障害を起こしやすい.一般的に,子供の投球障害は,身体が未発達である成長期におけるオーバーユースが主な原因と考えられている.これまでに臨床報告は数多くされてきたが,子供の投球動作を定量的に評価した報告は少ない.そのため,子供への指導や障害の予防は,経験や感覚に基づくものだった.したがって,子供の投球動作の定量的な評価が求められている.そこで本研究は,子供と大人の投球動作を定量評価して,比較・検討することを目的とする.子供45名,大人22名の投球動作を測定し,動力学的・運動学的に解析した.その結果,子供は上半身が前方へ先行する.規格化したモーメントの値は子供と大人でほぼ同等であることが示された.結果から,子供の投球障害を軽減するには,1)体幹・下半身を鍛える,2)球種や投球数を制限する,の2点が重要であると考えられる.
著者
名野 隆夫 菊地 修一 岩津 勝彦 西部 栄次 鈴木 琢也 佐々木 義智 伊藤 和男 小林 春夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.98, no.352, pp.79-86, 1998-10-23
参考文献数
11

本論文はBSIM3v3SPICEモデルによる、高耐圧MOSデバイスのモデル技術について報告する。標準のSPICEモデルは高耐圧MOSデバイスの電圧依存を持つR_d、R_sに対して高精度なモデルを提供しておらず、電圧-電流特性のシミュレーションと実測値との間に大きな差異を生じる。我々はオリジナルBSIM3v3のパラメータの一部に対して本来とは異なる物理的な意味合いを設定しR_d、R_sの電圧依存を表現する技法を考案した。本技法により得たパラメータによる、高耐圧MOSデバイスの電圧-電流特性のシミュレーションと実測値とは非常に良く一致する。提案モデル技法と高耐圧MOSデバイスの動作原理との関係についても検討を行った。
著者
河内 修一郎 松山 隆介 堀田 泰裕 岡田 幹郎 次田 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス
巻号頁・発行日
vol.96, no.226, pp.85-90, 1996-08-23
参考文献数
3

チップ面積及び消費電流の増大を大幅に抑制した32Mビット・ページモードマスクROMを開発した. 高速, 低消費電流化の為に新規バンク選択方式メモリアレイ, 新規ページモード読み出し方式, バーストモードデコーダを開発した. その結果, マスクROMの特徴を損なうことなく1層アルミ1層ポリシリコンのシンプルなプロセスにてバーストアクセス20ns, 動作電流25mAを実現した.
著者
上田 裕巳 山口 治男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.95, no.393, pp.19-24, 1995-11-27
参考文献数
13

現在の網同期は従属同期方式であり,基準クロック(PRC; Primary Reference Clock)を生成する装置(マスタ)とPRC と同期したクロックを各局で生成するクロック供給装置(スレーブ)およびマスタとスレーブ間のクロック分配網から構成される.クロック分配網は多リンク構成をとっており,クロック分配網のリンク数が多くなり過ぎると同期品質上問題となる.本論文では,同期品質の向上をねらいとしてATM技術を用いたクロック分配法を提案する.本提案方式は既設のATMトランスポートシステムにも適用でき,1リンクのクロック分配網が構成できる.
著者
徐 暢庸 藤井 勝之 齊藤 一幸 高橋 応明 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.561, pp.93-96, 2006-01-19
参考文献数
8
被引用文献数
4

現在, インプラントデバイスは様々な分野で研究されている. 特に, インプラントアンテナは, 人体に埋め込まれることによりその特性に大きな影響が生じるため, アンテナ特性の正確な評価と検証が必要である. 本稿では, 2.4GHzのISM帯を利用した, 誘電体基板を用いたインプラントPIFAを提案する. まず, FDTD法により設計を行い, 次に, 2/3筋肉等価ファントムを用いて諸特性の測定を行った. その結果, 提案したインプラントアンテナは, 医療分野での近距離無線通信システムに利用可能であることが明らかになった.
著者
小田原 亨 永田 智大
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.97, no.9, pp.806-811, 2014-09

本稿では,携帯電話ネットワークの仕組みを使って,日本全国の現在人口を継続的に推計できるモバイル空間統計について述べる.モバイル空間統計は人口の地理的分布を示す人口分布,地域ごとの現在人口の時間推移を示す人口推移,性別・年齢・居住地に基づく人口構成を推計し,社会や産業の発展に寄与していく.防災計画,地域活性化,まちづくり分野などの公共分野と,大規模店舗の商圏分析,出店計画といった産業分野でのモバイル空間統計の活用例を具体的に述べつつ,その特徴を明らかにする.