著者
渡井 祥一 松本 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.347, pp.33-40, 2001-10-05
参考文献数
6
被引用文献数
1

本稿では, 「IDR framework」を利用して欧米の産業における電子商取引市場の発展段階を分類する.その発展段階に対して金融業界によるRe-intermediation(再価値化)行動のモデル化による視点を提示し, その実例について欧米の金融機関を題材とした比較を示す.
著者
矢板 信 ソン ホジン 味戸 克裕 久々津 直哉 相原 公久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.338, pp.95-99, 2011-12-14

無線トラフィックの増加に伴い,高速な無線技術へのニーズが高まっている.無線技術において将来の光伝送技術と同様の伝送速度を実現するためには,100Gbpsを超える技術が必要となる.筆者らは,このような超高速無線分野にTHz波帯を活用することを狙っており,本講演では,その技術的な可能性,利用形態などの概要を説明する.
著者
荒田 龍朗 岸 和樹 山口 俊光 渡辺 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.58, pp.1-5, 2011-05-13
参考文献数
8

漢字の形を正確に知りたいという視覚障害者の要望を受けて,漢字を言葉で伝える「構成読み」を提案した.構成読みは,漢字を構成する複数の部品とその位置関係で漢字の形を表すものである.漢字の分解ルールを定め,これに従って,JIS第1水準・第2水準の6355字の漢字を作成した.構成読みによる漢字想起の精度を調べるため,構成読みで表した漢字を書かせる実験を晴眼者を対象に行った.その結果,熟語による説明では書けなかった漢字も約90%の正答率で書くことができた.これにより,構成読みの有効性が示された.一方で正答率の低い構成読みも一部あった.その要因について検証した.
著者
竹中 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.341, pp.49-54, 2011-12-15

X線トモグラフィ(断層イメージング)法で使用されるX線の代わりにマイクロ波を用いるトモグラフィはマイクロ波トモグラフィと呼ばれる.マイクロ波トモグラフィは散乱物体を含む対象領域にマイクロ波を照射し、対象領域外の複数の場所で観測した散乱波データを処理することにより、対象領域内の電気定数分布を再構成して散乱物体の位置、形状、大きさ、内部構造を可視化する逆散乱問題である.本報告では,逆散乱問題特有の性質を述べた後,時間領域における逆散乱解法の一つであるForward-Backward Time-Stepping法について説明する.最後にその適用例として初期乳がん検出に用いるマイクロ波マンモグラフィについて検討している.
著者
荒川 泰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.11, pp.826-833, 2002-11-01
参考文献数
22
被引用文献数
3

最近のナノテクノロジーの進展により,我々は10〜20nmのオーダの量子ドット構造を手中に収めつつある.特に,フォトニックデバイスについては,量子ドットレーザや量子細線レーザに対して大きな期待が寄せられている.それは,ナノ構造の活用が,電子の低次元化に伴うレーザ特性の向上のみならず,多様な材料系におけるひずみ効果等を通じた発振波長選択の自由度の拡大や,非発光転移の影響を避けて量子効率の増大を可能にするなど,多岐にわたっているからである.本稿では,量子ドットレーザを中心にしてナノ構造フォトニクス素子の展開及び期待される性能,最近の研究動向について展望する.
著者
天野 建 菅谷 武芳 小森 和弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.455, pp.45-48, 2005-12-09
参考文献数
12

我々は高密度な量子ドットを用いた量子ドットレーザの研究を行っている。As_2分子線と組成傾斜歪み緩和層を用いることで, 量子ドット密度の1.0×10^<11>cm^<-2>を超える高密度化を実現した。また, 併せてPL半値幅22meVの均一化も実現した。さらに高密度化と高均一化が実現した量子ドットからPL測定により基底準位の発光強度増強も確認できた。この高密度かつ高均一な量子ドットを用いた半導体レーザを製作し, 高反射膜ミラー構造無しでもレーザ発振を実現した。また, 一層当たり8cm^<-1>を超える大きなモード利得を得たので報告する。この結果は量子ドットを高密度かつ高均一にしたためであり, 通信用量子ドットレーザの実用化に向けて大きな成果と考えている。
著者
荒川 泰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.98, pp.47-52, 2012-06-15
参考文献数
42

1982年に提案された量子ドットレーザは,結晶成長技術とデバイス物理に立脚しこれまで発展してきており,2011年度には55万台の1.3μm通信用レーザが市場に出荷された.本講演では,量子ドットレーザの30年間の歴史的発展について概観するともに,将来の展望を論じる.
著者
佐宗 晃 中村 尚五
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

喉頭癌などのために喉頭全摘出を行い声帯を失ってしまった人が音声を取り戻す方法の一つに、食道に空気を貯蔵し食道入口を代用声帯として発声する食道法がある。その音質は(1)気管孔などから発生する雑音を含み、(2)発声が長く続かず途切れ、(3)ピッチ周期が不規則に変化し、(4)男女を問わず平均的なピッチ周波数が低いなどの特徴を持ち明瞭度が著しく悪い。ある程度訓練により音質を改善する事ができるが、食道者が不自由なくコミュニケーションをとれるようになるにはかなりの時間を要する。このような食道者の負担を軽減すべく、音質改善装置の研究が進められている。現在行なわれている音質改善法の一つに、腺形予測法を用いて食道音声から声道バラメータを抽出し、それをもとに人工的に生成した音源信号から音声を再合成する方法が文献などで述べられている。しかし、この方法では話者によって合成音声の音質がオリジナル音声よりも劣化すると報告されている。ここでは、食道音声から線形予測法による声道パラメータ抽出の問題点を考察する。
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 松崎 敬文 田中 祥次 木村 武史 土田 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.193, pp.7-12, 2013-08-29

スーパーハイビジョンなどの大容量伝送の実現に向けて,周波数利用効率,所要C/N改善を目指した伝送方式の検討を進めている,強力な訂正能力を有するLDPC符号と,集合分割法を用いた符号化変調を組み合わせた性能評価は,特に衛星伝送路の特性を考慮した環境化では十分な検討がなされていない.本稿では,集合分割法と,LDPC符号とBCH符号による連接符号を, 8PSKに適用して符号化変調を構成し,同方式に適した伝送フレーム構成を提案する.提案方式では,最もユークリッド距離が広がる最下位ビットには, BCHパリティのみを付加し,上位2ビットについては,それぞれBCH符号と白色雑音下において最も伝送性能が良くなる符号化率のLDPC符号の連接符号を付加する.本稿では,上位2ビットに適用するLDPC符号の符号化率をパラメータとし,白色雑音下における伝送性能を計算機シミュレーションにより評価し,伝送性能が最も良くなる符号率の組み合わせを導出するとともに、12GHz帯衛星伝送路を模擬した伝送路モデルにおける伝送性能について計算機シミュレーションを行い,従来方式(ARIB STD-B44)に対する本方式の性能改善効果を報告する.
著者
竹内 勇剛 片桐 恭弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.123, pp.57-63, 1999-06-18
参考文献数
17
被引用文献数
6

人間は自分と類似した態度をとる他者に対して好意を抱く傾向がある.さらに類似した他者とのインタラクションを想定した場合,その者との作業の円滑な進行が実現する可能性を高める効果がある.本研究では,このような社会心理学的知見をもとに,人と擬人性を付与したエージェントとの間において人同士と同様な社会的インタラクションが成り立っていることを心理実験を通して実証した.本実験の仮説としては,人-エージェント間においても人同士と同様な社会的インタラクションが観察できると考えた.実験の結果,人の判断に同意する傾向を示すエージェントに対しても人は人同士の場合と同様に親和的反応を引き起こしていた.このことから仮説は支持され,人とエージェント間においても社会的インタラクションが成り立っていることが明らかになった.
著者
飯渕 良平 莅戸 立夫 水野 皓司 水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.370, pp.25-30, 2003-10-21

スリット型プローブを用いたミリ波帯走査型近接場顕微鏡において,検査対象の異方性を考慮した新たな画像再構成法を提案し,その妥当性の検証を行った。提案した画像再構成法により,表面内において異方性を有するワイヤーグリッド等の異方性の画像化に成功した。
著者
浜野 哲子 縫村 修次 渡辺 文夫 莅戸 立夫 〓 鐘石 水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.366, pp.1-6, 2000-10-13
参考文献数
6

ミリ波帯走査型近接場顕微鏡は, 波長以下の高い空間分解能によるの非破壊材料検査等の利用が期待されている.本近接場顕微鏡システムでは, 物体からの反射係数がコントラストとして画像化される.そのため, 例えば比誘電率などの, 直接反射係数に変化を与える物体の物性定数を, コントラストから評価することが可能である.本発表では, コントラストの定量評価実現に向けた検討として, 以下の2点について報告する.1)測定値の誤差を与える原因は有限サイズの平板誘電体にあることを突きとめ, 平板誘電体の表面波伝搬が低減されるようにシステム構造の改善を行なった.その結果, 10%以上あった測定不確定率が5%以内に低減された.2)コントラストの定量評価には, 物性定数と反射係数との相関関係を理論予測する必要がある.そこで, スリット型プローブを有する本近接場顕微鏡システムの等価回路を新たに構成し, その妥当性を実験的に確認した.
著者
轡田 康 広瀬 貞樹 蜷川 繁 木村 春彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-1, 情報・システム 1-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.9, pp.909-918, 2000-09-25
参考文献数
14
被引用文献数
2

雪の結晶が成長していく様子をシミュレーションする研究は既に行われているが, ラプラス方程式の数値計算によるもの〔1〕〜〔6〕やDLA(Diffusion-Limited Aggregation)法によるもの〔7〕, 〔8〕がほとんどである.Packard〔9〕は, 六角格子上の2次元セルオートマトンを定義し, それを用いて雪の結晶の類似パターンの生成を試みた.これまでの数値解析によるものに比べて非常に単純なモデルではあるが, 角板と呼ばれている結晶の類似パターンの生成に成功した.しかしPackardのモデルでは, 例えば六角形の角から樹枝状に成長していく樹枝状六花や広幅六花, 扇状六花と呼ばれている複雑な形をした結晶の類似パターンの生成には成功しなかった.本論文ではPackardのモデルを拡張し, Packardのモデルではできなかった樹枝状六花, 広幅六花, 扇状六花等の類似パターンの生成を試みる.
著者
湯浅 賢太郎 岡村 加奈 戸田 尚宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.260, pp.25-29, 2006-09-20
参考文献数
7

現在普及しているX線CTは,高電圧で大電流を必要とするX線管球への電力供給や,管球とディテクタを患者の回りで回転させるための機構が必要であるため,装置全体が未だ非常に大きく専用の投影室が必要である.しかし移動が困難な患者のため,病室等へ装置を移動させ撮影を行うために診断装置の小型化,可搬型(ポータブル)化が強く望まれている.本研究では,近年開発されたフラットパネルディテクタ,及び開発中である超小型冷陰極X線管球を利用できると仮定した上で,現在のところ明確な概念のないポータブル(可搬型)CT診断装置の一つの形態を提供し,その形態の制約条件下でどの程度の画像再構成能力があるか検討を行った.
著者
加藤 圭造 伊藤 彰則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.422, pp.43-48, 2013-01-30

エクストリームメタルで頻繁に用いられるグロウル・スクリームといった歌唱法は、エクストリームメタルだけに留まらず広く用いられており、現代の音楽シーンに必須の歌唱法の一つである。本研究ではこれらの歌唱音声が持つ音響的特徴量と聴覚印象の関連を考察することで、これらの歌唱音声に必要な音響的特徴がどの様なものであるかを明らかにすることを試みる。
著者
徳弘 一路 浅野 誠 渡辺 久晃 津村 尚志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.97, no.179, pp.47-54, 1997-07-18
参考文献数
27

「3弦の鳴るギターは良いギターである.」 というギターの評価法はどのような原理に基づいているかを調べた. 1弦と3弦の位置を交換し, スペクトルの変化を調べ, ギター全弦に第3弦を張り, その弾弦音の時間波形, 減衰特性, スペクトルを比較した結果, 3弦の位置におけるスペクトルのエンベロープが滑らかでなく, 5kHz以上の周波数帯域において倍音成分が小さく, 1弦の場所と比較して良い音がでないことがわかった. また, 同じ製作者による鳴るギターと鳴らないギターを比較した結果, 鳴らないギターは音量が非常に小さく, さらに, エンベロープが滑らかでなく, 5kHz以上の周波数帯域において倍音成分が小さいことなどがわかった.
著者
小野島 紀夫 笠松 章史 広瀬 信光 三村 高志 松井 敏明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.355, pp.1-5, 2007-11-20
参考文献数
3

本研究ではミリ波帯動作する超高速シリコン系デバイスの開発に向けて、サブ100nmゲート長SiGe/Si高電子移動度トランジスタ(HEMT)の作製を行っている。これまでにゲート長60nmのデバイスでは電流利得遮断周波数70GHzを達成している。今回、触媒化学気相堆積法(Cat-CVD)により形成したシリコン窒化膜(SiN)を用いた絶縁ゲートHEMTを作製評価した。Schottkyゲート構造のデバイスと比較して、ゲートリーク電流の抑制による大きなゲート電圧スイングを実現し、優れたデバイス静特性が得られた。しかし、高周波デバイス特性では絶縁ゲートHEMTの方がSchottkyゲートHEMTよりも劣っていることが明らかになった。容量-電圧測定から絶縁ゲートHEMT構造の電気的特性を調べた結果、電流輸送チャネルが2種類存在することが分かった。1つはSiGe/Si埋め込みチャネルで、もう1つはSiN/Si表面チャネルである。絶縁ゲートSiGe/Si HEMTの高周波デバイス特性をさらに向上するためにはエピタキシャル構造やデバイスデザインの検討が必要である。
著者
雨宮 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.17, pp.89-91, 2013-04-25

2次元平面に分散させた酵母細胞の解糖反応を調べることで,クオラムセンシングに関して新しい知見を得ることができた。すなわち,酵母細胞は空間的な不均一性をもって,同期的振動反応を起こす。特に,孤立した細胞の振動反応は極めて弱く,定常的な解糖反応に近い。細胞がクラスター化した集団においては,同期の程度が極めて高い。さらに,同期現象を通して,個々の細胞は,振動反応をある一定の周期へと収斂させる。酵母の解糖系における細胞密度依存性の協同現象であるクオラムセンシングの生物学的な意義についても議論する。