著者
天田 城介
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

研究成果として、第一に、戦後日本社会における老いの現代史を描くことができたことである。これによって戦後日本社会における高齢化をめぐる歴史的ダイナミズムを示すことができた。第二に、そうした知見を具体的な成果として発表した。平成20年度から平成23年度の4年間において、単著『〈老い衰えゆくこと〉の社会学〔増補改訂版〕』、『老い衰えゆくことの発見』の2冊を刊行し、編著として、『社会学のつばさ』、『老いを治める』、『差異の繋争点』の3冊を刊行した。その他にも、共著・分担執筆の論文は40本、学術論文40本以上、書評・シンポジウム記録・その他が50本以上にもなり、この4年間で圧倒的な成果をおさめた。
著者
北村 健太郎
出版者
立命館大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

当初の平成19年度の研究計画は、入手済みの資料精査と研究のさらなる深化拡張であった。そして実際に、血友病に隣接する難病、C型肝炎などを中心に研究をすすめた。2008年初めのいわゆる薬害C型肝炎訴訟の終結という事態を受けて、『現代思想』vol.36-No.2(2008年2月1日発行)に、「C型肝炎特別措置法の功罪」を緊急執筆した。同訴訟の終結は、一般的な和解の形を取らなかったため、原告以外の人々にも多大な影響を与えた。しかし、この事象が複雑であることから、出版社の依頼を受けて即時に解説できたのは、採用者の私一人だけであった。また、2008年4月上旬に発行される、堤荘祐編『実践から学ぶ子どもと家庭の福祉』(保育出版社)の分担執筆に参加し、「子どもと家庭の権利保障を理解する」の節を担当した。現在、論文「大西赤人君浦高入学不当拒否事件」を障害学会学会誌『障害学研究』vol.4(明石書店)に投稿し、査読の最終段階に入っている。問題がなければ、今年の夏ごろに刊行される予定である。学会報告は、2007年11月17日、第80回日本社会学会大会(於:関東学院大学「福祉・保健・医療(1)」)で、「全国ヘモフィリア友の会の患者運動」と題する単独報告を行なった。また、2007年9月16日17日両日、障害学会第4回大会(於:立命館大学朱雀キャンパス)で、北村健太郎・川口有美子・仲口路子「難病者と福祉/医療制度-ALS療養者とその家族の事例から」、葛城貞三・仲口路子・福井アサ子・北村健太郎「ALS患者が自律する療養生活の実現へ-日本ALS協会滋賀県支部の取り組みから」、渡邉あい子・北村健太郎「京都府の難病患者の生活実態-京都難病連の相談員へのインタビューを通して」というポスターによる3本の共同報告を行なった。現在は成果として表れていないが、研究協力者とのラポール維持に努めると同時に、血友病をめぐる最新の動向を探るために「第5回患者様と医療者との血友病診療連携についての懇談会」に出席するなど、今後の研究に向けての活動を続けている。今後も血友病に隣接する問題系にも視野を広げ、研究の深化拡張に努めるとともに、課程博士学位請求論文「日本における血友病者の歴史-1983年まで」(2007年3月、博士(学術)授与)の書籍化の作業を進める。
著者
伊藤 隆司 丹保 健一 余 健 鈴木 幹夫
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

(1) 熊野市市街地、飛鳥町、紀和町における方言調査をふまえ、熊野らしさを体現している「タバル」(いただく)関係の語彙に焦点を当て、小学校の授業で活用可能なビデオ教材を2編作成した。(2) 小学校5・6年生を対象としてビデオ教材を用いた実験授業を行った。(3) 熊野市立飛鳥小学校の学校文集を中心として、教材化にむけた分析作業をすすめた。(4) 以上の成果を報告集(A4判65頁)にまとめ、当該地域の小中学校に還元した。
著者
山田 洋子 岡本 祐子 斎藤 清二 筒井 真優美 戸田 有一 伊藤 哲司 戈木クレイグヒル 滋子 杉浦 淳吉 河原 紀子 藤野 友紀 松嶋 秀明 川島 大輔 家島 明彦 矢守 克也 北 啓一朗 江本 リナ 山田 千積 安田 裕子 三戸 由恵
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

質的研究とナラティヴ(語り・物語)アプローチによって、ウィーン、ロンドン、ハノイ、シカゴ、海外4都市の大学において、多文化横断ナラティヴ・フィールドワークを行った。心理学、医学、看護学による国際的・学際的コラボレーション・プロジェクトを組織し、多文化横断ナラティヴ理論および多声教育法と臨床支援法を開発した。成果をウェッブサイトHPで公開するとともに、著書『多文化横断ナラティヴ:臨床支援と多声教育』(やまだようこ編、280頁、編集工房レィヴン)を刊行した。
著者
大坪 舞
出版者
立命館大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本年度は、鷹狩にまつわる文化を検討する上で、核となるであろう、西園寺家・持明院家がそれぞれ鷹を家の学芸とし、伝授をおこなった戦国期の様相を中心に検討を行った。両家の鷹書については従来も言及されてきたが、多くが江戸期の書写本であった。これらは伝書という性格上、後世の偽作という可能性が拭いきれず、信頼性に乏しいものもある。これを踏まえ、西園寺家・持明院家の蔵書が収められる文庫の調査を通じて、中世後期の良質な鷹書を選び、これをもとに検討したものである。鎌倉期よりの鷹の家としての由来があった西園寺家については、西園寺家のものの作とされる鷹百首「たかやまに」類のうち、西園寺実宣の書写を示す奥書を持つ伝本と、立命館大学図書館西園寺文庫に残される西園寺家当主が伝授に際して記した手控えと思われる書の検討を通じて戦国期においては門弟を取り、積極的にこれを武家に対して伝授していたことを明らかにした。西園寺家に対し、持明院家には戦国期まで鷹の家として、歴史の表舞台に登場したことはない。持明院家は基春以降、能書・鄙曲など様々な芸道をその家業とする。持明院家旧蔵書が架蔵される前田育徳会尊経閣文庫の調査を通じて、基春の鷹書は、下向先である美濃土岐氏など武家の鷹書をも取り込み、豊富な古典学のもと、他の家業とした芸道である、能書、郵曲を意識しながら構築し直したことを指摘した。同時に、鷹書は、近年着手され始めた領域であり、鷹書そのものの資料紹介や位置づけがなされていないものが多くあった。こうした現状を踏まえ、本年はこれまで調査した資料の紹介を積極的に行った。これらにより、鷹書研究の基盤形成に寄与できたものと考えている。
著者
遠藤 保子 八村 広三郎 小島 一成 崔 雄
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

無文字社会であったアフリカにおける身体芸術(特にダンス)の研究は、舞踊の原点を知る上で重要である。またジャズやブルースの誕生に深くかかわっているため、現在の芸術を知る上でも必要である。そこで本研究は、アフリカの身体芸術とアフリカの今日の社会に焦点をあてて以下を行った。I研究目的:I・1.アフリカ(特にナイジェリアとケニア)における身体芸術と文化社会の現状I・2.身体芸術をモーションキャプチャによる記録・解析I・3.2の動作特性と文化・社会との関連性とその意味・構造を明らかにする。II研究方法:II・1.アフリカに関する文献研究II・2.アフリカにおける文化人類学的フィールドワークII・3.アフリカ人ダンサー(日本へ招聘)によるダンスのデジタル記録・解析である。III研究対象:III・1.ナイジェリアの代表的な舞踊:Kabulu,Bata,Maliki,Swange,Iri-Agha(ナイジェリア国立舞踊団抽出)III・2.ケニアの代表的な舞踊:Gonda,Orutu,Borana,Sukuti,SamburuSengenya,Kikuyu(ボーマス・オブ・ケニア抽出)である。IVモーションキャプチャの記録プロセス:立命館大学アート・リサーチセンターにおける光学式モーションキャプチャを利用してIV・1.カメラ設置IV・2.キャリブレーションIV・3.被験者にマーカー付着IV・4.計測IV・5.データ編集を行った。V研究結果の主な点:V・1.トルソー(肩と腰)の動かし方に特徴が見られるV・2.ダンスの熟練と非熟練者の違いは、トルソーの動かし方にみられる等。本研究は、現地のダンサーやダンス関係者にコンピュータ解析によって新しい見方を可能するなど、有益であると思われる。
著者
森田 真樹
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究の最終年度である本年は、研究計画にしたがって、研究の総まとめとして、米国及びカナダの教科書や諸資料の補足的収集、資料の整理と分析を主に行った。本研究の遂行において、米国と比べ、カナダ関係の教科書や文献の収集が予想以上に難しく、カナダの歴史教育や教科書分析が予定よりも遅れてしまったが、昨年度末に実施した、トロント大学やブリティッシュ・コロンビア大学等での資料収集活動を中心としてカナダでの現地調査とその後の資料収集で、ある程度の資料を分析することができた。また、カナダは、州ごとに教育制度が異なっており、社会系教科のカリキュラム構成も多様であるため、州カリキュラムの収集・分析にも着手した。本年度は、主に後半で、米国とカナダの比較を行い、同様に多文化社会であり、多文化主義が浸透している両国において、類似する内容や構成の方法をとる部分もあるが、主流派の歴史に、補足的に少数派の歴史が加えられることが多い米国に対して、カナダの場合は、より積極的に多文化社会を作り上げていこうとする内容が組み込まれていることが分かった。加えて、本年度は、本研究の我が国への応用可能性について検討する過程で、アジアカップでの、いわゆる中国人サポーター問題が起こったこともあり、それらについても検討を進めた。我が国の研究の進展のためにも、カナダ社会科(とくに、歴史教育)の本格的な検討が重要となることも分かり、今度も継続して研究を進めていく必要があると考えている。なお、本年度は、予定していた資料の入手に時間がかかったことなど、諸般の事情により、予定していた学会報告などができなかったが、関連する論文が投稿中であるのに加え、三年間の研究の成果のまとめを、来年度の早い段階で学会報告及び論文投稿できるよう準備している。
著者
松本 克美
出版者
立命館大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

児童期の性的虐待被害者の支援と時効法改革に関して平成27年度に行った海外調査(ドイツ、韓国)をふまえて、日本との比較における意義、日本法への示唆、立法改革案を整理して、韓国圓光大学ロースクールでのシンポジウムでの報告(平成27年5月)、日本ドイツ学会での報告(同年6月)、東アジア法心理学会での報告(10月)、日本法と心理学会での報告(10月)、日本ジェンダー法学会での報告(12月)にて口頭報告を行った。また平成28年2月にはドイツ、3月には韓国、アメリカで調査を行い、児童期の性的虐待被害の支援システム、NPO法人の関わり、時効法改革に関する刑事法研究者、裁判官、弁護士などの意見などを聞くことができた。ドイツでは民事の消滅時効、刑事の公訴時効ともに、児童期に被った性的被害に関しては、被害者が50歳程度になるまでは、時効が完成しない法改革が実現しており、権利行使や刑事告訴が困難なこの被害の特質への配慮がなされている。また、韓国では、児童期の性的虐待被害については公訴時効が廃止される改革がなされている。アメリカでも州によっては公訴時効を廃止するなどの特別な配慮がなされている。日本では、平成27年3月31日に民法の一部改正案が提出され、そこでは、時効法改革も提案されているが、児童期の性的虐待被害に関する特別な配慮はなされておらず、問題である。こうした問題点を比較法的に明らかにし、日本でも時効法改革に特別な配慮を行うべきことを,後掲の様々な学会報告や論文等の形で公表した。
著者
田原 憲和 齊藤 公輔 神谷 健一 鈴木 智 鈴木 智 池谷 尚美
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本課題においては、ドイツ語授業にどのような形でプロジェクト授業を導入することができるのか、その際の評価方法をどうするのかという点について研究と実践を重ねてきた。その結果、評価の観点と到達目標を明示したルーブリック評価法を導入することが重要であるという結論に達した。その際、授業そのものの目標と授業内プロジェクトの目標を一致させることが、より効果的なプロジェクト授業のために重要であることも判明した。
著者
櫻井 悟史
出版者
立命館大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

研究実施計画[A]にある、単著『死刑執行人の日本史-歴史社会学からの接近』についてのアウトリーチ活動の成果として、青弓社HPの『原稿の余白に』コーナーに、「殺人と<殺人>-『死刑執行人の日本史-歴史社会学からの接近』を書いて」と題したエッセイを書いたこと、立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点HPの『研究の現場』コーナーに「死刑執行を思考する」と題したエッセイを日本語と英語で書いたことが挙げられる。研究実施計画[B]に挙げた、立命館大学大学院先端総合学術研究科公募研究会「歴史社会学研究会」の成果として、『歴史から現在への学際的アプローチ』を刊行し、その中で、「死刑執行方法の変遷と物理的/感情的距離の関係」と題する論文を書いた。ここでは、受刑者の物理的苦痛を減らすことで、執行する側の精神的苦痛をも軽減しようとしてきたアメリカ合衆国や中国にみられるような「文明化」とは違い、日本ではもっぱら執行する側の精神的苦痛の軽減だけを模索することで死刑執行方法が変遷してきたため、その変遷を「文明化」という枠組みだけでとらえることはできないことを、実際の日本の死刑執行方法の細かな変遷を歴史的に追うことで明らかにした。また、そこから現在の日本では、殺人から物理的にも感情的にも距離をとることで、殺人に対する抵抗感が極端に低いなか死刑執行がなされている可能性があり、このことを批判的にとらえるためにも、森巣博の死刑廃止論を再評価する必要があることも示した。研究実施計画[C]にある聴覚障害者支援についての研究成果としては、『聴覚障害者情報保障論-コミュニケーションを巡る技術・制度・思想の課題』を刊行したことが挙げられる。以上の計画とは別に、生活書院が発行する雑誌『生存学』にカフカの『流刑地にて』の読解を通じて、現行の死刑廃止論を批判する論考「殺人機械の誘惑」を執筆した。
著者
中本 大 黒木 祥子 二本松 泰子 山本 一
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

4年間の研究期間において約850点の鷹書類のマイクロフィルムや画像データを蒐集し、それらの翻刻・注釈作業を通して各テキストが持つ意義や価値について明らかにした。また、これらの鷹書類をデータベース化して、各書の特性が一覧できるように整理・分類するための基礎作業も一通り達成した。その作業の過程において奥書などの書誌データを基に、それぞれの鷹書類の成立過程や流布・伝来の状況についても一定の解明ができた。
著者
山崎 優子 石崎 千景
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、市民の死刑に対する態度(賛成、反対)を形成する心的メカニズムを明らかにすることである。本研究の主要な成果は下記のとおりである。質問紙およびディスカッションによるデータ収集を行い、死刑賛否の理由17項目を抽出した(研究1)。また、質問紙調査を行い、個人の特性に由来する内的要因(たとえば、権威主義傾向)と社会的要因(たとえば体感治安)を考慮した死刑賛否に至るモデルを構築した(研究2)。さらに、死刑制度に関する正しい知識を与えた前後で、死刑賛否に関するモデルが異なること(研究3)、死刑賛否に影響する要因と裁判員裁判の死刑判決に影響する要因が必ずしも一致しないこと(研究4)を示した。
著者
秦 劼
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究課題は証券市場における投資家の行動と情報のあり方を分析し、株価暴落の仕組みの解明を目指します。本年度は投資家のリスク回避度と市場の情報非対称性を中心に考察を行いました。ひとつは、個人が証券を取引する際に、リスクに対してどのような態度を取っているのかを、実験に通して調べました。証券投資にはさまざまなリスクが伴い、投資家のリスクに対する態度は彼からの投資行動に大きな影響を与えます。特に、株価下落が続くと、個人投資家のリスク回避度が急速に高まり、クラッシュに繋がる可能性があります。そこで、大阪大学および中国の復旦大学の関連分野の学者の協力を得て、リスク回避度に関する実験を2005年3月に中国上海で行い、被験者たちのリスク回避度やそれに影響を与える思われる要因についてデータを収集しました。今年度は実験で採集したデータを翻訳、整理、集計し、リスク回避度に影響を与える諸要因を分析しました。もうひとつは、証券市場の情報のあり方が価格形成と市場の流動性に対する影響を考察したものです。従来の証券価格理論は情報の完全性を前提にしていますが、現実の市場では、情報が非対称であり、取引に通じてさまざまな情報が価格に織り込まれていきます。情報のあり方と価格に反映されていくプロセスは、証券市場での価格形成、流動性、安定性と深くかかわっています。本研究課題は、市場参加者の間に非対称情報が存在する場合の取引モデルを構築しました。均衡における最適注文ルールと価格関数を導き、それを用いて市場の流動性と非対称情報の関係を調べました。さらに非対称情報と株価暴落の関連性について分析しました。上記の研究予想より時間がかかり、2005年度中の公表には間に合わず、2006年度中に学術誌に投稿する予定です。
著者
矢野 亮
出版者
立命館大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

平成22年度は、長期間に渡る資料調査を実施し、機密性の高い文書や資料にアクセスし、希少なリソースに到達した点については何よりの研究成果であった。具体的には、次の各時代区分に応じた詳細な資料収集と整理、分析を行ってきた。(1)1945年~1960年:大阪における融和運動とその事業展開の実際の状況について、とりわけ戦前・戦時に関する第一次資料(約700点)の収集と整理に終始した。その成果の一部として、拙著,「被差別部落における/をめぐる政策的展開と当事者運動に関する生活史研究」,セルフ社,2011年8月[予定]がある。(2)1960年~1970年;当時の資源配分に大きく関連する隣保事業について、全国隣保館協議会の諸資料を調査し当時の実情の把握を行った。これは平成22年度以降の立命館大学G-COEプログラム「生存学」創生拠点HPに掲載してきた。(3)1970年~1980年;特にここでは同和対策の資源配分が問題となる。これら同和対策をめぐる諸資料(約1800点)もすでに収集し分析を行っている。この成果物として、拙稿,「同和政策の歴史社会学--1970年代・1980年代を中心に--(仮題)」,天田・堀田・村上・山本編『差異の繋争点(仮題)』,出版社未定,2012年[予定]がある。(4)1980年~2000年;上記の時期の資料に加え、大阪市内における隣保事業及び同和事業の実施機関の一次資料の解読・分析を行ってきた。そこでは他の運動や他施策との関係性についても具体的に明らかとなってきた。その経過の一部として、「マイノリティ関連文献・資料/関連年表」と「大阪の部落問題関係資料」として上記HP(上掲)に掲載している。収集してきた文献・資料(約1800点)については言説分析を行い、成果物として、拙稿,「住吉部落をめぐる社会調査史(仮題)」,住吉隣保館編『住吉部落の歴史』出版社未定,2012年10月がある。また論文として所属学会誌等に投稿予定である。(5)2000年~現在:以上の研究の蓄積を踏まえた上で、その歴史的帰結について、拙稿,「大阪の同和政策における老いの位置--その政策的帰結(仮題)」,天田城介編『老いの政策と歴史(仮題)』,出版社未定,2012年[予定])にて分析結果を公表予定である。