著者
根来 篤 任 智美 梅本 匡則 阪上 雅史
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.35-40, 2006-04
被引用文献数
1

味覚障害の診断において、亜鉛欠乏が原因となっているものは少なくない。今回、亜鉛欠乏性味覚障害例と健常例の舌乳頭を観察・比較し、亜鉛と舌乳頭形態の相関を検討した。舌乳頭観察にはUSBマクロスコープとコンタクトエンドスコープを用いた。茸状乳頭の形態、末梢血管流入の様子を分類、検討した結果、健常例では舌乳頭形態が卵円形で粘膜も薄く、末梢血管流入も良好であったのに対し、亜鉛欠乏性味覚障害例では、舌乳頭形態の扁平化、末梢血管流入の途絶などを認めた。今回の検討のみで、亜鉛と舌乳頭形態の相関を結論付けることはできないが、動物実験の結果と同様に何らかの相関があると考えられた。
著者
石田 等 川上 用一 高橋 宏典 関本 利一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.97, no.481, pp.43-47, 1998-01-22

マクロストリップ線路は、無線通信機器の回路構成要素として広く用いられている。しかし、この線路は、周波数が高くなると、電磁波の伝搬速度が周波数に対し独立で無くなる。この現象は、マクロストリップ線路の分散特性として広く知られている。我々は、E-Oプローバを用いて、線路上を伝わる進行電磁波の位相定数と減衰定数を直接観測した。これらの測定定数から、実効比誘電率 (波長短縮率) および伝送損失が解析的に求められる事を示した。PTFEとBTレジンの波長短縮率の周波数依存性を求めた。
著者
大藤 弘明 赤井 純治
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.103-110, 2005-03-25

20面体構造をとる物質は自然界において極めて稀である.また,並進対称を満たさない5回対称軸を伴うため,鉱物(単結晶)においても原則的に禁じられた構造である.しかし近年,堆積岩中などに広く産するフランボイダルパイライト(黄鉄鉱の木苺状集合体)中から20面体の対称を示すドメイン構造が見出された.本論では,その特異な構造について概説するとともに,天然・合成物質における類似構造体との比較検討を行った.フランボイダルパイライトにおける20面体構造は,中心で頂点を共有して集合した20個の四面体ユニットより構成される.各ユニット内において,マイクロクリスタルは互いの結晶方位を共有し,立方パッキングを形成している.このような多粒子の緻密な集合によって造られる20面体構造は,天然においても他に例がなく,ミクロスケールにおける鉱物の結晶化の新たな一面を示しているといえる.一方,実験合成物,特にクラスターなどのナノスケールの物質においては,20面体パッキング構造は比較的普通に認められる.特に,構成粒子のサイズ,属性こそ大きく異なるが,Au微粒子などに代表される多重双晶粒子と20面体型フランボイダルパイライトとの間に,構造的な共通点が多く認められた.この事実は,ナノスケールからミクロスケール,さらにはマクロスケールに至るまでの微粒子の一連の挙動,クラスターの形成から粒子の成長,結晶相への転移など,を理解する上でも重要な手がかりとなる可能性がある.
著者
稲富 裕光 王 躍 菊池 正則 中村 龍太 内田 祐樹 神保 至
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-18, 2005-03

本報告では,半導体結晶の溶液成長過程における以下の研究成果を述べる.(1)半導体結晶の溶液成長過程における固液界面の形態変化に及ぼす基板結晶の面方位の影響を調べるために近赤外顕微鏡を使ったその場観察実験が実施された.その結果,対流を抑制することでGaP/GaP成長界面のステップカイネティクス係数の面方位依存性が得られ,結晶成長時におけるマクロステップの挙動が評価された.また,GaAs_xP_<1-x>/GaPヘテロLPE 成長初期の固液界面の表面形態変化が基板表面の面方位依存性の視点から議論された.(2)静磁場THM 法によりTe 溶液から育成したCdZnTe 結晶の成長界面が急冷法によって調べられた.その結果,浮力対流を抑制することで速い引き下げ速度でも良質なCdZnTe 成長結晶を得られることを示した.
著者
大川 丈男 松尾 浩一 細野 光治
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.188-191, 2007-04-01

1980年代から始まった図書館をシステム化するという波は,大型汎用コンピュータによる一極集中処理の形態から,データベース機能,業務処理機能,検索機能(OPAC)等を機能分けしたクライアント・サーバーシステムに移り,現在ではインターネット上にOPACを公開し, Webを通じていつでもどこからでも図書館が持つ情報にアクセスできる状況に至っている。これらの流れの中でコンピュータ技術者として実際に図書館システムの日本語化に携わった側面から,グローバル・スタンダードの大切さ特に文字コードの標準化や,またWebが主流となった情報検索の世界で図書館が果かす役割などを昔の苦労を振り返りつつ述べる。
著者
白松 利也 栗田 昌幸 三宅 晃司 SUK Mike 大木 聡 田中 秀明 三枝 省三
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2005, no.5, pp.285-286, 2005-09-18

In order to realize ultra-low flying heights, magnetic spacing variations due to manufacturing tolerances, environmental variations, and write-induced thermal protrusion need to be reduced. To decrease the flying height, we have developed a thermal flying-height control (TFC) slider that carries a micro-thermal actuator. Using the device, the magnetic spacing of these sliders can be controlled in-situ during operation of the drive. First prototype had shown insufficient characteristics when evaluated at a component-level prototype. Therefore, the purpose of this research is to verify drive-level feasibility and better actuator characteristics. After analytical design by simulation of heat transfer and thermal deformation, second type of TFC device was fabricated. Component level evaluation showed sufficient actuator characteristics that met the requirements leading to the development of drives with controllable flying-height sliders. Drive level evaluation showed its effectiveness in reducing the magnetic spacing.
著者
近藤 邦康
出版者
大東文化大学
雑誌
IICPSニューズ・レター (ISSN:13493116)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.15-18, 2005-03

2003年度に「グローバル・スタディーズ」班で行われた、拙著『毛沢東 実践と思想』(岩波書店、2003年7月) の合評会と、「IICPSニューズ・レター」No. 13に掲載された内田健二班員の書評をふまえて、2004年に日中学術交流を通じて知った中国の毛沢東研究の動向を紹介し論評して、班活動の報告に代えさせていただきたい。
著者
木坂 正志
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
「運動と振動の制御」シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, no.9, pp.7-9, 2005-08-22

To suppress external vibration for a hard disk drive shock sensor feed forward techniques are proposed. To design the feedforward controller phase approximation is important. In this paper a method to design a Finite Response Filter (FIR) type controller with phase constraint is proposed. The result is compared with the method which does not use the phase constraint. For the filter with small order the proposed method can approximate the phase better.
著者
林 明徳 寺嶋 正己
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.146-147, 1990-09-04

バス運賃を正確かつ迅速に収受するために、パス運賃箱に整理券番号読取り機能を付加する必要が出てきた。整理券番号はポーラスラバー方式のゴム印で印字されているが、印字品質を安定させることが難しく、極端に印字濃度が淡いものから、濃すぎて汚れがひどく文字が滲んだものまである。こうした印字品質の低い整理券番号を自動的に認識することは難しく、刻印文字の認識に関する研究報告があるものの、この分野での研究報告は少ない。本稿では、こうした印字品質の安定しない整理券に対して、印字品質の状態を定量的に把握する方法と、印字状態に応じた射影/画素の操作を行い、番号を精度良く切出し、認識する方法を提案し、評価試験結果も含めて報告する。
著者
上村 郷志 稗圃 泰彦 小頭 秀行 中村 元
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.22, pp.83-88, 2009-04-30
被引用文献数
2

テレビ・ラジオ番組など特定のイベントを契機として,一斉かつ大量のアクセス要求が発生する事象が増加している.これらのアクセス要求は,時間的集中度が極めて高いため,要求を受け付けるエンドサーバの負荷を急激に増大させ,当該サーバの不安定動作あるいはシステムダウンを引き起こしうる.この問題に対して,筆者らは,エンドサーバの前段に設置したアクセスパスサーバにおいて制御情報を記載した整理券を発行し,ユーザの発信タイミングを遅延させることによって,エンドサーバの同時接続セッション数を所望の値以下に制御するアクセス制御システムを提案している.しかしながら,当該システムでは,平均サービス時間に基づき制御情報を算出するため,個々のユーザ端末におけるサービス時間が平均サービス時間と一致しない場合,所望の制御を実現できない問題があった.そこで,本稿では,エンドサーバにおけるサービス時間の確率密度関数に基づくアクセス制御システムを提案し,その制御効果について検証を行った結果を示す.
著者
楪 博行
出版者
京都文教大学
雑誌
人間学研究
巻号頁・発行日
vol.7, pp.63-74, 2006

1990年代から大規模不法行為クラスアクションの乱用として、不公平な和解と代理人の高額な報酬が指摘されてきた。このために、連邦議会は2005年にクラスアクション公正法を通過させ、当事者間の州籍相違要件緩和と訴額要件を規定して、連邦裁判所の州籍相違管轄権を拡大した。また、公正法が目指したクーポンの類による和解への規制は、かような和解を行うに際し連邦裁判所に公正な審尋を要求することになった。クラスアクションの現状を是正しようとした結果、管轄権の拡大と和解への精緻な審査を要求し、連邦裁判所へより多くのクラスアクション処理の負担を招くことになったわけである。
著者
栃木 達夫 西村 洋介 福崎 篤 吉川 和行 星 宣次 棚橋 善克 折笠 精一 今井 克忠
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.76, no.9, pp.1357-1367, 1985-09-20

81例の膀胱移行上皮癌に内視鏡的膀胱内写真撮影を行なった.それらを腫瘍表面の形状に基き,内視鏡的に6型に分類し,膀胱癌取扱い規約1)に従って,種々の角度から検討を加えた.その結果,膀胱移行上皮癌の組織構築の違いより生ずる腫瘍の内視鏡的増殖様式の相違は,その腫瘍の発育進展様式や浸潤速度等と密接な関係を有し,予後に深く関係していることが明らかとなった.すなわち,いそぎんちゃく状やいくら状の増殖様式を示すいわゆる乳頭状腫瘍は,一般に,腫瘍が大きくなるに従い,又は,再発をくり返すうちに下方(壁内)浸潤発育癌となるのに対し,表面平滑な結節状の増殖様式を示すあんぱん状とでも言うべき腫瘍は,早期から下方(壁内)浸潤発育を伴うと考えられた.一方,臨床的には,乳頭状ともあんぱん状とも言えぬ,いちご状とでも表現すべき増殖様式を示す腫瘍があり,この腫瘍は,乳頭状腫瘍とあんぱん状腫瘍の中間的又は混合した性質をもつと思われた.以上のことから,我々は,組織構築を重視する山田らの分類を参考にして,臨床的立場から,膀胱移行上皮癌の新しい内視鏡的分類を提唱した.