著者
高橋 俊也 渡辺 菊眞 布野 修司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.637, pp.635-641, 2009-03-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The purpose of this study is to consider the spatial quality of the environment around cemeteries in Kyoto based on the analysis of the transformation process of urban space on Rendaino area. Since the ancient times, ‘Rendaino’ which located in the urban periphery had been a funeral area on the hillside of Mt.Hidaridaimonji. Rendaino area was very different from the inner urban area of Kyoto in terms of spatial and cultural quality, but those two areas have long been interrelated with each other. Rendaino area, where many cemeteries, ancient tumbs, shrines and temples are located in had been greatly changed with the process of so-called modernization from Meiji Restoration. This paper clarifies the changing process of land uses of Rendaino area based on the field survey. This paper concludes that the environmental changes around cemeteries, ancient tumb, shrines and temples brought the deterioration of spatial quality of Rendaino area.
著者
渡邊 麻里
出版者
文化資源学会
雑誌
文化資源学 (ISSN:18807232)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.17-33, 2018 (Released:2019-07-12)
参考文献数
38

1975年、歌舞伎座において、日本人のための日本語による、同時解説イヤホンガイドが導入された。現在、イヤホンガイドは歌舞伎公演に定着し、多くの観客が利用するようになり、歌舞伎において重要な地位を占めている。しかし、イヤホンガイドの実態や、誕生の経緯とその目的は、これまで明らかになっていない。そこで本稿では、イヤホンガイドの歴史を振り返り、歌舞伎におけるイヤホンガイドとは如何なるものかを改めて考えるため、1960年の歌舞伎アメリカ公演の際に導入された、イヤホンを用いた同時通訳に着目した。 この同時通訳は、当時ニューヨーク・シティ・バレエの総支配人であり、アメリカ公演で重要な役割を果たしたリンカーン・カースティンの発案によるものである。1960年以前、同時通訳は国際会議では利用されていたものの、舞台芸術においては、同時通訳ではなく、パンフレットや開幕前及び休憩時間における解説が主流であった。それでは何故、アメリカ公演において、歌舞伎に同時通訳が導入されたのか。その目的と経緯を、歌舞伎公演の前年の1959年に行われ、カースティンが関わった雅楽アメリカ公演や、歌舞伎アメリカ公演における演目選定を通して考える。また、アメリカ公演の同時通訳は、ドナルド・リチーと渡辺美代子の二人の通訳者により行われ、その同時通訳台本が残されている。この台本をもとに、当時上演された『仮名手本忠臣蔵』と『娘道成寺』の二つを取り上げ、同時通訳の内容がいかなるものであったのかを考察してゆく。
著者
平野 綾 奥平 奈保子 金井 日菜子 峯下 圭子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.418-427, 2010-09-30 (Released:2011-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

単語の復唱・音読は良好だが呼称時のみ音韻探索が著明で,多彩な錯語を呈した流暢型失語の 1 例を報告した。症例は 69 歳,右利き女性,高校卒。左側頭─頭頂葉の脳梗塞で中重度流暢型失語を発症,会話時ほとんど錯語はなく流暢に話すが,指示代名詞の多い空虚な発話だった。呼称時の誤反応を,語彙性,意味的関連性,音韻的関連性の観点から,意味性・無関連・形式性・混合性・音韻性錯語および新造語の 6 つに分類した結果,これらすべての種類の反応が認められた。特に,音節・韻律構造といった語の「枠組み」が保たれた非単語が多数認められた点が特徴的で,これらは,語の音韻形式のうち音節・韻律情報に比べて音素情報が得にくく,回収された語の枠組みを埋めようと音素を探索する過程で表出されたと考えられた。また,形式性錯語や,複数語彙が混合したと思われる非単語が認められたことから,語選択における語彙レベルと音韻レベルの相互的な影響も示唆された。
著者
北村 和子 池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.135-145, 2011-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
6

生命科学で使用される学術語の内、語源がギリシャ語と認められる語を抽出し、語の由来とその意味を示した。猶、各用語は生命科学領域の専門用語なので、学術語に関する説明を加えている。各用語の関連語についても語源を調べた。 本報では生命科学用語115語について語源を記している。

11 0 0 0 OA 酒精篇

著者
西川麻五郎 著
出版者
高崎修助
巻号頁・発行日
1886

689 0 0 0 OA 顔ニューロン

著者
山根 茂
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.694, 1994 (Released:2016-03-19)
著者
塩見 尚礼 近藤 雄二 小道 広隆 片野 智子 宮沢 一博 原田 佐智夫 稲葉 征四郎 上田 泰章 今井 俊介
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.1592-1596, 1996-07-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
6

豊胸術後に発生した稀な乳癌の3例を経験した.症例1は43歳の女性.豊胸術後11年目に外傷にてシリコンバッグ破裂.以来乳腺腫瘤の生検を繰り返され, 3年後に乳癌と診断され,左Brp+Ax,広背筋皮弁移植を行った.症例2は56歳の女性,豊胸術後24年目に右腋窩リンパ節腫脹を認め,自潰してきたため当院受診.多発性骨転移を認める進行例であった.術前化学療法を行った後両側Brt-Axを施行した.症例3は66歳の女性.豊胸術後28年目に左乳房緊張感を主訴に受診.腫瘍摘出術にて乳癌と診断されBrt+Axを施行した.豊胸術後の乳癌は本邦では1970年以来37例の論文報告をみるに過ぎず.稀な疾患である.自験例3例を含め,文献的考察を加えて報告した.
著者
真柴 裕人
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.198-201, 1984-03-01 (Released:2010-09-09)
参考文献数
3

47 0 0 0 OA 社会と行為

著者
落合 仁司
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.117-125, 2015 (Released:2016-07-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1

社会構造と個人行為の因果関係は,社会学の根本問題で在り続けて来た.いわゆるコールマン・ボートは,この社会構造と個人行為の因果関係を適切に図式化している.本論は社会構造を多様体で,個人行為を微分形式で表現することにより,コールマン・ボートの微分幾何モデルを構成する.このとき社会構造が個人行為を規定すると考える方法論的集合主義と,個人行為が社会構造を規定すると考える方法論的個人主義は,各々,社会構造の圏,マクロ圏と個人行為の圏,ミクロ圏との間の関手と見ることが出来る.これより多様体上の微分形式の積分に関するストークスの定理を用いて,マクロ圏とミクロ圏は同値であることが証明され,方法論的集合主義と方法論的個人主義はいずれも正しく同値であることが帰結する.
著者
瀧本 彩加 堀 裕亮 藤田 和生
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.141-153, 2011 (Released:2011-12-19)
参考文献数
72
被引用文献数
8 2

Horses (Equus caballus) have lived with humans for over 5500 years. Despite this, their cognitive abilities have not received much research attention compared with those of dogs (Canis familiaris), probably because horses are not as familiar to humans as dogs and have been considered to be difficult to test. Recent studies, however, have revealed their sophisticated social cognitive abilities with regard to both conspecifics and humans. In this paper we first describe fundamental characteristics of horse perception and horse sociality. Then, we review horses' learning and cognitive abilities, especially social cognitive abilities shown among conspecifics and in the horse-human relationship. Several studies have provided evidence that horses possess sensitivity to human-given cues and attentional states. Future studies should investigate ontogeny of horses' cognition and the influence of effects including training history and the exposure to humans, and possibly test how such cognition is supported by genetics.
著者
山極 寿一 バサボセ カニュニ
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第21回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.46, 2005 (Released:2005-06-07)

これまで、ゴリラの食性をめぐって典型的な葉食者(マウンテンゴリラ)と季節的な果実食者(ニシローランドゴリラ)という二つの異なる特徴が知られている。この食性の相違は環境条件(山地林と低地熱帯雨林)を反映しているので、どちらがゴリラにとって主要な特性なのか、なかなか見極めることが難しい。私たちがここ10数年にわたって継続調査をしているコンゴ民主共和国カフジ・ビエガ国立公園のヒガシローランドゴリラは、ちょうど両植生帯の中間に当たり、1年のうちの短い期間果実が豊富に実る。ゴリラは好む果実が得られる時期は果実をよく食べ、少なくなると葉や樹皮など繊維質の食物を多く食べる。しかし、毎日寝場所から次の寝場所までゴリラ1集団の新しい通跡をたどってみると、果実の有無に関係なく年間を通して摂取している葉と樹皮が数種類あることがわかった。さらに、1日に集団で採食する食物の種類数にはほとんど月間変化が認められなかった。また、ゴリラは果実期になると遊動距離を伸ばして多くの果樹を渡り歩く傾向があった。これは、特定の果樹を繰り返し利用するチンパンジーとは対照的な特徴であり、主要な葉や樹皮を摂取する必要性から生じていると考えられる。これらの観察から、ゴリラは「果実を好む葉食者」と見なすべきである。