著者
平山 敏弘
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.685-699, 2018-07-15

2014年の情報処理推進機構(IPA)調査「情報セキュリティ人材育成に関する基礎調査」の試算によれば,国内企業において,情報セキュリティ人材は約8万人と大幅に不足しており,さらに約16万人がスキル不足との調査結果が出ている.情報セキュリティ人材の育成は急務であると多方面で叫ばれているが,不足の8万人はすべて共通のスキルを求められているわけではなく,CISO(最高情報セキュリティ責任者)からホワイトハッカーや現場担当者までさまざまである.新聞やインターネット上の報道などでは,東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年までの情報セキュリティ人材不足が指摘され,経済産業省の調査では,東京オリンピック・パラリンピック終了後の2030年においても情報セキュリティ人材不足の問題は引き続き深刻化が予測される.今後も産業界全体において情報セキュリティ人材が非常に重要な役割を担うことが強く期待されている.本稿では情報セキュリティ人材像とはいかにあるべきかについての考察と多様性を求められるその育成方法について述べる.
著者
宮坂 健寛 水野 慎士 渡辺 英治
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.603-604, 2016-03-10

魚に関する研究の中で視覚の仕組みに関するものがある。本研究では魚の立体知覚の仕組みに関する研究の補助を目的とし、運動視差立体視を用いた視覚機能解析システムの提案と開発を行う。 本システムでは2台のカメラとスネルの法則を用い、水槽中を泳ぐ魚に対し屈折を考慮した3次元位置算出を行う。算出された座標を元に運動視差立体視映像を生成し、水槽底面に配置したディスプレイに映像を表示する。その際に魚が映像を知覚するのか判別を行う。魚が運動視差立体視を用いて立体知覚を行っているのであれば、本システムにより生成された映像を知覚し反応を示すことが期待される。
著者
太田 和彦 神崎 宣次 谷口 彩
出版者
象灯舎
巻号頁・発行日
pp.[1]-58, 2021-02-10

応用哲学会サマースクール「フードスケープをつなぐ」日付:2019年9月場所:総合地球環境学研究所(京都)
著者
井藤 元 山下 恭平 徳永 英司 GEN ITO Kyohei Yamashita Eiji Tokunaga
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.4, pp.31-40, 2019-03-29

本研究はシュタイナー教育の意義を科学的アプローチによって明らかにすることを目指すものである。具体的には本論考において、シュタイナー教育独自の実践である「フォルメン線描(Formenzeichnen)」の意義を線描実践者の脳波測定によって明らかにしてゆくが、ここでは問題を絞りこみ、画用紙上で行った場合とデジタルペンタブレット上で行った場合の脳波の違いを検討する。シュタイナー学校におけるフォルメン線描は通常、画用紙上で行われるものであるが、それをデジタルペンタブレットで行った場合、実践者の脳波がいかなる状態にあるか分析を試みた。
著者
高橋 義人
出版者
平安女学院大学
雑誌
平安女学院大学研究年報 = Heian Jogakuin University Journal (ISSN:1346227X)
巻号頁・発行日
no.19, pp.1-10, 2019-03

建国以来の歴史が浅く「新しい国」であったアメリカには、20 世紀に入ってからも「アメリカ音楽文化」と呼べるようなものがまだわずかしか存在していなかった。アメリカを政治的にのみならず文化的にも「大国」にするために、アメリカ独自の音楽文化を育てることは喫緊の課題だった。その契機のひとつをなしたのが、レハールのオペレッタ『メリー・ウィドウ』のアメリカ上演(1906 年)だった。その爆発的人気をもとに、1934 年、『メリー・ウィドウ』はエルンスト・ルビッチ監督によって映画化され、オペレッタのアメリカ化が行われた。本稿は、18 世紀前半のイタリアにおけるオペラ・ブッファから、19 世紀後半~20 世紀初頭のヴィーンにおけるオペレッタを経て、20 世紀半ばに与えられたアメリカでミュージカルが誕生するまでの喜歌劇の歴史をたどりつつ、アメリカン・ミュージカルに与えられた課題を探る。
著者
本村 健太
出版者
岩手大学教育学部
雑誌
岩手大学教育学部研究年報 (ISSN:03677370)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.17-32, 2012-03-10

本研究は,平成23年度科学研究費補助金基盤研究(C)による研究課題「インタラクティブ映像メディア表現の構成学的研究」によるものである.ここでは,科学研究費補助金による初年度の研究であることから,本研究代表者である筆者がこれまで実施してきた事例研究を総括しつつ,次年度以降の研究計画における展開のための基礎固めとしたい. 本研究の意義は,今日の日常生活において多様な視覚表現情報の送受信が増大しており,表現領域の側からの「ヴィジュアル・カルチャー」(視覚文化)研究がますます重要となってきていることにある.そうしたことから,特に映像における視覚表現の構成学的な基礎研究として,その美的構造を確認することが本研究の主な目的となっている.さらに研究対象を特定するならば,「インタラクティブ映像メディア表現」と称したように,何らかの作用に反応する新たな映像表現のあり方について主に考察することになる. このような今日的なインタラクティブ映像表現の特徴の一つに,その時その場で映像を紡ぎ出していく「VJ」(ヴィジュアル・ジョッキー)による表現がある.これまで「VJing」(VJ をすること,すなわちVJ 表現)のようなライブ映像演出についての学術的考察は,芸術学及び構成学研究の領域においても未だ十分な論考がなされていない状況1)が続いた.特にVJ 表現の成立要件,造形原理,そのメディアアートとしての可能性については,実践的な内容を伴った芸術学的(構成学的)考察がさらに深まっていくことが望まれる.これから筆者によるVJ表現からメディアアートへという展開の実践事例を踏まえつつ,基礎的な造形要素を吟味したい.