著者
高野 邦彦 佐野 甲癸
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.37-42, 2002 (Released:2003-10-09)
参考文献数
9

動画ホログラフィは液晶パネルや音響光学素子を用いて,ホログラム像を動画として表示する手法である.これをカラー再生に応用する手法としては,RGB三色のレーザを用いることが一般的であったため,光学系が複雑となっていた.白色レーザは,同一光軸上でRGBの三色光を同時発振するため,装置の単純化に対して有効である.そこで,本論文では白色レーザを用いた動画ホログラフィカラー再生法について考察する.提案手法ではカラー再生法に見られる特有の結像位置のずれ,およびゴーストの影響について検討を行っている.白色レーザを用いることで,白色光再生に比べてボケの影響の少ないカラー再生像が得られることを明らかにする.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1282, pp.106-108, 2005-03-07

その瞬間、カネボウ社長(当時、現会長)の中嶋章義は「試されている」と感じた。 2日前、出張中に鳴った携帯電話が急を告げた。「産業再生機構がカネボウに常駐者を置くように言っています。明後日、本人が来るそうです」。役員の1人が要件を伝えてきた。「通産省(現経済産業省)を退官した男らしい」。中嶋に届いた情報は、断片的なものだった。
著者
石川 洋 二木 厚吉 渡部 卓雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.98, no.295, pp.23-30, 1998-09-22
被引用文献数
3

並行システムの動作の詳細を把握するのは一般的には困難である.本研究では, 並行システムの例として有機的プログラミング言語GAEAをとりあげる.本言語は有機的プログラミングと呼ばれる新しいソフトウェア構築方法論に基づいておりプログラムの動的変更や並行処理が可能である.この言語はPrologを基礎としてるので並列論理型プログラミング言語と考えることができる.そこで本言語は並行システムとみなし, そのシステムの計算状態や動作の明示的な記述を試みている.その記述は状態を持つ並行システムの動的変化が表現可能な書き換え論理を用いて与えている.
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.782, pp.167-171, 2000-11-06
被引用文献数
1

「全自動洗濯機なのに,シャカシャカはないでしょ。そんなことお客さんにやらせるの?」「塩を使うってのもどうかなぁ。普通の人は,洗濯機に塩を入れるなんて言ったら,さびちゃうんじゃないかって疑うよ」 幹部席からの容赦ない攻撃が延々と続く。こうしたすべての指摘は,ある一点に集中していた。それは,デモで見せたイオン交換樹脂をリフレッシュするシーンだった(図1)。
著者
西山 麻夕美
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.894, pp.78-81, 2009-02-23

「ほんまにお友だちが多いお宅で、いつもお客さんが来てる」と話すのは、設計者のPLANETCreations関谷昌人建築設計アトリエ(奈良県大和郡山市)代表の関谷昌人氏。建て主は60代の川原治代氏。一緒に暮らす家族は、今年85歳になる母親、30代の娘、小学1年生の孫の、女ばかりの4世代だ。ここは以前、母親が一人暮らしをしていた場所で、川原氏も近くに住んでいた。
著者
吉田 企世子 森 敏 長谷川 和久 西沢 直子 熊沢 喜久雄
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.115-121, 1984-04-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1

有機質肥料 (OF) で栽培した露地トマト (品種サターン) と無機質肥料 (IF) で栽培したトマトの食味を比較するため官能検査を行なった結果, 各年ごとに傾向は必ずしも同じではなかった。1) 1980年度は, 3および5果房ともIF区よりOF区のほうが顕著に優れていると評価された。2) 81年度は, 3果房はOF区が優れていたが, 1および6果房ではあまり差がなかった。3) 82年度は, 3果房は明らかにOF区が優れていたが1,2,4~7および8果房には差がなかった。4) 各年とも3果房のOF区が優れていたが, これは養分吸収との関係で検討を要する。5) 色については, 官能検査で有意差が示された試料が, 必ずしも, 色調測定の結果示された傾向とは一致しなかった。
著者
永山 敏廣 小林 麻紀 伊藤 正子 田村 康宏 塩田 寛子 友松 俊夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.464-469_1, 1997-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
14

無農薬あるいは減農薬栽培農産物として東京都で市販されていた野菜類23品種114作物及び果実類7品種9作物について, 農薬の残留実態 (1988~1994年度) を調査した. 野菜類では9品種23作物からEPN, プロチオホスなどの有機リン系殺虫剤やTPN, プロシミドンなどの有機塩素系殺菌剤など, 13種類の農薬が検出された. また, 果実類では2種3作物から4種類の農薬が検出された. 食品衛生法の食品規格を超える検出例はなかった. 慣行栽培品に比較し, なす科作物で検出率及び検出量が低い傾向が認あられた. その他の作物では, 検出量はやや低かったが, 特に大きな差異は認められなかった.
著者
門松 正宏 原田 亮介
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1249, pp.58-61, 2004-07-05

問 今期は売上高、利益ともに過去最高を見込んでいます。デジタル家電と自動車という2大産業の好調に支えられ、快晴下で追い風を受けて進むヨットといった状況ですね。 答 全く快晴なんかではありませんよ(笑)。不安材料はたくさんあります。特にディスプレー用ガラス基板の事業は波が大きい。
著者
高木 浩一 高橋 克幸 上野 崇寿 秋山 雅裕 佐久川 貴志
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.202-215, 2011-03-25
参考文献数
29
被引用文献数
10

パルスパワーは,軍事や慣性核融合を目的に,世界中の発電電力規模の,大型な装置技術として発達してきた.このため,世に広く普及とまではいかず,限られた施設や研究グループのみで扱われてきた.しかし"ちょっとした"パルスパワー(ちょいパル?)が使えると便利なことも多い.水処理,殺菌,ナノパウダー,オゾン生成,きのこ増産,イオンドープ,食品保存,バイオ応用,医療応用など多くの場面で活用できる.また園児・児童・生徒を相手にしたサイエンス教室でも,100円かみなり,脱色やプラズマのデモなどに使用できる.ここでは,学術を少し離れ,簡単に,安価なパルスパワー発生回路を作ることに比重をおく.想定は,4.1,4.4節は理系コースの高校生(物理履修)が,4.2,4.3節は電気系大学生が作ることになる.ここで取り扱う回路は,電圧が数kV〜数十kV(数万ボルト)で,製造コストはお菓子の買える価格帯(100円程度)から高級家電(数十万)になる.
著者
森尾 友宏
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.267-267, 2014

原発性免疫不全症は,自然免疫系あるいは獲得免疫系に関与する分子の異常により発症する免疫異常症でその多くは遺伝疾患である.今までに250以上の責任遺伝子が同定され,9つのカテゴリーに分類されている.免疫不全症ではいわゆる易感染性の他に,自己免疫疾患や悪性腫瘍を合併するもの,自己免疫や炎症を主体とするもの,特定の微生物に脆弱性を示すもの,など多彩な疾患群が含まれ,その解析から様々な疾患の分子基盤が明らかになることが期待されている.<br>  近年は,遺伝子解析技術の進歩と低価格化,基盤遺伝情報の充実などから,毎年10前後の新しい責任遺伝子が明らかになっている.特に両親や同胞を含めた全エキソン解析からはPGM3,TWEAK,MALT1などの異常による新しい免疫不全症が次々と報告されている.さらに今まで知られていた表現型と異なる既知遺伝子異常症(例えばEBVリンパ増殖症候群を呈するCORO1A異常症)なども報告されている.また体細胞モザイクの高精度検出により,モザイクによる自己炎症性疾患なども容易に同定されるようになっている.<br>  一方,複数以上の責任遺伝子変異が検出されたり,機能未知の遺伝子変異が捕まったりすることも稀ではなく,遺伝子解析から機能解析,機能検証につなげる方策について工夫・技術革新が必要である.ここでは私たちの実際の解析データを示しながら,原発性免疫不全症の遺伝子解析・遺伝子探索の現況と将来像について議論を進めたい.
著者
浅見 洋
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.479-504, 2006

石川県能登地区で訪問看護師を対象に、在宅における終末期高齢者が表出した死生観に関する聞き取り調査を実施した。表出された死生観を含む言語はデータとしてコード化し、それらを質的に分析、分類した。分析結果を宗教学的視点から考察した結論として、(1)訪問看護師等の研修に死生観教育を取り入れることの意義、(2)地域における宗教文化の継承が死の準備教育としての機能を担っていること、の二点が示唆された。在宅での終末期療養は、病院・施設とは異なって、日常生活の延長上にある死への過程(生の過程)であり、ほぼ高齢者のそれまでの生活習慣や環境が持続されている。特に、能登のような地域では、伝統的な宗教的伝統や儀礼などを身近に意識しながら、在宅療養者は自然な死への過程を辿っていく。そこでは在宅医療関係者の献身的な努力とともに、現在も伝統的な宗教的・習俗的な死生観が高齢者の望む終末期を演出する一つの装置として機能している。
著者
Maturawan Tunhikorn Danny W. Scott Hollis N. Erb
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.63-69, 2015 (Released:2015-07-29)
参考文献数
18
被引用文献数
1 5

猫の生検皮膚中に多数の肥満細胞がみられた場合,アレルギー性皮膚炎に矛盾しない所見であるとしばしば述べられている。今回,著者らはアレルギー性皮膚炎(143例)と非アレルギー性炎症性皮膚疾患(228例)に罹患した猫から採取され,ヘマトキシリン&エオジン(H&E)染色を施した皮膚生検標本を用いた後向き研究を実施した。本研究に用いた検体の全ては,1978年から2010年までの間にコーネル大学獣医学部解剖病理学部門に送付されたものであった。アレルギー性皮膚炎の猫と非アレルギー性炎症性皮膚疾患の猫との間で,真皮における肥満細胞数には有意差が認められなかった。またアレルギー性皮膚炎または非アレルギー性炎症性皮膚疾患のいずれに罹患した猫でも,肥満細胞数に関しては真皮浅層における数の方が,真皮深層における数よりも高値を示した。健常猫(31例)で調査したところ,真皮浅層における肥満細胞数は,トルイジンブルー染色を施した標本における数の方が,H&E染色を施した標本における数よりも高値を示した。
著者
山本常吉 編
出版者
済生館
巻号頁・発行日
1914