著者
大場 裕之 馬場 孝祐 橋岡 恵子 伊藤 一也 森本 将司 朝日 大介 貞松 俊弘 久我 哲也 秋山 寛治 蒲田 和芳
出版者
Japan Society of Health Promotion and Physical Therapy
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.113-117, 2013

要旨:ハイヒール用インソールの使用が,ハイヒール着用時の前足部荷重圧と運動機能へ与える影響を解明することを目的とした。ハイヒールを常用しない健常女性8名を対象とし,ヒール高9㎝のハイヒールに対して,ハイヒール用インソール(リアライン<sup>Ⓡ</sup>・インソール・フェム,以下フェム)の有無で片脚立位時間,片脚連続ジャンプ回数,片脚立位時における前足部最大圧および前足部平均圧,階段昇降時間を比較した。片脚立位持前足部最大圧が統計学的有意に減少した。フェム使用による主観的な不快感を訴えたものはいなかった。フェムの使用がハイヒール着用時の前足部の疼痛減少につながる可能性を示した。
著者
平尾 一之 田中 勝久
出版者
京都大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1990

セラミックスの破壊強度は雰囲気の影響を大きく受ける。特にアパタイト-ウォラストナイトガラスーセラミックス組成の人工骨では、ガラス相を粒界相に存在するので、その影響は顕著である。本研究では、この人工骨を用いて、凝似体液を始めとする種々の環境下で、破壊特性がどのように変化するかについて調べるとともに、破壊じん性が大きく、応力腐食や疲労を受けにくくするには、組成をどのように改善すれば良いかなどについて検討を行った。得られた結果は以下の通りである。(1)アパタイトーウォラストナイト人工骨セラミックス(以下AW)の安定破壊試験を行ない、破壊じん性値が1.12MPa・m^<1/2>であることがわかった。また、その有効破壊エネルギ-は、ケロシン中で3.88Jm^<ー2>となったが、水中では1.99、凝似体液中では1.84と大きく減少し、応力腐食反応を人工骨が受けやすいことがわかった。また、破断面のSEM観察の結果、破壊は粒界ガラス相で生じていることがわかった。以上より、水や凝似体液は、粒界のガラス相と腐食反応をおこし、破壊エネルギ-、つまり破壊じん性値を下げることがわかった。実際に、使用条件下では、応力を受けているので、この反応を抑えることが肝要である。そこで、ガラス組成をケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩ガラスを変化させ、ガラス自体の安定破壊をおこさせ、その挙動を観察したところ、ケイ酸塩ガラスでは胞性破壊しやすいのに対し、リン酸塩やホウ酸塩ガラスでは塑性変形をおこしやすいことがわかった。そこで、出発原料として、リン酸塩組成を多く含ませることにより、人工骨セラミックスの破壊特性を改良できることがわかった。(2)分子動力学コンピュ-タシミュレ-ションにより、原子レベルでの破壊実験を行なったところ、ホウ酸塩ガラスではその構造にボロキソルリングなど中距離表面構造があるので塑性変形しやすい事がわかった。
著者
大川 周治 守谷 直史 野崎 晋一
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

プロスポーツ選手を用いて、スポーツ時における咀嚼筋の活動様相を解明するとともに,各種スポーツ行動時における咀嚼筋の役割を明確にすることを目的として,以下の実験を行った。プロサッカー選手(サンフレッチェ広島)6名に対してシュート(強蹴)5回,シュート(軽蹴)5回,遠蹴5回を,プロ野球選手(広島東洋カープ)のうち,投手4名に対してスローボール5回,剛速球5回を,打者7名に対してトスバッティング(軽振)5回,トスバッティング(強振)5回を行わせた。被検筋は左右咬筋,左右側頭筋前部,およびサッカーでは左右大腿四頭筋外側広筋,蹴足の腓腹筋内側頭,野球では利き腕の上腕二頭筋,上腕三頭筋,尺側手根屈筋とした。各被験運動時の筋活動に関する記録分析,及び各被験運動のビデオ録画による動作分析を行った。なお,コントロールとして最大咬みしめを5秒間行わせた。その結果,サッカーではシュート(強蹴)時,咀嚼筋に筋活動が認められた被験者と,ほとんど認められない被験者に分類される傾向があった。野球ではトスバッティング(強振)時,及び剛速球投球時,大半の被験者において咀嚼筋に筋活動が認められた。以上より,全身的に最大筋力の発揮が要求されるようなスポーツ行動時には咀嚼筋が同調して活動している可能性が示唆されたが,スポーツの種類ないし動作の内容により影響を受ける可能性も示唆された。現在,これらの咀嚼筋活動に関して,筋活動持続時間,積分値,最大咬みしめ時筋活動量に対する比率,動作との関連性について分析中である。ハンドボール(湧永製薬),バレーボール(JT)に関しても,同様に記録分析し,各種スポーツ行動時における咀嚼筋の役割をより明確にしていく予定である。なお,本研究に対してNHKが興味を示し,サッカーに関しては中国地方及び近畿地方に,野球に関しては日本全国に向けて,本研究の内容がテレビ放映されたことを付記しておく。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.699, pp.8-14, 2001-08-20

の史跡・名勝にも指定されている京都府宇治市の平等院。庭園を散策しながら,有名な鳳凰堂の前を通り過ぎても,目当ての宝物館は見えてこない。 それもそのはず。見えないようにしたことが,この建物のポイントだからだ。庭園の景観を損なわないように,地上1階建てとして高さを抑えた。周囲の緑によって,鳳凰堂側からはほとんど目に入らない。
著者
稲垣 亮介
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2009-02

制度:新 ; 報告番号:甲2862号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2009/2/23 ; 早大学位記番号:新5082
著者
山崎 信也 川島 佳千子 清水 敦彦
出版者
足利短期大学
雑誌
足利短期大学研究紀要 (ISSN:03893278)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.19-25, 1998-03-15

「走る」運動能力の発達は幼児のはやい時期に獲得されるが,「跳ぶ」,「平衡をとる」といった運動能力は幼児の後期になって獲得が始まる。裸足教育は運動能力の発達を促すと考えられるが,「跳ぶ」,「平衡をとる」といった運動を含む「連続片足とび」は「走る」より幼児の運動能力の発達の差をより顕著にすると考えられる。このことから幼児の運動能力の発達を「連続片足とび」の測定による評価を試みた。測定分析はコンピュータによる画像解析器による二次元運動計測システム等で行った。「連続片足とび」の速度と歩幅の2つを指標とした。裸足教育の経歴の長い保育園の児童は「連続片足とび」の速度も歩幅も大きな値を示し,運動力能の発達が大きい幼児が多くいることを示唆した。また「連続片足とび」の速度と歩幅の2つの指標の間に正の相関があることが示された。このことは「走る」運動能力が獲得されるときに見られることと同じで,「連続片足とび」の運動能力が獲得されつつあるといえる。
著者
中野 聡 吉田 裕 宮地 尚子 林 博史 永井 均 笠原 十九司 ハーバート ビックス リカルド ホセ リディア ホセ ヤン ダーチン フロレンティーノ ロダオ マイケル サルマン アウグスト エスピリトゥ 戸谷 由麻 ロリ ワット 寺見 元恵 荒沢 千賀子
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

第2次世界大戦末期の「マニラ戦(1945年2月3日. 3月3日)」の実像と記憶を学際的・総合的に検討し、さらにその研究成果を国際研究集会などにより公開・社会還元することにより、日・比・米など関係諸国間で戦争の過去をめぐり「より質の高い対話と和解」を可能にする学術基盤の整備を推進した。
著者
金井 昌信
出版者
群馬大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題では,住民の主体的な防災活動が促進されない理由として,住民の防災対応に関する行政依存意識に着目した.そして,その行政依存意識の形成には,マスメディアによる災害報道が影響しているという仮定のもと,2つの視点で分析を行った.一つは,災害報道の内容と住民の行政依存意識の関係を明らかにし,もう一つは,どのような災害報道が住民の行政依存意識の低減に寄与するのかを検証した.
著者
中野 和典
出版者
九州大学
雑誌
Comparatio (ISSN:13474286)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-10, 2002

The subject matter of Abe Kobe's "The Face of Another" is the loss of a man's face. "I" was seriously injured in the face in an accident. What is the meaning of the loss of a man's face in contemporary society where people are asked to show their identities? What becomes clear through his hard struggles in making an elaborate mask and tempting his wife is how man is influenced by his face. "I" goes into the city with the mask on and knows that the world is a prison and people are its prisoners. Why did he say, " The world is a prison?" And on one hand he has some sympathy for Koreans in Japan, Blacks in America and a girl from Hiroshima, who are alienated in the community on account of their faces, on the other he feels that something is wrong. How is this related to his recognition that the world is a prison? In this essay I try to make clear the extension of the representation of the face in "The Face of Another".
著者
川瀬 佑司 峯松 信明 齋藤 大輔 広瀬 啓吉 沈 涵平
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014-MUS-103, no.27, pp.1-6, 2014-05-17

国際共通語である英語は、それぞれの国や地域の母語干渉により、多様な発音、所謂訛りが存在することが知られている。筆者らの先行研究では、様々な英語発音に対して話者を単位とした自動分類を検討している。ボトムアップ的な分類を行う場合、一般的には対象とする要素群に対して要素間距離行列が必要となる。先行研究では任意二話者間の発音距離の自動推定を行っている。この距離行列を可視化する場合には、多次元尺度法 (Multi-Dimensional Scaling, MDS) や樹形図を用いることが多い。本研究ではこれらに代わる、発音距離行列に対する新しい可視化手法を提案する。従来の可視化は、距離行列全体を表現することが狙いである。しかし可視化結果を呈示される特定の学習者にとってみれば、知りたい主情報は自分とそれ以外の話者の関係性である。そこで本研究では、特定話者とそれ以外の話者の発音距離に着目し、さらには年齢や性別といった情報も含め、英語発音の自己視点からの可視化を提案する。提案手法では従来手法と異なり、可視化結果に歪みが全く生じないことが保証されている。