著者
横川 吉晴
出版者
信州大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

【目的】脳卒中既往者に血流制限を伴う低負荷抵抗運動(以下加圧トレーニング)を行い、運動療法としての可能性と安全性について検討した。【対象】73歳男性。脳梗塞(被殻部位)。平成13年7月に発症。左片麻痺、感覚障害あり。高次脳機能障害、心疾患既往なし。現在ADLは自立。下肢静脈血栓症なし。【研究方法】シングルケーススタディ。4週間毎にプログラムを交代するABABデザイン。A:既存の理学及び作業療法を各40分。B:A+加圧トレーニング30〜40分。A、B共に治療は週2回。専用ベルトを上腕及び大腿基部に装着、空圧式加圧装置により加圧し運動を行った。1回加圧時間は10分以内。手指の屈伸、重錘1kgによる肘関節屈伸、肩関節挙上を麻痺側上肢のみ行った。下肢は、ハーフスクワット、一歩踏みだし、つま先立ちを行った。各回数は3セットにわけ合計45回とした。【測定項目】肘および膝関節等尺性収縮筋力。10m歩行速度、Timed up and go test(以下TUG)、片脚立位時間。筋力と10m歩行速度は、A、B前後に測定した。TUGと片脚立位は、すべて治療開始前に測定した。最終日上下肢各10分間の加圧トレーニングを行い、開始前、直後、終了15分後に採血、生化学検査を行った。介入前後に上腕中央部と膝蓋骨上縁10cm上位の断面をCT画像撮影した。【結果】運動中、脳貧血など健康被害はなかった。初回A期に比べ、TUG遂行時間は短縮、非麻痺側片脚立位時間は延長した。同じく終了時麻痺側筋力は、非麻痺側以上の増加を示した。10m歩行速度は23.1%増加した。成長ホルモン、IGF-1、ノルアドレナリン、硝酸イオンがトレーニング直後に増加した。CT画像では麻痺側上腕三頭筋横断面積が増加した。【まとめ】一定の実施基準のもとで、加圧トレーニングによる身体機能の改善を得ることが示唆された。
著者
岩本 和世
巻号頁・発行日
2004-09-16

報告番号: 乙16092 ; 学位授与年月日: 2004-09-16 ; 学位の種別: 論文博士 ; 学位の種類: 博士(情報理工学) ; 学位記番号: 第16092号 ; 研究科・専攻: 情報理工学系研究科
著者
中村 哲子
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

1801年にアイルランドは政治的にイギリスの傘下に入り、以降、アイルランドの作家はアイルランド性を色濃く打ち出した小説を広くイギリス読者に向けて発表していく。プロテスタントの作家だけでなく、1820年代以降はカトリック出身の作家の活躍も顕著となる。こうした中で、イギリスからの旅行者がアイルランドの実態を語る旅行記を数多く発表するようになる。小説と旅行記を読み解くことから、イギリスとアイルランドの双方の視点から見るアイルランド性の諸相を浮彫にした。
著者
南出 健吾
巻号頁・発行日
2008-02-04

修士論文
著者
中村 豊
出版者
宮崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

【目的】2007年度科学研究費補助金を受け、生鮮食品の品質管理用小型温湿度記録装置が、動物陸送時の微環境温湿度の経時的モニタリングに有効であることを実証した。今回は、この装置を用いて長距離空輸される動物に及ぼす輸送箱内温湿度の影響を検討する。【方法】小型データロガー「ハイグロクロン(Dallas Maxim USA)」を用いて、動物輸送時の空調車内部と空港内荷物保管室、機内貨物室の輸送箱外部、および輸送箱内部の温湿度を測定記録する。動物輸送は静岡県厚木市から宮崎県清武町まで陸送と空輸で所要時間約25時間である。この間車内温度は15℃、機内貨物室は25℃前後に設定し、測定間隔は5分とした。【結果】測定は20年9月2日、9日(夏季)および21年1月13日、27日(冬季)に行った。1.記録された夏季と冬季の荷物保管室、機内貨物室の平均箱内温度は25.4±3.0℃、27.7±1.8℃、および15.3±3.6℃、25.5±5.4℃であった。2.平均箱内湿度は92±3.6%、83.5±3.9%、および85.2±11.7%、72.6±16.2%であった。【考察】空港到着後の平均箱内温湿度を陸送時と比較すると、夏季温度は荷物保管室、機内貨物室で上昇するが、冬季では荷物保管室で降下し機内貨物室では上昇することが示された。陸送中の箱内湿度は高めであるが、荷物保管室の箱内湿度は夏季でさら上昇し、冬季ではほぼ同じ湿度を保ち、機内貨物室では夏季、冬季ともに降下することが示された。動物を空輸する場合、空港に到着した輸送箱が荷物保管室や機内貨物室に置かれている短い時間に、急激な温湿度変化で箱内温湿度環境が悪化し、輸送動物に大きな影響を与えることが示唆された。以上より長距離空輸する際、ウサギ等の高温多湿に弱い実験動物輸送には充分な配慮が必要であることが判った。
著者
稲永 清敏 森本 泰宏 瀬田 祐司 大住 伴子 鯨 吉夫 粟野 秀慈
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州齒科學會雜誌 : Kyushu-Shika-Gakkai-zasshi (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.224-230, 2009-02-25

平成19年度に行った九州歯科大学研究室配属のアンケート調査および平成18年度・19年度の研究室配属資料を基に解析を行った.88%の学生が第一希望に配属され,第2希望までに97%の学生が配属された.各分野の学生受け入れ体制に対しては72%がよく計画されていたと回答した.80%の学生は教員の研究室配属に対して熱意があったと感じており,98%の学生が多少なりとも興味を持って研究を行ったと回答した.研究テーマに興味をもてたかという設問と教官の熱意を感じたかという設問との間には強い相関が認められた.さらに研究テーマに興味を持ったことと文献などを積極的に調べたかとの設問の間にも強い相関が認められた.このように,学生は教員の教育意欲に対して敏感に反応しており,それによって研究テーマに一層興味を示し,文献検索などを自ら進んで行うことがわかった.逆に教員が熱意を示さない場合には,学生は研究に興味を示さないことが考えられた.また,基礎系の研究室にだけに配属が限られていた基礎配属から,九州歯科大学の全研究室に配属が可能となった研究室配属にカリキュラムが変更になって,学生が臨床系の研究室に偏って配属されるのではないかと懸念されたが,大きな偏りは認められなかった.
著者
田中 翔平 岡崎 直観 石塚 満
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.366-375, 2011 (Released:2011-01-25)
参考文献数
26

This paper presents a novel method for acquiring a set of query patterns that are able to retrieve documents containing important information about an entity. Given an existing Wikipedia category that should contain the entity, we first extract all entities that are the subjects of the articles in the category. From these articles, we extract triplets of the form (subject-entity, query pattern, concept) that are expected to be in the search results of the query patterns. We then select a small set of query patterns so that when formulating search queries with these patterns, the overall precision and coverage of the returned information from the Web are optimized. We model this optimization problem as a Weighted Maximum Satisfiability (Weighted Max-SAT) problem. Experimental results demonstrate that the proposed method outperformed the methods based on statistical measures such as frequency and point-wise mutual information (PMI) being widely used in relation extraction.
著者
松井 藤五郎 後藤 卓 和泉 潔 陳 昱
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

複利型強化学習は,複利のリターンに基づいて強化学習を行う枠組みであり,ファイナンスへの応用に適している. 本論文では,複利型強化学習を国債銘柄を選択する問題へ適用し,その結果を報告する. 具体的には,国債銘柄選択問題を債務不履行(デフォルト)確率と利回りに基づいてバンディット問題として定式化する方法について述べ,複利型Q学習をこの問題に適用した実験結果を報告する.
著者
野村 俊昭 石井 六哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.68, pp.39-46, 1995-05-26
被引用文献数
1

本論文では,快音・不快音の特徴を解明するため,パワースペクトルに着目し9種類の自然音について解析を行った。解析は,始めに各対象音を一定のフレーム長で切り出してパワースペクトルを算出した。次に求めたパワースペクトルについて1次と2次の関数による近似を行い,近似関数の係数をパラメータとした。各音のパラメータを比較した結果,パワースペクトルの4kHz〜20kHzの帯域を2次関数での近似を行うと,快音は2次の係数が負,負快音は正になる。またパワースペクトルがピークに達してからの減衰の傾斜が,快音は緩やかな傾斜から10kHzを越えて急峻な傾斜となる。これに対し不快音は快音の急峻な傾斜に比べ緩やかな傾斜で減衰し高域にホワイトノイズ的成分を持つことが分かった。
著者
森近 憲行 濱崎 雅弘 亀田 尭宙 大向 一輝 武田 英明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.335-340, 2011 (Released:2011-01-06)
参考文献数
11

In this paper, we describe our approach for information extraction from documents, which is based on supervised machine learning and collective intelligence approach. This approach is aimed at redeeming each method, because each method has merits and demerits. It provides various ways for users to input data to improve information extraction. Users can add not only supervised data but also a rule to extract values for a set of attributes. Various ways to input data allows many users to add a lot of data for quality improvement and machine learning can reduce noise of data input by users. We implemented it in event-information extraction system, and the experimental result shows effectiveness in correctness and convenience.
著者
飯島 千絵 森田 武史 榎本 善太郎 山口 高平
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年,Linked Dataが情報流通基盤として注目されている.しかし,日本語に対応したLinked Dataは少なく,情報サービスへの適用方法は十分に研究されていない.本研究では,地理・位置データを中心として,高速道路,飲食店,交通規制,イベント,口コミ,天気など,様々なデータについて,更新性を考慮した日本語Linked Data構築方法およびそれらを利用したモビリティサービスを提案する.
著者
武藤 正義
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-16, 2007 (Released:2007-08-03)
参考文献数
27
被引用文献数
1

社会学的研究における数理モデルには「現象説明」型と「制度理解」型の2つがある。現象説明モデルは特定の社会現象をメカニズムとして記述し、現象のデータを説明することを目指す。制度理解モデルはもうすこし抽象度が高く広汎で持続的な社会現象、すなわち制度をメカニズムとして理解することを目指す。両者の関係は相互補完的であるが、今日では制度理解モデルは地に足のつかないものとして敬遠される向きもある。しかし、制度理解モデルは、第1に、社会の見えざる制度を明らかにする発見的価値を有することで社会への理解を深め、第2に、それによって社会をより望ましい方向へと構築していく倫理的価値を有することで社会に貢献する。なお、この理解の経験的な正しさは、制度理解モデルが産出する規範的命題が当為を突きつけることによって支えられている。規範的命題によって制度理解モデルは机上の空論を免れる。制度理解モデルは、特定の現象の説明を超えてより普遍的な制度のメカニズムを明らかにする点で広汎な興味と利用の可能性に開かれているため、共通言語性をもつ。また、数学は諸学問分野の橋渡しとなるおそらく唯一の共通言語である。この二重の共通言語性において、制度理解型の数理モデルが探究される意義がある。
著者
志村 秀彦 柏木 征三郎
出版者
大道学館出版部
雑誌
臨牀と研究 (ISSN:00214965)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.p1846-1854, 1990-06

2 0 0 0 OA 明治財政史

著者
明治財政史編纂会 編
出版者
明治財政史発行所
巻号頁・発行日
vol.第3巻, 1926