著者
Kishinouye Fuyuhiko
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.377-380, 1957-09-25

建物の固有振動周期を知るのに遠心力を利用した起振機を用いる場合,起振機の車輪を速く回転させて放すとその回転が次第に遅くなり建物の振動は小さくなるが,起振機の回転が建物の固有周期と共振する所では振幅の極大が現われることはよく知られている.共振の場合には振幅ばかりでなく振動の位相も大きく変わる筈であるので,筆者は起振機と建物の振動との位相差を測定し固有周期を見出した.実例として東京都内の豪徳寺,経堂,千住の3個の大きさ,構造共に殆ど等しく,地盤の追うアパート建築について行つた実験結果を示した.
著者
蓮池 公威 松尾 俊彦 竹内 功 戸崎 幹夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.48, pp.300-301, 2001-10-15

In this paper, we explore a method for designing and analyzing artifacts from the viewpoint of interaction design. User's experience is shaped via interaction among users, artifacts, and environment along user's activity. We focuses on interaction design in earlier phase of product planning to shape better user's experience. We think it is best for our purpose to utilise and enhance scenario based design and skit performing method. Based on this idea, we carried out a case study, and propose a methodology for interaction design.
著者
亀谷 きよし 亀谷 是 武部 隆 小池 恒男 辻井 博 稲本 志良 堀田 忠夫 KAKO Toshiyuki
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1986

日本の稲作経済・米政策における根本課題は、国民の主食である米を安価に安定的に供給し、日本の食糧安全保障と米の国内生産による国土と水の利用・保全、農業・農村の維持等環境的・社会的役割(外部経済)をいかにして効率的に確保するかである。世界の大米輸出国であるタイや米国等から日本の米市場の開放が強く要求され、国際的米政策・貿易摩擦が激しくなっているが、本研究はタイと米国の稲作農家、米生産・流通・輸出関連機関、大学・試験研究機関、米政策関連政府機関の現地調査に基づき、経営・流通・政策・土地利用と制度・労働・水利用と制度・技術と試験研究・金融の視点から日本との比較を十分に考慮しながら、総合的に国際比較し、上述の根本課題にアプロ-チした。下記の具体的研究成果が示すように、本研究によりまず、日本との比較の視点から、タイと米国の米経済・政策の総合的・国際比較的理解が深められた。そしてそれに基づいて上述根本課題がいかにして達成されるかがかなり明らかになった。また、本研究の研究成果は、この数年続いている上述の激しい国際米政策・貿易摩擦の、各国間の米経済・政策の相互理解の向上を通じた国際的協調による解決にも貢献すると考える。第1の研究成果は、英文と和文の最終報告書である。日本人およびタイと米国の研究分担者が、各人の研究テ-マに関して上述課題に接近し、論文を書いている。第2に、本研究成果を学界だけでなく、社会に還元する目的で下記の一般向けの書物を出版し、広く読まれている。亀谷きよし編著「アメリカ米産業の素顔」富民協会、昭和63年刊。なお同じ目的で、タイに関して「米輸出超大国タイの米産業の光と影」という書物を近く富民協会から出版する予定である。第3の成果しとては、各研究分担者がそれぞれに、本研究に参加して得られた知見を基に、英文や和文の論文を雑誌や書物等に発表し、また、日本、米国およびタイでにおける研究会でも報告している。第4の成果としては、タイと米国の現地調査で得られた、諸々の関連出版物・統計デ-タ等を京都大学農学部農業簿記研究施設で整理・保管し、各協同研究者および一般の研究者の利用に供している。
著者
赤堀 肇 石川 智治 小林 幸夫 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.260, pp.1-8, 1999-08-27
被引用文献数
9

我々は高度感性情報を再現できるオーディオ・システムの開発を目的に、それに必要な未知の重要な物理要因を探求する研究を行なっている。これまでの我々の研究により、ディジタル・オーディオ・システムにおける音質劣化要因の一つとして「時間伸び縮み歪み」を発見した。ディジタル・オーディオ・システムにおける時間伸び縮み歪み発生の原因の一つとしてディジタル・オーディオ・インタフェースで生じるjitterが考えられる。そこで、本稿では、ディジタル・オーディオ・インタフェースのビット・ストリーム全体にjitterを強制的に付加し、高度感性情報の再現に注目した主観評価実験を行った。実験時間の関係で、88.6ps, 886psの2種の大きさのjitterを与えてみたが、付加したjitter振幅が88.6psと微少の場合であっても、高度感性情報の再現度が大きく損なわれることが明らかになった。
著者
上口 勇次郎 立野 裕幸 渡邉 誠二 外村 泰子
出版者
東京女子大学
雑誌
Science reports of Tokyo Woman's Christian University (ISSN:03864006)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.1297-1303, 1995-03-08

This study was undertaken to examine the cytogenetic effects of microwaves on human spermatozoa, using an interspecific in vitro fertilization system between human spermatozoa and zona-free hamster oocytes. Ejaculated human spermatozoa were exposed in vitro to microwaves from a household electronic range (2.45GHz, 500W) for 5 (Group I) and 10 seconds (Group II). The average temperatures of the sperm suspensions were 29℃ in the non-irradiated control, 38℃ in Group I, and 54℃ in Group II immediately after the microwave irradiation. After irradiation, about 10% of the spermatozoa became immotile in Group I, as did about 50% of the spermatozoa in Group II, due to the heat stress. A total number of 474 spermatozoa were karyotyped in the control: 386 spermatozoa, in Group I, and 506 spermatozoa, in Group II. The incidences of spermatozoa with structural chromosome aberrations were 11.3±1.4%, 11.5±1.6% and 10.3±2.0% in the control and Groups I and II respectively, showing no statistically significant difference between the three groups. The numbers of aberrations per spermatozoon were 0.140±0.023, 0.127±0.027, and 0.123±0.028 respectively in the three groups, also showing no significant difference between them. These results indicate that neither microwave irradiation nor heat stress has a clastogenic effect on human sperm chromosomes.
著者
井波 陵一
出版者
京都大學人文科學研究所附屬漢字情報センター
雑誌
東方学資料叢刊
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-95, 2008-02-15

p33,43,84修正あり
著者
加藤 義清 赤石 美奈 堀 浩一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

大規模な文書集合を俯瞰的に理解すると共に,個別の情報を様々な文脈で捉 え,その解釈および再解釈を促すための技術は,情報編纂を実現する上で重要な ものである.本発表では,文書集合中の文脈を可視化するための時間軸を考慮し たバネモデルを提案し,提案手法を実装したプロトタイプシステムを通して,そ の有効について議論する.
著者
藤木 淳 牛尼剛聡 富松 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.3762-3771, 2007-12-15
被引用文献数
1

人間は静止した2 次元画像の観測からだけでなく,2 次元動画像によるキャラクタの運動表現からも3 次元構造を解釈する視知覚特性を持つ.一方で,静止した2 次元画像から3 次元構造を解釈する際に,1 つの2 次元画像から推測される3 次元構造が一意に定まらない場合がある.我々はこのような2 次元動画像に対する3 次元解釈の視知覚特性を利用したインタラクティブなだまし絵表現を持つアニメーションシステムOLE Coordinate System のプロトタイプを考案した.また,プロトタイプで提案する5 種類のキャラクタのだまし絵表現の評価のために被験者実験を実施した.本論文ではシステム概要と5 種類のだまし絵表現について述べ,被験者実験から本だまし絵表現が鑑賞者の知的好奇心を刺激する効果とシステムの有効性を議論する.While the human has the characteristic of visual perception which recognize a 3D structure from the movement, the human may create the incorrect 3D structure by a variety of interpretation for the 2D image. Using the characteristics of visual perception, we present five interactive optical illusionary expressions of characters. Also, we produced an prototype system of OLE Coordinate System which has our optical illusionary expressions. In this paper, we introduce the OLE Coordinate System and the five character's optical illusionary expressions, and discuss the effectiveness of the proposed expressions based on the user experiment.
著者
原山 智
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.43, pp.87-97, 1994-04-28
被引用文献数
12 16

最も若い露出プルトンの冷却史解明のため, 滝谷花崗閃緑岩 (北アルプス) の熱年代学的な研究を行った。垂直方向に累帯する岩相から4試料について鉱物年代を測定した結果, 黒雲母・カリ長石の鉱物年代 (K-Ar法, Rb-Sr法) は岩相によらず1.2-1.1 Maに集中することが判明した。ホルンブレンドのK-Ar年代は1.93-1.20 Ma であり, 深部相ほど若い傾向がある。これは深部ほど固結開始時期が遅れたためであろう。測定鉱物の閉鎖温度から冷却曲線を求めた結果, 平均冷却率は岩体浅所で350℃/Ma, 深部では550℃/Ma以上を示した。三次元単純熱伝導モデル計算による冷却曲線は指数減衰を示し, 岩体浅所での直線状の熱年代学的冷却曲線と大きく異なるため, 冷却前半 (2.2-1.2 Ma) では深部からの熱流入が, 後半では隆起活動による急速冷却が推定された。深部ほど冷却率が大きいのは, 冷却開始が深部では遅いため熱流入の効果は短期間で弱く, 単純熱伝導冷却に近づいたためと解釈できる。
著者
田所 光男 長畑 明利 藤井 たぎる 布施 哲
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

今回の共同研究では、20世紀に飛躍的な発展を遂げたポピュラー音楽の歌詞を分析し、それが、一方で、「高級文化」に属する諸テクスト(文学、哲学、宗教、など)と相互浸透し、他方、特定の時代や集団の記憶、政治的・社会的意識(戦争、世代、マイノリティ、性、他者、差別、失業、暴力、人種、移民、植民、などの問題に関わるもの)とネットワークを築いている様を解明した。20世紀ポピュラー音楽は、国境を越えて地球的規模で受容されたが、音楽複製技術や音楽産業、マス・メディアが高度に発展した地域が、その重要な発信地となった。そこで、各研究分担者は、おもにアメリカ・イギリス・ドイツ・フランスの代表的なポピュラー歌手(ボブ・ディラン、ビートルズ、ローレン・ニュートン、エンリコ・マシアス、など)の歌を中心対象にして、ポピュラー音楽の言葉にかかるテクスト連関性を解明した。また、この解明に基づいて、歌詞の日本語への翻訳も試みた。市場に出回るいわゆる訳詞には、明らかに誤訳と呼ぶべきものが少なくなく、その原因のひとつは、上記のような二方面でのテクスト連関性を十分に理解していないところに求めらるからである。外部機関の研究者および所属大学院の博士課程の学生の協力も得て、ポルトガル語・アラビア語・中国語圏のポピュラー音楽も研究領域に加え、ジャンルとしても、20世紀先進諸国のロックンロールやフォーク・ソングばかりではなく、ほかの諸地域における特色ある音楽(アルジェリアのライ、上海の歌謡曲、など)を研究対象にした。
著者
藤井 淑禎
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

近代日本における<望郷>の心情をあとづけ、その意味をさぐる本研究の作業は、大きく分けて、二つの山をかたちづくることとなった。ひとつは、昭和30年代を中心とするいわゆる高度経済成長期の動向をめぐって。そしてもうひとつは、近代化を振り返る余裕も生まれた明治末期の動向をめぐって。前者については、おもに社会史・精神史的方法からのアプローチを試みた。当時の流行歌やアマチュアの書き手による手記・投書文などを素材とし、社会背景、経済事情、農業政策などを具体的なデータにもとづき復元し、総体としての高度成長期の様相を明らかにせんとした。その成果の一部は、『望郷歌謡曲考-高度成長の谷間で-』(NTT出版、平9.3)として公刊した。後者については、これとは逆に、もっぱら<振り返る>という行為の仕組みが科学的に明らかにされ、かつそれが表現手段を獲得するまでの過程を探ることに終始した。具体的には、心理学や哲学の分野で試みられた「過去」や「回想」のメカニズムの追求をめぐる諸事情を明らかにし、かつ、そうして得られた「過去」がどのようにして文章や小説のなかで表現可能となっていったかを探ろうとした。この時期、多くの小説で、「過去」の表現をめぐって構成上文体上のさまざまな試行錯誤があったことがわかるのである。
著者
山田 健二
出版者
北海道哲学会
雑誌
哲学年報 (ISSN:1344929X)
巻号頁・発行日
no.52, pp.13-24, 2005-07-15
著者
上田 英樹 広川 二郎 安藤 真 鎌田 幸男 尼野 理
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.232, pp.25-29, 2006-08-31

導波路にハニカム構造を用いた衛星搭載用ラジアルラインスロットアンテナが提案されている。ハニカムの多層誘電体構造を考慮し、3層誘電体構造のラジアル導波路上でのスロット結合特性をモーメント法により解析した。8.4GHzにおいて直径900mmのアンテナを設計,試作し、8.8GHzにおいて最大利得33.9dBi、効率35.5%、反射-9.5dBを得た。