著者
Ryota Hyodo Yasuo Takehara Ayumi Nishida Masaya Matsushima Shinji Naganawa
出版者
Japanese Society for Magnetic Resonance in Medicine
雑誌
Magnetic Resonance in Medical Sciences (ISSN:13473182)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.273-281, 2023 (Released:2023-07-01)
参考文献数
44
被引用文献数
1 1

Purpose: To elucidate MRI features of primary hepatic mucosa-associated lymphoid tissue (MALT) lymphoma, particularly, the “speckled enhancement” on gadolinium ethoxybenzyl diethylenetriamine pentaacetic acid (Gd-EOB-DTPA)-enhanced MRI.Methods: The institutional review board approved this retrospective observational study and waived informed consent. Using our picture archiving and communication systems and electronic medical records, five patients histopathologically diagnosed as hepatic MALT lymphoma and clinically confirmed as primary lesions who had undergone dynamic contrast-enhanced (DCE)-CT and DCE-MRI with Gd-EOB-DTPA were identified from September 2009 to December 2020. Two radiologists assessed their CT and MRI data in consensus with a pathologist’s advice.Results: Overall, five lesions in five patients were included in this study. Precontrast CT showed hypoattenuation in all lesions. In the arterial phase of DCE-CT, four lesions (80%) showed hyperattenuation, whereas all lesions showed iso- to hypoattenuation in the delayed phase. A vessel penetration sign was also observed in all lesions. On MRI, all lesions showed hypointensity on T1-weighted images, hyperintensity on T2-weighted images, and restricted diffusion on diffusion-weighted images. Both DCE-CT and DCE-MRI with Gd-EOB-DTPA showed similar enhancement patterns, except for the hepatocyte phase. Notably, however, four out of five lesions showed characteristic “speckled enhancement” that refers to punctate positive enhancements within the low signal lesions on the hepatobiliary phase of Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI pathologically confirmed to be hepatocyte clusters that remained in the tumor.Conclusion: Primary hepatic MALT lymphomas were characterized by arterial phase enhancement, restricted diffusion, vessel penetration sign, and more specifically “speckled enhancement” in the hepatobiliary phase of DCE-MRI with Gd-EOB-DTPA.
著者
田口 光雄 廣中 清弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 35.3 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.45-48, 2011-01-20 (Released:2017-09-21)
参考文献数
8

長方形導体板上に不平衡給電逆Lアンテナと無給電逆L素子を配置し、円偏波を放射する超低姿勢アンテナについて、2素子間の間隔を変えて、アンテナ上の電流分布、近傍電磁界分布を求め、軸比特性との関係を調べている。設計周波数は2.45GHzである。数値解析にはモーメント法に基づく電磁界シミュレータWIPL-Dを用いている。
著者
佐々木 麻紀子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.246, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 家庭洗濯は衣類に付着した汚れを除去し、元の状態に回復させながら繰り返し使用していくことを目的に行われる。そこで家庭洗濯の効果的な方法を検討することを目的として、衣類の中でも汚れ落ちが気になる靴下汚れを試料として着用実験を行い、つけ置き洗いの効果について検討した。方法 20代から30代の女性10名に日常生活及び運動中に靴下(綿100%白色)を着用し活動をしてもらい試料とした。洗濯は、市販の液体洗剤及び粉末洗剤に30分間浸け置き後、渦巻き式洗濯機及びドラム式洗濯機の標準コースで洗濯を行った。着用・洗濯を繰り返し6回行い、新品の靴下との一対比較でつま先、かかと、すねの3カ所について目視により9段階評価した。結果 運動中に着用した靴下の汚れは毎回のつけ置き洗いの有無で洗浄性に差があり、つけ置き効果が高い。しかし、日常生活で着用した場合の汚れ落ちはつけ置き洗い有は無の場合より効果はあるものの、運動中と比べその効果は小さいことがわかった。日常生活及び運動中ともにつけ置き洗いをしたものは、洗浄効果が高く、つけ置き洗いの効果が認められるものの汚れの種類によりその効果に差があること、また1回の洗濯では汚れ落ちの差は少ないが、汚れは累積しており、6回の繰り返し洗濯において洗濯方法の違いによる汚れ落ちに差がみられた。この実験では、洗濯機の種類による汚れ落ちの差は認められなかった。
著者
森山 幸平 岡永 博夫
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.89, no.924, pp.23-00083, 2023 (Released:2023-08-25)
参考文献数
16

The surface of a golf ball is provided with innumerable dents called dimples to improve the flight distance. In this study, we manufactured 15 model balls in which the dimple occupancy and the dimple volume ratio was changed by the dimple diameter and the number of dimples, and the dimple shapes. Using these balls, we carried out lift and drag measurements of the rotating balls in wind tunnel experiments. Then, a flight trajectory simulation was performed based on the obtained experimental results. As a result, the influence of the base shape showed different results for both drag and lift coefficients for each occupancy. However, the drag coefficient decreased and the lift coefficient increased as the dimple volume ratio increased regardless of the dimple shape. In addition, the relationship between the lift-drag ratio and the dimple volume ratio showed that the lift-drag ratio decreased as the dimple volume ratio increased. The flight trajectory simulation results showed that the flying distance was greater for O=52.6% and O=63.1% with a conical base when the dimple volume ratio was small and the dimple depth is DD/d=4.55×10-3. Two spheres with a spherical base and a conical base at O=83.1%, also exhibited similar flying distances. However, the flight distance tends to increase as the dimple volume ratio decreases. The ball's trajectory was lower when the volume ratio was small, and higher trajectory was obtained when the occupancy ratio was high.
著者
佐々木 翔哉 大澤 剛士
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.69-85, 2023 (Released:2023-02-09)
参考文献数
52

タヌキNyctereutes procyonoidesは生息環境に応じて食性を柔軟に変えると考えられているが,その変化について,生息地内外における景観要素の構成との関係という観点から広域的に検討した例はほとんどみられない.そこで本研究は,周辺の人工景観の面積や割合に傾度がある東京都の7つの都市公園において約1年間にわたり採集したタヌキの糞分析を行い,人工景観と食性の関係およびその季節変動を検討した.その結果,公園内外の人工景観,特に公園外の人工景観が増加するほどタヌキは餌として人工物を利用する傾向が見いだされた.同時に,公園外の人工景観が多い都市公園では,季節に関わらず人工物を安定的に利用する傾向も確認された.これらの結果から,タヌキは生息地となる公園内外の人工景観で人工的な餌資源を調達しており,その利用状況は人工景観の傾度によって変化すると考えられた.都市化が進むことで,タヌキが利用する主要な餌資源は今後ますます変化していく可能性がある.
著者
角井 建 原田 正史 野津 大 三橋 れい子 鈴木 仁
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.63-68, 2023 (Released:2023-02-09)
参考文献数
27

隠岐諸島島後で2021年11月におこなわれたモグラ類の採集調査によって,アズマモグラMogera imaizumiiの雄と雌が1個体ずつ捕獲された.隠岐諸島で本種が確認されたのは本報告が初めてであり,西日本における新たなアズマモグラの遺存個体群の存在が明らかとなった.
著者
江口 勇也 佐久間 幹大 遠藤 優 坂西 梓里 鈴木 良実 千々岩 哲 嶌本 樹 片平 浩孝
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.53-62, 2023 (Released:2023-02-09)
参考文献数
57

静岡県浜松市では1980年以降に外来リス類が野生化し,市街地から郊外へと分布拡大が続いている.過去に実施されたミトコンドリアDNA D-loop領域を対象とする集団遺伝解析では,クリハラリスCallosciurus erythraeusに加えフィンレイソンリスCallosciurus finlaysoniiの混在が報告されているが,調査範囲は市街地の一部に限られており,分布拡大以降の実態は未詳であった.そこで本研究では,これら2種の分布について広域的に再検討することを目的に,2019年から2021年の間に市内で駆除された266頭を用いて,同領域を対象にハプロタイプの組成および分布を調べた.解析の結果,クリハラリスの体色パターンが見られた一方で,同種由来のミトコンドリアDNAを持つ個体は存在しておらず,フィンレイソンリス由来のハプロタイプ2型の優占が明らかとなった.市内におけるハプロタイプの分布については,幹線道路などの人工物の有無や植生との明瞭な関係は見られず,個体の移動分散が広く生じていることが示唆された.
著者
宮本 慧祐 永野 有希子 松林 尚志
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.43-52, 2023 (Released:2023-02-09)
参考文献数
38

都市近郊に生息するタヌキ(Nyctereutes procyonoides)は,繁殖および休息場としての樹林地,それに隣接する採食場としての農地が重要であると報告されている.しかし,特に農地への選好性は住民へのアンケートや聞き取り調査を基に広域スケールで環境選択性を検証した調査によるもので,実際にタヌキの行動追跡を行って検証した事例は十分ではない.そこで本研究では,農地を多く含む都市近郊の東京農業大学厚木キャンパス周辺を調査地として,タヌキ8個体についてラジオテレメトリーを行い,日周性および季節性を考慮して環境選択性を調べた.その結果,夜間には,農地である畑は全ての季節で,樹林地とタケ・ササ地は一部の季節で正の選択性が認められ,都市近郊に生息するタヌキにとって農地が重要な採食場所の一つであることが示唆された.また,日中の休息場に設置した自動撮影カメラによって,オス成獣の,ヘルパーの可能性がある個体が確認された.
著者
福島 良樹 原科 幸爾 西 千秋
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.29-42, 2023 (Released:2023-02-09)
参考文献数
36

岩手県盛岡市の市街地2ヶ所においてGPS首輪を用いてハクビシン(Paguma larvata)5頭を対象とした追跡調査を実施し,行動圏と移動阻害要因に着目して都市部におけるハクビシンの生態を解明した.追跡個体はほぼ完全な夜行性であり,日中はねぐらに入っていた.追跡個体の行動圏面積は63.6~298.4 ha(100%MCP)で,農村部で実施された既往研究と同程度であり,2ヶ所の調査地のいずれにおいても各個体の行動圏は広い範囲で重複していた.また,道路と河川および線路が追跡個体の移動を阻害するバリアーとして機能していたが,道路は幅員が広く,車両の制限速度が高く,路面上が明るい場合のみバリアーとして機能していた.GPSデータが記録された場所の用途地域に着目したモンテカルロシミュレーションにより,追跡個体は商業地域を忌避していたことが判明した.追跡個体が商業地域を忌避していた明確な理由は不明であるが,ハクビシンの行動に影響を与える環境の違いを表現する1つの指標として用途地域を使用できる可能性が示唆された.
著者
傳田 健三
巻号頁・発行日
2010-11-02

シンポジウム「子どもの未来可能性を大切にする社会の実現をめざして」 = Symposium on Expanding the Potential of Children in Future Society. 11月2日(火). 北海道大学学術交流会館, 札幌市.
著者
小倉 啓司 小穴 孝夫
出版者
一般社団法人 日本放射線影響学会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集 日本放射線影響学会第50回大会
巻号頁・発行日
pp.257, 2007 (Released:2007-10-20)

我々はショウジョウバエに低線量・低線量率の電離放射線を照射すると非照射に比べて突然変異の頻度が低くなることがあることを報告してきた。ショウジョウバエの未成熟精子を持つ胚に60Coを線源とし、500µGyのガンマ線を1.5分間でショウジョウバエの未成熟精子に照射し、伴性劣性致死突然変異法によって遺伝的影響を観察した。この放射線量ではDNAの二重鎖切断やそれに伴うDNAの修復はほとんど起きないと言われているが、子孫における伴性劣性致死頻度が自然突然変異頻度(0.3%程度)より有意に低下し、約0.1%であった(P<0.05)ことを昨年度報告した。この現象がどのようにして起きるのかを調べるために、この低線量刺激効果が観察できなくなる線量を調べることにした。本発表では40µGyのガンマ線を1.5分間で照射を行うと伴性劣性致死突然変異の頻度が0.29%とほぼ非照射のレベルに戻り(P=0.86)、500µGyのガンマ線照射を受けたときの突然変異率よりも変異率が有意に増加する(P<0.01)ことを報告する。さらに、500µGyのガンマ線照射を受けたショウジョウバエの胚で発現量が変動するdefense response関連の遺伝子群やアポトーシス関連遺伝子について報告する。
著者
西園マーハ 文
出版者
日本精神保健・予防学会
雑誌
予防精神医学 (ISSN:24334499)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.26-34, 2021 (Released:2022-12-01)
参考文献数
13

【目的】 コロナ禍が、摂食障害の発症や受診状況にどのように影響しているか考察する。また、既に発症し て長期化した事例では、コロナ禍による生活の変化がどのように症状に影響しているかを知る。 【対象と方法】 日本摂食障害協会で、2020 年4 月15 日から同5 月7 日の外出自粛期と同8 月25 日から9 月11 日の自 粛解除期の2 回、当事者対象の調査を実施し、それぞれ278 名、193名の結果を解析した。また、日本摂 食障害協会アンケートの自由記述や臨床事例からの考察を行った。 【結果】 神経性やせ症、神経性過食症のどちらの病型でも、コロナ禍では、外出自粛期、自粛解除期のいずれ の時期においても症状が悪化する傾向が見られた。食行動だけでなく、その背景の精神症状の悪化も 見られた。しかし、中にはコロナ禍による生活変化が症状の改善をもたらした事例も見られた。休校 期には思春期の神経性やせ症の新たな発症も見られたが、比較的早期に受診する事例も見られた。 【結論】 摂食障害は、初発時の受診抵抗の強さや、長期化例における症状改善の難しさが知られているが、コ ロナ禍の生活の変化は、発症形式や受診行動、症状の在り方にも様々な変化を起こしている。今後は 平常時との比較を行い、早期の対応に生かしていくことが重要である。
著者
本田 卓 針谷 正祥
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.93-98, 2023-08-25 (Released:2023-08-25)
参考文献数
8

Genome wide association study (GWAS) is a type of genetic analysis that looks for association between a particular disease or trait and single nucleotide polymorphism (SNP). The polygenic risk score is the sum of the number of risk alleles weighted the GWAS-estimated effect sizes of each SNP on a disease. Researchers have been exploring the use of polygenic risk score (PRS) to predict disease risk and personalize treatment plans, an approach known as precision medicine. Our study was the first to demonstrate that a PRS based on GWAS data for rheumatoid arthritis (RA) onset can also predict joint damage progression. In particular, we found that the PRS is more accurate for predicting joint damage progression in young-onset patients with RA. To facilitate large-scale validation of our findings, we developed an artificial intelligence-based joint damage scoring system. This system will enable us to further investigate the relationship between PRS and disease severity in a larger, more diverse population. Further research is needed to refine the PRS construction method, particularly in terms of identifying the most informative SNPs and optimizing the weighting scheme for risk alleles.
著者
近藤 伸子
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 = Kunitachi College of Music journal (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.231-236, 2023-03-31

本稿は2022年4月5日,本学講堂大ホールにて,基礎ゼミお話(1)「シュトックハウゼンを知っていますか?」と題して行ったレクチャーの報告である.あまり触れる機会のない「現代音楽」の魅力を伝えると同時に,シュトックハウゼンのクリエイティブで固定観念を打ち破る作品や生涯から,今後の学生生活へのヒントを汲み取って欲しいと願い,このテーマを選んだ.