著者
石田 勝裕 渡邉 鉄也 田中 基八郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ジョイント・シンポジウム講演論文集:スポーツ工学シンポジウム:シンポジウム:ヒューマン・ダイナミックス 2007 (ISSN:24331309)
巻号頁・発行日
pp.172-177, 2007-11-13 (Released:2017-08-01)

Lure fishing and fly-fishing have been positioned as sports deliberately different from the traditional Japanese fishing-style. In the case of fly-fishing, casting is the element which anglers must master in order to cast a fly, done so by using the weight of a line. This study uses experimental and computational analysis to investigate the dynamic behavior of a fly line. Fly-fishing constitutes various elements, but the importance that casting holds is extremely large. Fling speed, the casting process and the loop shape of the line while in flight are important for the proper presentation of flies. Moreover, the shape of a fly line is also important for a long cast or controlled cast. However, it is difficult to grasp the phenomenon or to make a numerical model because a fly line is an object of flexible string. Therefore, the most suitable casting method will be clarified from the viewpoint of sports engineering and human dynamics. In addition, measuring an angler performing movements with a flexible object such as a rod or a line is difficult. So establishing a method to measure the dynamic behavior precisely is also one of the purposes of this study. For the past study, casting that uses only one hand have been analyzed. However, casting that uses both hands is often done in the actual fishing field. In this paper, line's behavior is examined in double haul casting.
著者
江崎 昌俊 久米 進一郎 高橋 勝三 里見 昭 石田 清
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.112-116, 1980-01-01 (Released:2009-03-31)
参考文献数
11

乳幼児腸重積症402例(特発性は395例)でそのうちの15例に再発を認めた.性比は男12人,女3人である.最終再発時年齢は5カ月から3歳7カ月までで平均10カ月であった.再発までの期間は初回整復後の翌日から2年に及んだが, 1回めの再発が6カ月以内に発生したものが12例(80%)を占めた.再発回数では1回再発が13例で大部分を占め, 2回再発が1例, 9回再発が1例である. 9回再発例は2歳を過ぎて再発防止の手術を行なったにもかかわらず,術後さらに3回も再発を繰り返した後,自然に再発をきたさなくなったものである.経験例と文献的考察から, 2歳までは非観血的療法を重視し, 2歳を過ぎて再発をみた場合には開腹精査の適応と考え,器質的疾患の有無を術中検査し,特発性の場合,再発防止の手術としては本症の成立機転に腸管の異常可動性,回盲部の固定不十分が主な条件であることを考慮すると,回腸と上行結腸間の最低10cmにわたる広汎な固定が必要であると思われる.従来慣習的に行なわれてきた上行結腸と回腸間の2~3針のみの固定, ileocolic bandの切離,虫垂切除などは再発防止の普遍的手術とはなりえないことを確認した.
著者
波多野 勲
出版者
社団法人 日本流体力学会
雑誌
nagare (ISSN:02867540)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.18-28, 1977 (Released:2011-03-07)

近年, 急速な進歩を示しつつある水泳において, 残された開発分野は, 流体力学的な面であろうといわれている。特にスピード化が著しい現代の水泳に於いては, 抵抗要因も複雑化しており, 専門分野の研究が待たれる。ここでは, 流体力学的な面から, ヒトの泳ぎのスピード要因 (推進要因) と抵抗要因を, 私なりにまとめてみた。
著者
越智 啓太
出版者
法政大学文学部
雑誌
法政大学文学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Letters, Hosei University (ISSN:04412486)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.175-181, 2010-10

In the present study, behavioral patterns of financial robberies who broke into banks and post offices in Japan were analyzed. The analysis was based on the newspaper database resources. The results of the analysis showed that the typical type of robbery, in which the criminal threatened a counter staff with a knife, accounted for only 60 percent of all financial robberies, and that atypical types of robberies had happened more frequently than expected. As the results of more detailed analysis in MDS (Multi Dimensional Scaling), it was found that the criminal could escape most easily when the criminal struck and robbed a bank customer who appeared to use a night-deposit safe. Finally, the method of the crime prevention in financial institutions was discussed based on the results above.
著者
野津 巧 足立 経一 石村 典久 岸 加奈子 三代 知子 曽田 一也 沖本 英子 川島 耕作 石原 俊治 木下 芳一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.183-187, 2021 (Released:2021-02-22)
参考文献数
13

症例は41歳女性.健診目的の上部消化管内視鏡検査にて下部食道に限局した白斑所見を認め,生検組織にて高倍率1視野あたり最大78個の好酸球浸潤があり好酸球性食道炎(EoE)と診断した.当センター受診の15日前から標準化スギ花粉エキスによる舌下免疫療法を受けており,EoE診断までは舌下後の薬液は飲み込んでいた.舌下後に薬液を吐き出すようにしたところ,治療継続3カ月後の内視鏡検査では,下部食道の白斑は消失し,生検所見でも改善を認めた.舌下療法を継続しているにもかかわらず,1年6カ月後の検査では,内視鏡所見,組織所見ともEoEの所見を認めなかった.また,スギ花粉症の症状も軽快傾向となっている.
著者
青木 治夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.95-100, 1991-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
22

辰巳用水は、1632 (寛永9) 年、当時の先端技術であった隧道に横穴を用いて掘り、かつ末端で木管による逆サイフォン工法を用いた遺存状態のよい用水である。1981年、総合学術調査が行われた際、隧道区間の実測が行われ、区間別の建設年代が明らかにされ、鉱山との関係が論じられた。その実測図によると、相互横穴間にある隧道は、主として三線からなり、それを結んだ線形が特長のある折線形状を示していた。近世初期わが国では、方向は磁石で求めていたから、寛永期隧道で隧道方向設定の基凖とした横穴の中心線実測方向角によって、用いられた磁石の伝来系統と方位数を調べてみた。それには地磁気偏角値が必要であり、実測値ではないが、考古地磁気学による寛永期の金沢における偏角、東偏8.3°を用いて試算してみたところ、中国系の48方位刻み磁石を用いていたことが分かった。近世中期になって、鉱山技術が記述され始めたが、その史料によると、鉱山では中国系磁石を使用していたことが明らかで、両者の技術の類似性が確かめられた。隧道中心線の折線の集合は、48方位の7.5度刻みの磁石で方向設定したため生じたものであろうが、隧道設定に関する文献にも論究を加え、かつ試算法の応用について述べる。
著者
中西 良文
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.127-138, 2004-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
22
被引用文献数
17 1

本研究では, 方略帰属が方略を介して動機づけに影響を与えるという過程を想定し, 成功/失敗の方略帰属が自己効力感にどのような変化をもたらすのか, さらに, そのような変化はどのような方略を介してもたらされるのかについて検討した。被験者は高校生80名であった。そのうち60名を対象に面接を行い, 自ら考えさせる形で失敗の方略帰属 (SAF) もしくは成功の方略帰属 (SAS) を促し, 面接前後の自己効力感の変化, および, 面接での方略帰属を通じて思いつく「今後用いようとする方略」の特徴について検討した。その結果, 面接後においてSAS群の自己効力感がSAF群よりも有意に上昇していることが見いだされた。また, 今後用いようとする方略について質的分析を行った結果, SAS群はSAF群に比べ, 直接的に学習に関わるような方略を挙げる傾向があることが見いだされた。
著者
岡﨑 拓
出版者
羽衣国際大学現代社会学会
雑誌
羽衣国際大学現代社会学部研究紀要 = Research bulletin of Faculty of Social Sciences, Hagoromo University of International Studies (ISSN:21865493)
巻号頁・発行日
no.10, pp.55-66, 2021-03

ポーランドは1990年代以降、順調な経済成長を遂げてきた。一方で、西欧諸国との経済水準の差はいまだ大きく、これまでの成長を支えた外資流入と低賃金は、今後の継続性が不透明である。その中で、ポーランド政府は「知識経済」への移行を標榜し、イノベーションの振興を図っている。ただし、現時点でのポーランド経済におけるR&D部門は加盟国内においても低位の水準であり、EU内、中東欧域内両面での「二重の遅れ」の状況にある。この状況に対し、ポーランド政府は知識経済への移行を掲げ、EUレベルのイノベーション政策とリンクする形の国家戦略を策定・実施してきている。現状ではポーランドR&D部門の課題である中小企業やスタートアップ支援の具体策整備が不十分であるなど、実体と政策対応のギャップが存在すると言える。
著者
黒野 裕子 鳥飼 裕子 原 一 岡村 正哉 國本 雅也
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.860-864, 2022 (Released:2022-11-26)
参考文献数
14

5年以上経過を追えた抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体陽性で自己免疫性自律神経節障害(autoimmune autonomic ganglionopathy,以下AAGと略記)と診断された3例の経過を報告する.1例目は20代女性で慢性経過の羞明・便秘・無月経を認めたが,血漿交換後,症状は緩解した.感冒を契機に一度再発したが,2度の妊娠による悪化はなかった.2例目は60代男性で急性の起立性低血圧(orthostatic hypotension,以下OHと略記)と精神症状で発症した.再燃を繰り返し治療に難渋したが,経過8年時,特に原因なく状態が安定した.3例目は80代女性で慢性経過のOHで再燃を繰り返した.経過中,OHによる転倒で大腿骨を骨折し歩行困難となった.AAGの長期観察例の報告は少なく,臨床経過を観察する上で貴重と考え報告する.