著者
百崎 英
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
no.10, pp.17-28, 1998-09-30

国・地方における行政の情報化は、1998年には、二つの意味で新たな局面を迎えることになると考えられる。一つは、政府が1997年末に、これまで進めてきた行政情報化推進基本計画を全面的に改訂して新たな五か年計画を閣議決定し、これが本年4月からスタートしており、もう一つは、自治省がこれまで検討してきた住民基本台帳ネットワークシステム構想を実現するため、先の通常国会に住民基本台帳法改正案を提出し継続審議となっているが、これが成立すれば、同構想が本年からスタートすることになるからである。本稿においては、政府の行政情報化のこれまでの進捗状況及び今回改訂された推進基本計画の新たなポイントを6項目取り上げて若干のコメントを付しながら紹介するとともに、住民基本台帳ネットワークシステム構想の概要及び同構想について筆者の考える三つの画期的な意義、即ち、(1)地方公共団体の全国ネットワークの構築、(2)ネットワーク上の本人確認システムの構築-一台帳コード制、(3)広域的な行政サービスの全国展開について述べ、最後に、今後、国・地方を通ずる行政情報化を進めるに当たって解決すべき課題のうち、特にワンストップサービスを実現するための制度上の課題を中心に論ずることとした。
著者
佐々木 政司
出版者
一宮女子短期大学
雑誌
一宮女子短期大学紀要 (ISSN:1349936X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.55-62, 2006-12-21
被引用文献数
1

個人の組織社会化過程において、組織参入前に抱いていた期待と組織の現実の間のギャップから幻滅を感じ、離転職行動に繋がることが多いが、この問題に対し、心理的リアクタンス理論と現実的職務予告の観点からアプローチし、新たにリアクタンスモデルを提出し、その妥当性について検討した。その結果、現実的職務予告による参入前の期待の低減効果が確認されなかったが、幻滅を感じたときに喚起された心理的リアクタンスが離転職傾向を高めることや、上司との垂直的な交換関係の構築によって職務満足度が高まることによりその傾向を緩化することができることが見出され、当該モデルの妥当性が確かめられた。また、リアクタンスによって賃金などの周辺的な要因に対する期待が高まり、離転職傾向を高めることも確認された。現実的職務予告については従来からの期待を低減し幻滅を感じさせないようにするのではなく、幻滅を感じたときにそのショックを緩和するように機能する可能性が示唆された。
著者
宮地 充子 近澤 武 竜田 敏男 大塚 玲 安田 幹 森 健吾 才所 敏明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.176, pp.43-52, 2006-07-14
被引用文献数
9

情報社会の進展に伴い,安全な社会システムの構築が産官学において進められている.情報セキュリティ技術の国際標準化活動は,安全な社会システムの構築にとって重要な役割をもつ.ISO/IEC JTC1/SC27/WG2では,情報セキュリティのアルゴリズム及びプロトコルに関する国際標準化規格の策定を進めている.本報告書は,現在,ISO/IEC JTC1/SC27/WG2で審議事項を解説すると共に,特に今年の5月に行われたマドリッド会議に関して報告する.
著者
児玉 ひろみ
出版者
淑徳大学短期大学部
雑誌
淑徳短期大学研究紀要 (ISSN:02886758)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.85-93, 2004-02-25

ホウレンソウを茹でる際、加熱後の食味に影響する要因として、湯量、湯温、湯の食塩濃度、水さらし等が挙げられる。本研究では食味が異なる夏期と冬期のホウレンソウについて湯量の条件を、3、5、7、9倍に設定し、官能評価によって適切な湯量の検討を試みた。また、調理の簡便性を考慮し、湯の繰り返し使用および冷蔵保存の可否の検討も行った。湯量については、夏期では7倍以上、冬期では3倍以上で評価が高かった。湯の繰り返し使用3回までの範囲では、繰り返し使用による食味への影響はみられなかった。茹でたホウレンソウを冷蔵保存する場合、湯量9倍以上で茹でたものは、保存後のテクスチャーの評価が有意に低くなった。
著者
和泉 眞喜子 高屋 むつ子 長澤 孝志
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.343-349, 2005-08-05
被引用文献数
2

The optimum amount of water suitable for boiling spinach was evaluated by investigating changes in the color and tenderness, and the decrease in oxalic acid and potassium contents by increasing amounts of boiling water. The result of a sensory evaluation showed that the flavor and overall evaluation of the cooked spinach tended to decrease as the amount of boiling water was increased. There was no difference in the color tone, while the tenderness of the cooked spinach increased with increasing amount of boiling water. The oxalic acid content of spinach boiled in 5 times the amount of water decreased to about 61% of the value for raw spinach harvested in the spring, and decreased to 45% of this value in 20 times the amount of boiling water. The change in potassium content was similar to that of the oxalic acid content. Although the content of free oxalic acid differed by 100mg between 5 times and 20 times the amount of boiling water, there was no difference in the sensory evaluation. These results suggest that about 5 times the amount of boiling water is the optimum for boiling spinach.
著者
岡野 奨 光永 靖 坂本 亘 熊井 英水
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.79-82, 2006-03-31

生簀内における養殖クロマグロの遊泳行動を把握するためにバイオテレメトリーにより調査した。巡航遊泳時における尾鰭の振動数は1.8Hzであったのに対し,突進遊泳時における尾鰭の振動数は8.0Hzであった。巡航遊泳時および突進遊泳時における推定遊泳速度は,それぞれ1.1および5.2BL/sであった。クロマグロは尾鰭を振動させずに潜行(glide)し,再び尾鰭を振動させながら水面に向かうglide and swimming遊泳を示した。クロマグロは台風通過時に遊泳水深分布が中層に集中する特異的な遊泳行動を示した。大量の土砂と雨水,底網の吹かれが原因で遊泳水深の分布が中層付近に集中し,死亡したと推測される。
著者
小川 晴也
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.47-54, 2006-11-15
被引用文献数
2

本稿の目的は,筆者が前考において提示したリスク・コミュニケーション改善のための「3つの限界」モデルを援用し,BSE対策見直しの事例を基に,リスク・コミュニケーションの構造をモデル化して提示することである。見直し後のBSE対策(米国・カナダ産牛肉の輸入プログラム)は日米両政府間におけるリスク・コミュニケーションの結果と考えられる。そこで本稿においては,米国・カナダ産牛肉に対する輸入禁止〜解禁〜再禁輸までの経緯を概説し,そこでの議論を本モデルにより分析可能であることを示す。また,本モデルを用いることによりリスクに関する議論を整理できることが可能となることを示す一方,議論が混乱する原因を考察し,リスク・コミュニケーション改善の可能性を考察する。