著者
渡邊 賢治 達可 敏充 畠中 理英 尾上 孝雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.129-134, 2008-07-10

ホームネットワークなどにおける屋内位置推定システムによって,ユーザ位置に連動したサービス提供,トラッキングなど,さまざまなサービスが実現できる.これらのサービスを構築する際,位置推定結果をサービスプログラムと連動させるための間取り情報が必須である.しかしながら,一般に間取り情報は事前に手入力する必要があり,導入コストの面で問題となる.そこで本研究では,ホームネットワーク機器が位置する座標および部屋の番号から自動的に壁位置を推定し,間取り推定を行う手法を検討する.本手法ではドロネー三角形分割を利用することで部屋の隣接関係を導き,ドロネー辺の串刺し直線により間取り推定を行う.実在する家屋の間取りに対して本手法を適用した結果,推定結果が実際の間取りと一致した面積の割合が93.7%となった.
著者
片山 幹基 木村 欣司 高田 雅美 坪井 洋明 岩崎 雅史 中村 佳正
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.389-407, 2008-09-25
被引用文献数
1

本論文では,上2重対角行列の高速特異値分解法1-SVDにおける左特異ベクトル計算部を改善し,直交性の優れた精度のよい左特異ベクトルを高速に求める新たな手法を定式化する.さらに,その有効性を数値実験により評価する.
著者
古山 和男
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.89-100, 2007

日本語律文の「七五調」は、かな文字2音で構成される音節を1拍とする拍節リズムで詠じられる。この1拍を構成する2音は、音楽的な勢いにより時間の長短を生じる。これは「イネガル音符」と同じ現象である。この「イネガル音符」や「カダンス」に関わる、拍節の「ムーヴマン」という古典派以前の音楽概念を援用して考察するなら、「七五調」の「字余り」の意味とそれが許される条件、「四三調結句の忌避」の理由が、「ムーヴマン」の加速の方向を区別して認識することで明快に説明できる。また、この「ムーヴマン」の加速方向という観点で、現代の口語を分析すれば、日本語固有のリズムの原理が明らかになる。2語が連結されると、後の語頭が濁る現象、あるいは「乱れ」と捉えられている言葉の変形も、この原理に従った法則性の高いものである。
著者
海猫沢 めろん
出版者
集英社
雑誌
すばる (ISSN:03876381)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.60-85, 2009-06
著者
中田 育男 山下 義行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.239-245, 1993-02-15
被引用文献数
1

加算や乗算などの演算子を含んだ通常の式の形をしたものの文法は、生成規則だけによる定義より、演算子順位を使った定義のほうが一般には分かりやすく、構文解析の効率もよい。LR構文解析の中で演算子順位を利用した構文解析をする方法はよく知られているが、再帰的下向き構文解析の中での方法は、演算子の順位を示す数値を手続きの引数として渡す方法があるようであるが、あまり報告されていない。本論文では、後者の方法として、再帰的下向き構文解析法における再帰的手続きの呼び出しの引数として、文法のLL(1)性などを調べるのに使われるFollow集合の部分集合を使う方法を提案する。これは、引数として演算子の順位を示す数値を渡す方法より一般的である。また、この部分集合は、再矯的下向き構文解析法でエラー処理のためによく使われる集合に近いものであり、この方法を再帰的下向き構文解析に導入するのは容易である。
著者
神嶌 敏弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング
巻号頁・発行日
vol.108, no.185, 2008-08-15

本講演では推薦システム,特に,その背後にあるアルゴリズムと,設計上の選択肢について述べる.推薦システムとは,利用者が探している情報やもの(アイテム)を予測し,それらを利用者に提示するシステムである.この推薦システムが登場した背後には情報過多(Information Overload)と呼ばれる状況がある.情報過多とは,日々発信・蓄積されている情報があまりにも膨大なため,探しているアイテムがあることが分かっていても,それを探し出せない状況のことである.そこで,利用者の要求に応じて情報を絞り込むことで,この問題に対抗する手段の一つとして推薦システムが開発された.いうまでもなく,利用者の要求は,探しているアイテム,利用者自身,探している状況は多様である.こうした多様な状況に対応すべくいろいろな手法やアイデアが提案されている.これらの利害得失を概観する.
著者
神嶌 敏弘
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.452-457, 2006-10-01
被引用文献数
4

情報過多とは,自身が望む情報があっても,あまりに多くの情報の中に埋もれてしまい,それを見つけることができなくなっている現在の状況のことである。推薦システムは,この情報過多を克服するため,利用者が望む情報を見つけることを補助するものである。本稿ではこの推薦システムの動作原理を中心に述べる。
著者
花野 充道
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.24-31, 2006-12-20
著者
松井 和幸 堀端 章
出版者
近畿大学
雑誌
Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University = 近畿大学生物理工学部紀要 (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.7-12, 2005-09-30

筆者らは、イネに内在するトランスポゾンmPingの転移を利用して挿入突然変異体を作成し、これを用いたイネの遺伝子機能解析を進めている。トランスポゾンディスプレイはmPingの挿入位置に関する多型を網羅的に検出する優れた方法であるが、ゲノム内に散在するmPingのコピー数が著しく多い場合には増幅される断片を減らす必要がある。そこで、本研究では、mPingによるトランスポゾンディスプレイにおいて、アダプタープライマーの3'末端に付加した選択塩基が増幅産物の数を減らす効果を検証した。その結果、1塩基を付加した場合には増幅産物の選択が正常に行われるが、2塩基を付加した場合には擬陽性シグナルが生じるため、正常な選択が行われないことが明らかとなった。