著者
小谷 元子 大西 立顕 内藤 久資 高見 誠一 一木 輝久 古田 幹雄 青柳 岳司 下川 航也 橋本 幸士
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2017-06-30

本領域は、数学と物質・材料科学の連携により、「次世代物質探索のための離散幾何解析学」を創成することを目指すものである。原子・分子のようなミクロ構造やナノ粒子などのメゾ構造(これらを階層的ネットワークと理解)と、物質・材料のマクロな性質つまり物性・機能の関係を幾何学的に記述し解析することで、物質のミクロ・メゾ構造とマクロな物性・機能の関係を解明し(順問題)、求められる物性・機能を持つミクロ・メゾ構造の予見(逆問題)、更に構造を生成する動的構造形成の制御(最適化・制御)を行うことを目指し数理モデルの構築、シミュレーションと理論による検証を踏まえた最適構造の提案とそれに基づく物質合成を計画している。総括班は、このような異分野融合研究を効率よく行うための議論の場の提供、チュートリアル的な勉強会の企画・運営、領域全体に資する国際研究集会の運営、成果発信のためのニュースレターの発行などを行った。また、研究班でカバーできない研究課題を分析し、新手法の提案・提起に柔軟に対応するため公募計画を策定し、領域会議において計画研究、および公募研究の間の情報交換と議論を行った。異なる分野、班の間をつなぐためのインターフェースとなる若手研究者を配置した。彼らは領域内の項目間の融合を促進するための勉強会やワークショップの企画、ニュースレターの作成を行うとともに、彼ら自身も連携研究を行い、論文および国際研究集会等において成果を発表した。公募研究をより有効に連結させ相乗効果を上げるために、チームを超えた連携研究を奨励するための連携研究支援を行い論文として発表することができた。領域代表者は特に本領域研究に関していくつかの重要な国際会議でプレナリー講演やサーベイ講演を行い、領域の確立に向けて情報発信を積極的に行った。
著者
田村 篤史
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 43 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.560-563, 2019 (Released:2020-07-31)
参考文献数
3

Math for Excellenceの教材開発のためには,数学的能力・才能の高い生徒のより多くの抽出,およびその特徴の分析が不可欠である.そのため,(田村,2018)において数学的才能のチェックリスト(質問紙)を開発した.質問紙は,数学オリンピック予選合格者と一般的な高校生のグループから,予選合格者を正判別率93%以上で判別することができるが,マハラノビスの距離による2次の判別分析を用いたため,判別関数が非常に煩雑である(48変数の2次式).任意の集団から予選合格者の予測が容易に行えることが望ましく,本研究では,変数増加法によるロジスティック回帰分析を用いて,任意の集団に適用可能な汎用的でシンプルな回帰式を導出した.
著者
早坂 信哉 中村 好一 梶井 英治
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1070-1075, 2002 (Released:2015-12-07)
参考文献数
31
被引用文献数
2

目的 市区町村社会福祉協議会が提供する高齢者入浴サービスである訪問入浴,施設内入浴について関連する事故の発生頻度をそれぞれ明らかにする。方法 対象:高齢者入浴サービスを実施している全国の市区町村社会福祉協議会(以下社協)444か所が対象であり,そのうち入浴に関連する事故の経験がある社協102か所を調査した。 調査,解析方法:2001年10月に郵送自記式調査を実施した。訪問入浴サービス,施設内入浴サービスの各々について,入浴サービス開始年月,2000年度の入浴延べ件数,および過去 5 年間のうちの入浴サービス実施期間の入浴に関連する事故件数を調査した。これらの項目につき過去 5 年間の入浴延べ件数を推定し,事故経験のある社協における入浴 1 万件あたりの事故件数を計算した。加えて入浴サービスを実施している社協全体における入浴 1 万件あたりの事故件数を計算し,日本全体における年間事故件数を推定した。結果 調査票の回収率は93%(回答数95)だった。5 年間の 1 社協あたりの延べ入浴件数(平均±標準偏差)は訪問入浴が4,245.0±4,637.7件,施設内入浴が22,235.3±37,259.4件で施設内入浴が多かった。事故経験のある社協における 5 年間の事故件数は訪問入浴が0.57±2.95件,施設内入浴が0.63±1.73件でほぼ同じだった。しかし入浴 1 万件あたりの事故件数は,訪問入浴が1.33件,施設内入浴が0.28件で訪問入浴が多かった。入浴サービスを実施している社協全体における入浴 1 万件あたりの事故件数は,訪問入浴が0.204件,施設内入浴が0.067件で訪問入浴が多かった。日本全体における年間事故件数を推定すると訪問入浴が63.1件,施設内入浴が149.1件であった。結論 入浴 1 万件あたりの事故発生率は,訪問入浴が施設内入浴より高く,福祉担当者や家族は注意を喚起する必要がある。
著者
中野 真衣 小川 慶一 古賀 秀徳
出版者
日本官能評価学会
雑誌
日本官能評価学会誌 (ISSN:1342906X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2-2, pp.107-111, 2007-10-15 (Released:2012-12-28)
参考文献数
14

Potatoes, eggplants, and tomatoes, the members of the Solanaceae plant family include glycoalkaloid. Glycoalkaloid is in the family of alkaloids that has a bitter taste. The process of making potato chips decreases the amount of glycoalkaloid by about 90%. Also, glycoalkaloid makes potatoes bitter, so the amount of glycoalkaloid affects the taste of potato chips. In this study, we examine by sensory test the relationship between the amount of glycoalkaloid and the taste of potato chips. We found that the amount of glycoalkaloid affects the bitter taste, but does not affect the density.
著者
八田 陽祐 山中 麻帆 大木 崇裕 南都 慶介 林 英明 平山 琢二
出版者
動物の行動と管理学会
雑誌
動物の行動と管理学会誌 (ISSN:24350397)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.85-93, 2020-09-25 (Released:2020-11-07)
参考文献数
25

展示動物の行動は、来訪者の数や構成などの影響を受けやすいことが報告されている。草食動物であるキリンは警戒心が強いとされる一方で、展示動物の中でも人気が高く来訪者が多く訪れる可能性があり、その点で来訪者の影響をより強く受けると考えられる。本研究では、展示キリンの行動発現と来訪者数の関連性について検討した。平日(月〜金)および休日(土日・祝日)の各3日間、展示キリン3頭(雄1頭、雌2頭:平均3.2歳齢)の行動をカメラで記録後解析し、キリン展示エリアへの来訪者数を目視で計測した。休日における来訪者数と展示キリンの採食行動の発現頻度に負の相関がみられた(P <0.01)。平日、休日のいずれにおいても来訪者数と展示キリンの探査行動の発現頻度に負の相関がみられた(P <0.01、P <0.05)。これらのことから、展示キリンの採食および探査行動は来訪者数と密接に関連することが示唆された。
著者
大喜多 敏一
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気汚染研究 (ISSN:21863687)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.139-149, 1976-12-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
30

A critical review is made of the current methods of measurement of the air pollutants for which air quality standards are promulgated, odorous substances, organic gases, and products of photochemical air pollution.Recent progress is also reviewed on the measurement of metals employing the methods such as neutron and X-ray activation analysis, and the measurement of aerosol employing middle volume air sampler, β-ray absorption, quartz vibrating balance and so on.The analysis of polynuclear hydrocarbon, sulfate and individual particles are also described.The application of spectroscopy on the measurements of air pollutants is also a new field of research. Particularly chemiluminescence detection of 03 and other gases, remote sensing by laser radar and Barringer correlation spectrometer are developing.The preparation of standard materials for the calibration is also an important field of study and the methods of generation of standard gases employing permeation tube, pen-ray tube and of standard aerosol such as spinning disk and condensation generators are are important for the evaluation of newly developed measuring techniques.However, the cross check of various methods has to be done for the achievement of the reliable comparison of the data obtained by different methods and in different countries. The current cross check of sulfite analysis conducted by EPA of U. S. A. and cross-country comparison of metal concentrations in Europe clearly show the importance of such cross check.
著者
江守,一郎
出版者
土質工学会
雑誌
土と基礎
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, 1983-11-25
著者
庄司 博史 Hiroshi Shoji
出版者
大修館書店
雑誌
梶茂樹・中島由美・林徹編
巻号頁・発行日
pp.310-313, 2009-04-20

事典世界のことば141
著者
三村 和男
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.255-264, 1992-08-15 (Released:2017-08-31)

昭和34年9月26日,東海地方に襲来した超大型の伊勢湾台風は,満潮時刻と重なり,過去の経験をはるかに越える高潮と暴風により,愛知,岐阜,三重の3県下に死者約5000人,被災者153万人に達する宋曽有の被害を与えた。とりわけ名古屋市南部では高潮とさらに流木による被害が大きく死者約2000 人,被災者52万人の大災害となる.東レ㈱名古屋工場では,1m浸水し,操業再開におよそ1か月を要する大きな被害を蒙った.その被筈状況と事後の対策について概要を紹介する,