著者
三好 健文
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

プログラム中の様々な粒度の並列性を有効に活用し効率良く実行することを目的とし,(1)静的な細粒度自動並列化,(2)動的最適化のためのタスクスケジューラ実現手法,(3)タスク間の依存制約の静的解析とプロファイル情報に基づく動的解析を組み合わせた共有リソースの有効利用手法,および,(4)実行する演算に対する動的最適化の負荷と効果の評価方法についての研究を行った.また評価環境としてシミュレーション手法の研究を行った.
著者
乾 健太郎
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

商品やサービスなど, 指定されたトピックに関連する個人の経験の記述をWeb文書集合から収集し, 述語項構造に基づく表現形式に構造化するとともに, 事態タイプ(ポジティブ/ネガティブな出来事・状態, 入手・利用等の行為など)や事実性情報(当該事態の時間情報とそれに対する話者態度)といった意味情報を解析する経験マイニングを開発した. 20年度の具体的成果は次の4点である.(1)評価極性知識獲得の大規模実験 : 事態タイプのうち, とくに「遅刻する, 炎症が治まる, 錆が出る」など, 評価極性を持つ出来事に関する知識の獲得に注力し, 大規模なWeb文書コーパスからこれを獲得する実験を行った. その結果, コーパスのサイズを大きくすると, 獲得できる知識の精度, カバレッジともに劇的に向上に, 最終的に1.6億文のコーパスから75以上のカバレッジを85以上の精度で獲得できることが確かめられた.(2)事実性解析モデルの洗練 : 事実性解析については, 2007年度の成果をベースに, 事実性タグ体系の見直しと訓練データの拡張を行った. また, 文中で隣接する事態表現の事実性の間に依存関係があることに着目し, これをFactorial CRFでモデル化することによって解析精度を向上させることができた.(3)公開デモサイト「みんなの経験」の開発 : 以上の成果を利用し, 文書集合から実際に経験情報を抽出し, データペース化するシステムを開発するとともに, これを最近1年半分のプログ記事(約1億5千万記事)に適用し, 約5千万件の経験情報からなる経験データベースを構築した. このデータベースは, 今年度新たに開発した公開デモサイト「みんなの経験」で検索できるようになっている. 同サイトは, プログデータの利用契約の締結に時間を要したが, 2008年12月上旬に無制限一般公開できる運びになっている.(4)民間への技術移転 : 大手Webポータルサイト「@nifty」を運営するニフティ株式会社と連携し, 同社のサービス業務に経験マイニングの技術を導入する準備を進めた.
著者
信田 聡 齋藤 幸恵 STAVROS Avramidis
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

木材中の正確な水分状態を測定する方法としては全乾法による破壊的方法があったが、操作が簡単な非破壊的方法が望まれていた。本研究では近年、コンピュータによる画像処理など性能向上が著しいデジタル軟X 線マイクロスコープを用いた水分分布の非破壊計測法の開発を試みた。水分状態を知りたい時点の木材に軟X 線を照射し透過したX 線量を画像の濃淡として捉え、さらに全乾状態時に得られる同画像の濃淡の差分値をパソコン上で求めて水分分布を知る方法を確立した。またこれを用いて乾燥中の水分分布、異なる環境状態に置かれる建築材料内部の水分状態の把握などを試み、材料内部の水分拡散の解析に応用した。
著者
池上 高志 嶋田 正和
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

ロボットの制作/シミュレーションとハエの自律運動の解析を通じて、人工と自然のシステムにおける自律性の意味を考えるのが、このプロジェクトの目的であり、2009年は、生物システムと工学システムの双方に重要な「ロバストネス」に注目し、LEGO Mindstormを使った実験と、自走する油滴システムを用いた化学実験を行った。1) ロボットに関しては、グリッドに仕切ったアリーナの各点から始めて、目標にたどりつけるかを調べた。その結果、光に頼るのが一番ロバストで、音と光の両方を使うことでむしろロバストネスは減少した。音にノイズを加えたときには、光も信号として使うことで音だけよりもロバストとなった。2) 油滴の実験はサイズ依存性を調べた。油滴はあるサイズ付近で形が変形しはじめ、より前進運動を好む馬蹄形に変形することが観測された。またさらにサイズを増すことで、複雑な振動モードを示すことも分かった。
著者
嶋津 克明 吉永 裕介 中田 耕
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

1.5種類のスズ修飾貴金属電極上における硝酸イオンおよび亜硝酸イオンの還元反応を検討し、活性および窒素選択生成到達度の貴金属依存性を決定した。窒素選択生成到達度は、N-O結合切断、N-NおよびN-H結合生成率をベースとしており、これより高活性かつ高N_2選択率の電極を設計する上で重要な指針が得られた。2.PtおよびPd電極上に、硝酸イオン、亜硝酸イオンおよび一酸化窒素から生成する吸着種の構造とその反応性を赤外分光法により検討した。Pt電極上に硝酸イオンが吸着すること、bridged NOに比べ linear NO の還元速度が速いこと、スズ修飾により吸着NOの還元速度が促進されことなど、硝酸イオンの還元反応機構に関連して新規で重要な情報を得た。3.多結晶金電極上にSn^<2+>イオンおよびPtおよびPd錯体を逐次的に吸着させて、Sn-貴金属二元電極を調製した。貴金属の担持量は錯体の単分子層吸着の状態で決まるため、担持量は0.3gcm^<-2>以下と極端に少ないにも関わらず、硝酸イオンの還元反応に対して高活性であった。したがって、貴金属担持量の低減化のための新規分散法として有用であることを立証できた。4.自己組織化単分子層上にSn/Pd/AuおよびSn/Ptのナノ粒子を積層した。硝酸イオンの還元反応に対して2-3層目までの反応場の拡張が可能であることがわかった。また、シクロデキストリンをテンプレートとして、反応場を微細設計する方法を開発した。原子テンプレートを使い構築したナノ制御界面では酸素分子の還元に向上がみられた。これらの結果は、電極触媒を原子・分子レベルで制御して構築できること、ならびにその重要性を示している。
著者
才脇 直樹 石黒 浩 菅沼 克昭 前野 隆司
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、アンドロイドに繊細な触感をもたせ人間との触感コミュニケーションを実現できるシステムの構築を試みた。研究全体を大きく二分し、1 :先端技術を用いた、触感の生成や分析を行う触感インタフェースシステムの開発・評価、2 :さわり心地のような微妙な表情表現のできるアンドロイドの開発、のそれぞれに取り組み、最後にさわり心地に応じた表情によるコミュニケーションを実現するアンドロイドとしてまとめた。
著者
兼松 康久
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

1,亜硝酸による脳虚血再灌流時、血中一酸化窒素(NO)増加の証明ラットに亜硝酸ナトリウム(NaNO_2)を投与した後、中大脳動脈に塞栓糸を挿入し脳虚血を行った。静脈血を採取し、電子スピン共鳴法にて血中HbNOを測定することにより、血中NO量の指標とした。脳虚血後、NaNO_2投与群は非投与群と比較し有意に血中NO量の増加を認めた。また非虚血群においてNaNO_2投与による血中NO増加は認めなかった。以上より、亜硝酸投与により脳虚血時、NO産生が増加することを証明した。2,脳虚血時における亜硝酸由来のNO産生系の証明増加した血中NOが投与した亜硝酸由来か確認するため、安定同位体の亜硝酸ナトリウム(Na^<15>NO_2)を投与し脳虚血を行った。検出されたHbNOは、投与した安定同位体からなるHb^<15>NOではなく内因性に存在する窒素原子(^<14>N)からなるHb^<14>NOであった。亜硝酸からのNO産生にxanthine oxidaseが関与することが知られている。xanthine oxidase阻害剤であるallopurinolおよびNO合成酵素(NOS)阻害剤であるL-NAMEを前投与し同様の実験を行った。亜硝酸投与によるNO産生増加はallopurinolで変化せず、L-NAMEにて有意に抑制された。よって、亜硝酸投与により増加した血中NOは、外因性に投与した亜硝酸由来でなく、内因性のNOS活性に由来することが示唆された。3,亜硝酸による脳虚血時、血中NO増加のメカニズムの解明亜硝酸投与による血中NO増加が内因性NOS活性に由来するかを検討するため、亜硝酸投与後、虚血脳組織局所でのNOSの発現変化およびリン酸化を調べた。虚血脳組織局所で各種NOS発現およびリン酸化に有意な変化は認めなかった。すなわち亜硝酸投与後の血中NO増加は、虚血脳組織局所でのNOS活性に起因しなかつた。
著者
江頭 誠 清水 康博 兵頭 健生
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では,様々な材料をメソ・マクロポーラス化する手法を確立するとともに,電気化学デバイスへ応用することを試みた。1.メソポーラス(m-)あるいはマクロポーラス(mp-)セラミックスの調製とガスセンサへの応用通常の界面活性剤やトリブロックコポリマーの自己集合体を用いてm-SnO_2粉末を調製するとともに,その調製条件を最適化して結晶子径・細孔径をコントロールすることにより,H_2に高い応答を示すm-SnO_2センサを得た。そのm-SnO_2を既存の大粒径SnO_2粉末へ表面修飾することでH_2検知特性が改善することも明らかにした、また,アルミニウムイソプロポキシドとベヘン酸(メソ孔テンプレート)を利用して高表面積m-Al_2O_3が調製できること,これを用いた吸着式マイクロガスセンサは,現行のものに比べてアルコール応答が大幅に向上することを明らかにした。一方,サブミクロン径のポリメタクリル酸メチル(PMMA)球状微粒子を鋳型として作製したmp-SnO_2センサは,H_2およびNO_xともに高い応答を示すことを明らかにした。また,同様の手法により水晶振動子表面にmp-BaCO_3膜を取り付けNO_2検知特性を評価したところ,極めて高い応答(約30Hz/ppm-NO_2)を示すことを明らかにした。2.乾式法(パルスレーザー析出法・スパッタリング法)による多孔質酸化物膜の作製PMMA球状微粒子を鋳型として利用すると,パルスレーザー析出法やスパッタリング法といった一般的な乾式法によっても,規則性サブミクロン細孔を有するmp-酸化物膜(CeO_2,BaTiO_3,CaCu_3Ti_4O_<12>,La_<1-x>Sr_xCoO_3など)が作製できることを明らかにした。3.mp-白金膜の作製と電極特性スパッタリング法あるいは電析法によりmp-Pt電極を基板上に作製した。得られた電極は,既存の緻密Pt電極に比べて酸素還元活性が良好であることを明らかにした。また,グルコースセンサ用電極としても高い特性を有することを明らかにした。4.色素増感太陽電池に用いる多孔質チタニア電極の細孔構造の最適化PMMA球状微粒子テンプレートを用いて得られたmp-TiO_2膜を一般的なc-TiO_2電極に積層することにより,同じ膜厚のc-TiO_2電極に比べて高い電極特性を示すことを明らかにした。
著者
正岡 建洋
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

一酸化窒素(NO)は生体内でメディエーターとして様々な作用を持つことが知られており,NO供与体であるsodium nitroprusideの投与で,摂食量が増加する報告や,NO合成酵素(NOS)の阻害薬(L-NAM)の投与により,摂食量,体重が減少する報告から,NOは摂食調節に関与していると考えられるが,その機序の詳細は明らかではない。我々はFunctional dyspepsia(FD)の患者で血漿グレリンが高値であることを報告しているが(Aliment. Pham. Ther.24:104,2006)、神経型NO合成酵素(nNOS)ノックアウトマウスでは著明な胃拡張と胃排出能の低下を呈する(Gastroenterology119:766,2000)ことや、FD患者へのNOドナー投与は胃運動低下を改善させる(Gastroenterology 118:714,2000)ことから、NOがFDの病態形成へ関与している可能性が示唆されている。本研究ではnNOSノックアウトマウス(nNOS<^-/->)を用いて、nNOS由来のNOによるグレリン分泌調節機構について検討した。nNOSノックアウトマウスの解析12週齢のnNOSノックアウトマウス(nNOS<^-/->:n=10)と野生型マウス(WT:n=10)を18時間の禁食後,解剖に供した。血漿中及び胃粘膜中のグレリン量はRadioimmunoassay、胃粘膜中プレプログレリンmRNA発現量は定量的RT-PCR、胃粘膜中グレリン陽性細胞数は免疫組織化学、血漿アディポネクチン、血清インスリン及びレプチンはELISA法で検討した。nNOS<^-/->では、WTと比べて摂食量、血漿中の活性型グレリン及び総グレリン、胃粘膜中の活性型グレリン及び総グレリン、胃粘膜中プレプログレリンmRNA発現量、胃粘膜中グレリン陽性細胞数は有意に増加した。血漿アディポネクチンはWTマウスと比べて有意に減少したが、血清インスリン及びレプチンは有意な変化を認めなかった。以上より、nNOS由来のNOが胃粘膜からのグレリンの産生及び分泌を抑制し、摂食調節に寄与する可能性が示唆された。
著者
飯島 克則
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

食道・胃接合部で発生する癌は、欧米を中心に急速に増加しており、食生活の欧米化などに伴い、今後、本邦でもその増加が危惧されている。私は、これまでヒトの食道・胃接合部で限局性に発生する一酸化窒素(NO)が同部の炎症・発がんと関連しているという仮説をたて研究を進めてきた。今回のラットの動物モデルを用いた研究で、NOが食道・胃接合部の粘膜表面に傷害を及ぼすことを明らかにされ、今後、発がんとの関連に関しての検討が期待される。
著者
阿形 清和 中村 輝
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本研究では、全能性・多能性をもつ幹細胞や生殖細胞の制御にRNAがどのように関わっているのかを明らかにすることを目標としている。特に、幹細胞や生殖細胞の細胞質に、なぜ巨大なRNA-タンパク質複合体があるのか、その必然性と生物学的な意味について明らかにすることを目標とした。近年の研究は、それらの巨大RNA-タンパク質複合体が翻訳制御に関与している可能性と、核内のクロマチン構造を制御している可能性の2つを示唆している。共同研究者である中村らは、ショウジョウバエを使って生殖細胞における翻訳制御の重要性を遺伝学的・生化学的に示すことに成功した。一方、プラナリアにおいては、幹細胞で発現しているRNA結合タンパク質について網羅的に調べたところ、細胞質に存在するものと核内に分布するものの両方があり、それらをRNAi法で機能解析したところ、他の遺伝子の発現に影響を与えるものや、幹細胞そのものが消失するものが得られた。これらの結果は、幹細胞の制御にRNAが多岐にわたってダイナミックに関わっていることを示唆しており、今後は生化学的なアプローチを組み入れて解析していくことが必要であることが明らかとなった。
著者
花泉 修 本島 邦行
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

まず、電子ビーム露光やエピタキシャル成長を伴わず、二重干渉露光と高周波スパッタリングのみという非常に簡便なプロセスにより、硫化カドミウム(CdS)系2次元フォトごック結晶を形成した。作製されたフォトニック結晶の面内のパターンは三角格子で、格子間隔は610nmである。膜面に垂直な方向のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルは525nm近傍にピークを持ち、半値前幅(FWHM)が48nmに狭窄化されていることが分かった。非常に簡単な構造で、詳細な設計や調整なしに、目標であったFWHMが50nm程度の狭窄化が実現できた。次に、機能材料から成る3次元フォトニック結晶構造を実現するための第一のステップとして、InP基板上で、横方向を3次元フォトニック結晶で閉じ込められた領域に半導体活性層を選択エピタキシャル成長させるプロセスを開発した。すなわち、InP基板上で、ドライエッチングにより3次元フォトニック結晶に孔を形成し、そこにInGaAs/InGaAlAs系多重量子井戸(MQW)活性層を選択エピタキシャル成長させた。また、主にフォトニック結晶層を横方向に伝搬した自然放出光のスペクトルを測定し、偏波依存性があることを確認した。最後に、自己クローニング法と整合性の良い新しい発光材料の開発を行った。これは、結果が予想されていたものではなく、本研究遂行中に偶然発見されたものである。すなわち、自己クローニング法と同じrfスパッタでアニールなしのプロセスでSiナノクリスタルを形成し、白色や青色の発光を得ることができた。
著者
加藤 寧
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

本研究グループでは、動画特有のトラヒックパターンの利用によって動画が視聴されているか否かを検知する技術を研究してきた。しかし、近年ストリーミング動画にも暗号化が施される場合がほとんどとなり、既存の技術では暗号化へのロバスト性が低く、新たな手法の考案が大きな課題であった。そこで本研究では、暗号化ストリーミングに対応できる新たな視聴検知技術を確立し、その性能と有効性を評価した。
著者
尾関 修治 小栗 成子 淡路 佳昌
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

インターネットの環境を語学教育に活用するために必要なシステム開発と実運用を行った。被験者となる学生の学力データ収集を進めた。また、教育方法の開発について、これまで開発したCMS利用の技術と成果を検討し、教授者と学習者双方の視点からの効果的な学習環境構築を進めた。特に学習者相互がインターネットでコミュニケーションを行いながら英語能力を高めていくために必要なネットワーク環境・ソフトウェアからなる学習支援システムの開発研究を行った。■CMSサイトの運用:教材コンテンツとユーザー管理を行うCMS(Content Management System)であるXOOPSサーバーを運用した。安定性の向上のため、サーバーソフトウェアのバージョンアップを行った。■その他のCMSサイト:Wiki, MovableTypeを活用した教材コンテンツ開発と管理を導入・運用してその成果を測った。■オンライン教材の提供:出版社の許可を得てテキスト教材をベースにWeb自習教材を開発し、専用サイトで運用した。■Web上での添削指導:学生を対象にCGIを利用した英作文添削指導を展開し、データベースと連動した英作文指導・学習システム(WebNotebook)を開発した。■独自のブログサイトを運用し、開発したブログ利用による学習指導方法を実運用した。具体的には,学習者ブログによる英作文成果発表と教授者によるカテゴリー別指導を実施しその成果を測った。■学力データ収集:約1,500名の学生を対象に、統一学力テスト(プレースメントテスト)を行い、集計した。■成果の発表:本プロジェクトの一連のe-learning開発の成果について、FLEAT5(米国ブリガムヤング大)等において発表した。
著者
萩谷 昌己 横山 茂之 陶山 明 浅沼 浩之 藤井 輝夫 ROSE John 村田 智 岩崎 裕 吉信 達夫
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

形態変化するDNA分子の設計方法:萩谷は、連続ヘアピンからなる分子マシンに関して、ヘアピンの配列を変化させたときに、3連続ヘアピンから成る分子マシンの挙動がどのように変化するかを調べた。分子マシンの光制御を目指した光機能性超分子の構築:浅沼は、これまでとは逆に「cis-体で二重鎖形成、trans-体で解離」というスイッチングが可能な光応答性DNAの設計と実現に成功した。ヘアピンとバルジによる並行計算:萩谷は、Whiplash PCRの熱力学的な解析と、状態遷移の効率化(Displacement WPCR)を行った。レトロウィルスによる並行計算:陶山は、二つの正帰還と一つの負帰還反応から構成されたオシレータをRTRACの基本反応を用いて構築した。シミュレーションにより発振可能な条件が存在することを確かめた後、実装を進めた。翻訳系による並行計算:横山は、翻訳システムを利用した「オートマトン」を動物細胞(培養細胞)内でも構築することを目標に、非天然型アミノ酸が細胞に与えられた場合にのみ活性化され、サプレッサーtRNAにアミノ酸を結合するような酵素(アミノアシルtRNA合成酵素)を用いることにより、サプレションを制御する機構を構築した。DNA Walker:萩谷は、DNA Walkerの構築に向けて、温度、pH、光の三種類の入力によって駆動する分子マシンに関する予備実験を行った。特に、これらの三種類の入力の独立性について調べた。マイクロチップのための微量液体制御機構の開発:藤井は、液滴操作に必要な周辺技術等の整備を進め、オンデマンド式で液滴の生成・合一の操作が可能にした。また、本技術を用いてDNAとPNAのハイブリダイゼーション反応と電気泳動による反応産物の分離操作をデバイス上で実現した
著者
鈴木 実佳
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

出版界が進取の気性に富み、印刷物の普及や知識・情報の伝達の迅速化と広範化の進展がみられた18世紀英国に注目し、書物を刊行した作家ばかりでなく、書簡や日記などの記録を残した人々について、「書く」あるいは「読む」ということが果たした役割を考察した。そこにみられるのは個人的感情・感性・感受性・観察・考察と、それを他者と共有しようとする方策であり、個別性や内密性の重視と、情報の伝達による他者との共同体的一体感希求が並行する。
著者
山本 健吉
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は,DMD素子とイメージャを一体で制御することにより,イメージャ本来の撮像スピードを超える高フレームレートのビジョンシステムを開発し,その有効性をアルゴリズムおよびシステムの両面から検証し評価することを目的としており,実際に振動分布イメージング,広ダイナミックレング撮像,多重フレームストラドリングについてシステムを開発し,その有効性を確認した.
著者
半田 直史 小林 一三
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

微生物ゲノムに修復されないDNA二本鎖切断が残されると細胞死を起こす。そのため大腸菌から高等生物まで、DNAの二本鎖切断に対して相同組換え機構などの手段を備えている。大腸菌がゲノムにコードするDNA切断酵素としてI型の制限酵素があるが、この酵素は特定のDNA塩基配列を認識してもそこでDNAを切断しないでDNAをたぐり、別の酵素分子に邂逅した所でDNAを切断する。私たちは、この不思議な現象が正常なDNA複製をモニターし、異常があれば複製フォークを切断して、ゲノム、あるいは細胞の生死をコントロールする事を示唆する実験結果を得た(Nucleic Acids Res印刷中)。II型制限酵素が、その遺伝子を失った細菌のゲノムを切断して殺す「分離後宿主殺し」に関して、その細胞死への抵抗手段として、細菌から高等生物まで広く保存されている相同組換え経路(RecF経路)が重要であることを示した(Microbiology印刷中)。さらに、多くのタンパク質が同時に働くことが遺伝学的な解析から知られていた、この大腸菌のRecF経路による二本鎖DNA切断を修復を試験管内再構成実験で初めて成功した(Genes Dev印刷中)。また、RecBCD酵素によってプロセスされたDNAを引き継ぐRecAタンパク質については、RecAタンパク質と蛍光タンパク質(GFP)との融合タンパク質を精製し、その生化学的特徴を詳細に解析した。実は野生型のRecAタンパク質にGFPを融合させると酵素機能は消失する。そこで私は、これまで研究から活性が向上していることが知られている変異RecAタンパク質にGFPを融合することで、活性を維持したまま蛍光RecAタンパク質を得ることに成功し、これを1分子解析系に導入して、これまでに報告されている野生型RecAタンパク質の挙動と比較することができた(論文投稿中)。
著者
朝倉 富子
出版者
跡見学園女子大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

コメの新規プロテイナーゼ(オリザシン)は、アスパラギンギン酸プロテイナーゼ(AP)の特異的阻害剤であるペプスタチンで阻害され、至適pHが3.0であるAPの一種である。オリザシンについてコメの貯蔵タンパク質に対する作用を調べたところ、グルテリンをよく水解したが、プロラミンには作用しないことがわかった。コメから抽出した粗酵素液は、スキムミルクに対して凝乳活性を有し、良好なゲルを生成した。オリザシンが凝乳酵素キモシンと類似の性質を持つことがわかったが、両者では一次構造に大きな違いがある。AFに共通の活性中心近傍の配列はどちらも保存されていたが、オリザシンにはC-末端領域に巨大なインサーションが存在する。このインサーションの役割を解明するために、インサーションを欠失させたオリザシンを得、酵素活性に及ぼす影響を調べたところ、ヘモグロビンに対するプロテアーゼ活性は失われなかった。インサーションの有無を他の植物で調べた。コメと異なる双子葉であり、食品として広く利用されている大豆に着目しクローニングを行い、二種のAPをコードすると思われるクローンSOYAP7a,SOYAP23dを得た。二つのクローンにはオリザシンと同様インサーションが存在し、インサーションが植物APの特徴の一つであることが示唆された。二種の大豆APは活性中心近傍のアミノ酸配列の相同性は高いが、互いに50%台の相同性を有するのみであった。次にオリザシン1のペプチド抗体を作製し、これを用いて組織抗体染色を行ったところ、オリザシンは主としてアリューロン層に多く存在していたが、胚乳部にも染色が確認されたことから、種子中に広く分布している可能性が示唆された。
著者
中村 晃士
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

精神科通院患者73名、一般就労者は232名から基礎データ(職場内での心理的負荷、職場外での心理的負荷、GHQ-30[精神の健康度]、NEO-FFI[人格傾向]、MPS[完全主義傾向]、自尊感情評価尺度など)を収集することが出来た。休職の背景には、休職者の完全主義傾向、神経症的な性格が大きく影響していること、女性就労者では上司との関係が影響していることが明らかとなった。